全部の下りを1話にまとめるのも出来なくはないけど、それだと文字数多くなりすぎてこれくらいの方が読みやすいかな~とか考えてしまいます
そんなこんながあった放課後―――。
俺達は先輩との約束場所である渡り廊下に足を運んだ。
「お! 2人とも早いねー! うん、感心感心!」
後から来た周防先輩に連れられるまま、俺達はその後ろを付いていく。
「先輩、ちなみに部活の申請は通ったんですか?」
「え、通ってないよ?」
俺が聞くと先輩は当たり前でしょといった空気を出しながら俺の方を向く。
「なんか今さら新しい部活創られても担当する顧問が居ないからダメなんだってー、ならいっその事見つけにくい教室を勝手に部室にしちゃえばいいやって思ったの。この学校空き教室多いし」
前から思ってたけど、先輩も結構な自由人だよなー…。
という感想を抱きながら横を見ると、学郎が視線を下に下げながら歩いているのが目に入った。
「ん? 学郎どうした、大丈夫か?」
「え、あ、え……ええと…」
「……昼間に見たパンツの映像がまだ頭に焼き付いてるとかか?」
「忘れろって言ったぞー」
「痛てっ…」
俺は後ろから臀部を先輩に蹴りつけられた。
その後、先輩は学郎の顔をそっと覗きこみ
「ちょっと不安?」
と聞いた。
「私も、でもだいじょーぶ。1人で不安でも、同じ人が2人いれば安心できるでしょ?」
先輩は学郎に続ける。
その明るい言葉に、俺に向けられたものでは無いにも関わらず少し元気づけられる辺りがこの人の凄いところというか長所なんだろうと改めさせられる。
―――俺に対して少し暴力的なのが玉に瑕だが。
「なーんか言ったかー、篠澤ー?」
「何も言ってません!」
「なら良し! ね、変なところもあるかもだけど、篠澤も居るしさ……変なところもあるけど」
何で2回言ったんですか!?
俺は心の中で先輩にツッコんだ。
……まあ、こういうフランクな接し方をしてくれる辺り、多少は気を許されていると思う事にしよう。
「じゃ、1回あっち見てみよう?」
俺達はまた歩き出した先輩の後ろを付いていく。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
少し歩いた時、先輩が唐突に夜島へ質問した。
「夜島はさ、なんで朝話しかけてくれたの?」
「え?」
突然の事で面食らう夜島。
そんな夜島にお構いなしとばかりに、先輩は言葉を続ける。
「だってさ、幻妖なんて普通の人には見えないんだから別に助けなくても誰も君を責めない。なのになんで態々、
「え、どうして頑張ったって…」
「だって夜島、どう考えても話しかけるの苦手でしょ? お昼の時も、さっきもドキドキしてるっぽかったし、あんまりそっちから話振ってこないし」
少しの間しか接してないはずなのに、先輩は夜島をよく見ていた。
そして夜島は、1度下を向いてから
「……俺、俺を助けてくれた恩人が居て、その人に言われたんです『幻妖に憑かれてる人が居たら助けてあげて』って」
たどたどしく、けどハッキリとそう返した。
「……それだけ?」
「は、はい……でも、先輩の言う通り、まだ話しかけるのは怖気づくことも多くて…」
夜島はまた俯いてしまった。
滅茶苦茶いい事言ってるんだからもっと堂々としてれば良いのに。
という野暮な言葉は俺の胸の中にだけしまっておこう。
「そっか、凄いなぁ夜島は」
「俺が、ですか? いや全然そんな事は…」
「知ってるかもしれないけどさ、今朝私に憑いてたやつ結構面倒な種類だったんだよね。祓う事は簡単なんだけど、倒した後に左腕が暫く凄く痛むの、多分そういう呪いを持ってる奴。だから多分、今左腕痛むでしょ?」
「……そうなのか?」
俺が聞くと夜島は何も言わずに左腕をかばった。
こりゃ図星だな。
「でも君は、倒した後何の文句も言わず慣れた風に平気で居てくれた。誰にでも出来る事じゃない、凄い事なんだよ。だから、それが出来る君は、凄い人……助けてもらった私が言うんだから、自信持ってね」
先輩は夜島の手を握った後、彼にそう言葉をかけた。
「あ、あの」
そんな先輩に夜島が言葉を返そうとしたが、
「あ、ねえねえ2人とも、ここ良くない?」
先輩は言葉を遮って1つの教室のドアを開ける。
その瞬間、教室内にみっちりと詰まってた様子の幻妖が溢れ出す。
「ふっ…!」
それをいの一番に察知した……いや、何とか反応することが出来た俺が幻妖たちを祓った。
「あっぶなー…! 助かったよ篠澤ー…」
「……まあ今の会話俺蚊帳の外みたいなとこありましたし、これくらいはしないと」
「うんうん! 私は良い後輩を2人も持てて恵まれてるなー! さて夜島、篠澤から君の話を聞いてるから―――じゃなく、君が凄い人だから自己紹介してもう1度お願いするね。周防七咲、こっちの篠澤と同じで陰陽師をやってます! 私達と一緒に、オカルト部で幻妖を退治してくれない?」
先輩の力強い言葉。
しかし―――
「はい! 誘ってもらえて嬉しかったし、今も嬉しいです! 創りましょうオカルト部!」
今度は学郎も、しっかり先輩の両目を見て強く答えた。
「うん! よろしく!」
先輩はにこやかな笑顔で夜島と握手を交わしたのだった。
ちなみ次回でバトルもしますが、現状オリ主の戦力としてはそこいらのレベル2なら1人で祓える程度には成長している事になっているので、レベル1は程度によりますが基本1撃で倒せます