「へ~、じゃあ鵺…さんは昔からこの学校を守ってた守り神みたいなモノって事なんですね」
「う~ん、たまたま私が封印された場所に学校が建っただけだから一概には言えないけど、そう言われて悪い気はしない。感謝として次は半分の力でやってあげよう」
「ちょ…ずる…あああぁ…」
何故俺が情けない声を出しているのかというと、あの後駆け付けた陰陽師の復元部隊によって学校と生徒たちは元通りになり俺も俺で上への報告は俺が倒したという事で済んだ。
状況的にあの場には陰陽師として俺しか居なかったし、何より昔レベル2を単独撃破した実績があるとのことで結構あっさり認められた。
……今回の場合は有り難いが、本当にそれでいいのか陰陽寮。
撃破した実績っていってもほとんど記憶無いからね、あの時必死も必死だったからね俺。
そして今、俺はこの場―――鵺さんが封印されている部屋で格ゲーに付き合わされていた。
「ところで鵺さん、1つお聞きしても?」
「ん? 何かな?」
「さっきの話では、鵺さんはこの部屋から出られなかったんですよね?」
「そうだね。今は
「……それにしてはこの部屋、娯楽充実し過ぎでは?」
俺は部屋を見回して言う。
そこにはPCに最新ゲーム、最近の漫画まで多種多様な娯楽が用意されている。
いやでも人生ゲームはおかしいだろ、1人でどうやって人生ゲームやるんだよ。
しかも数多いし。
「ああ、私には昔から仲良くしてくれている友達が居てね。その子が色々と持ってきてくれるんだよ」
「なるほど。確かにそれなら部屋から出られなくても部屋の充実具合に納得」
いやそれでも人生ゲームはおかしいって2人でも少ないって人数が、普通こういうのもっと大人数でやるもんだからね。
「それにしても、君も災難な人生を送っているんだね」
「え?」
「さっき話してくれたじゃないか。孤児院に送られるまでの
「ああその事ですか。別に災難とも思ってないですよ、もとより親の顔も覚えてない事ですし」
そう。
俺は親の顔を知らない。
生まれてすぐの俺を篝弥市に住む祖父母に引き渡してどこかへ消えたと、少し成長した頃に聞かされたし、その後どこぞで亡くなったという話を聞かされたのもそれほど差が無かったはずだ。
そして、親代わりに俺を育ててくれた祖父母も亡くなり、遺言として遺ってたのがあの孤児院を頼る事。
何でも昔から2人が寄付やらなんやらで世話を焼いていた場所らしく、困った時には助けてくれるとの約束をしていたようだ。
「それで、そのご両親が亡くなった理由は知ってるのかい?」
「さあ……ただ亡くなった場所はこの篝弥市らしいんで、もしかしたら幻妖絡みかもしれないかなとは思ってます。ま、顔も知らない両親の死を追求する気は無いですけど……隙あり」
「残念だが私に隙という言葉は無い」
話に夢中になっていると思い、画面の格ゲーで攻めに転じた俺だったが、それはもう見事なカウンターで負けた。
「だはーっ、もうやってらんねえ…!」
「ふふん、たったの10回でこの私に土を付けられると思ったら大間違いだよ。けど筋は良い、プロゲーマーとか目指してみたらどうかな?」
「う…ううん」
俺たちがそんな雑談を繰り広げていると、鵺さんの横で眠っていた
「やあ起きたようだね。初戦闘ご苦労様、カッコ良かったぜ」
「よ、さっきは加勢してくれてありがとな。助かった」
「え、ええと…」
「あ、自己紹介かな? 俺は篠澤仁。お前は夜島学郎、だよな?」
「なんで、俺の名前を…?」
「鵺さんに聞いた」
素っ頓狂な顔で俺を見つめる学郎にそう話すと、鵺さんも笑顔で手を振っていた。
そしてこの後しばらく、学郎が鵺さんから大まかな説明を受けながら、俺たちは再び格ゲーでボコボコにされるのであった。
―――何か忘れてるような気がしなくもないが、気のせいだろう。