大往生したが、記録者と共に異世界で第二の生を歩みます 作:レイギス
ピ…ピ…ピ……
…あぁ、もう死んでしまうのか…まだまだ、私の目的は、達成出来ていないというのに……次があるというのなら…長い時間を生き抜ける存在になりたいものだなぁ…
《確認しました、種族を長命種へ変更…成功しました》
…ん?これは…なるほど、とうとう迎えが来たのか?それとも私が見ている泡沫の夢か?…まぁ、どうでもよいか……仮に私の夢だと言うのなら、好きに願っても良いだろう…長い時間を生き抜くとは言ったが、それで記憶が擦り切れては元も子もない、そんなものはごめんだ…それに長命種と言うが、私は星の終焉を見届けた後、別の星でも生き抜ける程の存在となりたい…可能か
《確認しました、エクストラスキル「完全記憶」を獲得…成功しました、続いて新規種族を作成…成功しました、これにより、ユニークスキル「適応者」エクストラスキル「超速再生」スキル「状態異常無効」「精神攻撃耐性」を獲得…成功しました》
…夢とはいえ、中々良い気分になれるものだな、だが、いきなり何も持たずに放り出されるのは私としては勘弁願いたい、何より宇宙空間でも耐えうる武器や防具に、服も必要だからな、それを作れる力と、それをどこでもすぐに取り出せる力と倒した存在の全てを手にする力が欲しい…可能か
《確認しました、ユニークスキル「創造者」「作成者」「収集者」「侵食者」を獲得…成功しました》
…意識が遠のいていく…夢の時間は終わりということか…だが、最期に願うことがある……我が悲願…『あらゆる音の回収、及び、私の奏でる音が、次元を越え様々な世界へと響かせる力』…そして『孫と共に攻略したかのゲームで見た
《確認しました、ユニークスキル「音奏者」「記録者」を獲得…成功しました》
…あぁ、誠に、良い夢を見れた【戦争】を生き抜き、今の時代まで記憶が擦れることなく、妻に、子に、孫にも恵まれた…既に目は見えず、肌の感覚も残っていないが、そこにいるのだろうな…本当に…良い夢を見れたものだ……
『い……おい!……きろ!いい加減起きろ!!』
「…ん?こ…こは?」
『漸く起きたか、こんな形で僕を呼んだお前には聞きたいことが山ほどあるんだ、さっさと吐いてもらうぞ。』
忌々しげに私に対して言うその声は、私にとっては有り得ないことだった…その声は、かつて孫と共に攻略したかのゲームにいたとある
「…この声は、まさか貴方は、稗田阿求なのか?」
『ああそうだ、どうやってか知らないが、僕は今、お前のスキルとやらに押し込められているんだよ…そのせいで、お前が目を覚まさないと記録もろくに出来なかったからな…さぁ、知っていることを全て吐け、そして僕をこの世界に呼んだ理由もな。』
そうして私は、この見知らぬ洞窟で目覚める前のことを稗田阿求…もとい、レコーダー(真名をほいほい呼ぶなと言われた為)に説明していった、最初は彼も信じられなかったようだが、今の自分の状況的に、それ以外に有り得ないと納得はしてくれた、但し
『僕のことを知っているなら分かるだろうが、僕の記録の邪魔はするな、本当ならこの未知の世界の事象の全てを早く記録したいんだからな。』
「私もですよ、レコーダー私はこの世界の音を回収したい今度こそ、前世で成し遂げられなかったことを成し遂げたいので…なので、私は、貴方のアシスタントも兼ねて、この世界を貴方と歩みたいと思っています、不便な召喚をしてしまったことの貴方への対価として。」
『……ふん、そう言うのなら僕のアシスタントらしく、精々手足となるんだな、それと、慣れない敬語はもう辞めろ、一応は僕もお前のことはマスターとして認めているんだからな。』
そう言ってレコーダーも期限をなおしてくれたので、早速、この洞窟のことを調べようとしたのだが…違和感に気づいた…否、気づいてしまった……本来、男である私にはない感触が…胸にあったのだ…それに気づいた私は、慌てて下も確認したが…無くなっており、オマケと言わんばかりに、頭を抱えようとしたときに自らの頭に生えている耳や尻尾にも気づき、近くにあった湖で顔を確認したとき、様々な感情を綯い交ぜにしながら叫んでしまった。
「な……何故…私は星見雅になっているんだァァァァァァ!!」
『ん?お前は自分を男だと思い込んでいる異常者かと思ったが違ったのか。』
「そんな訳ないだろう!?私が説明したときに納得していた筈だろうが!そもそも何故指摘してくれなかったんだ!」
『ふん、気づかなかったお前が悪い、何より、僕と話している間に気づけたときはあった、それに、わざわざ僕が指摘してやる筋合いはない、それとさっさと服を作ったらどうだ?仮にも僕のアシスタントが変態なんてごめんだぞ。』
「………」
レコーダーからの言葉で漸く今の私は全裸だと気づき、襲いくる様々な感情に体を震わせながら耐え、今の私のスキルを試すことも兼ねて、生前私が好んで着ていた服と愛刀『心月』を作り、着替えた……別にレコーダーに言い負かされて不貞腐れたのではない…レコーダーの笑い声が聞こえるがないったらない!
『さて、これでやっと僕も記録に入ることが出来る、くく、それとさっきのことも記録の端にでも留めてやる。』
…笑いを堪えながらレコーダーが何か言っているが、そんなことはしなくていい、というかわかってやっているだろうに…(声に出さずともレコーダーとは話すことが出来るとスキルを試している間に気づいた為、その際、漸く気づいたのか?と笑いを堪えながらレコーダーに言われた)そうして私も、「創造者」以外のスキルを試すため、他のスキルを使ったときと同時にレコーダーが言ってきた
『…何だ、このとてつもない力は…
…ああ、今まで殺られなかったのが奇跡と思いたくなるな…洞窟最奥から感じる、この圧倒的な気配…逃げようにも既に気づかれているだろうな、これは…レコーダー、一つ賭けをしたいんだが、構わないか?
『…仕方ない、僕もそれに乗ってやる…まだ死にたくはないからな…』
…感謝する、そして、私は気配が強く出ている洞窟の最奥へと向かい…出会った
【聞こえるか、小さき者よ。】
「ああ、聞こえているよ、貴方の名を聞きたいのだが、構わないか?」
【良かろう、心して聞くがいい!我が名は暴風竜ヴェルドラ!!この世に四体のみ存在する!竜種が一体である!!!クァーーーハッハッハッハ!!!】
目の前で呵々大笑をしている、強大な気配の正体に。