願いの物語シリーズ【ヒナちゃんねる3】   作:とーふ@毎日なんか書いてる

7 / 7
第7話『今日のヒナちゃんねるはー!? 心霊特集だ! だだだだだ!』

基本的にヒナちゃんねるは陽菜ちゃんの意向で配信内容を決める為、どの様な内容を流すかは陽菜ちゃんの采配による。

 

しかし、それでも世間的なニーズからよく呼ばれるゲストというのは居るのだ。

 

例えば、事故によって露見した、スタッフとして参加していたひかりちゃんとか。

 

初出演の時から仲の良い山瀬佳織が良い例である。

 

『今日のヒナちゃんねるはー!? 心霊特集だ! だだだだだ!』

 

『ガンバリマス』

 

『ガ、ガンバリマス』

 

『うんうん。佳織ちゃんもひかりちゃんもやる気十分だね』

 

【ホンマか?】

 

【どう見ても、この世の終わりみたいな顔してるが】

 

【心霊関係は怖がっている人が居ないと成り立たないからね。仕方ないね】

 

【おかしい先月のキリっとしたひかりちゃんが消えてしまった】

 

【こっちが平常運転だぞ】

 

『まぁ、でも今回は二人とも本当に怖いの苦手だし。心霊写真とかにしようかなって思ってたの』

 

『陽菜ちゃん……!』

 

『アリガトゴザイマス! アリガトゴザイマス!』

 

『でも、すっごい怖がってくれそうだから、わざわざバスに乗って、少し離れた心霊スポットに向かいますね? 場所は都内で最も危険と言われる場所です。よろしくどうぞー』

 

『……?』

 

『ファ?』

 

【現実が理解出来なくて、固まってるやん】

 

【あ、ここまでは録画なのね】

 

【まぁ流石に移動時間も生配信はちょっとね】

 

『はい! という訳でやってきました! 都内最強の心霊スポット! 名前は言えませんが、例のあのトンネルです!』

 

【あー。背景で全て理解したわ】

 

【ここが最強って言われると微妙だろ。某城址とか某霊園とか某廃病院とか色々あるだろ】

 

【どこだろうと、ひかりちゃんも佳織ちゃんも限界だから関係ないゾ】

 

【それは、そう】

 

【もう二人とも手を繋ぎ合って一緒に震えてるの面白いな】

 

【これは百合ですか?】

 

【いいえ。運命共同体です】

 

【戦友かもしれん】

 

『ヒャッ』

 

『な、なんですか?』

 

『ナニカ、カゼガ』

 

『ひえ』

 

【会話もカタコトやが】

 

【もう帰宅やろ、こんなん】

 

『ダイジョーブ! こんな事もあろうかとプロの方をお呼びしております! プロのかたー!』

 

『ほいほい! 呼ばれて飛び出てジャイアントコウモリ!』

 

『ただの黒いコートやないか!!』

 

『ワハハ。バレてもうたか! 今度から吸血鬼って事にするわ!』

 

『え? なに? そのネタやる為だけに、黒いコート着てきたん? まだ暑いのに?』

 

『そう。笑いを取る為には体だって張る。これは基本やで』

 

『おぉ、まさにプロ。呼んだかいがあったなぁ』

 

『任せてくださいー! 自分これで食べてますさかい』

 

『じゃあ今日は期待させて貰うでー』

 

『よろしくおねがいします!!!!』

 

『声デッカ! こんなんじゃ幽霊もみんな逃げてまうで』

 

『その方が僕の仕事が少なくてえぇな!』

 

『もー、しっかりしなさい!』

 

『ワハハー。ありがとうございましたー!』

 

【え?】

 

【ごめん。え?】

 

【なにも理解出来なかった】

 

【まぁプロを呼んだとは言ったけど、別に心霊のプロを呼んだとは言ってないからな】

 

【なんでやねん!】

 

【方言喋ってる陽菜ちゃん可愛い】

 

【西じゃこれが普通だから】

 

【陽菜ちゃんこれで西でも活動出来るな】

 

『いやー! 感激や! まさかあのヒナちゃんねるに出演出来るなんて!』

 

『そんなに嬉しいなら頑張ってね?』

 

『お任せや! あー。それと、ひかりちゃんに佳織ちゃんも、そんなに心配しなくても僕に任せてくれれば大丈夫やで!』

 

『ほ、本当ですか?』

 

『あぁ。僕はほんまもんの退魔師やさかいね。可愛い女の子はしっかり守るで! 男のスタッフはすまん!』

 

【すまん! じゃないが】

 

【なんかイマイチ信用しきれないプロだな】

 

【そもそも退魔師云々を抜きにしても、西の方言、糸目、ニヤニヤと薄ら笑いを浮かべている一人称僕だぞ。何か知らんが胡散臭い】

 

【最終回目前で裏切りそう】

 

【いや、意外とこう裏切りそうで裏切らないタイプかと思わせて裏切るかもしれない】

 

【結局裏切ってて笑う】

 

『じゃあ行こうか。とりあえずトンネルの向こう側まで行って、帰ってくる感じで』

 

『ヒャイ!』

 

『お、お願いします。えっと、退魔師のお兄さん?』

 

『あぁ、僕の事はシュウちゃんって呼んで欲しいな』

 

『分かりましたシュウちゃんさん!』

 

『ワハハ。佳織ちゃんにシュウちゃん呼びして貰えたで。役得やなぁ』

 

【しかし煩いなコイツ】

 

【完全に心霊スポットに来ている雰囲気じゃなくなったな】

 

【まぁ二人が怖がらないのなら良いんじゃね?】

 

【ん?】

 

【どした?】

 

【何立ち止まってんだ?】

 

『え、えと、わた、私に何か、ありますか?』

 

『ひかりちゃん……背中に!! いや、何でもないで』

 

『え? え? なに!? 背中に何が!? 何があるんですか!?』

 

『ほな行こか。陽菜ちゃん』

 

『そうだねー。行こうかー』

 

『あの! あの!?』

 

『ひかりさん。こっちに背中向けて下さい。わ、私、はたきます!』

 

『佳織さん……! お願いしますぅ』

 

『てい! てい!』

 

『ワハハ!』

 

『アハハハ!!』

 

【恐怖に怯えてる二人見てゲラゲラ笑ってるんだけど】

 

【とんでもねぇプロが居たもんだな】

 

【陽菜ちゃんもなぁ。最近結構可愛い所が目立ってたが、こうしてみるとやはりクソガキのまま何も変わってないという】

 

【まぁある意味で安心出来るから】

 

【何の心配してるんだよ】

 

【ガチ恋勢はいつだって男の気配に敏感だぞ】

 

【陽菜ちゃんのガチ恋勢……存在したのか】

 

【アイドルなのに、この言われようである】

 

【普段の姿を見てれば当然だろ】

 

『ほら。二人ともいつまでも遊んでないで。行くよー!』

 

『ふぁい!』

 

『わ、分かりました……』

 

それから、四人は前に歩く二人と後ろで怯えながら歩く二人という全く空気感の違うメンバーでトンネルを奥へ奥へと進み続けた。

 

しかし、心霊スポットという割には何も起こらず、静かなものだった。

 

【まぁ、心霊スポットって言ってもこんなもんか】

 

【結構な人数居るしな】

 

【やっぱり心霊スポットに行って幽霊に会うのなら少人数で行かないと駄目なんだろうな】

 

【じゃあ次回は佳織ちゃんとひかりちゃんの二人で廃病院に行けば良いのでは?】

 

【とんだ鬼畜野郎が今コメントに居たけど】

 

【ん?】

 

【なんか音しない?】

 

【音?】

 

【なんかこうカツーンカツーンって、コンクリに固い物を打ち付ける様な音】

 

【仕込みだろ?】

 

【さぁ? あ、佳織ちゃんが気づいたな】

 

【キョロキョロしてる佳織ちゃんかわE】

 

『ど、どうかしましたか?』

 

『いえ、何か音がっ……!?』

 

『どうしたの佳織ちゃん? って、何、あれ?』

 

『なんやろなぁ。分からん。だが、このままここに居たら危ないかもしれんなぁ』

 

『え?』

 

『に、逃げないと』

 

『急いで! ひかりちゃん!!』

 

『ひかりちゃん!! ボーっとしてないで! 逃げるよ!』

 

『え? あ、はい』

 

【うおぉおお。なんだ、マジか。マジものか!?】

 

【なんかよく見えんが、トンネルの向こうに人影っぽいのが見えたぞ!】

 

【逃げろ逃げろ!】

 

【ひかりちゃんビビり過ぎて、逃げられてないやん!】

 

【どうなるんだ!】

 

【あ、切れた】

 

【え? これで配信終わり?】

 

【いや、どういうこっちゃ】

 

【続きはー?】

 

【何がどうなったんだ!?】

 

【もしもしもしもしー!?】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。