分身ハメ殺し忍者『うちはイタチ』   作:やめろイタチ、その技は俺に効く

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あれは兵糧錠剤を飲んでいる目だ。明らかに覇気が違う。めっちゃ元気だ。深夜なのに背筋が伸び、頬の血色もよく、書類仕事を片づけた後にシーシャという名の煙管を決めていたな?

 

 

 

 

 

 破壊された神無毘橋から少し離れた岩場地帯、その地下には、地上からは想像もできぬ広大な空間が広がっていた。

 

 湿った岩肌に囲まれた暗闇の底で、巨大な歪な像が沈黙している。人の形を思わせながら、人ではない。樹木のようであり、獣の骨のようでもあり、神仏を模したものの成れの果てのようでもあった。その像からは、植物とも肉ともつかぬものが幾筋も伸び、地下の空間を侵食するように絡み合っている。根は岩を割り、蔓は柱のように垂れ、ところどころで白い人型のものを孕むように膨らんでいた。

 

 その下に、玉座のようなものがあった。

 

 椅子というには古く、祭壇というには生々しい。そこに座る男の背へ、植物から伸びた蔓が癒着していた。背骨へ、肩へ、首筋へ、命を繋ぐ鎖のように深く食い込んでいる。男の身体は痩せ、老い、皮膚には年月の皺が刻まれていたが、その身に宿る圧だけは衰えていなかった。地下の暗闇に、男の呼吸だけが低く残っている。

 

 男の目が開かれた。

 

 三つ巴の写輪眼。

 

 暗い地下の中で、その赤は薄らと光っていた。瞳が動く。虚空を見るのではない。地上で起きた異変を、白い存在達を通して感じ取っていた。爆発。焼け焦げた白い肉。崩れた木遁の壁。螺旋の面を通して見えた、小さな仮面の少年。そして、その少年が自らを燃やすようにして放った術。

 

「奴は何者だ?」

 

 男の声は枯れていた。

 

 だが、その響きには、老人の弱さではなく、長く世界を睨み続けた者だけが持つ重さがあった。

 

「うちはイタチ、木ノ葉警務部隊隊長うちはフガクの子息で、天才って呼ばれてる」

 

 座る男の側に、白い人間が地面から滲むように現れた。

 

 ゼツである。人の形をしているが、人ではない。白い肌に、空洞のような声。地下に生えた植物と同じ質感をどこかに残しながら、ゼツは男の前へ立った。

 

「うちはイタチ……うちは一族のガキが何故あんな場所にいた」

 

 男は低く呟いた。

 

 うちはの名に対する反応は、驚きではなかった。むしろ、計算の中に混じった異物を見つけた時の冷たさに近い。うちはの血を引く者が才を示すことなど珍しくない。写輪眼を開き、戦場で敵を斬る子供もいる。だが、問題はそこではなかった。あの場は、オビトを絶望へ落とすために整えられた盤面である。霧隠れの忍、リン、カカシ、そして見せるべき光景。そこへ、本来存在しない駒が入り込んだ。

 

「分からない。木ノ葉の里から離れた場所を見て回ってたみたいだよ。戦場跡とか、古い遺跡とか。すごく変だね。四歳なのに」

 

「四歳……」

 

 男の写輪眼が細められた。

 

 四歳。まだ忍者学校へ通う前の年齢。普通ならば、里の中で親の庇護を受け、玩具と訓練の境目を曖昧にしながら過ごす歳である。それが霧隠れとの境に近い森に現れ、暗部相手に戦い、分身で翻弄し、そして最後にはあの爆発を起こした。しかも、報告が正しければ、うちはイタチの身体は跡形もなく消えている。

 

「死体は?」

 

「ない。爆発の中心にいたけど、焼けた肉も骨も残ってない。白い仮面も砕けて消えた。多分、本体じゃないね。影分身……かな?」

 

 ゼツは首を傾げるように言った。

 

 男はしばらく黙った。

 

 影分身。実体を持ち、記憶を本体へ返す術。木ノ葉において特別珍しい術ではないが、扱いを誤れば消耗も激しい。子供が遠方へ飛ばし、戦闘を行い、さらに自壊を前提とした術式を組むなど、常識の範疇ではなかった。

 

「あの爆発はなんだ」

 

「よく分からない。火遁じゃない。起爆札でもない。身体の中から全部燃やして弾けた感じ。グルグルの木遁の壁も壊された。周りにいた白いのはほとんど焼けたよ」

 

「……分身を爆弾にしたか」

 

 男の声に、わずかな思索が混じった。

 

 己の身体ではなく、仮初めの身体に死を押し込める。影分身の消滅を利用した術は、考え方としては単純である。だが、その単純さを実用へ引き上げるには、異常な制御と、躊躇なく自らを捨てる発想がいる。四歳の子供の術ではない。少なくとも、ただの天才という言葉で片づけるには歪だった。

 

「オビトは?」

 

「生きてる。でもかなり壊れた。グルグルも損傷してる。リンって子が医療忍術で必死に止血してるよ。カカシもいる。写輪眼が変な形になってた」

 

 男の瞳がわずかに動いた。

 

「万華鏡か」

 

「多分ね」

 

 ゼツの返答に、男は深く息を吐いた。

 

 計画は完全に壊れたわけではない。オビトは生き、カカシの目は開いた。だが、見せるはずだった絶望は形を変えた。リンの死ではなく、得体の知れぬうちはの幼子による介入と、分身の自爆が場を裂いた。オビトの心は揺れるだろう。怒りも、疑問も、混乱も残る。だが、予定された闇とは違う色が混じった。

 

「うちはイタチ……」

 

 男はその名を、地下の闇へ落とすように繰り返した。

 

 フガクの子。四歳。分身を操り、死地へ送り込み、味方を逃がすために最悪の術を使う。もし本体がその記憶を受け取ったならば、あの子供は今、こちらの存在に近いものを知ったことになる。ゼツ。グルグル。オビト。木遁。そして、予定されていたはずの出来事の歪み。

 

「監視を増やせ」

 

「殺す?」

 

「まだ早い」

 

 男の声は冷たかった。

 

「奴が何を知っているのかを見る。才あるうちはの子供など、利用のしようはいくらでもある。だが、盤面を乱す駒は、放置すれば毒にもなる」

 

 ゼツはにたりと笑った。

 

「分かった。うちはイタチを見ておくよ」

 

 暗い地下で、男の三つ巴が薄く光った。

 

 うちはマダラを名乗るその老人は、静かに目を細める。地上では雨が降り、爆発の跡が冷え、少年達がまだ息をしている。だが地下では、別の闇がすでに動き始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おっす!俺うちはイタチ!もうすぐ五歳!

 

 ……などと脳内で明るく名乗ってみたものの、現実の俺は自室の畳の上で片手をつき、普通に唖然としていた。寝る前に兵糧錠剤を飲んで、さあ布団に入ろうと思った瞬間、影分身一号のフィードバックが頭の中へ雪崩れ込んできたのだ。戦場跡、古い遺跡、湿った森、霧隠れの暗部、カカシ、リン、オビト、ゼツ、グルグル、そして分身大爆破。情報量が多すぎる。前世で連休明けに未読メールが山ほど溜まっていた時より酷い。しかも今回はメールじゃなくて、生々しい記憶そのものが脳へ突っ込まれてくる。

 

 影分身のフィードバックって、めちゃくちゃリアルだ。

 

 記憶が戻る、なんて軽い言葉で済むものじゃなかった。見てきたもの、聞いたもの、感じたもの、兵糧錠剤を服用した時に腹の奥から熱が走る感覚まで蘇る。雨に濡れた仮面の重さ、木の枝を蹴った足裏の湿り、霧隠れの忍の殺気、クナイを握る指の力み、分身を射出する時のチャクラの流れ。全部が俺のものとして戻ってくる。俺は自室にいたはずなのに、脳だけが雨の森から帰ってきたみたいだった。

 

 痛みそのものが戻るわけじゃない。

 

 そこは救いだ。爆発で焼けた痛みがそのまま本体へ来ていたら、俺は今頃叫んで転げ回っていた。だが、心臓に赤熱した親指を突き入れた感覚とか、身体の内側から熱が広がっていく感覚とか、死門へ向けてチャクラが無理やり流れていく感覚は記憶として残っている。影分身が感じた疲労感も感じた。実際に俺の身体が疲労したわけじゃないのに、「疲労した」という記憶だけがある。身体は疲れていない。なのに精神だけがごっそり削られている。これ、普通に最悪だ。

 

 影分身をやたら使っちゃいけない理由が、よく分かった気がする。

 

 経験値倍増は確かにお得だ。作業も早い。兵糧錠剤の改良なんか、影分身がいなければ絶対に間に合わなかった。だが、その便利さの裏で、記憶と疲労が一気に戻る。戦闘の記憶なんて、特に重い。まして自爆の記憶だ。多重影分身なんてもってのほかである。

 

 ナルトってやっぱおかしいわ、アイツ。

 

 何百人って一気に出して修行したり、戦ったりしてるんだろ?何百人分の記憶と疲労が一斉に戻るんだろ?ヤバいだろアイツ。うずまき一族の生命力と九尾チャクラがあるにしても、精神の耐久がバグっている。サスケが言ってたウスラトンカチは真理だった?いや、馬鹿に見えて実は超人的だったのかもしれない。どっちにしろ、俺が真似したら発動した瞬間に脳が終わる。

 

 まぁいいか……いや、よくはない。

 

 とにかく大変なことが起きている。

 

 影分身一号の記憶は、分身大爆破が発動して爆発した瞬間で途切れている。つまり、その後どうなったか分からない。カカシとリンは逃げる動きをしていた。だが本当に逃げ切れたのかは分からない。オビトは真正面にいた。グルグルだかトビだかに身体を使われて、木遁で防ごうとしていた。生きているか分からない。まあ、アイツ柱間細胞っぽいもの埋め込まれてたし、何となく大丈夫な気はするけどな!いや、大丈夫であってくれ。頼む。

 

 それに、ゼツだ。

 

 あの白い怪人共。多分、原作で見た覚えがある。暁の外套は着ていなかったが、質感は完全にそれだった。トビ。ゼツ。オビト。リン。カカシ。頭の中で単語だけがぐるぐる回る。肝心な流れはまだ霧の向こうだが、これがただの偶然ではないことだけは分かる。放置していいわけがない。

 

 絶対に怒られるだろうけど、誰かに報告しないといけない。

 

 三代目との約束は破った。影分身を無断で使ったし、里の外へ出したし、危険な術まで使った。分身大爆破なんて聞かれたら、絶対に長い説教が来る。父ちゃんにバレたら無言の圧で潰される。母ちゃんに知られたら心配で泣かれるかもしれない。それでも、今は黙っている方がまずい。今もあそこにカカシとリンがいるかもしれない。オビトが生きているかも分からない。ゼツがまだ残っている可能性もある。

 

「ふぅ……」

 

 俺は小さく息を吐き、十字の印を結んだ。

 

「影分身の術」

 

 ボンッと白煙が上がり、俺の分身が自室に現れる。

 

 出てきた影分身は、俺の顔を見てすぐに状況を察したようだった。まあ俺だからな。こいつも戻ってきた記憶を共有している。説明の手間が省けるのは助かる。

 

「よう」

 

 分身が軽く手を上げた。

 

「お前はここで寝ていろ。俺は少し外へ出る」

 

「あいよ」

 

 返事が軽い。羨ましい。俺もそのくらい軽く喋りたいが、本体の口から出る言葉は勝手に静かになる。まあ、今はその外面が役に立つ。火影邸へ行って、動揺丸出しで喋るわけにはいかない。

 

 影分身を布団へ入れ、自分が寝ているように見せる。母ちゃんが様子を見に来ても、ひとまず誤魔化せるはずだ。長時間は無理だろうが、火影邸へ行って戻るまでの時間を稼げればいい。

 

 俺は音を立てないよう障子を開けた。

 

 夜の空気は冷たく、うちはの家並みは静まり返っている。月明かりが庭の石を白く照らしていた。俺は足裏へ薄くチャクラを流し、気配を殺す。胸の奥には、まだ分身大爆破の熱が記憶として残っている。

 

 目指すは火影邸だ。

 

 でもさ……やっぱ俺って、こういう残業から逃れられない運命なんだな。

 

 寝ようと思ったら叩き起こされて、頭の中に影分身一号の壮絶な自爆記憶を流し込まれて、そのまま上への報告に走らなきゃならない。前世でも似たようなことがあった。帰ろうと思ったら障害発生。寝ようと思ったら緊急連絡。明日でいいだろと思ったら「今すぐ確認できる?」と来るやつ。まさか転生して四歳児になってまで深夜残業をするとは思わなかった。忍界ブラックすぎる。いや、今回は俺が無断で影分身を飛ばしたせいだから、完全に自業自得なんだけどな!

 

 夜の木ノ葉は静かだった。

 

 昼間なら大通りには八百屋や肉屋、団子屋や武器屋の声が飛び交っている。走る子供もいれば、任務帰りの忍もいて、一楽の湯気も見える。だが今は違う。家々の灯りは落ち、通りに人影は少ない。居酒屋や焼肉屋だけはまだ明かりを残し、障子の向こうから笑い声や酒の匂いが漏れている。ああいう場所を見ると、前世の仕事帰りを思い出す。終電前に一杯だけ飲んで帰るサラリーマン達。懐かしい。今の俺は未成年どころか四歳なので、焼肉屋どころか夜道を歩いているだけでアウトだ。

 

 足裏に薄くチャクラを流し、俺は屋根の影と塀の際を縫って進んだ。

 

 堂々と歩くより、こういう時は見つからない方がいい。……と思っていたが、火影邸へ近づくにつれ、見つからないまま中へ入るのは無理だとすぐ分かった。夜の火影邸は昼間より静かだが、警備の気配は濃い。戦争終結間際とはいえ、火影のいる場所だ。侵入者を許すわけがない。しかも俺は四歳児。下手に隠れて近づいたら、怪しい敵性存在として捕まる。いや、実際怪しいな。深夜に火影邸へ忍び寄るうちはの四歳児。通報案件である。

 

 そんなこんなで火影邸に着くと、案の定、入り口にいる警備忍に止められた。

 

「帰れ」

 

「子供が夜に出歩くんじゃない」

 

 正論である。

 

 何も言えねぇ。ぐぅの音も出ねぇ正論ぶちかまさんといてくれ。夜中に四歳児が一人で火影邸に来ました。どう考えても家へ帰すのが大人として正しい。前世なら補導される。今世なら母ちゃんに連絡される。どっちにしろ終わりだ。でもマジで大事な用があるんすわ!

 

 俺はできるだけ背筋を伸ばし、静かに答えた。

 

「里の未来に関わる重要な情報があります」

 

「はっはっは……ガキが何言ってる」

 

 はい、すんません。

 

 自分でも思う。四歳児が夜中にやってきて「里の未来に関わる重要な情報があります」とか言い出したら、そりゃ笑う。俺でも笑う。前世なら「アニメの見すぎかな?」で終わる。だが本当なんです。信じて下さい。霧隠れの暗部がリンを狙ってました。オビトが生きてました。ゼツみたいな白い怪人がいました。分身大爆破で爆発しました。どこから説明しても頭がおかしい。やっぱり信じてもらう難易度が高すぎる。

 

「火影様へ取り次いでください。急ぎです」

 

「駄目だ。火影様はお忙しい。ましてこんな夜更けに子供の相手をさせられるか」

 

「家の者は知っているのか?」

 

 知りません。

 

 影分身を布団に入れて誤魔化してます。

 

 言えるわけがない。

 

「父にはまだ伝えていません。ですが、今すぐ火影様にお伝えする必要があります」

 

「なら尚更帰れ。フガク殿に話を通してから来るんだな」

 

 それも正論!

 

 父ちゃんに話を通してから来るべきなのは分かる。でも今父ちゃんに話したら、俺が火影邸へ行く前に家の中で事情聴取が始まる。影分身の無断使用から始まり、里外行動、霧隠れ、ゼツ、分身大爆破まで全部聞かれる。時間がかかる。今はそれどころじゃない。カカシとリンがどうなったか分からない。オビトの生死も分からない。ゼツがまだ残ってるかもしれない。俺の心臓に悪い。

 

「父に報告する前に、火影様へ直接お伝えすべき内容です」

 

「お前な……」

 

 警備忍の一人が呆れたように溜息をついた。

 

 もう一人は腕を組んで俺を見下ろしている。完全に困った子供を見る目だ。実際困った子供なので反論できない。だが、ここで引くわけにはいかない。俺は一瞬だけ迷った。写輪眼を見せるか?そんで幻術に嵌めて——いや駄目だ。夜の火影邸前で警備忍に三つ巴を見せるとか、さらに話がややこしくなる。分身大爆破の記憶だけで胃が重いのに、写輪眼報告まで追加したくない。

 

 その時、奥から別の気配が近づいた。

 

「何の騒ぎだ?」

 

 聞き覚えのある声だった。

 

 廊下の奥から現れたのは、うみのイッカクさんだった。昼間に会えば、イルカの父ちゃんとして親しみやすい人だが、夜の警備中の顔はしっかり忍だった。俺の顔を見て、イッカクさんは目を丸くする。

 

「イタチ?こんな時間に何をしている」

 

 来た。知り合い。助かったような、さらに怒られそうなような。

 

「火影様に、急ぎの報告があります」

 

 俺は同じ言葉を繰り返した。

 

 イッカクさんは笑わなかった。さっきの警備忍達とは違い、俺の顔を少しだけ長く見た。多分、昼間の一楽や火影邸で何度か会っているからだろう。俺が普通の四歳児らしくないことも知っている。ありがたい。けど、それはそれで嫌な信頼だ。

 

「内容はここで言えるか?」

 

「言えません。ですが、霧隠れ、はたけカカシ、のはらリン、うちはオビトに関わります」

 

 その瞬間、空気が変わった。

 

 警備忍達の表情が消えた。イッカクさんの目も鋭くなる。よし、食いついた。いや、食いつかざるを得ない単語を並べたから当然だ。カカシとリンはミナト班。オビトは戦死扱いのはずのうちは。霧隠れまで絡めば、子供の戯言では片づけにくい。

 

「……少し待っていろ」

 

 イッカクさんは短く言い、奥へ姿を消した。

 

 俺は入り口の前で待たされた。警備忍二人の視線が刺さる。気まずい。めちゃくちゃ気まずい。ここで世間話をするわけにもいかないし、黙っているしかない。満月が火影邸の屋根を白く照らし、夜風が袖を揺らす。影分身はちゃんと布団で寝たふりしているだろうか。母ちゃんが見に来てバレていないだろうか。別方向の不安まで湧いてくる。

 

 しばらくして、イッカクさんが戻ってきた。

 

「火影様がお会いになる。入れ」

 

「ありがとうございます」

 

 俺は静かに頭を下げた。

 

 心臓が重い。これから三代目へ報告する。怒られるだろう。確実に怒られる。だが、それでも行くしかない。俺は火影邸の中へ足を踏み入れた。

 

 そうして俺は、イッカクさんの後ろをテコテコとついて歩いた。

 

 深夜の火影邸は、昼間とはまるで空気が違った。人の気配はある。警備の忍も、夜勤の事務方も、どこかに潜む暗部もいる。だが声は少なく、足音も抑えられ、廊下を照らす灯りだけがやけに静かに揺れていた。うちはの家を抜け出してきた四歳児が、深夜に火影様の執務室へ連行される。うん、字面だけなら完全に問題児である。俺の人生、転生しても社畜イベントから逃げられねぇのか。

 

 イッカクさんが火影執務室の前で足を止める。

 

 ひょ〜緊張してきた。

 

 社長面談みたいだ。とんでもない事件が起こっています。サーバーが落ちました。大事な企画データが全部吹っ飛びました。しかも原因は自分が勝手に本番環境で謎の処理を走らせたからです。そんな報告を深夜にしに行く感じである。前世の胃痛を思い出して、頭皮まで寒くなってきた。ストレスで禿げそうになった時期もあったな。育毛剤も作るか?材料は昆布か?いや、今は兵糧錠剤で手一杯だ。脱線している場合じゃねぇ。

 

 イッカクさんが扉をノックした。

 

「火影様、イタチです」

 

「うむ、入れ」

 

 三代目の声が扉越しに返ってきた。

 

 イッカクさんが扉を開け、俺はその後ろから中へ入った。執務室の中は整理整頓されていた。積まれた書類は多いが、山が崩れるような乱雑さはなく、処理済みの束と未処理の束がきっちり分けられている。机の向こうには三代目火影が座っていた。火影の衣をまとい、煙管を手に、こちらを静かに見ている。

 

 俺はすぐに分かった。

 

 三代目の目がパキッてる。

 

 あれは兵糧錠剤を飲んでいる目だ。明らかに覇気が違う。めっちゃ元気だ。深夜なのに背筋が伸び、頬の血色もよく、書類仕事を片づけた後にシーシャという名の煙管を決めていたな?いや、煙管はいつものことか。俺の兵糧錠剤、火影の深夜残業にも対応してしまったらしい。嬉しいけど、これ以上仕事を増やす方向に使われるのは本末転倒な気もする。健康とは一体。

 

「こんな夜更けに何の用じゃ?イタチ。霧隠れやミナト班の事だと聞いたが」

 

 声は穏やかだった。

 

 だが、目は完全に仕事モードだった。俺は腹を括った。ここで下手に誤魔化しても無駄だ。むしろ時間の損だ。今は現場にカカシとリンがいるかもしれない。オビトの生死も分からない。ゼツがまだ残っているかもしれない。説教は後だ。まず報告。

 

 俺はその場で深く頭を下げた。

 

「まず初めに、謝罪します」

 

 最敬礼である。

 

 お詫びの中でも、最も丁寧で深い敬意と心からの謝罪を示す動作。社会人の基本だ。やらかした時はまず頭を下げろ。言い訳はその後だ。よく覚えておけ、未来の俺。

 

「う、うむ」

 

 三代目が少しだけ戸惑った声を出す。

 

「影分身の無断使用、そして分身大爆破」

 

「ん?」

 

「心よりお詫び申し上げます」

 

「本題は?」

 

 切られた。

 

 流石だ。三代目、社長より判断が早い。謝罪フェーズを最短で切り上げ、本題へ誘導してきた。助かる。いや、後で絶対に怒られるけど、今は助かる。

 

 俺は顔を上げ、声を落ち着けた。

 

「ミナト班のはたけカカシ、のはらリンが、木ノ葉と霧隠れの中間緩衝地帯で霧隠れの忍と交戦しているのを目撃し、介入しました。その際、私の影分身が分身大爆破を——」

 

「イッカク、直ぐに蝦蟇へ伝え、ミナトを向かわせろ。医療班と封印班の準備と、里にいる上忍を連れ援護に回せ」

 

「ハッ」

 

 イッカクさんが一瞬で姿勢を正し、部屋から消えた。

 

 早い。

 

 報告途中で動いた。三代目の判断が早すぎる。俺は口を開いたまま、少しだけ固まった。やっぱり火影ってすげぇ。情報の細部を聞く前に、必要な単語だけで優先順位を決めた。ミナト班、霧隠れ、中間緩衝地帯、交戦。この時点で即応案件だと判断したのだろう。

 

 三代目は煙管を置き、俺へ視線を戻した。

 

「続けよ」

 

「はい」

 

 俺は頷いた。

 

「霧隠れの忍は、リンさんを捕獲しようとしているようでした。カカシさんは負傷しながらリンさんを庇っていました。私は分身の術で敵を攪乱し、二人を逃がそうとしました」

 

「お主の影分身が、か」

 

「はい」

 

 三代目の眉がわずかに動いた。

 

 まだ怒らない。だが絶対に覚えている。無断使用の件、完全に後回しにされただけだ。怖い。

 

「その後、うちはオビトと思われる人物が現れました」

 

「……何じゃと?」

 

 部屋の空気が一段冷えた。

 

「神無毘橋で戦死したはずの、うちはオビトです。黒い外套と螺旋状の仮面を身につけ、身体には白い人型の何かが纏わりついていました。右目には写輪眼。二つ巴でした」

 

 三代目の目が細まる。

 

「続けよ」

 

「オビトさんは霧隠れの忍を攻撃し、カカシさんとリンさんを助けようとしていました。ですが、その後、白い人型の存在が複数現れました。人間ではありません。植物、あるいは木遁に近い質感でした。オビトさんを覆っていた存在も、同じ性質に見えました」

 

 ゼツという名前を言うべきか一瞬迷った。

 

 だが、俺がそれを知っている理由を説明できない。ここは見たままに留める。

 

「その存在は、オビトさんの身体を操るように動かし、私達を攻撃しました。私はカカシさんとリンさんへ離脱を指示し、最後に分身大爆破を使いました」

 

「……お主が考えていた例の術か」

 

 来た。

 

 俺は少し息を吸った。

 

「影分身を自壊させる術です。詳細は後ほど説明します。現時点で分かるのは、私の影分身の記憶が爆発した瞬間で途切れていることです。ですから、カカシさん、リンさん、オビトさんの現在の安否は分かりません」

 

 三代目はしばらく黙った。

 

 その沈黙が重い。怒りではない。思考の沈黙だ。霧隠れ、ミナト班、オビト、白い存在、木遁に近い性質、そして俺の影分身。全部を頭の中で並べ替えているのだろう。

 

「よく来た、イタチ」

 

 三代目は静かに言った。

 

「お主への話は、後でたっぷりする」

 

 はい。

 

 ですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蝦蟇によって状況を伝えられた波風ミナトは、その瞬間、任務を放棄した。

 

 任務地は火の国の外縁に近く、敵の残党が潜む可能性もある地域だった。同行していた忍達には本来なら撤収判断を下し、報告書を残し、次の指示を待つ必要がある。だが、蝦蟇が告げた名は、はたけカカシ、のはらリン、そしてうちはオビトだった。戦死したはずの教え子の名が、霧隠れの忍と交戦中という報告の中に混じっていた。その時点で、ミナトの中で優先順位は定まった。里の規則も任務の形式も大切だ。だが、今この瞬間、遅れれば失う命がある。

 

「すまない。ここは任せる。緊急事態だ」

 

 ミナトは短く告げ、指先で空間の印を辿った。

 

 飛雷神のマーキングはカカシとリンに付けてある。神無毘橋の戦い以降、ミナトは二人を見失わないために、それを密かに維持していた。教え子達には伝えていない。だが、戦場で何が起こるか分からない以上、備えは必要だった。冷たい夜気が一瞬だけ肌を撫で、次の瞬間、世界が反転する。足裏が踏んだのは任務地の土ではなく、雨を吸った森の地面だった。

 

 ミナトが現れた場所は、すでに森ではなかった。

 

 地面は大きく抉れ、爆心地を中心に泥が赤黒く焼けている。雨は降っているのに、所々から白い蒸気が上がり、炭化した木の匂いと、湿った土の匂いが混ざっていた。木々は外側へ押し倒され、幹には赤熱した破片が突き刺さっている。普通の火遁でも起爆札でもない。爆発そのものが内側から膨れ、圧として周囲を削った痕だった。

 

 ミナトの瞳が細くなる。

 

 その視線の先に、カカシがいた。

 

「先生……」

 

 カカシがミナトに気づいた。片膝をつき、肩で息をしている。左目は額当ての下で疼いているのか、顔を歪めていた。隣にはリンがいる。彼女は胸元を押さえ、苦しげに呼吸を繰り返していた。二人のさらに近く、抉れた地面の縁には、黒い外套の残骸と焼け裂けた白い外骨格のようなものを纏った少年が倒れている。

 

 うちはオビトだった。

 

 ミナトは一瞬だけ息を止めた。岩に潰され、死んだはずの教え子。その少年が、生きてそこに倒れている。身体の半分には人の肉とは異なる白い組織が絡み、黒焦げになった破片が雨に打たれて崩れかけていた。胸元には深く傷が走り、そこから血と、血ではない何かが滲んでいる。だが、かすかに呼吸はある。命は、まだ消えていない。

 

「カカシ、リン、それにオビト……直ぐに飛雷神で里に帰るよ」

 

 ミナトは迷わず言った。

 

 この場に長く留まる理由はない。霧隠れの忍の気配は遠ざかっているが、完全に消えたわけではない。さきほどの爆発で敵の包囲は崩れたらしいが、何が残っているか分からない。オビトの身体に纏わりついていた白い何かの正体も不明だ。医療班と、そして今はまだ戦時中、何を仕掛けられてるか分からない為、封印班の元へ運ぶ。それが最優先だった。

 

「待って下さい……!」

 

 止めたのはリンだった。

 

 彼女は胸元を押さえたまま、震える声を絞り出した。顔色は紙のように白く、唇には血の気がない。それでも、その目だけは必死だった。自分の命ではなく、里を案じる者の目だった。

 

「私に尾獣が封印されてる!霧隠れは私を木ノ葉に置いて尾獣の封印を解こうとしてた!私を連れていっちゃダメ!」

 

 カカシの顔が強張る。

 

「リン……」

 

 彼も薄々気づいていたのだろう。リンが胸元を押さえ続けていたこと。霧隠れが殺すのではなく連れて行こうとしていたこと。彼女自身が、木ノ葉へ戻ることを恐れていたこと。その全てが、ひとつの意味へ結びつく。

 

 ミナトは一瞬だけ思案した。

 

 尾獣。封印。霧隠れの意図。リンを木ノ葉へ送り込み、里の中で封印を解き、尾獣を暴れさせる。戦争の終わりが見え始めたこの時期に、木ノ葉へ致命傷を与える策としては、あまりに残酷で、あまりに合理的だった。リンが自分を連れて行くなと言う理由も理解できる。だが、ここで彼女を置いていく選択肢はない。

 

 ミナトはすぐに笑顔を浮かべた。

 

「……大丈夫だよ。僕の妻は封印術に長けてる。勿論僕もね」

 

 リンの瞳が揺れる。

 

「でも、先生……もし私が……」

 

「もしものために僕がいる。クシナもいる。三代目も、封印班も、医療班も準備している。君一人に背負わせたりしない」

 

 穏やかな声だった。だが、その内側には揺るぎない力がある。黄色い閃光として数多の戦場を渡ってきた男の言葉ではなく、教え子を救うと決めた教師の言葉だった。

 

 カカシが唇を噛む。

 

「先生……オビトは」

 

「生きている。まだ間に合う」

 

 ミナトは膝を折り、オビトの状態を素早く確認した。呼吸は浅く、脈も乱れている。身体に絡む白い組織が何なのかは分からないが、爆発から命を繋ぎ止めた要因でもあり、同時に危険でもある。無理に剥がせば死ぬ。ここで処置するには時間も道具も足りない。

 

「カカシ、リン。僕に触れて。オビトは僕が持つ」

 

 カカシがリンを支え、リンが震える手でミナトの袖を掴む。ミナトはオビトを抱え上げた。その身体は驚くほど軽く、同時に、人ではない異物の重さを帯びていた。

 

 森の奥で、何かの気配が揺れた。

 

 ミナトは振り返らない。追ってくるなら、里で迎え撃つ。今は命を運ぶ。

 

「帰るよ」

 

 飛雷神の印が閃き、四人の姿が雨と蒸気の中から消えた。

 

 次の瞬間、ミナト班は木ノ葉へ戻っていた。

 

 移動先は火影邸に近い封印処置用の広間だった。三代目の指示を受けた医療班と封印班、さらに招集された上忍達がすでに集まり、畳まれた担架、封印紙、薬液、止血布、拘束用の術式縄まで並べて待機している。夜更けの里はまだ眠っているはずなのに、その一角だけは戦場の延長のように空気が張り詰めていた。ミナトが現れた瞬間、周囲の忍達は一斉に動き出す。

 

「カカシを病院へ。左目と全身の外傷、チャクラ消耗が激しい。リンとオビトはここで処置する」

 

「了解!」

 

 医療忍が素早くカカシを受け取り、担架へ乗せた。カカシは抵抗しようとしたが、膝に力が入らない。爆発の衝撃、霧隠れとの戦闘、リンを守り続けた緊張、そしてオビトを再び目の前にした衝撃が、幼い身体から限界を奪っていた。彼は担架に乗せられたまま、それでも首だけを動かしてリンとオビトを見る。

 

「先生……リンと、オビトを……」

 

「大丈夫。必ず繋ぐ」

 

 ミナトが短く答えると、カカシは唇を噛み、医療班によって木ノ葉病院へ運ばれていった。彼の左目に巻かれた布の下では、常時開いた写輪眼が異様な熱を帯びている。誰もまだ、それがただの疲労ではないことを知らない。

 

 リンは広間中央に座らされ、封印班に囲まれた。彼女の胸元には見慣れぬ術式が浮かび、脈打つように黒い線が広がっている。医療忍が触れようとした瞬間、封印班の一人が鋭く制止した。

 

「触るな。外傷ではない。封印式だ」

 

「のはらリンが人柱力にされた。僕はクシナを呼んでくる。うちはオビトにはよく分からないものが憑いている。医療班と封印班は処置を頼む」

 

「了解」

 

「人柱力か……」

 

「霧隠れめ、そこまでやるか」

 

 上忍達の表情が険しくなる。リン自身は歯を食いしばり、胸を押さえていた。自分の中にある何かが蠢くたび、身体の奥から別の生き物の息遣いが漏れるようで、彼女は恐怖と吐き気を必死に押し殺している。それでも、里へ戻ってきてしまったという罪悪感が、痛みより強く彼女を責めていた。

 

「私を……里に入れちゃ……」

 

「大丈夫だ。封印班が抑える。君は呼吸だけに集中しろ」

 

 封印班の長が低く言い、数名が四方に座り印を結ぶ。床に敷かれた札が淡く光り、リンを中心に円形の結界が組まれた。暴走ではなく抑制。破壊ではなく固定。封印術の光がリンの胸元へ絡み、荒れた封印式の外側を押さえ込んでいく。

 

 一方、オビトは別の担架へ置かれていた。

 

 黒い外套はほとんど焼け落ち、白い外骨格のようなものは炭化し、肉体の半分へ癒着している。医療忍がそれを見た瞬間、誰もが息を呑んだ。人間の皮膚ではない。肉でもない。植物に近いが、木遁と断じるにはあまりに生々しく、まるで誰かの身体を無理やり補うためだけに作られた歪な肉だった。

 

「何だこれは……肉体の半分が——」

 

「無理に剥がすな。剥がせば死ぬぞ」

 

「心肺は弱いが動いている。血管に似た管が、この白い組織と繋がっている」

 

「うちはの子だな?神無毘橋で死んだと聞いていたが……」

 

 上忍達のざわめきが広がる。死んだはずの少年が、半身を別の何かに埋められ、生きて戻ってきた。その事実は、霧隠れの策以上に不気味だった。だが今は原因を探る時ではない。生かす時だった。

 

 ミナトは一度だけオビトの顔を見た。焼け焦げた白い組織の隙間から覗く顔は、かつて自分が教えた少年のものだった。泣き虫で、遅刻ばかりして、リンを好きで、カカシと喧嘩して、それでも仲間を見捨てなかった少年。死んだと思っていた教え子が、こんな形で帰ってきた。胸の奥が焼けるように痛んだが、ミナトはその痛みを顔に出さない。

 

「僕はすぐ戻る」

 

 ミナトは再び飛雷神を発動した。

 

 次に現れた時、隣には赤い髪を揺らすうずまきクシナがいた。寝間着に羽織を引っ掛けたような姿だったが、瞳は完全に覚醒している。ミナトから短く事情を聞いたのだろう。リンを見るなり、クシナの表情が変わった。怒りと哀しみ、そして同じ人柱力としての理解が、一瞬でその顔に浮かぶ。

 

「この子に尾獣を入れたのね……霧隠れ、ふざけるんじゃないってばね」

 

「クシナ、頼めるかい」

 

「任せて。暴れさせない。絶対に」

 

 クシナはリンの前に座り、両手を伸ばした。うずまき一族の封印術が、赤い髪と共に静かに揺れる。彼女のチャクラは強く、温かく、荒れた封印式を包み込むように広がった。リンの胸元で暴れていた黒い線が、ゆっくりと押し戻される。封印班が外側を固め、ミナトが補助の式を刻み、クシナが中核を抑える。何重もの術式が絡み合い、リンの中で暴れかけていた尾獣の気配は、深い檻の奥へ沈められていった。

 

 リンは震えながら涙を零した。

 

「ごめんなさい……私……」

 

「謝らなくていい」

 

 クシナは額に汗を滲ませながら、優しく言った。

 

「あんたは悪くないってばね」

 

 その言葉に、リンは初めて小さく息を吐いた。

 

 広間では処置が続く。カカシは病院へ、リンは封印固定へ、オビトは異物ごと命を繋ぐための緊急処置へ。木ノ葉の夜は一気に慌ただしさを増し、暗部が情報封鎖に動き、上忍達が警戒網を敷いた。

 

 だが、地獄はこれから始まる。

 

 火影執務室では、うちはイタチが静かに正座していた。三代目は煙管を置き、うちはフガクとミコトを呼ぶよう指示している。影分身の無断使用、里外行動、分身大爆破。里を救う報告をした幼子は、これから三代目と父親と母親による、人生最長の説教を受けることになる。




マダラ「……………分身爆弾だと」



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