終末世界で世界最強の剣豪を目指す者   作:ワニノコ

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第三話

 

あれから新しく作ったサブアカを使って仕事を受け、達成し終わるとニコがビデオ屋に来た。

 

「来たわね。金庫の位置は把握したわ。それで、この前頼んでたやつはどうなったの?」

 

「メモリディスクの修復のこと?うん、バッチリ!それに、ニコの勘も当たってた。中には金庫の暗証番号が入ってたよ!」

 

リンはアキラとゾロが仕事をしている間にインターノットの演算パワーを借りて復元したメモリディスクの中身を言った。

 

「さぁみんな!プロキシのおかげで準備は整った。そろそろ次の計画に移るわよ!アンビー!計画を説明してちょうだい!」

 

ニコがそう言うと、アンビーは新エリー都の地図を取り出す。

 

「我々の行動計画は、クリティホロウに入り、上級エーテリアス『デュラハン』を倒して、金庫を手に入れることである」

 

「・・・それで、続きは?」

 

「以上よ」

 

「じゃあ、この地図は何だ?」

 

「ニコは、協力者に舐められないようプロらしく振る舞おうと言ってた」

 

「「「・・・」」」

 

アキラとリン、ゾロはニコがやろうとしたことに呆れていた。

 

「さもないと後々値切りが面倒に・・・んむむむむ」

 

ニコは慌ててアンビーの口を塞いだ。

 

「また余計なこと言って!ビリー、何でちゃんと見張ってないのよ?」

 

「俺のせいじゃねぇって!アンビーが準備した『プロ』のミーティングがこんなんだとは思わなかったんだよ・・・あ、だから集合前に探偵映画のミーティングシーンを観てたのか!」

 

「あの・・・全部聞こえてるんですけど・・・」

 

アキラが割り込むと、ニコは咳払いをして話を戻す。

 

「と、とにかく!アンビーが説明したように、計画は至ってシンプルよ。金庫を探して取り戻す!外からじゃホロウ内の状況をリアルタイムで確認することはできないから、中での支援とガイドは任せたわ!後、ゾロも付いて来てよね!」

 

「あぁ、元からそのつもりだ」

 

ゾロはニコの頼みに躊躇いなく頷くのだった。

 

 

 


 

あれから支度をし、ゾロと邪兎屋はクリティホロウに入った。

 

「よし!ホロウに入れたわね!早速あたしの金庫を探すわよ〜」

 

「そういや、ニコの親分。一体どっから金庫の位置情報を入手したんだ?」

 

「ふふん、それは企業秘密よ!そう簡単に話すわけにはいかないわ。・・・でもまぁ、今ここに部外者はいないわけだし?ちょ〜とだけなら教えてあげてもいいわよ!」

 

「何だ?自慢か?」

 

「違うわよ!ほんと、あんたってそういうとこ捻くれてるわね!」

 

ニコは口角を少しだけ上げて聞くゾロを睨みつける。

 

『まぁまぁ二人とも。それより、僕は聞かせて欲しいな』

 

『うわぁ、お兄ちゃんが乗ってあげてる。こういう時のニコって、意外と繊細だもんね』

 

「な、何言ってんのよ!」

 

ニコは顔を逸らし、咳払いをしてから話し始める。

 

「言ってしまえば単純よ。調査協会にツテがあるの。実は彼ら、ここ最近のホロウ定期観測任務とエーテル資源採掘任務の記録係を任されてたのよね。そこであたしは、奴らに決して断れない申し出をして、ホロウ内で起こった直近二回の異変に関するデータを照合してもらったの。相違のあるポイントを羅列すれば、おおよその位置が特定できるでしょう?」

 

「流石ニコの親分!」

 

「プロキシ?突っ立ってないで、そろそろ出発するわよ?大まかな位置は把握してるけど、どうやって辿り着くかはあんた頼みなんだからね!」

 

ニコはそう言うが、アキラからは返答が返ってこず、イアスは無言で歩く。

ゾロと邪兎屋はイアスに着いて行った。

 

「周囲の空気がさらに重くなったわ」

 

「目的地にもうすぐ着くってことでしょ?プロキシ?」

 

『・・・』

 

ニコはアキラに聞くが、相変わらず、無言のままだ。

 

「『パエトーン』、今日はどうしちゃったの?何だか、上の空だけど・・・お得意様に向かって、よくそんな態度が取れるわね!」

 

ニコはそういうと、ようやくイアスからアキラの声が聞こえる。

 

『ニコ、とにかく話を聞いてくれ。さっきから、君たちの声が途切れてしまうんだ。H.D.Dの状態が・・・』

 

「こっちは大金を払って雇ってるんだから、ガイド中にボーッとしないでよね、プロキシの『パエトーン』さん!これ以上サボったら、インターノットで低評価をつけるわよ?」

 

『リン、・・・聞こえ・・・るか・・・い?H.D.Dの・・・接続が・・・不安・・・定になっ・・・ている』

 

『どれど・・・れ・・・あれ、ほんとに・・・H.D.Dの・・・ログがエ・・・ラーを吐い・・・てる。ちょっ・・・と待ってて、・・・リアルタ・・・イムで調整・・・してみる・・・ね』

 

イアスから聞こえてくるアキラとリンの声が、途切れ途切れに聞こえてくる。

そして、再び聞こえなくなった。

 

「店長たち?・・・とにかく、このまま進んでいいんだよな?」

 

「待てビリー、何だか様子がおかしい」

 

ビリーは進もうとするが、ゾロに肩を掴まれる。

ビリーを制止したゾロは、無言で歩き続けるイアスに近づき、様子を見てみる。

だが、奥からはエーテリアスが何体もいた。

 

『ガアァァァ!』

 

「チッ、こういう時に限って・・・」

 

ゾロは愚痴を言いながら『秋水』と『三代鬼徹』を鞘から抜いて、襲いかかって来たエーテリアスを斬り伏せた。

 

『ガアァァァ!』

 

だが、エーテリアスは四方八方から再び現れる。

そして、イアスは無言で歩き続ける。

 

「ねぇ!本当にこの道で大丈夫なの?」

 

『・・・』

 

ニコはエーテリアスに応戦しながらイアスに問いただすが、無言のままだ。

 

「店長、どうしたんだ?ずっと黙って歩くばっかで、戦闘を回避するつもりもなさそうだけどよ」

 

「・・・プロキシ?」

 

「怒ってる?ニコが着手金を支払う時に値切ったりしたから?」

 

「確かに、あり得るな」

 

ゾロはアンビーの言った冗談に乗っかった。

 

「そんなわけないでしょ!」

 

ニコはアンビーとゾロの冗談にツッコミを入れた。

だが、そこでニコの脳内にあることがよぎった。

 

「おかしい、ホロウに入った時から全然ガイドしているようには見えない・・・まさか、外でトラブルでもあった?ねぇ!何かあったの?」

 

『・・・』

 

ニコは無言で歩き続けるイアスの前に立ち塞がるが、相変わらず無言のままだ。

イアスは立ち塞がったニコを避けて、無言で進み続ける。

 

「あっ、ちょっと、そっち行かないで!」

 

『・・・』

 

イアスが向かった先から複数のエーテリアスが飛び出し、イアスに襲いかかる。

 

『ガアァァァ!』

 

「させるか!」

 

ゾロは斬撃を飛ばして、エーテリアスを斬り、イアスを守る。

 

「プロキシ、プロキシ!ちょっと・・・一体何が起きてるの?」

 

ニコはイアスを抱え、アンビーとビリー、ゾロと電車の裏に隠れる。

 

『ガアァァァ!』

 

「エーテリアスの群れはまだそこにいる」

 

「家賃を取り立てにくる大家さんみてぇだな」

 

アンビーの報告に、ビリーが冗談混じりに返す。

 

「時間だ、これで四回『ホロウ内安全活動推奨時間』が過ぎたぞ」

 

「プロキシ、早く正気に戻らないと、永遠に借金を回収できなくなるわよ!」

 

ニコは、イアスを抱えて揺らしながら言う。

すると、電車の端でエーテリアスの様子を見張っていたアンビーが何かに反応する。

 

「隠れて!」

 

「な、何だ?またエーテリアスが来たのか?」

 

「エーテリアスじゃない、ホロウ調査チームよ。この前にいる」

 

「何だよ、調査員か。・・・って、調査員!?」

 

「おい、静かにしろ!」

 

ゾロは調査員の存在に驚いたビリーを注意する。

 

「す、すまねぇゾロの兄貴・・・それよりニコの親分!調査協会の連中なら、『キャロット』を持ってるはずだ!助けを求めれば奴らと一緒にホロウから出られるぞ!」

 

「何バカなこと言ってんの、あれって治安局の仲間でしょ?あたしたちは『ホロウレイダー』なのよ。あいつらについてここから出られても、最後は逮捕されちゃうわ」

 

「俺たちだけじゃそうかもしれねぇが・・・こいつも一緒なら。覚えてるか?治安局の政策で、プロキシを突き出せば手柄として減刑してもらえるって・・・」

 

「今の状況を考えると、ビリーの提案は実現できる可能性が高い」

 

アンビーとビリーはニコにそう提案する。

だが、二人は一つ重要なことを忘れていた。

 

「おい」

 

それはゾロの存在だ。

ゾロはアンビーの首筋に『三代鬼徹』を当て、ビリーの首筋に『秋水』を当てた。

 

「今の言葉、すぐに取り消せ」

 

ゾロの出す殺気に、その場の全員の表情が凍り付いた。

 

「じょ、冗談に決まってるじゃない!で、でしょ、二人とも?」

 

「そ、そうだぜ、ゾロの兄貴。これは場を和ませるためのジョークだよジョーク!あはは、はははははっ・・・」

 

「・・・まぁ、そんな感じ」

 

ビリーとアンビーは、ゾロの機嫌を損ねた瞬間、斬り殺されると悟ったのか、急いで言葉を取り消す。

ゾロはアンビーとビリーを睨みつつも、『秋水』と『三代鬼徹』を鞘に戻した。

 

「おいニコ。別に心配する必要はねぇ。根拠はねぇが、あいつらならどうせすぐに戻ってくるはずだ」

 

「・・・」

 

『・・・』

 

ニコはゾロの言葉に、イアスを見て深く考える。

 

「・・・ニコの親分?」

 

ビリーはニコの顔を覗き込み、心配したように聞く。

その顔は、何かを決意したような顔をしていた。

 

「・・・ここは長く留まっていい場所じゃない。行きましょ」

 

ニコはビリーの顔をどけて、イアスを地面に置く。

そして、無言で歩くイアスに着いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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