バトスピオリカ勢によるオリカ勢のための血塗られた(笑)歴史エッセイ   作:しくお

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第八話 風神録と緋想天が強すぎる!

 

 前回のtier表。

 

【2019年11〜12月 環境tier表】

Tier1:風神録/緋想天/妖々夢

Tier2:魔理沙/心綺楼

 

三強に見えるだろうか。だが、まったくそんなことは無い。実際は、

 

風神録・緋想天>>>妖々夢>>魔理沙>心綺楼

 

くらい差がある。この時期、風神録と緋想天は他3つの追随を全く許していなかった。

というのも、風神録と緋想天の回に載せたあのテキストは、実は弱体化後なのである。今回は、弱体化前の風神録と緋想天について語ろう。

 

各テキストを読み返しに行く必要はない。かわりに、以下4枚のエラッタ前(弱体化前)のテキストを載せておく。これらのテキストを前提として今回の話は進む。

 

---

 

まず、風神録から2枚。

 

 

ヒソウテンソク BSTH05-M01/レアリティ:M

色:緑/コスト:5/軽減:緑・緑・神/種類:スピリット/系統:幻想・風神/シンボル:緑/収録:BSTH05 東方風神録

Lv1:1コア/BP5000 Lv2:3コア/BP10000

──効果──

Lv1-Lv2『このスピリットの召喚時』

ボイドからコア2個をこのスピリットに置ける。

 

Lv1-Lv2『このスピリットのアタック時』

相手のスピリット/アルティメット1体を重疲労させる。

 

Lv2『このスピリットのアタック/ブロック時』

相手のスピリット/アルティメットだけを破壊したとき、このスピリットは回復する。

 

 

諏訪の装 BSTH05-M11/レアリティ:M

色:緑/コスト:5/軽減:緑・緑・緑/種類:ブレイヴ/系統:異魔神・神話・風神/シンボル:緑/収録:BSTH05 東方風神録

Lv1:0コア/BP4000(合体中+4000)

──効果──

このブレイヴは疲労せず、スピリット状態のとき、アタック/ブロックできない。

 

【左右合体条件:風神&コスト5以上】

【スピリット左/右合体中】

このブレイヴのコストを0として扱う。

 

【左右合体条件:アシハラ&創界神ネクサス】

【ネクサス左/右合体中】【神域】『自分のメインステップ』

系統:「風神」を持つスピリットが召喚されたとき、ボイドからコア2個を自分のリザーブに置く。この効果はターンに1回しか使えない。

 

 

続いて、緋想天から2枚。

 

 

比那名居 天子 BSTH05.5-X01/レアリティ:X

色:青/コスト:8/軽減:青・青・青・極・極/種類:アルティメット/系統:幻想・緋想・天人/シンボル:極/収録:BSTH05.5 東方緋想天

Lv3:1コア/BP12000 Lv4:3コア/BP19000 Lv5:4コア/BP22000

──効果──

《召喚条件:相手のライフ2以上》

 

Lv3-Lv4-Lv5『このアルティメットのアタック時』

このアルティメットのコスト以下の相手のスピリット/アルティメット1体を破壊する。さらに、自分の青の導界者ネクサスがあるとき、相手のデッキを10枚破棄する。

 

Lv4-Lv5『このアルティメットのアタック時』

系統:「緋想」を持つブレイヴとの合体中、ターンに2回まで、自分の青の導界者ネクサス1つを疲労させることで、このアルティメットは回復する。

 

 

緋想の剣・布都御魂 BSTH05.5-M01/レアリティ:M

色:青/コスト:5/軽減:青・青・導/種類:ブレイヴ/系統:剣刃・緋想/シンボル:なし/収録:BSTH05.5 東方緋想天

Lv1:1コア/BP4000(合体中+4000)

──効果──

手札にあるこのカードは、系統:「天人」を持つ自分のアルティメットが召喚されたとき、コストを支払わずに召喚できる。

 

【合体条件:天人&コスト6以上&アルティメット】

【合体中】【超重装甲:∞】

このアルティメットは、相手のフィールドにあるシンボルの色の効果を受けない。

 

【合体中】『このアルティメットのアタック時』

このアルティメットが最高Lvのとき、このアルティメットの「コスト破壊効果」は一切の効果で防げない。

 

---

 

この業の深いバカな遊びにマコトが加わり、対戦相手ができた。ということは、初めて「強い・弱い」に他人の目が入るということだ。

 

エラッタ――カードの弱体化。記念すべき第一件は、ここ、2019年の暮れである。作者とマコト、たった二人。デッキは五つ。そのうち二つが、あまりにも強すぎた。

 

「強すぎた」と言うからには、まず、この二つが普通にどう回り、他の3つ――魔理沙・心綺楼・妖々夢をどう扱っていたかを、浅く見ておく。

 

まず、風神録。 初動は秋姉妹――静葉と穣子でパーツをサーチ。創界神の神奈子・諏訪子を引き当て次第、二柱を並べる。あとはにとりで秋姉妹を使い回す(にとりはトラッシュからも1コストで釣り上げられるので、コアを抜いて0にし、維持コア不足で落ちた秋姉妹を拾い直しては、召喚時のサーチをもう一度撃つ)。そうして、ヒソウテンソク・早苗のコアブでコアを大量に盛り、序盤のうちに諏訪の装を神に着けておけば、コア加速はさらに乗る。だいたい3ターン目、神二柱+諏訪の装の盤面から、9コストのミシャグジ=御社宮神が降りてくる(早苗を残しておけば、支払ったコアもきれいに戻る)。あとは、諏訪の装をミシャグジに着けて殴りの点を盛り、相手のバースト/フラッシュを封じ、諏訪子の効果で回復しながら相手を2回殴るだけ。終末である。

 

対魔理沙。マスタースパークの的になる生き物は多いが、肝心の魔理沙本体は蛙狩でバウンスしてバトル終了まで残さず箒によるライフ奪取を拒否。返しでミシャグジがワンキル。そもそも魔理沙は魅魔で小突くだけで試合が終わる、というのも頻発。

対心綺楼。圧倒的速度差!天地がひっくり返っても、こころは間に合わない。

対妖々夢。こちらのコアブが多すぎて、まさかの妖怪桜のコア吸いが焼け石に水。看板のバースト咲夜は、封じで、使わせない。

 

そして、緋想天。 初動は3コストの妖夢・地子でパーツを探しつつ、導界者の衣玖と龍神を、置けるタイミングで据える。天界を極力毎ターン挟んでコアを増やし、要石・リュウグウノツカイ・射命丸文の"小削りセット"で、相手の山を地道に削っておく。肝は、要石と地子を場に維持しておくこと。

 

要石

Lv4『自分のメインステップ』

このアルティメットに青のシンボル1つを追加する。

 

地子

Lv2『自分のメインステップ』

このスピリットに青/究極として扱うシンボル1つを追加する。

 

導界者・龍神・天界で1〜2、要石で2、地子で2と、青のシンボルが盤面に貯まっていく。天子は8コスト・軽減5、これに維持コア3を足してコアが6個あれば、剣を引っさげ、回復できる状態で着地する(弱体化前の剣は、天子が出れば勝手にタダで出る)。平均して3ターン目、完全体の天子が爆誕する。着地までに小削りセットで十分削れていれば、天子のたった1回のアタックで、相手の山を枯らし切ることも可能。

 

対魔理沙。1・2ターン目から杖持ち魅魔で走ればワンチャンあるが、たいてい大妖精かマジックで止められ、返しで完全体の天子。

対心綺楼。能面を手元に並べてモタモタしている間に、小削りセットから完全体の天子。驚(能面・大飛出)の「デッキは破棄されない」メタは、こちらが削りを"除外"に変えているので、無力だ。

対妖々夢。手札5枚を維持しつつ、小削りセットから完全体の天子。妖怪桜のコア吸いは、天界を2回絡ませれば天子の着地ターンまでは補える。咲夜で追加ターンを取られたところで、剣で"効果を受けない"天子は除去できない。というか、この対面、緋想天側は天子1回のアタックで締めれるように回すので咲夜も、無量劫の「自分のデッキは相手の効果を受けない」も間に合わない。

 

そして――この二強を、二強どうしでぶつけつるとどうなるか。

 

 

 

まず作者が風神録を握り、マコトが緋想天を握った。

 

風神録の回し方は、前述のとおり。二柱をそろえ、諏訪の装まで神に着せてコアを盛れば、3ターン目にはあの9コストが降りてくる。弱体化前のヒソウテンソクが召喚時に2個ずつ抱えてくるコアぶん、その着地はさらに前のめりだった。

 

その本体が、御社宮神。諏訪子の操る祟り神・ミシャグジである。降りてきた瞬間に相手3体を重疲労で磔にし、そのうえで、こう振る舞う。

 

Lv2-Lv3『このスピリットのアタック時』

系統:「アシハラ」を持つ自分の創界神ネクサスが2つ以上あるとき、相手はバースト/フラッシュ効果を発揮できない。

 

神奈子・諏訪子が二柱そろっていれば、相手のバーストもフラッシュも、まとめて黙る。受け札を伏せていようが、フラッシュの除去を握っていようが、一切発揮させない。相手は磔にされたまま、指一本動かせない。

 

そこへ弱体化前の諏訪の装を合体させる。当時のこいつは、素で緑のシンボルを持っていた。合体すればミシャグジの殴りの点がその分だけ上乗せされ、しかも諏訪子の力でターンに一度回復する。バースト/フラッシュを全部封じ、ブロッカーを磔にし、殴り、起きてまた殴る。誰にも咎められないまま、5点も6点も、一人で持っていく。

 

マコトのライフはあっという間に溶ける。

 

「……」

 

 

 

次の一戦。デッキはそのまま、作者が風神録、マコトが緋想天。

 

緋想天も、回し方はさっきのとおり。天界でコアを増やし、サーチで軽減を稼いで、弱体化前の天子が完全体で着地する。当時の天子は、そのLv3から――着地したその瞬間から――殴るたびにこう振る舞った。

 

――コスト以下の相手を1体壊し、青の導界者(衣玖)がいれば、相手の山を10枚破棄する。

 

そこへ弱体化前の布都御魂が絡む。当時のこいつは、天人のアルティメットが召喚された瞬間、手札からコストを払わずに飛び出してきた。つまり天子の着地に相乗りしてタダで湧き、そのまま天子に合体する。合体した天子は超重装甲∞――相手のフィールドの色の効果を一切受けない、手のつけられない完全体になる。

 

そして衣玖の導域が、相手への破棄を「除外」に変える。破棄ならトラッシュから戻せるが、除外はせない。天子が殴るたび、作者の山から10枚が、二度と戻らない場所へ消えていく。

 

除去も届かない、山も戻らない。作者はただ、自分の山が枯れていくのを眺めるしかない。

 

「天子出たらもう作業で草。」

 

マコトが淡々と言った。さっき轢いた側が、今度はきれいに轢かれる番だった。

 

「……」

 

 

 

そこからしばらく、風神録と緋想天をひたすら当て続けた。

 

勝敗は、ブレた。作者が勝つときもあれば、マコトが勝つときもある。同じ二つのデッキを、何も替えずに回しているのに、である。強い方が順当に勝つ、という気配が、まるで無い。

 

勝った試合には、共通点があった。大妖精を引けていたのだ。

 

大妖精。第2話から、どの色のデッキにも居座り続けてきた、あの皆勤賞のMレア。テーマもへったくれもない全色汎用バースト。

 

【バースト:自分のライフ減少後】

このスピリットカードをコストを支払わずに召喚する。その後、このバトル終了時、アタックステップを終了する。この効果は、相手の「バースト効果を発揮できない」効果を無視して発揮できる。

 

このテキストが、両方の壊れ筋に、たった一枚で刺さっていた。

 

緋想天に対して。天子の連続攻撃の途中でこちらのライフが減れば、大妖精が湧き、「このバトル終了時、アタックステップを終了する」。天子の殴りはそこで打ち切られる。最初の一発ぶんの10枚は除外されるが、次が来ない。出血が、一回で止まる。

 

風神録に対して。ミシャグジが相手のバースト・フラッシュを封じている――はずなのに、大妖精だけは「相手の『バースト効果を発揮できない』効果を無視して発揮できる」。封じを貫通して湧き、アタックステップを終了させる。一人で押し切るはずのワンキルが、そこで止まる。

 

つまり、作者とマコトが大真面目に戦っていた「風神録 vs 緋想天」は、その実、大妖精をバーストにセットできていたか=引けていたかどうかの勝負だった。両デッキとも大妖精を積んでいる。引いた方が、相手の壊れ筋を一枚で止めて勝つ。引けなかった方が、止められずに轢かれる。

 

風神録と緋想天の壊れ方が、環境を完全に大妖精を引くかどうかの試合にしていた。公式以上にこの環境の「選ばれし探索者アレックス」であった。

 

「大妖精ゲームすぎてぇ…」

 

「こぉれは、さすがに…」

 

 

 

一枚の汎用札の引きでしか止まらない盤面、というのは、裏を返せば、その一枚が無ければ止まらないということだ。壊れすぎている、という何よりの証拠である。大妖精が無くても応答できる――そうして初めて、これは「対戦」になる。

 

というわけで、4枚を調整した。この環境で最初の弱体化エラッタである。

 

ヒソウテンソク。召喚時のコアブースト2個を、削除。コアの伸びを鈍らせ、ミシャグジの着地を遅らせた。早く出てくるのが悪いなら、遅くすればいい。

 

諏訪の装。素の緑シンボルを消し、合体中の「コストを0として扱う」を「アタック時、シンボルを緑2つにする」へ差し替えた。シンボルを"2つに固定"することで、ミシャグジに合体させても殴りの点はもう伸びない。単独ワンキルは、これで不可能になった。副作用として、消した「コスト0化」は、もともと合体後のスピリットのコストを低く保ち、にとりの「コスト4/5/6を守る」効果の対象から外れないようにするための仕掛けだった。0化を消したことで合体スピリットのコストが上がり、にとりの傘からこぼれやすくなった。もう一段の弱体化である。

 

天子。コスト破壊+10枚破棄の開放を、Lv3からLv4へ。回復の開放を、Lv4からLv5へ。要するに、着地してすぐには暴れられないよう、一段ずつ後ろへずらした。Lv3で即10枚は、やはりやりすぎだった。

 

布都御魂。冒頭の「天人アルティメット召喚時にコストを払わず召喚できる」を、削除。踏み倒しを禁じ、ちゃんとコストを払って出させることにした。タダで湧いて天子を完全体にする、あの相乗りが無くなった。

 

並べてみると、4枚の直しは全部、同じことを言っている。「着地を遅らせる」「踏み倒しを禁じる」「単独のワンキルを崩す」。要は、先に出して一方的に押し切るという設計が、そろって早すぎたのだ。

 

---

 

4枚を調整したあと、環境はようやく大妖精が無くても、風神録も緋想天も、殴り合いのなかで(多少)応答できるようになった。

 

妖々夢の妨害も、ここでやっと二強に噛み合.....ったら良かったんだけどなぁ。妖々夢は足場があるようで無く、不安定さを妨害性能で無理やりカバーしてるのでやはり上二つには届かなかった。

 

まあ、十割無理から七割無理程度にはなったが。

 

とはいえ、tier表――風神録・緋想天・妖々夢の三つ巴は、この調整を経て、はじめて多少言い張れるようになった。

 

【2019年11〜12月 環境tier表】

Tier1:風神録/緋想天/妖々夢

Tier2:魔理沙/心綺楼

 

次回:紅魔郷

 

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