TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい!   作:megajoy

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しばらく架空原作設定説明と、ドMの謀略()と暗躍が続き、
同一シーン視点変えが長く続きます。
かなりしつこい感じになるかな……と悩んだんですが、
筆が止まりませんでした(^∀^;)


M一五 策謀開始!深く静かに潜考するドM!(誤字ニアラズ)

(いと)しき花は門に咲く』は、表向きだけとはいえ、一応、

百合エロゲー作品ではある。

 

そのため、女性のほうが、男性よりも魔力の保有量が大きく、

優秀な〈退魔法師(たいまほうし)〉も多い、という世界観になっていた。

古来より、社会的にも、やや女性優位の価値観が定着しているとされ、

退魔法師(たいまほうし)〉の家に限らず、由緒(ゆいしょ)ある高貴な家の当主は、女性であることが

主流である、とも設定されている。

 

この世界の日本でも既に貴族階級制度は廃止されているが、〈退魔法師(たいまほうし)〉の名家は

貴族同然で、その有力派閥の各筆頭・御三家(ごさんけ)ともなれば、王侯並と目されていた。

 

だからこそ、原作での真渡園(まどぞの)美摩(みま)は、実の娘である兎萌(ともい)が魔力を

扱うことができない“魔力操作不能症”であることに怒り狂い、

毒親とならざるをえなかった部分もある。

そして、虐待しながらも、〈聖女〉となることを真理亜に()いてくるのであった。

 

『魔力しか取り()のないおまえの存在価値は、

〈聖女〉になることだけよ……!』

 

そう美摩に冷たく宣告された真理亜は、以降、〈聖女〉となることだけを

生き甲斐(がい)にして、未来の真渡園(まどぞの)()当主たらんと、ひたむきな努力を

続けることになる。

〈聖女〉にさえなれば、美摩から義娘(むすめ)として認められ、愛されると信じて。

 

その『〈聖女〉にならなければならない』という強迫観念と妄執(もうしゅう)が、真理亜を、

原作主人公やライバルとなるヒロインたちを蹴落とさんとする、

手段を選ばぬ悪役令嬢へと変えていくのだった。

実際、真理亜は、〈退魔法師(たいまほうし)〉としての実力も超一流となり、

周囲からの評価でも、〈聖女〉となってもおかしくないとまで言われるほどの

存在となる。

 

しかし、原作では、どのシナリオ・ルートを通っても、真渡園(まどぞの)真理亜(まりあ)が〈聖女〉に

なることはない。

幼少期において、邪悪な儀式により、〈禍威魔(かいま)〉の〈神〉・〈妖神(ようしん)絶沌(たちふせ)復活の

生贄(いけにえ)(ささ)げられることが、主な原因だ。

 

その物語の行く末には、真理亜としての意識を残されたまま〈禍威魔(かいま)〉を

(はら)み生む母体とされたりするなどの、全ルートで破滅する運命が、

真理亜には待ち受けている。

 

─────真理亜をその破滅に追いやる諸悪の根源が、

原作での黒幕の一人である、真渡園(まどぞの)玄紺(げんこん)なのだ。

 

この世界で暗躍する魔道秘密結社・〈那由他(なゆた)の蛇〉の首領にして、

真渡園(まどぞの)()始祖の、老翁(ろうおう)である。

邪法(じゃほう)により自身の肉体を〈屍霊鬼(しりょうき)〉化させ、千年以上の時を生き続けている、

事実上〈不死〉の存在だ。

 

女性優位である〈退魔法師(たいまほうし)〉界、()いては人間社会を良しとせず、

禍威魔(かいま)〉の〈神〉と契約し、〈禍威魔(かいま)〉と共に世界を支配せんと

目論(もくろ)んでいる。

真理亜は、この自分の先祖でもある玄紺から、純潔を奪われ、

陵辱を受けることになるのだった。

 

(わし)奴隷(どれい)となるならば、おまえを〈聖女〉にしてやろう………』

 

さらには、美摩からの愛を渇望する心に付けこみ、真理亜を完全支配下に置く。

 

具体的には、真理亜の肉体に、ファンタジーエロゲの定番・〈淫紋〉を

刻み込んでくるのだ。

いわゆる隷属の契約魔法で、これを施された対象は、施術主の意のままに、

肉体の状態をR18な方面に仕上げられたり、感度を三千倍に上げられたりする、

いつもの紋様である。

 

このことにより、真理亜は心身の自由を完全に奪われ、玄紺と、

秘密結社・〈那由他(なゆた)の蛇〉の悪漢たちからさらなる陵辱(りょうじょく)を受け続けることになる。

妖神(ようしん)〉の生贄(いけにえ)に捧げられるうえ、下衆(げす)な男たちから、

肉体を(もてあそ)ばされ続ける日々……………。

 

女性にとっては、想像するだにおぞましく、最悪な未来に違いない。

が、そんな未来を熱望するのが、毎度おなじみ変態ドMこと、

転生真理亜なのであった。

 

(玄紺お爺様(じいさま)が来るのはいつかしら、まだかしら。

『幼少期に純潔を奪われる』ってハナシだから、もうすぐだよね!)

 

などと、内心、密かに鼻息荒く、かの老翁(ろうおう)が目の前にやってくるのを、

今日か明日かと待ち望んでいる。

叶穂との〈約束〉もバッチリとクリアしたし、破滅(ねがい)への次なる欠片(ピース)を、

(ろうおう)との初夜と決め込んでいる変態ドMだ。

 

〈女神〉ルキミステルの(いき)(はか)らい

(と、真理亜は思い込んでいるが、ただの勘違い)で、叔母である美摩から

自分への虐待は、今のところその影も形もない。

それならば、表向きは、このまま優秀な〈退魔法師(たいまほうし)〉を目指し、裏では老(ろうおう)・玄紺の性奴隷となって恥辱のかぎりを尽くされよう、などと、

真理亜はピンク色の未来絵図を、脳内で描いている。

 

(とはいえ、兎萌(ともい)ちゃんの安全は確保しないとだよな……。

兎萌ちゃんが〈那由他(なゆた)の蛇〉の連中に(さら)われて

RIN-KANされちゃうのは、主人公と恋人になったあとのイベントだから─────わたくしが主人公と恋仲になれば問題ない、ってことだよね!

 むしろわたくしが恋人になれば、わたくしが〈那由他(なゆた)の蛇〉に(さら)われて

アレコレされちゃう……ってこと!? 最高じゃない!?)

 

グフ、グフフフフ、と、顔と声に出さず、

心密かにいやらしい笑みを浮かべる真理亜。

 

(………でも、兎萌ちゃんには、多対一の不利な状況になっても自衛できるよう、

最強に強くなってもらわないとナー。アレだよ、ゲーム世界転生モノのお約束、

“シナリオ強制力”ってのがあるカモだからナ~)

 

おのれの桃色願望はさておき、真理亜は、切にそう思うのだった。

本人自体はどうしようもない変態だが、

『すべてのヒロイン(女の子)は幸せになるべき!』

という紳士な想いだけは、()()なしに本物なのである。

 

それはそれとして、転生覚醒初日で、美摩の虐待毒親化フラグをベキゴシッ!と

へし折り、その翌日に叶穂(かなほ)の諦念人生観をドゴォッ!と吹っ飛ばして心の闇を

綺麗サッパリ(はら)っておきながら、今さら“シナリオ強制力”もなにもないものだが、

当人は知る(よし)もない。

変態的直感で行動しているくせに、あいかわらず無駄に慎重で、

堅実なのであった。

 

(『素晴らしく美事(みごと)に破滅する』、『大切な家族と女の子たちも守る』。

両方やらなくっちゃあならないってのが『転生悪役令嬢』のつらいところだな)

 

覚悟はいいか? 俺はできてる、と、誰にともなく、ひとり、真理亜は心の中で

宣言する。

─────いや、『転生悪役令嬢』は普通、〈破滅〉を回避するもんだろ、と、

冷静に指摘する天の声は、当然、真理亜に掛かることはない。

 

(兎萌ちゃん()みENDじゃ、世界中の〈退魔法師(たいまほうし)〉と〈禍威魔(かいま)〉を敵に回して

生き延び続けられるくらい、(さい)っょに成長するんだから、

魔力を使えるよーになった今から努力すれば、そんくらい強くなるよね!)

 

原作で、兎萌が攻略ヒロインとなった場合のエンディングのひとつには、

とある理由から死んだ原作主人公の生首と共に、世界中を逃避行する兎萌の

後日談(エピローグ)があるのだった。

そこでは、刺客となって襲ってくる囲碁留(いごどめ)叶夜(かなや)叶穂(かなほ)姉妹を、

余裕で返り討ちにして、容赦なく殺す兎萌の姿が描かれているのである。

 

(わたくしは破滅してみんなとグッバイする運命にあるから、

真渡園(まどぞの)()次期当主として、しっかり無敵になってもらわないとだよネ~ッ!

 ン~、原作じゃ、どーゆ~感じで〈退魔法師(たいまほうし)〉として

成長しはじめたっけか………)

 

自分が次期当主に見込まれているとは(つゆ)知らず、真理亜は呑気(のんき)

兎萌の成長プランを()りはじめた。

とはいえ、そこは原作テキストを気軽に読み飛ばしたりしていた

スキップレイヤー、肝心の成長決意シーンなどは、ぼんやりとしか覚えていない。

 

設定資料集で、兎萌の紹介ページに記載されていた情報だけが、頼りである。

 

(『母親である美摩から、存在そのものを否定され続けてきたため、自己肯定感が

なく、主人公からの励ましと恋心からやっと前向きな気持ちを覚えはじめたのも

(つか)()、〈那由他《なゆた》の蛇〉に囚《とら》われ、その純潔を散らす』

とか書いてたっけなあ……うーん、“自己肯定感がない”────よ~するに、

自分に自信を持たせればイイ!ってことやね!)

 

……なにが『ってことやね!』やねん。

どんな判断や、時間をドブに捨てる気か、ヒロインの運命がかかってんねんぞ、

この悪役令嬢────!

 

そのように、|真理亜の短絡的な考えを叱責する上司などいないから、変態による、

“兎萌ちゃん最《さい》っょ()計画(プラン)”の猛進はもうどうにも止まらない。




真理亜は、本当に家族と女の子たちには幸せになってほしいと願っています。
ただ、手のつけられない変態なだけで(^ω^;)
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