TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
『宇宙』は『そら』と読みます。
劇場版Ⅲ準拠ですね(・∀・)
十月になった。
真理亜は、あいもかわらず呑気に、学業に訓練にと、適度な負荷を味わう
ドM
客観的には、
そのせいで、
評価は、上がる一方であった。
そんな屋敷内の評価など、どこ吹く風という感じ(※実際、気づいていない)で、
ゴキゲンに毎日を過ごしている真理亜だが、ここ最近、ひとつ、
美摩と兎萌の様子が、先月末以降、異なっている気がしてならないのだった。
魔力の訓練の際、美摩が変わらずふたりを指導しているのだが、兎萌への叱責が、
さらに、美摩による訓練の時のことだけではなく、通常の勉強や他の習い事の
教師たちまでが、兎萌に叱責や強い注意をしてくることが目立ちはじめていた。
兎萌は、それら叱責に耐えかねて、涙を流しながらも、指導を受け続けている。
自分が
兎萌を
的なことを、美摩や教師たちに進言するのだが、その
構わないから続けさせてほしい、と、熱心に
その涙に
(まさか……兎萌ちゃんも、“M”の波動に、
その察し is JUST・勘違い!
見当外れにも程がある見立てをして、ひとり勝手に、強い罪悪感を覚える真理亜。
内向的だけど正統派令嬢キャラ、そんな
捻じ曲げてしまうとは!
『駄目駄目駄目』、真理亜の脳みその中で、普段仕事をしていない
『
真理亜はそう思い、兎萌が道を踏み外すのを止めるべく、折を見て、
話し合いを試みるのだった。
泣くほど
真理亜は、ストレートに、だが具体的なワードは出さずに、問い
「兎萌ちゃん─────あなたが最近、無理をしてまで頑張り続けるのは、
わたくしのせいだったりするのかしら………?」
「……っ! 違いますっ! お姉さまのせいなんかじゃありませんっ!」
「だって、兎萌ちゃん、あんな風に、泣く思いまでして、お勉強に、訓練に、
頑張りすぎて────」
「私っ……私がっ! 私が、がんばりたいのですっ!」
兎萌のその両目に、真理亜は、思わずたじろぎそうになるほどの、
並々ならぬ強い意志を感じ取った。
兎萌は、わずかに目を伏せて、声を絞り出してくる。
「────────私、お姉さまが隠されている
知ってしまいました……………」
「ええっ!? わたくしが隠している
なんてこった、そんなにバレバレだったのか!?
いや、でも、兎萌ちゃんとは半年ずっと、毎日ベッタリと一緒にいたからなあ~。
などと、真理亜は、そのように、すんなりと勘違いした。
実のところ、幸か不幸か、真理亜の本性は、その美貌と、勤勉に見える学習態度、
そしてどんな言動を取っても貴族令嬢の所作に変換される〈
誰にも露見してはいない。
それは、身近で接している美摩や兎萌、メイド長の漱祗と、専属メイドの
双子姉妹らも同様である。
けれども、真理亜本人は、そんな事実には気づきようもないので、兎萌に本性を
見抜かれたと思って、納得するしかないところではあった。
兎萌が顔を上げ、まっすぐに真理亜を見つめてくる。
そして、はっきりと、宣言するように、想いを口にしてきた。
「だから、私、お姉さまのように(強く)なりたいのです……っ!」
「わたくしのように(ドMに)なりたい、ですって────────!?」
続けられた兎萌の意思表示を見事に取り違え、真理亜は当然、大驚愕。
あーいけませんいけませんお客様!
こちらの道は、プロフェッシェナル専用の難易度になっております!
アマチュアの方には、決しておすすめできまっせン!
────兎萌の思いもよらぬ返答(※勘違い)に、真理亜の脳内は、一瞬、
そんな
だが、すぐに気を取り直し、海のように深く、反省するのだった。
……知らぬうちに、
主人公の選ぶヒロイン
真理亜は、まだ見ぬ原作主人公の恋人選択に、悪い影響が出るのではないかと、
無駄に
こいつはちょっと軌道修正しなきゃだよねェ~、と、兎萌の説得にかかった。
「いけないわ、兎萌ちゃん───わたくしのように(ドMに)なるなんて。
それは、あなたの
わたくしには、そんなこと、耐えられない────────」
「いいえ! 私は、絶対に、お姉さまのように(強く)ならなければ
ならないのです! そうしなければ、お姉さまのお
「わたくしのように(ドMに)ならないと、
そんなことはないわ。兎萌ちゃんの、その気持ちだけで充分────あなたは、
ありのままのあなたでいていいのよ?」
そやから、ドMヒロインなんてイロモノ路線はやめときんしゃい、と、
言外に伝え、元の令嬢キャラに戻るように、穏やかに
しかし、兎萌は、そんな言外の意図を読み取れるはずもないので、
逆に火だるまヒート・アップ。
立ち向かえGo on、この身を尽くして何度だって、とばかりに、
真理亜に抱きついて、訴えてきた。
「それでは、だめなのです! お姉さまのように(強く)なるしかないのです!
そうでなければ、私がお姉さまと一緒に生きていく意味がありません!」
「───わたくしのように(ドMに)なるしか、生きていく意味がない、なんて、
そんな、兎萌ちゃん、どうしてそこまで……………」
はてさて、そんな風に思い詰めさせてしまうほど、自分は、兎萌ちゃんの前で
被虐に
兎萌に抱きつかれながら、うーむ、と心密かに首をかしげる真理亜。
あー、ひょっとしてアレかな、魔力光操作の訓練で、
あの時のせいかな。
あの時は苦し楽しくてテンションMAXだったもんなあ~、などと、真理亜は、
ひとり納得している。
「………お姉さまのように(強く)なれるほど、私に才能はないかもしれません
──────でも、私、がんばります! お姉さまと一緒にいられるくらいに
(強く)なりますから! どうか、がんばらせてください………!」
なんとしてもドMになりたい、という兎萌の悲壮なまでの決意(※勘違い②)に、
さしもの真理亜も、言葉を失った。
思い込んだら破滅の道を、行くがドMのド根性………。
おのれは
ならば、兎萌の固い意志を、尊重してあげるべきではないのか────────。
「兎萌ちゃんの気持ちは、わかったわ───けれど、それでも、兎萌ちゃんには、
わたくしのように(ドMに)なってほしくないの……………」
「っ……! どうしてですか!?」
そう反射的に反発する兎萌を抱き締めて、真理亜は、なだめるように、その頭を
撫でる。
「兎萌ちゃんには、普通の女の子として、幸せになってほしいからよ─────。
わたくしのように(ドMに)なるということは、傷ついて、傷ついて……誰からも
理解されることない
そんな生き方なの。………兎萌ちゃんには、そんな生き方、してほしくないわ」
そやからね、ドMヒロインなんてイロモノ路線はやめときんしゃい(2回目)、
と、また言外に伝え、真理亜は、重ねて兎萌を穏やかに
だが、その
兎萌的には、『普通の女の子として、幸せになってほしい』という問答は、
母である美摩と話し尽くし、既に通り越したものであったから、悩む要素に
まったくなりえない。
問題は、言葉の後半、これが、兎萌の心を撃ち抜いてしまったのである。
(お姉さまのように、才能があって、優秀な方が、傷ついて、誰からも
理解されなくて、ずっと、ひとりぼっち──────────?)
何故、と、兎萌は、純粋に、疑問を抱いた。
けれど、その直後、直感的に、悟ってしまう。
(そうか─────! お姉さまは、ずっと優秀で、なんでもできてしまうから、
まわりのひとたちから、それが当たり前だと思われてしまうんだわ……!
私も、お姉さまはすごい方だ、って、努力なんて必要ない方だ、って、勝手に
思いこんでしまっていた─────本当は、お姉さまだって、ちゃんと一生懸命、
努力していらっしゃるのに………)
兎萌は、その考え(※勘違い③)に行き着き、胸を締め付けられるような感覚に
襲われた。
(それをみんな、理解してくれない─────。そんなの、心が傷ついて、
当たり前……お姉さまは、その気持ちを誰にも言えなくて、ずっと我慢されて、
隠されて生きてきたんだわ──────だから、“ひとりぼっち”………それでも
お姉さまは、誰かを守るために、誰より強くなろうと、ひとりで、
がんばり続けようとしていらっしゃるんだ─────!)
幼い兎萌は、“孤高”という概念を、まだ、知らない。
しかし、その言葉を知らずとも、その生き方、その
真理亜が持つ信念と理想の境地を感じ取り(※勘違い④)、胸を打たれる。
それと同時に、哀しさが、兎萌の胸の中で、あふれ返った。
(お姉さまは、私たちや、知らない誰かを守るために、強くなろうとして
いらっしゃるのに、ずっと“ひとりぼっち”だなんて、そんな、そんなの……!)
たとえ、〈聖女〉の〈運命〉だろうと、あんまりではないか。
真理亜に抱き締められていた兎萌は、体を引きはがし、真理亜の顔を、潤んだ瞳で
見つめる。
やはり、この
母親との会話で誓った想いが、兎萌の胸の中で、改めて膨れ上がった。
その兎萌の激情が、言葉になって、その口から
「ならお姉さまは、ひとりぼっちのままじゃないですか! そんなのはダメです!
そんなのはイヤです! 私、強くなります! 誰からも理解されなくても、
強くなって、お姉さまと一緒に、どこまでも付いて行きますっ!
そうすれば、どんな場所に行き着いても、お姉さまと私は、
ひとりぼっちなんかじゃありません……っ!」
その叫びは、兎萌の、さらなる覚悟の宣言であった。
(ふたりで一緒に破滅する……ってこと……!? “ドM
そういうのもあるのか!)
一方の真理亜は、兎萌の切なる願いからの宣言を、またも見事に取り違えている。
台無しであった。
(う~ん、
ドM
なにが『かもだぜ』か、なっちゃん翻訳で自分に都合のいい解釈するんじゃねえ!
と、真理亜の心中の独白に、ツッコミを入れる者は、当然ながらいるわけがない。
「……………わかったわ、兎萌ちゃん。あなたの意志を、尊重します。
────でも、本当に、無理をしては駄目よ? 兎萌ちゃんが体を壊したりなんか
したら、わたくし、泣いてしまいますからね?」
「はいっ! お姉さまを悲しませないように、気をつけて、がんばりますっ!」
もっとも、兎萌としては、どんなことがあろうと、限界を超えた努力を
続けるつもりであったのだが、
喜びいっぱいの気持ちで、兎萌は、真理亜の体を抱き締め続けるのであった。
その陰で、ふたりの会話を密かに聴いていたメイド姉妹、
美しい
言葉なくうなずきあって、次代の
改めて確かめ合うのだった。
その一方────────────────────。
(……兎萌ちゃんが完全なドMに成長したら、SM3Pできるかしら!?
その場合、主人公の
グフ、グフフフフ。
と、
よだれをたらさんばかりのピンク思考をめぐらせている真理亜である。
この場は良い雰囲気で収まりを見せているようであったが、
互いにマッハの速度で、決定的にすれ違ってしまった。
この事実に、誰ひとり気づくことなく、
ふたりの認識のすれ違いが、なにをもたらすのか、わかる者などいない。
ただ、未来への矢印が、その行く先に混迷を極めることだけは、
間違いないようであった……………………………………………………。
今の若い子はアン●ャッシュがわからんのやろなあ……。
現在炎上してるだけの最低野郎だけど、昔はそんなじゃなかったんやで……(時事ネタ)