TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
な●でも鑑定団、最近しっかり見てないなあ……。
銀●万丈さんのナレーション聴くと安心を感じますよね~♪
(“
真理亜は、声にこそ出さないが、心の中で、そんな
この〈聖誕祭〉の日、十二月二十五日は、
真理亜はこの年、六歳となる。
〈聖誕祭〉の日の行事、子供の魔力属性を鑑定する儀式。
この鑑定儀式で、真理亜が悪役令嬢化する原因、そのひとつとなるイベントが、
起こるのだ。
伝承の〈聖女〉と、真理亜は、誕生日を同じくしている。
そのことから、原作の美摩は、毒親ながらも、忌み嫌う姪の魔力鑑定に、
期待を寄せていた。
────真理亜が〈聖〉属性の魔力持ちならば、
そんな、安直な打算からの、期待であった。
だが、その欲にまみれた期待は、大きく裏切られる。
………真理亜は四大元素属性魔力をすべてと────〈闇〉属性の魔力持ち
であると、鑑定されたのだった。
〈闇〉属性の魔力は、〈
美摩は、鑑定結果を耳にし、怒り狂った。
『〈闇〉属性ですって!?………〈聖女〉と同じ誕生日のくせに! どこまで
おまえは役立たずなの!?』
大いに期待していた反動で、美摩の真理亜へ抱く嫌悪感が、
さらに膨れあがってしまう。
しかも原作では、真理亜が『〈聖女〉の再来』であると大々的に宣伝するために、
イベントホールを貸し切り、
その満六歳となる子供らを招待したうえで、合同で鑑定儀式を行っていた。
その事実を
『大恥をかかされたわ! この、
受け継いでいるのかしらね!
原作では、そう
回想シーンで描かれるのである。
本編テキストは大概スキップしていた転生真理亜だが、この回想シーンは、
Hシーンと同じく、
自分とゲーム内の真理亜を重ね、
独自ハッスル(意味深)に
『愛しき花は門に咲く』では、キャラクターの台詞はフルボイス仕様だったので、
当然ながら、美摩の真理亜に対する罵倒の数々にも、声優の声が付与されている。
転生真理亜は、前世の携帯端末に、そのボイスデータをコピーし、エニィタイム
罵倒を楽しんだりもしていた。
(その
フヒヒグヘヘ、と、口元をニヤけさせてしまう真理亜だが、そこは魔性の美貌を
持つ悪役令嬢。
浮かぶ笑いは、天使の微笑、漂う雰囲気は、幼女ながらも、淑女そのものである。
今日も
「───
そんな天使の微笑で、なにやら緊張しているように見えた兎萌に、問いかける
真理亜。
「お姉さま………はい、どんな結果になるかと思うと、ドキドキしてしまって」
「大丈夫よ。テストとかではないのだから。なにも心配することはないわ」
ホンマホンマのマンホール、なんも心配することあらへんで~、とばかりに、
真理亜は、余裕の
なにしろ、原作で、兎萌が三種の元素属性魔力と、〈光〉属性魔力を持っている
ことを、知っているからである。
もっとも、原作の美摩は、実子の兎萌が〈光〉属性魔力を持っていると
わかっても、喜ぶことはなかった。
原作の兎萌は、“魔力操作不能症”と思われていたため、逆に、神経を
する結果になってしまったのである。
『魔力を使えないくせに、〈光〉属性魔力持ち!? どいつもこいつも、
どうしてこんなに使えないの!? 私を
そうして完全毒親コースまっしぐらな美摩から、真理亜同様、兎萌は、さらなる
虐待を受け続けることになるのだった。
しかし、その芽は、この転生真理亜が、兎萌に出会った初日に、
詰んでしまっている。
魔力を普通に操作できるようになった兎萌が、〈光〉の魔力を持っていると
わかり、自分が〈闇〉の魔力を持っていると判明すれば、美摩は、兎萌を
そして私は、
(だ…駄目だ。まだ笑うな…こらえるんだ…し…しかし…)
真理亜は、笑ってしまうのを我慢しようとするが、やはり、口元を緩ませて
しまっていた。
変態オッサンのニヤけ笑いなら、醜悪以外の何物でもないが、美幼女の笑みである
ため、その姿は、鑑定儀式に期待を膨らませている令嬢の図にしか見えない。
その真実に気づく者は、この場には存在しないので、
残酷である。
そうこうしているうちに、鑑定儀式は進み、兎萌の身に備わる魔力が、原作通り、
三種の元素属性魔力と、〈光〉の魔力であると判明した。
(
原作通りの展開に、
これでこのあと、自分が〈闇〉属性の魔力持ちとの鑑定結果が出れば、
……ここまで原作との差異は、鑑定儀式が行われる場所が、
貸切ったイベントホールではなく、
招待客がいないことだった。
まあ、誤差の範囲やろ、などと、真理亜は、楽観視している。
「───真理亜さん。あなたは、非凡な魔力をお持ちだと聞き及んでいます。
魔力を流し込むのは、少しだけで結構ですからね。この水晶玉は、あまりに
たくさんの魔力をひと息に流し込んでしまうと、壊れてしまうことがあるのです。
……貴重な水晶玉なので、壊さないでくださいね」
祭司長が、茶目っけある言い方で、そう注意してくるので、『ン? 振りカナ?』
と思ってしまう真理亜。
だが、ここで滅茶苦茶な魔力を流し込んで水晶玉を破壊し、
『あら? わたくしまたやってしまいまして?』なんてやっている暇はない。
しっかりと、〈闇〉判定を出してもらわなくては困るのだから。
「承知いたしました。それでは、壊さないように、少しだけ────」
真理亜は、手加減にさらなる手加減を重ね、ほんのちょっぴり(※感覚)、
水晶玉に、魔力を流し込んだ。
するとその途端に、水晶玉が、
しかも、なにやら、ソシャゲのガチャで、通常、金色の
虹色の
(うぉっほwwwコレはwwwレア属性演出っスかwww)
手応え
コレもう、〈闇〉っしょ~!、勝ち
踊り出しそうになっている。
そんな衝動をこらえながら、真理亜は、祭司長の鑑定の言葉を待ち焦がれていた。
水晶玉が光輝く中、やがて、祭司長が、興奮気味に鑑定結果を告げてくる。
「真理亜さんの魔力属性は! 四大元素属性すべてと、〈光〉の魔力! そして、
〈聖〉属性魔力をお持ちです……っ!!!」
「えっ」
祭司長の言葉に、真理亜は、短く驚きの声をもらしていた。
ごめんなんて???、と、危うく
〈聖〉属性じゃなくて、〈
そのように問い
口にできない。
それに、祭司長の様子から、どうやらまごうことなき事実であるらしい、と、
さすがの真理亜も察せざるをえなかった。
( な ん で だ よ!!!!!)
真理亜は、『異●界お●さん』のた●ふみばりに、心の中で、ツッコミの声を
上げてしまう。
百歩譲って、〈光〉の魔力を持つのは、まあよしとしても、〈聖〉属性魔力を
持っているのは、到底信じられぬ真理亜であった。
………実は、〈聖〉属性魔力は、原作設定で、条件さえ満たせば、後天的に
得ることのできる魔力ではある。
けれども、原作では、悪役令嬢・
〈聖〉属性魔力を持つことなく、必ず破滅する〈運命〉にあるのだ。
先天的に〈聖〉属性魔力を持ちうる以外に、その魔力を得る条件、それは────
①肉体の限界を超えてでも、魔力を行使し続けたいと願う、
②おのれの命を
③私欲を捨て去り、誰かの幸せを心から願う、無私献身の精神
この
原作では、主人公と各攻略ヒロインたちが、残酷な〈運命〉に翻弄されながらも、
互いに愛に目覚めることによって、〈聖〉属性魔力を得て、困難な戦いに挑んで
ゆくのだった。
が、
誰かから、真に愛されることも、また、自身も誰かを心の底から愛することが
できなかったがゆえ、
……
ほぼほぼ毎日、魔力の訓練で肉体の限界を超える努力を重ねており、叶うことなら
死ぬ一歩手前まで魔力を使い続けたい、と、常日頃から渇望している。(※①)
また、兎萌と出会ったその初日に、命を懸けて、兎萌の体に魔力を注ぎ込み、
心の底から、兎萌を“魔力操作不能症”から救いたい、と願った。(※②)
そしてつい最近、おのれの欲望を捨て、ふたりの女の子を救いたい、と、心から
願って、行動を起こしている。(※③)
まがりなりにも、転生真理亜は、三つの条件を揃えてしまっていたのだ。
『ンー? ちょっと
〈
真理亜が〈聖〉属性魔力を持つことを、認めてしまっている。
キ●ヌ・リー●ス主演の映画『コ●スタ●ティ●』のクライマックス逆転劇の
ように、『そんなのアリ!?』と激しいツッコミが入りそうな事態ではあるが、
アリなのだから、仕方がない。
この転生真理亜には、〈聖〉属性魔力が備わっているという事実が、確定した。
「────失礼しました。年甲斐もなく、興奮してしまったようです。
……まさか、私が生きているうちに、〈聖〉属性魔力を持つ子を、鑑定できるとは
思っていなかったので」
水晶玉の光が治まって、祭司長は、照れを隠すように、そんなことを言ってくる。
それから、気を取り直したように、表情を引き締めたあと、言葉を続けてきた。
「大いなる〈力〉には、大いなる責任が伴う、と、言われます。───ですが、
真理亜さん、あなたは幼い。あなたが持つ〈力〉のことは、これから、少しずつ
学んでいき、その〈力〉が、まわりのみなさんにもたらす影響を、考えていって
ください」
祭司長は、そこまで言って、頬を緩める。
「……あなたに〈力〉があるからといって、すべての責任を、あなたが引き受ける
必要はありません。必ず、家族やまわりのひとたちの力を頼ってください。
そのうえで、あなたの持つ〈力〉が、正しく使われることを、私は願っています。
────あなたに〈女神〉の導きが、ありますように」
「ありがとうございます、祭司長様」
っはー! も~話が
そんな投げやりになりそうな気持を押し殺して、真理亜は、笑顔で祭司長に
一礼し、祭壇から離れた。
『お姉さま、すごいです!』と言わんばかりの熱い視線を送ってきているし、
美摩や
違う違う、そうじゃ、そうじゃない、と、真理亜は、落胆まっしぐらだ。
おお、わたくしを転生せしめし〈女神〉ルキミステルよ、
などと、心中にて、自分が望んだ世界の悪役令嬢に転生させてくれた〈女神〉に
向け、古風な物言いでクレームを入れている。
ルキミステルにすれば、もう忘れてしまいたい初仕事だし、現在進行形で他の
転生者相手に大忙しなので、仮に彼女の
“
なので、というか、当然、ルキミステルからの返信は、ない。
しかし、そこは究極変態であるからこその、無駄にポジティブな真理亜である。
はっ、と、ひとつの結論に至るのだった。
(『
〈女神〉ルキミステル様────! わたくしに、このまま、〈聖女〉に
近づく
わたくしを奈落に叩き落してくださるのですね!?
なんて、なんて
『えっ。なんでそうなるの?』……もしも〈女神〉ルキミステルが、真理亜の
導き出した結論が届いたのなら、短くそうツッコんだことであろう。
だが、ひとり、
聞こえないのに違いなかった。
『自分勝手な解釈をするなっ!』
と、怒りのマジレスをしてくるロ●ン・セ●ックは、どこにもいない。
疑問も悩みも消え失せた真理亜は、
それはまさしく、天使の
どんな結果が出てもポジティヴに捉えるこの真理亜、無敵である。
さあどんどん最強になっていきますよ~(^∀^)