TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
〈退魔法師〉と同じく、基本的に女性が祭司の席を占めています。
その中でも、特別な客をもてなすための、格調の高い部屋。
そこで、祭司長が上座に座り、
向かい合って座っていた。
〈
立場的には上となる。
テーブルの上には、
「………祭司長様。本日は、鑑定儀式を
誠にありがとうございました」
美摩が、祭司長に向かって、深々と一礼する。
「いいえ、こちらこそ、
光栄に思っています」
祭司長は、美摩の一礼に、そう微笑で返してきた。
「〈
「ええ。
ふたりとも姫君と呼ぶにふさわしい
「……恐縮です」
自分の娘と、
初耳の美摩である。
真理亜が
〈
実子、
美摩は、客観的にそう分析しつつ、複雑な思いを
祭司長が、卓上に出されている茶をひと口飲んだあと、今日の鑑定結果のことを
切り出してくる。
「それで……最初にお話しされていたように、真理亜さんの魔力属性の
鑑定結果は、
「────はい」
美摩は、一言、だが、はっきりとうなずいた。
「………一般の〈
あるところでしょうが、真
その心配は無用のはず。むしろ、
公表されたほうが良いのでは?」
祭司長が、真意を問うように、美摩の目を覗きこんでくる。
「あの子────真理亜は、鑑定結果を伏せておいても、いずれ、〈聖女〉として
〈
「〈聖女〉、ですか。確かに〈聖〉属性の魔力を持つ者ならば、そうなる
かもしれませんね」
祭司長の言葉は、慎重なものであった。
〈聖女〉とは、希有な〈聖〉属性の魔力を持っているからといって、名乗れる
存在ではないからである。
だが、祭司長は、美摩の、思い詰めたような表情を見て、真理亜を〈聖女〉と
目す理由が他にあることを、察した。
「……真理亜さんには、他に、特別な何かがある、と、いうことかしら」
「はい…………あの子には───未来のことが、
「───〈予見〉の〈力〉をお持ちなのね」
祭司長の確認に、美摩は、うなずきを返す。
「『なんでもはわからないけれど、自分に関わることは、わかっていることが
ある』と、家の者に言っておりまして……つい先月も、あの子の〈予見〉に
よって、重大犯罪事件をふたつ、解決に導いています──────」
『重大犯罪事件をふたつ』という言葉に、祭司長は、すぐに記憶を
思い出したその情報を、そのまま口にして、美摩に再び、確認してくる。
「違法薬物で実子に人体実験を行おうとした元大学教授と、人身売買を行っていた
実業家の逮捕。
……真理亜さんが、〈予見〉の〈力〉で事件解決に貢献されていた、と」
「はい────」
「
────美摩さんにとっては、喜ばしくないことのようですね」
うなずく美摩の表情から察し、祭司長は、あえてその
「……実を言えば───本日の鑑定儀式、真理亜には、〈聖〉属性の鑑定結果は、
出てほしくありませんでした。………間違いでも、なんでもいい。〈聖〉属性の
鑑定結果は出てくれるな、と─────でも、やはり、あの子は、〈聖女〉になる
〈運命〉にあるのだと、思い知らされた気持ちです…………」
「………」
祭司長は、口を開きかけたが、途中で、言葉を飲み込む。
美摩の
「──────────あの子は、未来において、強大な〈魔〉と戦い、自分の
命と引き換えに、それを討ち果たす……その〈運命〉を、知っているのです」
「それは───」
まさしく〈聖女〉伝承そのものではないか。
祭司長は、そう口を挟みそうになる。
しかし、口にしたのは、別の言葉であった。
「………そうでしたか────その話を
「
「ええ……。鑑定結果が出た直後の、真理亜さんのお顔────最初は、とても
〈聖〉属性の魔力まで備わっていると
見えなかったのです。小さなお子さんなら、喜ぶのが自然だというのに」
祭司長は、わずかに
自分が助言をしたあとに、真理亜が見せたあの微笑。
あれは─────すべてを受け入れている、悟りの
「真理亜さんには、儀式の結果が、最初から、
〈聖女〉として、その階段を
「───おそらくは……………」
美摩のうなずきに、祭司長は、思わず、右手で顔を
『……あなたに〈力〉があるからといって、すべての責任を、あなたが引き受ける
必要はありません。必ず、家族やまわりのひとたちの力を頼ってください。
そのうえで、あなたの持つ〈力〉が、正しく使われることを、私は願っています。
────あなたに〈女神〉の導きが、ありますように』
なんと、遅きに失した助言もあったことか。
助言どころか、呪いも同然だ。
真理亜の〈力〉が正しく使われる、ということは─────邪悪なる〈魔〉を、
その命を
真理亜に関わるヒト、みんな曇ってしまう……。
こう見ると、真理亜の一挙一動、マジで罪深いですね(^∀^;)