TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
そしてその〈旧校舎〉には、謎の地下空洞が広がっているものなのである。(@東京●人学園)
真理亜のペンダントに仕込んでおいた、超小型GPS発信機の信号は、
問題なく作動している。
美摩は、信号の指し示す地点に、
急行していた。
美摩たちは、全員、霊的武装である、露出の多いドレス状スーツで、
身を包んでいる。
その手には、それぞれ、魔法の威力と指向性を高める杖が、握られていた。
一見して、
完全武装状態の〈
高速移動しつつも、臨戦態勢は、万全であった。
学園旧校舎。
発信機の信号は、真理亜と
間近にある、その閉鎖施設の場所を指示していたのである。
学園の関係者には、事態の詳細な説明をしている時間はない。
美摩は、
旧校舎へと押し通った。
そして、発信機の信号と
旧校舎に隠された、秘密の扉を発見する。
扉の先にあったものは、地下へと続く長い階段であった。
未知の階段の存在に驚く警備係らを脇に置き、美摩たちは、
迷いなく、地下へと急ぎ
地下への階段から続いていたのは、巨大な洞窟であった。
洞窟の壁面には、魔法による青白い炎が灯されており、奥へと続く道を
照らしている。
美摩は、その道を
急速にこちらに近づいてくる邪悪な気配を、感知した。
間違いようのない、〈
憎き、すべての元凶、玄紺の気配である。
「……
美摩の号令一下、漱祗たち〈
美摩は、銀の布にくるんだ〈
〈鳳凰の杖〉を銀の布で隠しているのは、その存在を、玄紺に攻撃する直前まで
知らせぬためであった。
────やがて、感知したとおり、黒い霧と化した玄紺が、道の奥から、
美摩の方へと、一直線に迫ってくる。
途中、わずかに減速したようであったが、玄紺は、黒い霧になったまま、
美摩に向かい、加速猛進してきた。
「今よっ!!!」
だが、玄紺が接近する前に、美摩の合図の声が上がる。
〈
ついていた〈
瞬時に、
邪悪な〈
この強力な布陣による〈結界〉魔法には、さしもの魔人も、
動きを封じられるしかなかった。
「ぐおおおおおおおおおおっっっ!?!?!? おのれぇぇぇぇぇっっっ!!!」
〈結界〉に閉じ込められた玄紺が、黒い霧状のまま荒れ狂い、
「………どんな気分かしら?
そう
玄紺を封じられるかどうか、
結果は、すんなりと、
そのことに
じっと観察した。
〈結界〉に封じられ、その
しているかのように見える。
玄紺は、常に、女を
千年以上生きていることから
しかし、今の玄紺からは、その雰囲気を、
玄紺が〈結界〉の中で暴れるその姿は、焦りからの、無軌道な動きに見える。
「真理亜は、どこにいるの!?」
美摩は、端的に、最も重要な問いを投げつけた。
「───真理亜っ!? あの
おまえが育てたのかっ!? いったい、どうやって、あんな
作り出したのだっ!?!?!?」
返ってきたのは、無秩序な言葉。
にもかかわらず、美摩は、直感で悟る。
おそらく、圧倒的な〈力〉を見せつけられて。
それゆえの、“
………美摩は、玄紺に対して、
そのうえでなお、玄紺が真理亜を“
さらなる
ああ、きっと、“
おまえの前に立ちふさがって、比類なき〈力〉を振るう、子供の姿は。
『作り出した』? 違う。
あの子は、真理亜は、強くあろうと
あの子の強さは、才能に加えて、
命を落とすかもしれぬ〈運命〉を知りながら、
少女らを守ろうと決意して、努力を続ける、幼いあの子の気高さを。
────その気高きあの子を、“
「玄紺っ!!! おまえだけは、絶対に許さないっっっ!!!」
“母”の激情と共に、美摩は、〈鳳凰の杖〉を、布から解き放った。
「……っ!?!?!? 馬鹿なっ!!! まさか、それは────!?!?!?」
玄紺が、その黄金の杖を見ただけで、驚愕の声を上げる。
「そう、これは、〈鳳凰の杖〉っ!!! 真理亜、あの子が
おまえは、〈聖女〉であるあの子の〈力〉によって、滅ぶのよっっっ!!!!!」
美摩はそう言い放って、
それに呼応し、すぐさま〈鳳凰の杖〉が、黄金の輝きを放ちはじめる。
「まっ、待て、美摩───っ! やっ、やめろっ……!」
〈結界〉の中の玄紺は、制止の声を上げながら、美摩の体内に仕込んだ
操作しようと、右手を動かした。
だが、思った反応が返ってこず、
真言を唱え終わった美摩が、それを見てとり、
「残念ね!!! おまえの肉腫なぞ、とっくに消し去ったわっっっ!!!」
「っ! お、おのれ……っ!」
玄紺が歯噛みするような声を出した時、〈鳳凰の杖〉が放つ黄金の光が、
黄金の、大火炎であった。
それが、巨大な形を
「うぅっ……!?」
玄紺が、〈結界〉の中で、後ずさりした。
眼前に現れた黄金の鳳凰が、逃れる
理解してしまったからである。
「漱祗っ!!!」
「はいっ!!!」
美摩の呼びかけに応え、〈結界〉形成の
美摩の正面にある〈結界〉の一部を、解除した。
「〈
美摩が、〈結界〉内の玄紺に向けて、黄金の鳳凰を、解き放つ。
黄金の鳳凰は、その炎の翼をはためかせるや、
玄紺へと襲いかかった。
「ぐがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛────────────!?!?!?!?!?!?」
逃げ場なく、玄紺は、黄金の
〈結界〉の形成を続けている、漱祗ら〈
〈結界〉が
鳳凰の火焔が〈結界〉外にもれれば、
〈結界〉の形成は、〈鳳凰の杖〉による魔法の破壊力も見込んでのことであった。
「おのれおのれぇぇぇっっっ!!! 〈聖女〉めがああぁぁぁぁぁっっっっ!!!
ぐあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ────────っっっっ!!!!!!!!!!!!!」
玄紺が〈聖女〉を呪うような絶叫を上げたあと、火焔の爆音だけが、洞窟一帯に
………やがて、黄金の火焔が収まった〈結界〉内には、何も残されていなかった。
〈
黒い霧────〈
完全に焼き尽くされたのである。
ここに、
討ち滅ぼされたのだった。
「やった……やりました………
美摩は、祈るように、
が、それも
「漱祗。念のため、ここに、敵の増援警戒で、ふたり残すわ。───あとは全員、
私に続きなさい」
玄紺を倒した
一刻も早く、真理亜の
美摩たちは、洞窟の奥へと、警戒しながら、突き進む。
しかし、道には、
そして、洞窟の
「これは、いったい………」
魔道の青白い炎に照らされたその光景を目にして、美摩は、困惑した。
洞窟の地面に、数十人の、蛇の仮面を
散らばっていたのである。
そのほとんどは絶命しているようだが、まだ、息がある者もいるようであった。
美摩は、それら男たち屍
白い、小さな影を見つけた。
美摩の心臓が、止まりそうになる。
「真理亜ぁぁぁぁぁぁ────────────っっっっっっ!!!!!!!!」
絶叫して、美摩は、その小さな影……真理亜へと
「真理亜っ!!! 真理亜っっっ!!!」
美摩が真理亜の体を揺さぶり、激しく呼びかけるが、反応はない。
すぐさま真理亜の呼吸を確かめれば、わずかに
美摩は、即座に、治癒魔法を真理亜に
……最上位〈
「屋敷に戻るわ。漱祗と叶夜以外の者は、ここに残って、生きてる男たちを
拘束! 死なない程度に治癒魔法を掛けて、ここで何が起こったか、
洗いざらい
「「「「承知いたしましたっ!!!!」」」」
命令を下した美摩は、元来た道を、飛行魔法で、文字通り、飛んで返しはじめた。
─────大丈夫、大丈夫よ。
この子は、死なない、絶対に、死なせない………!!!
美摩は、意識のない真理亜の顔を見つめて、そう強く思い続ける。
美摩にとって、真理亜は、姉の
もうひとりの娘であった。
真理亜が〈聖女〉であるということや、その〈運命〉のことなど、
美摩の頭の中になく、ただ、大切な子供を案じて、ひたすら
その姿こそ、真理亜にとって、
もうひとりの“母親”そのものであった………………………………………………。
母は強し……(戦闘力)
さておき、はたして真理亜は、無事なのか?(←しらじらしくに)