TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
が、寛大な目でお読みください(^ω^;)
しかし、そこで思考停止して終わらないのが、ただのドMとは一線を画す、
超
(もしや、原作と違うこの流れは、女神様のアフター・サービス……?
っ! そうかっ! ジェットコースターのように、“上げてから、落とす”!
普通に最初から
そう思って、肝心の第一手は、
さすが女神様! わァ~~かってるゥ~~~~~~っっっ!!!)
真理亜は、そのような考えに至り、心密かに、自分を転生させてくれた〈女神〉、
ルキミステルへと、感謝と喝采を送る。
もちろん、〈女神〉ルキミステルは、そんなアフターケアなど行っていない。
ルキミステルの〈女神〉としての仕事は基本、魂を転生させたら、
ハイそれまでヨ、であった。
だが、この真理亜にしてみれば、“手紙を渡す”という、亡き母からの遺言を
実行しただけで、今後の展開が180度方向を変えようとは、
予想もできぬことである。
なにかしら、〈女神〉の介入があったと考えても、無理なからぬことではあった。
(ああ……大切に、優しくされたあとで、
ぶたれる──────。そんなの、想像しただけで、もぉ……
あフぅ──────♪♪♪)
自身を襲う、理不尽な虐待を想像しただけで、静かに
まさしく、変態であった。
「……?」
美摩は、抱き締めている幼子の異変に気づき、その額に手を当てる。
「すごい熱……! 大変だわ……! 真理亜、あなた、苦しくないの!?」
真理亜の身体異常に気づき、慌てて、その顔を覗きこむ美摩。
元々、実母の死という、精神が不安定なところで、前世の意識が覚醒し、
その情報処理のため、真理亜の脳は、絶賛熱暴走中。
その影響が肉体に及び、全身、高熱を帯びているのに加え、
変態的勘違いによる妄想で大興奮したため、アドレナリン
フィーバータイム突入である。
一般的な幼女ならば、すでに気絶して、救急搬送、待ったナシの状態だった。
「────大丈夫です、美摩お姉様」
どっこい、真理亜は、多幸感に包まれながら、美摩に、そう微笑んでみせる。
心身を襲う痛みを甘受しながら、そんなことを考えている変態幼女であった。
美摩の目には、真理亜のその微笑が、とても
(ああ───この
美摩がそう勘違いしたとて、誰が責められようか。
またも涙ぐんで、美摩は、手近に備えられている
それから数秒と待つことなく、応接室のドアがノックされる。
『お呼びでしょうか、奥様』
「入りなさいっ」
気が
その応えに、入室してきたのは、真理亜をこの応接室に連れてきた、メイド服の女性であった。
名は、
ショートヘアの髪の色は、紫色であったが、これは染めているのではなく、
ゲーム世界の日本人なので、
眼鏡を掛けており、端整な顔立ちの、若々しい美女だった。
メイド服は露出の少ないタイプだったが、そこはエロゲ世界の住人、体の輪郭を、
服の下からでも、強く主張させている。
バンッ・キュッ・ボン、であった。
年齢は三十三歳で、真渡園邸のメイド長を務めている。
「───この子が、
着替えを用意なさい。同い年だから、
それから、医者を」
「かしこまりました」
美摩の命令に一礼し、漱祗は、真理亜を抱きあげるため、近づこうとした。
それを察した美摩が、声で制する。
「……この子は、私が運ぶわ。着替えと、医者の呼び出しをお願い」
漱祗は、一瞬、驚きに目を開かせたが、なにも言わず、頭を下げ、応接室から
退出していった。
(──────実の子には、触れようともしないのに、と思ったのでしょうね)
切迫した思いに駆られながら、美摩は、自虐的に、漱祗の胸中を推し
手紙により、姉の想いに触れた美摩の心は、今や浄化され、原作世界にあった、
他者への攻撃性も消滅しつつあった。
心の余裕が生まれ、自分を、客観視できるようになっている。
(……私は今まで、母親としても、人としても、最低だった─────)
(それでも、変わらないと。────この子を託してくれた、姉様のためにも)
そう強く誓って、抱きあげた真理亜に、微笑んでみせた。
「疲れが、体に出てるのかもしれないわ。大丈夫、お医者様を呼びましたからね。
それまで少し、お休みなさい」
「……申し訳ありません、美摩お姉様」
真理亜の返事に、きゅっ、と、美摩は、胸を突かれる。
「────今日から、あなたは、うちの子……家族になるのだから、遠慮なんて、しなくていいのよ」
「………ありがとうございます」
そうにこりと微笑みを返してくる真理亜に、心の距離を感じながらも、
美摩は、うなずいてみせた。
それから、真理亜を抱いたまま、ゲストルームまで運び、そのベッドに、
座らせる。
十数秒後、漱祗がタオルや着替え等を持って、入室してきた。
美摩は、それらを受け取り、真理亜の服を脱がせる。
(……! すごい汗───!)
幼女の全身に噴き出ている汗の量に、美摩は、一瞬、息を呑んだ。
その体の症状から、実母を
胸を締め付けられるような気持ちになってしまう美摩である。
もういっそ、治癒魔法で、ある程度、病状を軽減してしまおうか、と、美摩は、
迷ってしまった。
が、結局、ぐっ、と、治癒魔法を行使するのを、思いとどまる。
生死の
免疫力低下につながるということで、
この世界において、症状の軽い病気に対しては、可能な範囲で、
魔法なしの処方をすることが、常識とされているのである。
「真理亜、どこか、体が痛むところはない?」
美摩は、真理亜の体を、タオルで拭いてやりながら、そうたずねた。
「………痛いところ───頭が痛いですけど、平気です。なんともありません」
「──────熱が高すぎて、感覚が麻痺してるのかもしれないわ。
先に、解熱剤を飲ませたほうがいいのかしら……」
真理亜の言葉から、美摩は、心配のあまり、病状を悪いものへと
想定をしてしまう。
さて当然ながら、真理亜の言った言葉は、文字通りの意味でしかなかった。
(………痛いとこぉ? なんつーか痛いとこしかないですわ! めちゃ痛いのは
頭ですけど、
真理亜の言おうとしたこの言葉は、〈
令嬢にふさわしいものへと翻訳・
幸か不幸か、そのおかげで、真理亜の変態的思考は、美摩から
気取られることなく、普通に会話が成立しているのであった。
そもそもの話、今現在、この真理亜、本当に、幼女として振る舞う気が、
そういう思考に、辿り着いていないのである。
『早く私を
HURRY! HURRY!』
現時点では、熱暴走のせいか、ドM本能の
焦がれている状態なのだった。
処置なし。
「お医者様の診断の前に、解熱剤は、服用させないほうがよいでしょう。
意識もはっきりしているようですし、
水枕と、冷却シートをお持ち致しましたので、まずはこれらで真理亜様の
ご気分を和らげたほうがよいかと」
メイドである漱祗もまた、そんな真理亜の被虐欲求など知る
体調の優れない幼女に対しての、常識的な提案をする。
「そう……そうね、そうしましょう」
漱祗の落ち着いた声に、美摩は、自分がうろたえすぎていたことに気づき、
おとなしく、その提案にうなずいてみせた。
そして、真理亜を寝衣に着替えさせ、ベッドにその体を横たわらせる。
続けて美摩は、漱祗の用意した水枕を使い、真理亜の額に、冷却シートを張った。
「あ───ひんやりして、気持ちいい、です─────」
真理亜は、素直にそんな声を出して、わずかに微笑む。
その
「
お医者様に診てもらってから眠ったほうが、安心できるから」
「はい、お姉様─────」
と、答える真理亜は、普通の幼女なら、気絶していないとおかしくない体調を、
ドM精神で
やがて医師が到着し、真理亜は診断を受けた結果、『ストレスによる体調不良』と見なされた。
というか、前世の記憶が蘇ったことによる、脳の異常活性化が原因、などと
医師が見抜けるはずはない。
追加でドM妄想
転生させた〈女神〉すら
そう結論づけられるしかなかったのである。
実際、医師が処方した薬を飲んで、二時間ほど寝たあと、真理亜は、
熱が下がって、気分爽快で普通に起きた。
人騒がせなことはなはだしい、変態幼女であった……………………………。
念入りに周囲を勘違いさせていく方針です。
……本当に迷惑だよなこの変態(^∀^;)