TS転生☆ドM悪役令嬢は、美事に破滅したい! 作:megajoy
そんな型●伝統に従いました(゜∀゜)
真理亜の
『
母親と同じ、赤銅色の髪は、鎖骨に届くくらいの長さ。
気弱な性格で、主人公と相思相愛になるまでは、前髪で目を隠した、
いわゆる“メカクレ”系美少女。
原作では、兎萌も真理亜と同様に、ある理由から、実母である美摩から、
精神的な虐待を受けている。
その理由とは、“魔力操作不能症”。
魔力をその身に有しているはずなのに、魔法を発動させるための魔力を、
扱うことができないのだ。
これは、〈
ありえぬことである。
魔法を使えぬ〈
───姉の
おぞましい儀式にて純潔を散らされ、名も知らぬ男たちから陵辱を受けていた。
その時に身籠もったのが、兎萌である。
兎萌は、美摩に望まれて生まれた子では、ない。
愛の
美摩は、我が子に苛立ち、怒りと憎しみに狂った。
それゆえ、兎萌を冷遇し、養子となった真理亜をも、
手酷く虐待し続けたのである。
ここで
非凡な基礎能力と、
それらのことが、さらに美摩を狂わせる。
自分の子は魔力すら扱えないというのに、
姉を死に追いやった(と、原作の美摩は思いこんでいる)忌まわしいこの娘が、
何故こうも優秀なのか………!
本来ならば喜ぶべきところなのだが、
美摩は、そこに、理不尽さを覚えてしまった。
その理不尽さからくる憤りが、真理亜への虐待に拍車を掛けることになる。
……代々、
現当主は美摩であり、その実子、兎萌は魔法を使えぬ身であるから、
次期当主が真理亜となることは、確定であった。
美摩はまた、この事実が、許せない。
もはや、怒りと憎しみのスパイラルである。
常に自分に対してオドオドとした態度の我が子、兎萌に
視界に入れるだけで
美摩は、どんどんと神経質で短気な性格になっていき、ふたりへの虐待も、
苛烈にエスカレートしていくのだった。
─────────それらは、原作では、の話である。
(おかあさまが、わたしをよんでる、って。なんだろう……)
夕暮れ前。
びくびくと
屋敷の廊下を歩いていた。
母親である美摩は、兎萌にとって、恐怖の対象でしかない。
“魔力を使えないですって!? 私の子が!?
自分が“魔力操作不能症”と判断された時の、
兎萌の記憶に、恐怖そのものとして刻みつけられている。
兎萌は、元々母親が自分に、好ましい感情を覚えていないと、幼いながらにも、
薄々と感じていた。
だから、その日以降、母親の自分を見る
見るようなものへと、ますます悪化したのも、理解できてしまっている。
自分は、母親から、嫌われている。
幼くしてその事実に行き着いてしまったことから、兎萌は、臆病で、
内向的な性格にならざるをえなかった。
心を開ける相手は、自分専属のメイドである
まともに話ができる人間は、他に誰ひとりとしていない。
兎萌は、歩きながら、一緒についてきてくれている、メイドの叶夜を、
不安げな目で見やる。
その視線に気づいた叶夜は、そっと兎萌の手を握ってみせた。
自分がついているから安心してください、と、
………
メイド長である
髪の色は、赤紫色で、前髪を綺麗に切り揃えているショートボブ。
十四歳にもかかわらず、母親に似て、胸とお尻が成人女性並に
大きく育っているのは、エロゲ世界の住人ゆえである。
原作では、双子の妹共々、攻略対象のひとりであった。
シナリオの進め方次第で、姉妹一緒に恋人になれるルートも存在する。
────その妹、
向かっている先、ゲストルームのドアの前で、待機していた。
双子の姉である叶夜と、同じ髪型で、顔はうりふたつ、
体のスタイルまで同じである。
違っているのは、髪の色が青紫色ということだけだった。
叶穂は、兎萌と漱祗に一礼したあと、ゲストルームのドアをノックする。
「兎萌様がいらっしゃいました」
『通しなさい』
美摩の簡潔な返事を聞いて、叶穂は、ドアを開け、その脇に
するりと入室する漱祗のあとに、兎萌は、胸の鼓動を激しくさせながら、
続いていく。
先ほど叶夜と握っていた手は、もう放していた。
母親に
と、身に染みてわかっていたからである。
(……! だれ……?)
兎萌は、室内のベッドの上に、自分と同じ子供がいることに気づき、そちらに
目を向けた。
そして、心を撃ち抜かれる。
(────!!! きれい………………)
ほう、と、兎萌は、見惚れてしまっていた。
真理亜である。
中身はどうしようもない変態であっても、ガワだけは魔性の美貌を持つ幼女。
純粋無垢な
その真理亜と、兎萌の目が、ばちりと合ってしまう。
真理亜は、兎萌に向かって、花開くように、微笑んでみせた。
兎萌は、自分の心臓が、バクンと跳ね上がるのを感じる。
「───真理亜。この子は、私の娘で、兎萌というの。あなたの
美摩がそう言って、兎萌を見た。
「……兎萌。挨拶なさい」
母親の短い
自分に対する時、常ににじみ出ていた、声の
感じられたのであった。
「お嬢様」
美摩への違和感が先に立ち、反応の遅れている兎萌に、
叶夜が小さな声で呼びかける。
「……あっ、は、はじめまして。ま、まどぞの、ともい、です」
兎萌は慌ててそう名乗り、ぺこり、と一礼した。
が、美摩は、なにも言ってこなかった。
「初めまして。わたくしは、
よろしくお願い致します」
代わりに声を掛けてきたのは、ベッドの上の真理亜である。
柔らかな声でありつつも、はきはきとした挨拶で、兎萌に頭を下げていた。
同席してる漱祗と、双子の娘たちは、その真理亜の所作に、軽く目を
言葉を向けられた兎萌など、すでに圧倒さえされてしまっていた。
ほんのわずかな所作に、幼女のものとは思えない、磨き上げられた品位と、
高貴さを感じ取っていたのである。
………実のところは、高貴さ起源のものではなく、真理亜の中の人の、
前世社会人の挨拶が、例の令嬢変換スキルで、
イイ感じになっただけのことであった。
無論、この場にいる者が、その事実を知る
(───さすが姉様……子の
私ときたら──────)
美摩にいたっては、感心するやら、母親として自己嫌悪するやら、
している。
(あぁ~兎萌ちゃんぢゃあ~~~♡ かわいいのう♡♡♡ かわいいのう♡♡♡)
真理亜本人は、そんな周囲の反応なぞ気づくはずもなく、ヒロインの登場に
テンション
まったくもって、やはり、なにも考えていなかった。
「真理亜は、今日から、本家の娘となります。────同い年だけれど、
生まれ月で言えば、兎萌、あなたの、
「あね……おねえさま、ですか────?」
「……ええ」
兎萌がたどたどしく口にした言葉に、美摩は、胸に懐かしさをこみ上げさせる。
娘に、幼い日の、自分の姿を重ねて見たのだった。
────自分と姉は、幸せを手にすることは、できなかったけれど。
真理亜と兎萌、このふたりには、願わくば、幸せになってほしい………。
美摩は、この日、初めて、母親たりうる願いを、その心に生じさせる。
美摩本人に、その自覚はない。
しかし、それは間違いなく、
近親百合もイイよね……
兎萌ちゃんには母子揃って滅茶苦茶勘違いしてもらいます(゜ω゜)