∞メガシンカ特典と行く! ポケモン世界の旅   作:藻屑海蘊

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投稿不定期になってしまい、すみません。
第2話になります。


第2話 相棒

 

 

これが笑わずにいられるだろうか。

やばい嬉しい。さっきまで考えてたことなんて全てがどうでもいい。

なんたって1番あり得なさそうで、1番嬉しい可能性が目の前に降って湧いたのだから!

 

「くくっ

くふふふっ」

 

語尾に音符でもついているような笑いが止まらない。

先ほどよりずっとはやく、スキップでもするような軽い足取りでパソコンに近づいていく。

震えももうない。心が弾む。

ああ、幸せだ!

素晴らしきかな、この世界!!!

さっきまでの不安や悩みが嘘みたいだ。

私の人生、いや前世はこの幸せのためにあったのだと、胸を張ってそう言える。

そんな心境でパソコンにとりつき、

「シイナのパソコンを呼び出す」。

 

「…ん?」

 

軽い違和感が頭を過ぎる。

そうか、普通は「誰かのパソコン」だよな。

…まあ、正式に作ったアカウント扱いにならないだろうし、いいか。

それより中身!中身を見たい!!

 

開くと、見慣れたボックスの風景と、色とりどりのデフォルメされたポケモンたち。

ああ、これだよこれ、これが見たかった!

もしかしたら空かもしれないなんて思ったけれど、前世のポケモンたちと思しきみんなが、ここにはいる!

私がポケモン世界に来たという確信、素晴らしい!やったぜ!ありがとう神様!!!!!

 

 

ひとしきり興奮したのち、ボックスの中身をよく確かめてみる。

こりゃすげえ。見事に

『メガシンカできるポケモンしか入ってねぇ』や。

しかも各世代から集められてる。

ポケモンHOMEかよ。

 

どうしよう、私が大好きなポケモンたちに、本当に会える。

嬉しい反面、少し怖い。

 

彼らに自分が好かれているのか…もっと言えば、嫌われていないかという話だ。

 

私は対戦勢だった。

1日に何度もバトルを繰り返し、勝って負けてを繰り返してきた。私は負けも楽しめるタチだったからか、どこか勝ちに貪欲にもなれず、判断ミスで負けた試合なんかもたくさんあった。

そんな私を、何度も自分たちを戦わせ、瀕死に追い込んだ私を、彼らはどう思っているのだろうか。

 

そんな不安に駆られながらも、好奇心に負けて指が自然とパソコンを操作し、1番の推しを含めたポケモンたちをボックスから出す。

自然と数は6匹を選んでおり、トレーナーの性が自分に宿っていることを感じる。

 

すると、パソコンの横からスライドするようにボールが乗ったトレイが出てくる。

 

「おお、アニポケと同じだ。」

 

少しの感動を経て、そして、迷いなく私は、1つのボールを手に取った。

青と灰色の、光沢のある金属の表面。そして上部には月の模様。

私が唯一このムーンボールに入れた、最推しである。

 

意外と軽いんだな、なんて他愛ないことをを思う。肌に伝わってくる金属の冷たさが、現実感のない浮き足だった心に、現実感を与えてくる。

一度、深呼吸をする。

神へ捧げる儀式のように、そして、ボールの中のポケモンと心を通わせるように。

どうせなら、アニメみたいに、カッコつけてみようか。

 

 

 

 

「出てこい、ジュペッタ!」

 

 

てんってんってんっ

ころん。

 

 

 

、、、。

 

 

 

 

 

 

な に も お こ ら な い

 

 

 

 

 

 

 

 

「??????????????」

 

 

 

 

 

 

数秒呆気に取られて、理解する。

というより、理解させられる。

推しからのプレッシャーがビシビシ伝わってくるわ。

ボール越しなのに。

きみの特性プレッシャーじゃないでしょうに。

 

名前で呼べってことね。悪かったよ、ごめんね。

 

私は基本ニックネームはつけない主義だが、一部のポケモンには名前をつけていた。なぜかはわからないが、強いて言えばいい名前が思いついただとか、その程度である。まあ、気まぐれだ。

 

ともかく、改めて。

 

「出てきて、ペッたん。」

 

今度こそ、ボールが開く。

軽妙な音と共に開いたムーンボールから溢れ出た光は形を帯びていき、やがて

不機嫌そうなジュペッタ…もとい、うちのぺッたんが現れる。

 

確かに現実世界に存在しているのに、どこが現実味のない、ゲーム通りの見た目。その不思議な感覚に、感動すら覚える。

 

感動のあまり、思わず手が伸びる。

 

不思議な感触だ。

ぬいぐるみを触っているような手触り。でも温もりはなくどこまでも冷たくて、思わず手を離してしまいそうな、そう。

『触れてはいけない』感覚。

本能が触れるのを忌避するような感覚。

 

ああ、ゴーストタイプだからか。

なんて思いつつそのまま正座して手を握るような格好で、彼女(ぺッたんはメスだ)と触れ合い続ける。

 

忌避感はあるけれど、自分の中から何かが抜けていく感覚があるけれど。

それでも、この手を離したくない。

それに、一回死んだからだろうか、ゴーストタイプたる彼女への親近感を感じる。

 

そうしているといつしか、彼女から感じる剣呑な、不機嫌そうな気配が抜けていく。

気づけば、どちらともなく抱きしめあっていた。

私が正座しているからぺッたんの方が身長が高く、膝に立ったぺッたんの頭は僕の肩に軽く預けられている。

心地良さそうな鳴き声が聞こえるから、きっとぺッたんも再開を喜ぶフェーズに入ったのだろう。

…よかった、本気で嫌われてなくて。

 

 

どれくらいそうして抱きしめあっていただろうか。

改めてぺッたんと対面する。

これからだ。

これから、私の、彼ら彼女らとの。

メガシンカに溢れたポケモン世界での旅が、始まるのだ。




読んでくださりありがとうございます!

ありがとう神様!→アルセウス、にっこり。推しが笑顔で嬉しいやで。

ニックネームについては、生前つけていたものになります。
シイナくんは基本的に過去作から思い出のポケモンを引っ張ってくるタイプだったので、思い出だけだったポケモンなんかも最新作特有の後から調整機能によりみんな個体値、種族値、性格とかがちゃんとしています。


流石に次話では小屋からでます…。
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