ダンジョンに才能を求めるのは間違っているだろうか? 作:なつきのぞ
アイズ・ヴァレンシュタインにとって、ロキ・ファミリアは掛け替えのない存在と言えるだろう。
リヴェリアを始めとした小さい頃から世話を焼いてくれた三首領、同じレベル5で仲のいいベート、ティオネ、ティオナ、憧れてくれているレフィーヤ。
他にも沢山の仲間達とファミリアの仲間として過ごしてきた。
でも、リアンと話したのはあまり多くない。どれもダンジョンでの報告や事務的な内容ばかりだった。
いや、リアンとはもっと幼い頃に話した事がある。
そう、それは私がダンジョンにばかり行ってリヴェリアに追いかけられていた日だった。
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ーーアイズ!何処に行った?!また一人でダンジョンか?!!
ロキファミリアのホーム、黄昏の館にリヴェリアの声が響いている。
だがこれも最早ロキファミリアにとっては日常の様な物だった。
アイズはロキファミリアの冒険に関する本や物語が置かれている図書館に隠れていた。
本来ならばアイズが決して訪れる事のない場所だが、身を隠すにはうってつけだった。
そこで初めて、アイズはリアンと言う少女を知る。
前から自分に歳が近い団員がいる事は知っていた。リヴェリアがダンジョンよりも友達を作れと引き合わせようとしていたから。
ほんの少しの好奇心から、気ずけば話しかけていた。
「ねぇ、何読んでるの?」
いきなり背後から声が聞こえたからか、少女はビクッと肩を揺らしたあと、ゆっくりと振り返った。
綺麗だと思った。アイズ自身も目を引く姿をしていると言われるが、自分で思ったのは初めてだった。
すると、少女は自分のした問いかけに答えた。
「えっと、私が読んでるのはダンジョンの階層事のモンスターについてと、アドバイスブックだよ?ほら、私って弱いし、魔法とかも使えないから。」
負い目を感じている様に、自虐的に微笑む彼女からは寂しさや孤独感が伝わった。
その日以降、アイズはリアンを見つけたら積極的に話しかけに行った。
そうすると何故かリヴェリアが喜ぶし、リアンも何処か嬉しそうだったから。
ダンジョンに行くと、リアンがいた。ゴブリンに囲まれ、固まっている彼女が。アイズは直ぐに駆けてゴブリンを殲滅する。その時に見えた彼女の顔には、憧憬と感謝と、少しの嫉妬が混じって見えた。
その日の夜、ロキにステイタスの更新を頼みに行った時だった。
ロキの部屋から叫び声がした。今は他の人が更新している見たいだから入るか迷った。
ーでも、アイズは入ってしまった。そして見てしまった、リアンの背に宿るステイタス、その神聖文字を。
リアンのステイタスには魔法が宿っていた。
【リィンカーネーション】
前世の才能を引き出し、行使する力。但し、代償として前世が無ければ死に至る。
その魔法は正しく、才能を求め、欲したリアンの心を映したものだった。
アイズは気づかれていない事を確認し、直ぐにロキの部屋から出た。
向かう先はリヴェリアのいる所。見てしまったリアンの魔法について、誰かにただ相談したかった。
「─それで、ロキの部屋に入っちゃって、リアンのステイタスが見えて…」
「なるほどな。アイズ、お前はロキが心配で入ったんだろう?ならば、お前がするべきはリアンに見てしまった事を伝えて謝ることだ。」
「うん、」
「分かってるならそれでいい、しかし、【リィンカーネーション】か。
アイズ、リアンはその魔法を使うと思うか?」
「うん、リアンならきっと使うと思う…、」
「そうか、、、」
「・・・・・・・・・という事があってな。フィン、お前はどう考える?」
「そうだね、僕個人としてはその魔法はとても気になるよ。でもそれだけじゃない。アイズがリアンと居るようになってからはアイズがかなり大人しくなってると思わないかい?」
「確かにのぅ、前まではリヴェリアがアイズを追っかけ回してるのが日常じゃったからな」
「そう、それも踏まえてその魔法はリスクが高すぎる。半分の確率で死に至る。これは簡単に考えられる事じゃない。」
「だがどうする?アイズはリアンなら使うと断言していたぞ、」
「そうだね、もう少しその魔法について詳しく知りたい。ガレス、ロキを呼んできて貰えるかい?」
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「何で三人がリアンたんの魔法について知ってんのか思たけど、そういう事かいな、」
「すまない、アイズにも悪意があった訳じゃないんだ。」
「大丈夫やリヴェリア、アイズだんの事は分かっとる。、しっかし、アイズたんがウチの心配〜〜!!?」
「ロキ、巫山戯るのもここまでだ。リヴェリアとアイズが言っているリアンの魔法、【リィンカーネーション】について分かることはあるのかい?」
「ウチもあれこれ調べてはいるんやけど、詳しくはなぁ、大方魂についてやからフレイヤ辺りならもっと分かるんやろうけど、ウチが分かるんは一度きりかつ発動してまえばもう後戻りは出来ひんって事や。
それにリスクは死だけやない、もし仮にリアンたんに前世があって仮に罪人だったりした場合や。可能性はかなり低いけど、もしかしたら人格、意識がそっちに引っ張られてまう可能性もあるっちゅう事や」
「なるほど、その問題もあるのか。」
「リヴェリアはやっぱりこの魔法は使わせたないんか?」
「・・・本音を言えばその通りだ。ただ、これは我々が口を出せる問題じゃない。そうだろう?」
「そうだね、僕達に出来る事はリアンが魔法を使った後のアフターケア、元々孤立気味なあの子をどうするかだ。まだリアンは10歳、アイズと一つしか変わらない。闇派閥が多い中、ファミリア内でのゴタゴタは避けたい。」
「せやなぁ、ウチとしてもリアンたんの魔法は前準備を済ませた後の方がええと思うわ。」
「ではリアンの魔法については状況が整い次第という事だな。ー所でそのリアンはどこに行ったかわかるか?アイズも見かけなかったが、」
「まさか、」
「うん、これはウチでもあってる気しかないわ。・・・・・・ダンジョンやな、」
「ーアイズ!!全く!」
「アイズたん逃げるんや〜!ママが怒ってるで〜!」
「ロキッ!巫山戯てる場合かっ!」
「あいたっ!」