俺の名前は万津 獏。極秘防衛機関Code……には所属していないけど、この世の悪を撲滅するエージェント。
「くそ!ゼッツに先を越された!」
「ハァアア!フッ!」
【グラビティ!】
「がはぁっ?!」
俺は現在麻薬取引の現場に1人乗り込んでいる。後から来たリコリスの声を聞きつつ、グラビティカプセムの力を利用し敵を引力で吸い込み強烈なフックを浴びせる。
「背中がガラ空きだぞ!」
「くっ?!」
目の前の敵に集中していると次々に増援が現れ、背中を打たれる。ま、わざとだけどね。
【フルライズ!】
俺はエクスドリームライズカプセムを操作することで無数の水泡が浮かぶ亜空間へワープし、任意の世界線が描かれた水泡を選択する。
「背中がガラ空きだぞ!って、あれ?」
「俺を撃つ夢でも見ていたのか?」
「ど、どういう事だ?!」
俺の背中が撃たれる直前まで巻き戻り、既に起きた事象を無かったことにする。これがエクスドリームの真骨頂。即ち夢オチ同然の状態にし、あらゆる可能性の中から最善の一手を選択し、実現することが可能だ。敵が呆然としている隙に俺はカプセムの力を同時併用する。
【グラビティ!インパクト!】
「オラァッ!!」
「「「「「「うわぁああああああ!!!」」」」」」
グラビティの引力で敵を吸い込み、インパクトで強化した腕力で敵を薙ぎ払う。十人以上はいたテロリストたちは数秒で壊滅した。後ろで俺の戦いを観戦していたリコリスは呆気に取られたような顔をしている。
「mission complete(任務完了)」
だんだんエクスドリームの使い方にも慣れてきた。これならどんな事が起きても対応できる。
「あ、待て!」
「またね」
【クリア!】
俺はクリアカプセムの力を発動。透明化してその場から消え去る。後の事はリコリスに任せよう。彼女たちの組織力ならばこれくらいの隠蔽はおちゃのこさいさいだからな。
「てか、クリアカプセムの力便利すぎるだろ」
ゼッツ本編のOPで顔芸を披露していたスリーが使用するクリアカプセム。対象を透明化する力は奇襲性もバッチリだ。
「そろそろ原作で言う2話が始まるかな」
2話はアラン機関に対する興味からDAをハッキングする依頼を受けたクルミちゃんが、そのせいでDAとアラン機関の両方から命を狙われており、国外逃亡を図るためにリコリコに助けを求める内容だ。
「こっそりリコリコに潜入して情報を探ろう」
俺はリコリコが閉店するまで店から少し離れた場所で時間を潰し、リコリコが閉店した際にエクスドリームカプセムの力を使用。発動するのはクリアカプセムとイレイスカプセムの力だ。
【クリア!イレイス!】
クリアの力で透明化し、イレイスの消去の力で俺の生活音をゼロにする。完璧な透明人間の完成だ。
「さて、ウォールナットからの依頼は来てるかな?」
俺は裏口からこっそりとリコリコ内に入り込み、中を見渡す。ミカさんたちは奥の和室にいるのだろう。俺は慎重に歩を進める。
「……ウォールナットから依頼が……」
お、聞こえてきたのは奥から2番目の和室だ。俺は聞き耳を立てて、和室の中の声を聞く。
「場所は○○駐車場。そこから車で移動し……」
なるほどね。場所と移動手段は原作と変わらないようだ。俺は話を最後まで聞いてから裏口からそっと出る。初めてスパイみたいな事したから心臓がドキドキしている。テロリストと戦うよりもよっぽど緊張した。
「作戦の決行日は3日後か。俺も準備しないとな」
俺はボディバッグに入れているエクスドリームドライバーを握りしめて覚悟を決める。そして、真っ暗な夜道を歩き自宅へと帰った。
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「スポーツカーじゃん!私が運転するー!」
「子どもですか……」
俺はウォールナットとの落ち合い場所である駐車場に先回りして壁に身を隠す。千束ちゃんがフェンスを掴みガチャガチャと揺らしながらあれに乗りたいーと騒いでいる。それを呆れた様子で見るたきなちゃん。
うーん、やはりいいなちたさきコンビ。
「え?なになに?!」
しばらくちたさきを眺めていると軽自動車が勢いよく飛びだし、バックでちたさきの真横に車を停める。
「早く乗れ!」
ウォールナットのくぐもった機械音声から焦燥の声が聞こえる。千束ちゃんたちは困惑しながらも車に乗り込み、車は走り去っていく。
「さて、行くか」
俺はコードゼロイダーに乗り、ウォールナットを追う。尾行はバレないように慎重にだ。
「うお、まじか?!」
千束ちゃんたちが乗る車が高速に入る寸前、猛スピードで一般道を突き抜ける。俺はバイクのスピードをさらに上げて車に接近する。
「早くスピードを落とすんだ!」
「だ、誰!?」
俺は車の真横にバイクを付けてスピードを落とすように促す。
「操縦を乗っ取られた。無理だ」
「仕方ない!」
【フルライズ!メツァメロ! メツァメロ!メツァメロ! メツァメロォ!!】
俺はエクスドリームドライバーを装着し、エクスドリームライズカプセムを装填後、エクストリガムを押す。
「何をする気だ?!」
「I'm on It(さぁ、やろうか)!変身!」
俺は開いた右手の親指で唇をなぞるようにして体の左側に持っていき、硬く握りしめる。そして変身とコールし、カプセムの下端に手をかけて回転させる。
【アブソリュート! ライダー!ゼッツ・ゼッツ・ゼッツ! ゼーッツ!エクスドリーム!】
「うわ!眩しい!」
「い、一体何が起きてるんですか?!」
変身時には俺の周囲に光が広がり、全身を黒いモヤが包み込むと光がプリズム状に走った後体に集まっていき、全身のラインが色付きながら姿が顕になっていく。
最後に一気に光が収束し、複眼に赤い光が充填されるとともに、全身から飛沫のように虹色の光が迸って変身が完了する。
「まずはドローンからやるか」
俺はブレイカムゼッツァーガンモードで背後からこちらを追跡するドローンに狙いを済まし引き金を引く。ドローンが爆発を起こし吹き飛んでいく。
「あわわ!海!海!」
「心配するな!」
【グラビティ!】
俺は海に突っ込みそうな車をグラビティの引力で引き戻す。車はアクセル全開で地面を擦り上げるも微動だにしなかった。その間にウォールナットが車の操縦を取り戻す。
「あ、危なかったぁ……」
「間一髪でしたね……」
「それより君は一体何者なんだ?」
安堵する2人をよそにウォールナットが俺に質問する。
「俺は仮面ライダーゼッツ エクスドリームだ」
「チッ、生きてやがる!」
俺がウォールナットの質問に答えるとすぐ上の道路上からこちらを双眼鏡で除くガラの悪い男たちが見えた。あれが今回の襲撃の首謀者の実行犯だろう。
「とりあえず場所を変えよう」
俺たちは近くの廃スーパーへと移動する。そこで襲撃犯を一網打尽にする作戦だ。
「とりあえず、ゼッツさん?でいいのかな?なんで助けてくれるの?」
「仮面ライダーは人類の自由と平和のために戦う。それ以外の理由がいるかな?」
「おお!なんかかっこいいよたきな!」
「信頼していいんですか?あなたの事を?」
「心配ない。私も初めて見たがゼッツは裏の世界では護衛のスペシャリストだ。その任務達成率は脅威の100%。彼に任せよう」
俺たちは軽く自己紹介を済ませる。どうやら、ファーストコンタクトは上手く行ったようだ。無事に信頼を得られたのは運がいい。これも日頃の行いの結果だろう。
その後、俺たちは立ちはだかるテロリストたちは倒して原作通りウォールナットの死を偽装した。派手に銃弾を撃ち込まれたウォールナットを放っておくのは心苦しかったがこれも作戦のうちと割り切る。
だが、ウォールナットが撃たれた時の2人の表情は俺の目に嫌と言うほどこびりついた。死んだフリと言えどあんな顔はもう見たくない。
「じゃあ、またね」
「ま、待ってゼッツ!」
「待ってください!」
俺はショックで呆然とする彼女たちを置いて1人バイクを走らせた。どんなミッションでも遂行するのがプロのエージェントだ。俺はそう思い込んで今回の原作2話を終えた。
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