俺のエクスドリームが止まらない   作:フォイオ

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True strength lies in the heart

 

 俺は万津 獏。仮面ライダーゼッツ エクスドリームに変身する普通の好青年だ。人がナイトメア化するブラックケース……その黒幕であるパニッシュゴアナイトメアと対峙した俺は奴を取り逃してしまった。あれから捜査の手掛かりもないまま時間だけがただ過ぎていく。

 

 

「……はぁ、どこにいるんだパニッシュゴア」

 

 

俺は行く当てもないまま公園のベンチで寝そべり、スマホでニュースを見る。ニュース記事の見出しはどこも全国の刑務所で相次ぐ犯罪者の不審死で埋まっている。こうしてる間にも奴の死刑……いや、私刑が始まっている。被害はどんどん拡大してきている。果たして俺に止められるのだろうか。

 

 

「パニッシュゴア?新作のアイスクリームか何かかな、獏さん?」

 

 

俺が独り言をぼやいているとベンチの真横に人が来る。そこには見知った顔がいた。

 

 

「千束ちゃんにたきなちゃん……久しぶりだね」

 

「お久しぶりです。こんなところで会うなんて偶然ですね、万津さん」

 

 

買い物袋を持った千束ちゃんとたきなちゃんが喋りかけてくる。

 

 

「獏さん、こんな所で寝てると風邪ひくよ?うち来なよ」

 

「そうですね。せっかくですし、一緒に行きませんか?」

 

 

俺はベンチから立ち上がり辺りを見渡す。季節は既に秋を迎え、紅葉が地面に落ちている。

 

 

「そうだね、お邪魔しようかな。じゃあ、荷物持つよ」

 

「ありがとう、獏さん!さ、出発進行〜!」

 

「すみません、万津さん。助かります」

 

 

俺たちは喫茶リコリコへと歩きだす。こんな事をしていていいのだろうか。何か地面の紅葉のように事件の手掛かりが落ちていないだろうか。

 

 

「それでさ、あの時たきなのパンツがあり得ない事にブリーフでさ!」

 

「それは言わないでください!?」

 

「たきなちゃん、ブリーフはないと思うよ」

 

「獏さんまで?!」

 

 

 

千束ちゃんたちと話しているうちに俺はある事を思い出す。そう言えば彼女たちはリコリスだ。何かパニッシュゴアナイトメアが引き起こす事件の手掛かりを掴んではいないだろうか?

 

 

「最近ニュースでよく犯罪者の不審死が話題になってるよね?千束ちゃんたちはどう思う?」

 

「どう思うって言われてもなぁ。たきなはどうなの?」

 

「私ですか?私はそうですね……もし、こんな事を起こしている何者かがいるとすればそれは間違いなく間違っています」

 

「それはどうして?」

 

 

俺は思わず質問をする。この事件にいまいち乗り気ではない理由として、パニッシュゴアが引き起こすブラックケースはいずれも犯罪者を狙った私刑であったからだ。

 

ブラックケースの被害者の中には最高で死刑、無期懲役の人間がいた。どう言う経緯で捕まった者たちなのか興味本位で調べたがどれも目を覆いたくなるような悪そのものだった。殺人、強盗、レイプ、虐待etc……今まで目を背けていた物に直面して俺は人間が嫌いになった。吐き気がして眩暈がした。

 

そして、思ってしまったのだ。パニッシュゴアが起こすブラックケースはある意味正義なのではないのかと。犯罪の被害者の中には塀の中で生きている犯罪者に怯え、眠れぬ夜を過ごしている人もいる。何故、罪もない人がそんな生活を送らなければならないのか。やるせなさが勝り立ち止まってしまった。答えの見えぬまま戦うことはできない。だから、戦うための理由が欲しかった。

 

 

「犯罪者は決して許される事はありません。事件の被害者は犯罪者によって消えない傷を抱える事になるからです。しかし、だからと言って私刑が横行すれば復讐の連鎖は止まらないでしょう。憎しみを断ち切り、真の救済を目指すには私刑であってはいけない。私はそう思います」

 

「……たきな。なんて言うか変わったね」

 

「え?そうですか?」

 

「前のたきなだったら死んで当たり前です!とか言いそうだったのに。なんだか、成長したなって」

 

「こ、これもゼッ……ある人のおかげなんです」

 

 

たきなちゃんは恥ずかしそうに頬を染める。俺はたきなちゃんに更に質問を重ねる。途中まで言いかけたある人……俺は聞き覚えがある。

 

 

「たきなちゃんの言うある人って?」

 

「えと、そうですね。その人は例えどんな人が相手でも救う事を諦めない、決して見捨てない強い人です。あ、力がじゃないですよ。なんて言うかその……本当の強さを持っていると言うか……私は以前、道を踏み外しそうになった時に教えてもらったんです。だから、私はその人のように強くありたいんです」

 

「……たきなちゃん、ありがとう。そうだよね、諦めないよねゼッツなら」

 

「そ、そうですゼッツさんです!あれ?何で万津さんがゼッツさんを知ってるんですか?」

 

 

あーあ、何うじうじ悩んでたんだ俺は。たきなちゃんをよく見ろ。ゼッツを、俺をこんなにも信じてくれてる人がいるんだ。

 

なら、俺はその信じてくれる人たちのために戦う事が!悪意に負けず諦めない事が!俺の進む道だ!

 

 

「ごめん、俺急用思い出しちゃった!荷物返すね、この埋め合わせは必ずするから!」

 

「うお!ちょっ?!待ってよ、獏さーん!」

 

「待ってください!万津さんはゼッツについて何を知ってるんですか?!」

 

 

俺は全速力でリコリコとは反対方向に走りだす。そして、近場の裏路地に入り、エクスドリームドライバーを巻き、カプセムを装填。一気に変身する。

 

 

 【フルライズ!メツァメロ! メツァメロ!メツァメロ! メツァメロォ!!】

 

「I'm on It(さぁ、やろうか)!!変身!」

 

 【アブソリュート! ライダー!ゼッツ・ゼッツ・ゼッツ! ゼーッツ!エクスドリーム!】

 

 

さぁ、打倒パニッシュゴアナイトメアに向けて作戦開始だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

————————————————————————————

 

 

 

 

 

 

 

 

「楠司令!大変です!」

 

「どうした?」

 

「ゼッツが全国中継の生放送の番組をジャックしました!」

 

「何だと?!」

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