変態狂人肉体派呪術師、冒険者ギルドを追放されたのでアステカとヴードゥを源流に持つ新呪術体系「カパック・ナワル」を操りソロ冒険者を極める!   作:大地の杖

10 / 10
第10話「疫病の白」

勝ちに勝ち、また勝つために出掛けていった

その騎士の一矢がイツァムに突き刺さる!

 

「ガハッ…!」

 

それは左胸に突き刺さる!

明らかに心臓を狙った一撃なのだ!

 

「…終わったか…いや、コールマンのことだ、何かあるに違いない…」

「念には念をだ」

さらに矢をつがえる!

 

「太陽は沈み、夜の闇が大地を包む。私はヒトの衣を脱ぎ捨て、真の姿を現そう。さあ、星々の斑点を持つ漆黒の外套よ、私の肌に宿れ。私の叫びは夜の風となり、私の息は森を震わせる。」

 

イツァム?!死んだはずでは!

「ゲデ族をナメるな!この程度では死なん!でも疫病の影響を受けないわけではない!そこそこキツイ!」

 

「六代目という時を経ても、やはり腐ってもコールマン…!天魔人大決戦の発端たる家系はこの程度では滅ぼせんか…!しかし、私の力をナメてもらって困るな!」

 

大矢の突き刺さった場所から樹木のようなイボが増殖し始める!これは…ツリーマン症候群!?

 

「ウオオオッ…!」

 

イツァムは強引に突き刺さった大矢を引き抜く!引き抜かれた大矢と共に心臓がもっていかれる!

 

「…ヒトをやめたか、コールマン!」

 

二本目の矢が放たれる!

それはイツァムの頭を狙って放たれた!

 

「我が主、煙る鏡よ。あなたは闇の中に輝き、ジャガーの姿で大地を歩まれる。いま、私の足は四つの爪となり、私の瞳は夜を貫く燃える炭となる。美しきイトスギは影となり、私の背に鋭き戦の刃が突き刺さる。」

 

しかしマクアウィトルでその大矢を弾く!

だがなんということか!その弾かれた矢は再びイツァムに向け飛んでゆく!

 

「なんっ、うぐうっ!」

 

脇腹に突き刺さり、それは貫通した!

 

「ウゲェェェッ!!」

 

ボタボタと残り少ない血を吐き出す!

そして再びツリーマン化が始まる!

 

「ぬぐぅぅぅぅ…!」

 

だかやはりそれを引き抜く!

イツァム!いつまでもそうしてたら体が残らないぞ!

「わかってる!でも次の詩で終わりだ!」

 

「させるとでも?」

疫病の白は第三の矢をつがえる!

「やるんだよ!」

第三射目が放たれる!

やはり頭を狙っている!

 

「私は進む、私は闇を裂いて疾走する。私の血は戦場の叫びであり、私の牙は敵の魂を噛み砕く。私は青き水を越え、黄金の月光を浴びて、夜の支配者として現れる。人々よ、震えよ。私はあなたの恐怖であり、あなたを死へと誘う夜そのものである。」

「術式起動!指定正位置!」

 

「『山の心臓』(テペヨロトル)!」

 

黒きジャガーへと変貌した!

いままでの普通のジャガーとは別物なのか?

 

「別もんだ!いくぞッ!!」

 

速いッ!カメラが追い付けないッ!!

しかし同時にすさまじい速度でマクアウィトルが引きすられていく!

 

「くっ、狙いがっ…!…などと言うのを願っていたとしたら、それは実に滑稽だ」

 

第四の矢が放たれる!

しかしそれは天に向かってだ!

その矢はやはりイツァムを狙っている!

 

「別にそれを狙っちゃねぇよ…それに、これまで矢をくれてありがとよ!おまえを倒す準備が整った!」

 

「Callman!三次元軌道ッ!」

 

また七孔から血を吹き出して死ぬぞ!?

 

「吹き出す血はもうない!だがゲデ族は失血すら超越する!なぜならばゲデ族とは精霊でありながらゾンビでもあるからだ!」

 

なんか不死身では?「いや、全身の腱が切れたらとかしたら動けなくなる」制限あるんだ!

 

「かっ飛ばすッ!第一球、いっきまぁす!!」

自らに突き刺さっていた矢の一本をスイングバイを起こしているマクアウィトルにぶつけるッ!

矢のシャフトは崩壊したが矢じりは破壊されず、そしてマクアウィトルの運動エネルギーを引き継ぎ、時速360kmで疫病の「白」へと飛んでいく!

 

「…なん、だと…!」

それは無効化されずに、疫病の「白」に突き刺さる!

 

「やはり効く…!自らの権威までは無効化できないと見て正解っぽいな…!」

 

「…私が、傷つく日が来るとは…コールマン、侮っていたつもりはないが…たかが人間とたかをくくっていたのは認めよう…!」

 

「覚えてるか?三発目と四発目…いまなお俺に突き刺さらず、ずっと俺を追いかけ続けてるのを…!」

 

「…クッ!」

 

自らの放った矢を破壊すべく矢をつがえる!

しかしもう遅い!

 

「第二球&第三球、いっきまぁす!!!」

イツァムはマジックボックスから何かをぶわりと広げ、そしてそのひろげた何かに向かって飛来してきた矢をマクアウィトルで叩きつける!

 

そしてそれは疫病の「白」へ向かう!

 

「なんっ、ぶっ!」

 

矢じりがひっかけていったそれは疫病の白を覆う!

…あれは!アザゼルの皮膚!

 

「疫病の白!おまえの司る疫病はたしかに厳しいものがあった、だがそのアザゼルの皮膚にはおまえの疫病の…おそらくコピー元、つまりマルキラの「神の毒」がこもっている!ということはつまり!」

 

「うおおおおっ…ぐっ、がぁぁぁぁっ!!」

アザゼルの皮膚に包み込まれた疫病の白はしかしその姿をグズグズと溶かしていく!

 

「おまえは本家本元の「疫病」には勝てない、チェックメイトだッ…!」

 

第一の騎士は騎乗していた馬ごと溶けきった!

 

疫病の「白」を倒した!

 

ステファノス(勝利を司る権威)を手に入れた!

アザゼルの皮膚は使い物にならなくなった!

大矢を引き抜く時に一緒に引き抜かれた自分の心臓をマジックボックスにしまった!

 

─来たれ

 

ふたたびどこかから声がする─

 

「またかッ…!あの孔をどうにかしねぇといくらでも出てくるんじゃねぇか…?」

 

イツァムはネフィリムの脳砂、アザゼルの角と蹄の粉末に生石灰を流し込み漆喰としたスケープゴートをマジックボックスから取り出す!

 

孔から出てきた存在

それは赤き馬に乗る、大剣を持つ騎士であった

 

戦争の「赤」が現れた!

 

~~~

 

一方、町ではある家庭のある夫婦間で口喧嘩が起きていた

 

「おまえのそう言うところが気に入らないんだ!」「なんですって!?」「ああもういいさ、好きなだけ言ってやる!部屋の掃除をしない!食器を片付けるのも遅い!それだけじゃない!郵便物を出すのだって1日遅れたりするじゃないか!」「あなただってやってちょうだいよッ!」「俺は仕事で疲れてる!おまえは家で家事をやってる!どっちが疲れてる思ってるんだッ!」

 

しかしこの瞬間、戦争の「赤」が顕現する!

 

気付けば女は、男を刺し殺していた

だがその手は止まらず、いつまでも死体を刺し続けている!

 

そしてこういった争いは、町の全てで起こっている!

 

戦争の「赤」、その権威─

 

─ありとあらゆる害意の膨張

 

つまり、発端がどれほどつまらない口喧嘩であれ、殺し合いにまで発展させる力である

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。