変態狂人肉体派呪術師、冒険者ギルドを追放されたのでアステカとヴードゥを源流に持つ新呪術体系「カパック・ナワル」を操りソロ冒険者を極める! 作:大地の杖
「ごめんな、飢餓の黒」
イツァムは閉じながらも開いた世界で、飢餓の黒に言葉を投げ掛ける
「何がだ?」
飢餓の黒はそれに応じる
恐らくは、寂寥感
それに突き動かされたがゆえだろう
「俺は、生きたい」
「だろうな」
「ああ、それに…」
「…?」
「またギルドのアイツらの顔、見たいからさ」
「…ハッ、仲間がいるか…それは、いいことだ」
飢餓の黒にとって、これは始めての会話だった
なぜなら自らが出れば、世界の全ては滅びる
結果、封印されている彼のまわりには誰一人として、何一つとして存在しなかった
だから、終わりのなかでなお前を向こうとするイツァムが眩しかったのだ
「だから、おまえのこと出落ちにさせるわ!」
「は?????????」
だがそれはそれ!!
飢餓の黒、その権威を司る天秤は熱量死の滅びの力、そしてロアの門がもたらすアシェという精霊たちの生命エネルギーを一手に引き受け、そして破壊される!
「じゃあね!」
天秤が破壊され無能力者と化した飢餓の黒はイツァムの振るったマクアウィトルにより叩き割るように倒された!
飢餓の黒を倒した!
世界は再び開く!
だがしかし、そこは─もはや、イツァムの知る世界ではなかった
「…どこ?ここ」
それは実りある楽園
エデンの園そのものであった
─来たれ
再び声が響く!
「あっ、えっ…ああ!死の灰か!そっちは簡単に倒せるんだなコレが」
─小羊が第四の封印を開いた時、第四の生き物が「来たれ」と言うのを、わたしは聞いた。
世界の裏に行くなイツァム!追いかけるのが…タキシード?!なんという早着替え!
「卵と綺麗な水とミルクを用意します」
─そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、これに乗っている者の名は「死」と言い、黄泉(よみ)がこれに従っていた。
世界の裏からいっしょに持ってきた供物をヴェヴェに捧げ始める!
「準備完了!」
─彼らには、地の四分の一を支配する権威、すなわち、剣と、飢きんと、死と、地の獣とによって人を殺す権威が与えられた。
死の灰が現れた!
その権威─全生命に対しての死
今この場にはいないが、オグンであれ例外ではない…まぁ、彼なら死にながら生き続けるだろうが…
「来てくださいッ!ダンバラパパン!!」
残っていた最後のトウモロコシの髭で編まれた紐、それを依代としてダンバラ・ウェドが顕現する!
死の灰によってもたらされた死はしかし、創世神の持つ生の力で新たな命が与えられる!
死の灰の権威は無効化され、やはりまた無能力者が生まれてしまう!
ダンバラ・ウェドは蛇のごとく舌を震わせる!
死の灰は蛇に睨まれたカエルのように動けない!
「やっちゃえパパン!ダンバラパパン!」
完全に他力本願なのどうにかしろ!
「人間…というか生命あるものが敵うわけ無いじゃん。相手は死だよ?」
…うむむ…
ダンバラ・ウェドは死の灰を丸のみにした!
死の灰は倒された!
声は止んだ!
「あぁ~~~まぁリリスとどっこい…いや、それより疲れたか?てかゲデになってなかったら第一の騎士でもう死んでたな…」
「イツァム」
◆我らがイツァムに呼び掛けるこの声は─?
「ホァッ!誰…テスカトリポカ神ィ!」
「腹は、決まったか?」
「…?」…あっ、抗うか腐るかの二択強いられてましたね…「あっそれかぁ!」
「忘れてたのか…?」
「滅相もございません…俺、一度街に戻ります。皆の顔も見たいし、なによりアイツらとまた冒険したいから」
「…冒険、ね…抗う、ということでいいか?」
「ハイ!」
「なら天を見ろ」
「ハイ!…は????」
そこにはYHWHの文字が刻まれていた!
【イツァム・ナー・コールマン、見つけたぞ】
「ゲエーーーッ!?!」
YHWH?!まさかここに降臨するのかッ!!
【おまえをこの天の国から追放する】
「は?天の国?いやここ下界では?」
「おまえここが下界だとでも?セラフィムがいて、ネフィリムがいて、アザゼル、ベリアル、リリスがいたのに?」
「…あっ、スゥーッ…」
イツァムの足元の雲が全て、かき分けられるように穴が空く!
「うわぁぁぁぁぁぁ…!?」
テスカトリポカ神もいっしょに落ちていく!
「ハハッ!気持ちいいもんだなイツァム!空を飛ぶのは!」
「いや死ぬんですけど?!」
地上まで残り10000km!
「天に立ち向かう決意をした戦士を戦い以外でみすみす死なせるとでも?」
テスカトリポカ神は世界の裏への扉を開けた!
イツァムはそこへ投げ込まれる!
「おわぁぁぁぁ!」
「案ずるな!いつもの場所だ!」
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映像が乱れております。少々お待ちください
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「ああああっ!」
イツァムは床に叩きつけられ、テスカトリポカ神は優雅に着地する!
「ふぅ!なかなかいい風だった!」
「何が「いい風!」なのォ?!」
イツァムはとうとうキレた!
「ハッ、まあそうカッカするな」
「しまぁす!!」
「また世界の表に出れば今度は下界だ」
「だが、天界への道も開けてやろうじゃないか」
「ヘエッ?!」
「何を驚く、オレに出来ないことがあるとでも?それとも、こんなことをしてくれるのが驚きか?」
「や、その、まぁ…ハイ!」
「元気でよろしい、では開けるぞ」
「お願いします!」
イツァムの前に二つのゲートが開いた!
片方は黒、もう片方は闇のように漆黒のゲートだ…テスカトリポカ神、この色の違いは?
「カルマだ」
「いかに腐っているか、いかに滅んでいるか」
「それを示している」
「ということは…ん?天界が黒なんですか?」
「そりゃあな、プロバガンダに天魔人入り交じる勢力図、かなりのものだが…下界はレベルが違う」
「それは一体…」
「なぁに難しいことはない、おまえがやった熱量死に対するカウンター、ロアの門の解放により下界は造り直され、土地に対応した神話体系の神が現れ、人間を地獄や冥府に落とし、しまいにはヒトの土地だったそこを神の領地として占領し始めただけだ」
イツァムは盛大に吹き出した!
「何がッ!?何が難しいことはないなの?!」
「なにも難しくはないだろう?おまえがやったのだから…にしても、クッ、ハハハッ!傑作だ!これだけやっておきながら本人に自覚がなく!しかも天に歯向かってみせると来た!実にオレ好みだ、イツァム・ナー・コールマン!」
「クゥーン…」
イツァムは連れてきた子犬のようになってしまった!
「さて、そろそろ行けイツァム…まぁ、天界は行かせてやれんがな」
「えっそれは」
「YHWHが追放した後なのに突然街に戻ったら、そりゃあ第五次天魔人大決戦が発生するだろうに…そうしたら、街はどうなる?イツァム」
「ぬぐぐぐぐ…わかりました!わかりましたよ!行けばいいんでしょ下界に!」
イツァムは漆黒のゲートに飛び込んでいった!
「ああ、行けイツァム、次の舞台は─」
「メソポタミアだ」
イツァム現在地
メソポタミア神話体系
泥濘の揺籃(マディ・バビロン)
「あと、第二の騎士の心臓はもらっておく」
「これで太陽を動かして、終末を止めておいてやる」
「さて、これで…貸しは…ひとつ消え、しかしまたひとつ生まれ、か?」