変態狂人肉体派呪術師、冒険者ギルドを追放されたのでアステカとヴードゥを源流に持つ新呪術体系「カパック・ナワル」を操りソロ冒険者を極める!   作:大地の杖

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第6話「家訓の意味をたった今、身をもって教わりました」

ゴグとマゴグの軍団が迫るッッッ!!!

 

「待てよオイ!待てって!死ぬ!」

 

しかしその手にはしっかりとマクアウィトルが握られている!臨戦態勢はバッチリだ!

だがゴグとマゴグの軍団は目の前のちっぽけな一人にたいして止まることはない!

さもありなん

彼らの戦争相手、つまり敵とはYHWHそのもの!人間風情に相手がつとまるようなゴグとマゴグたちではない!

 

「止まってくれねぇ…クソ、やるしかねぇか…!ご先祖様!アンタの言った家訓は正しかった!」

 

聞こえるか、テスカトリポカだ

 

「フェッ?!いやあのこれはですね」

 

それは後でやるからまぁいい、呪術も使っていいぞ

しばらくアステカの戦いをみてなかったから忘れていたがアイツら飛び道具使ってたからな

 

「アザッス!マジアザッス!!」

 

じゃあな

 

「ハイッ!よし!じゃあやることやるだけだ!!」

 

マクアウィトルを持ち直し強心飴を5粒も口に含んだ!イツァムであれどその負担は限界値に近い!

 

「やるしかねぇんだよォ!」

 

ゴグとマゴグの軍団が現れた!

 

「我がトナル、10の葦!司りしは「赤」!」

 

「我がナワル、オセロトルたるジャガー!率いしは「黒」!」

 

「すなわちシペ・トテック、そして我らが最高神、テスカトリポカなり!」

 

「皮を剥がれた我らが主よ!煙る鏡よ!!我に力を与えたまえ!!!」

 

「その暁にはこの軍団を滅ぼしてみせよう!」

 

…へぇ、言ったな?やってみろ

【滅びの後に実りあれ】

 

「これでワンチャンってところか…!」

 

ギリギリが過ぎる!綱渡りもほどほどにしなきゃ死ぬぞ!

 

「その前に死ぬんだよ…!」

 

残りあと100mもないぞ!

 

「パパ・レグバ!鍵を借りる!」

 

木の杖を取り出しコンコンと地を叩く!

 

「頼むバロン・サメディ!そっちに死者しこたま用意するから受け取りに来てくれ!!」

 

~~~

ああ?!無茶言うな!

~~~

 

「死ぬか生きるかの瀬戸際なんだ!頼むよ!」

 

~~~

…あー、クソ!

オレはまだお前の墓を掘る気はない!

これでいいか!

~~~

 

「感謝しまァす!!よし!これで死ぬことはない!」

 

バロン・サメディ

彼は死を司る、具体的かつ簡単に言えば「いつまで生きていつ死ぬか」の決定権を持つ

つまり彼が「お前の墓を掘る」といえば死ぬし、彼が「お前の墓を掘る気はない」と言えば死なないのだ

 

「まだ勝つには重ねがけが要る…!」

 

「我が身を縛るこの皮を今こそ剥がん!」

「我が魂に宿るナワルはジャガー!すなわちテスカトリポカの化身なり!」

「我、葦となりて内なる蛇と交われり!」

「我が身を守るすべての神の名の元に、我、ナワッリ(怪物)と化さん!!」

 

すべての儀式が終わり、あたりが暗雲に包まれ、すべての音と光がなくなる

そして…ゴグとマゴグ、その目の前にあった路傍の石は、もはや無視のできるものではなかった

 

その男が纏うのは、二つの異界の神から掠め取った「死」と「混沌」そのものだった。

彼の灰黒色の巨躯は人間の皮を脱ぎ捨て、「黒きジャガー」の凶獣へと変貌している。

胸元で牙を剥く大顎、五体を這い守る創世神たる白蛇は、紛れもなく最高神が降臨した証。

しかし、その頭上に戴くのは、髑髏をあしらった漆黒のシルクハット――あの世の門番、「バロン・サメディ」の「死の記号」であった。

肩から生々しいは皮のマントを翻し、男はただ佇む。

右手に握られた2メートルを超える大質量マクアウィトルは、びっしりと漆黒の黒曜石を噛み、その黒曜石に映るすべてを「収穫」する死神の鎌として、静かに昏い光を放っていた。

 

「ふぅ…よし、これでどうにかなるだろ!いざ尋常に!!勝負!!!」

 

それはただ、空を裂くマクアウィトルの一振りだった

しかし、その黒曜石に映した全ての軍の皮膚を剥ぎ、その命を刈り取り、そして全ては神に捧げられたのだ

 

ゴグとマゴグ軍団 の 進軍 が 止まった!

 

~~~

あのヤロウ本当にやりやがった!

この量の魂は骨が折れるだろうがよ…!

~~~

 

…よし、良いだろう

よくやった、イツァム

今から行く、待っていろ

 

「ハァァァァ試練生き残った!死ぬッ!副作用がやばくて死ぬッ!」

 

「ウサギの肉とトウモロコシでも食っとけ、燻しておいた」

 

「ありがとうございます…」

 

ムシャムシャと一心不乱に食べ始める

しかしテスカトリポカ神はその御身から煙を放ち始める

 

「…ここまでだ、神に仇なす魔の軍よ」

 

「ナウイ・オセロトル」

 

「今その幕を降ろす」

 

「ブーーーーーーッ!!!」

イツァムはおもむろに吹き出した!

「ちょっと?神?オレの頑張り全部無駄になるんすけど?ちょっとォ?!」

 

「戦士たちよ、眠れ」

 

「アーーッ終わりだァーーッ!!!この神本気だァーーッ!!!!」

 

大地が裂け、ジャガーたちが這い出る!

 

「ヘエッ?!ジャガー?!あれ?ナウイ・オリンではない?」

 

「ではない、つまりお前らの世代はまだおわらん」

 

地より這い出たジャガーがすべてのゴグとマゴグを地割れの底へと沈めていく!

 

「ハァァァァ死ぬかと思ったァァ」

 

ぐったりと脱力してしまう!

多重変身もとけた!

 

「さて、お前がルチャドールかオセロトルかだが…」

 

「ハイ…」

 

「どちらでもない」

 

「ヘェッ…?!」

 

「お前は「ナワリ」だ」

 

ナワリ

アステカにおける変身術や呪術を扱う者たちの総称

つまりイツァムは戦士でもパフォーマンサーではなく、呪術師として認められたのだ

 

「ナワリ…ナワリ…?えっ、黒のテスカトリポカに認められた呪術師?マジ??」

 

「大マジ♡」

 

「よっっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!アガッ」

 

イツァムは歓喜のガッツポーズをした直後、全身の皮を剥がれるような激痛と心臓痛と頭痛に襲われ気絶してしまう!

 

「…しまらない男だ、だがいい」

 

「休息は戦う者の特権だ」

 

優しい雰囲気が一変し、煙る鏡としての威厳を漂わせる…

 

「だがお前は奴らを滅ぼすと言ったな?」

 

「しかし実際に滅ぼしたのはオレだ」

 

「これでは約束が違うな?」

 

「ということで、お前からルチャドールとしてのすべての才覚を奪い取る」

 

「異論はないな?…まぁ、返事もできないか」

 

「ではいただいていく、じゃあなイツァム」

 

「お互い生きてたらまた会おうじゃないか」

 

テスカトリポカは「世界の裏」へとまた戻り、そして残るは気絶したイツァムのみであった

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