パーツが大好きなタイプの姉御肌生徒ちゃん   作:フェチズム和尚

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まずは触るところから始めよう

「アキラ、あたしはケモミミが好きだ」

 

 

 というか、ケモミミというか尻尾も翼も、なんなら人の手足だって大好きだ。

 だから。

 

 

「だからお願いっ! 触らせてくれ!」

 

「いやです。あなたに触られると色々と失いそうですから」

 

「えー、そんなぁ」

 

「そんな堂々とフェチズムを語られても困りますよ」

 

「義賊まがいとは言え違法行為してるあんたに言われたくないんだけど」

 

「……」

 

「……」

 

「まぁ、それは良いとして」

 

「いや良くないだろ。そろそろ観念しろよ『慈愛の怪盗』さまー?」

 

「ちょっと?」

 

 

 ほう、流石に堂々とその名を語られては、このミステリアスケモ狐も黙ってはいられないらしい。

 お前うまいこと名前隠してるもんなぁ。

 

 

「マナ、そう言うあなたは作品を作らないんですか」

 

「あー……まぁ、気が乗らねーし」

 

「もったいない。あなたの作品"は"価値があるというのに」

 

「それあたし本体には価値がないって言ってね?」

 

「そんなことはありませんよ。ただ堂々とフェチズムを語るあなたにはドン引きしていますが」

 

「そんな恥ずべきことかなぁ」

 

 

 いやいや、好きなものを好きと言って何が悪ぃんだよ。

 言ってることはロボが好き〜とか本が好き〜と変わんないだろ。

 

 

「好きを語るにもTPOがあるのでは?」

 

ワイルドハント(ここ)こそ堂々と好きを語る場所だろーよ」

 

「ああ言えばこう言いますね」

 

「そっくりそのままあんたに返すよ、アキラ」

 

 

 3年にもなってやることが義賊まがいな奴だもん。

 芸術への好きが高じてるよな〜。

 

 

「というより、何でここまで着いて来てるんですか、と言うかどうやって着いて来たんですか」

 

「ふっつーに。あんたのやり口をあたしが全く知らねーとでも思ったのか」

 

 

 3年間見て来たんだしまぁ分かるわ。

 ここまで着いて来れたの初めてだけどなぁ。

 

 

「私も焼きが回りましたかね?」

 

「ひっでー。あたしの正当な努力だっつの」

 

「まぁそれは否定しませんけど、なんか釈然としないんですよ」

 

「それがひでーんだって」

 

 

 アキラこいつ、あたしのことナチュラルに舐めてたりするのか?

 いや、舐められるようなことしかしてねーのは認めるけどさぁ。

 

 

「その大きい両手持ち筆とかいつ見てもふざけてるとしか思えませんからね」

 

「えー、取り回し結構良いんだぞー?」

 

「墨、どこから補給してるんですか」

 

「企業秘密」

 

 

 あたしも何で補給できてんのかははっきりしらねーんだよなぁ。

 この筆がトクベツなんだろ、多分。

 

 

「これが天才水墨画家、雨墨(あまずみ)マナですか」

 

「何を今更、変人だらけだろうちの学校」

 

「その件に関しては沈黙を」

 

「よく言われるけどそれ、答えてるようなもんじゃねぇかなぁ」

 

 

 相も変わらず煙に巻きたがる奴。

 

 

「んで、今日はこの建物から盗むのか」

 

「……隠しても仕方ありませんし。ええ、まあ。それを聞いてどうするおつもりで?」

 

「手伝う」

 

「ほう」

 

「その代わり耳触らせてくれない?」

 

「いやです」

 

「えー」

 

 

 残念、アキラの耳とか絶対触り心地いいのになぁ。

 

 

「ちょっとくらいだめか?」

 

「い、や、で、す。あなたに触らせたら私色々と失いますよ」

 

「そんなにひどい奴に見えるかあたしぃ?」

 

 

 あたしにも心ってのはあるからな? ちょっと傷付くぞ。

 そんな避けられるほどやべー行動したっけ。

 

 

「なので、手伝ってもらう必要はありません。というか、私は1人でやることを"信条"としていますので」

 

「……そうかよ。あたしの骨折り損かぁ」

 

 

 信条なら仕方ない。

 

 

「ん」

 

「……ちょっと?」

 

「?」

 

「何故、ターゲットのいる建物の方へ? あなたは帰ればいいでしょう」

 

「何故って……手伝えねーんなら勝手にやるだけだぞ」

 

「は?」

 

「あたしの信条はおせっかい。知ってんだろ」

 

「……そうでしたね」

 

「協力者じゃねー、たまたま『慈愛の怪盗』のターゲットのビルふきんで勝手に大暴れする筆のチンピラだ。気にすんなよ」

 

「ふふ、そうですね。世にも珍しい筆の暴徒なんて……さぞ、目立つでしょう」

 

「そういうこったよ」

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