パーツが大好きなタイプの姉御肌生徒ちゃん 作:フェチズム和尚
「あっはっは! あたし如きに厳重過ぎやしないかい! あはははははは!」
「まあ、大事な時に邪魔をされちゃいましたし」
「う〜!」
「く、クルミ落ち着いて……あれ、半分くらい私が悪いからさ〜?」
「あんたはどこも悪くないでしょっ!」
「いい狙いだった、狙撃手さん。おかげでずらす先に狙いをつけやすかったよ」
「あ、どうも?」
「敵に褒められてどうすんの!」
「あんたもいい構えだったと思うよ? ポインターさん。あたしじゃ絡め手をしないと崩すのめんどそうだったし」
「……だからっ! 犯罪者が、平気で捕まえた相手を褒め称えんなーっ!」
「はきはきしてるねぇ」
「っ〜!」
あの跳弾が決め手となってしまったのか、それとも指示なのか。
まぁ皆さんやる気を出してあたしを拘束しにかかるもんだからねぇ。
ぼちぼち捕まっちゃったよ、あたしも。
「そこの隊長さんは、何かあたしに言うことはないのかい」
「……」
「見てたんだろう? あの時。ようやく捕まえられてよかったじゃないか」
あたしがSRTに手を出したのは2回だけ。
あの時と、今回だ。じゃあこの子が見てたってのはそう言うことになる。
「にくい仇敵みたいなもんだしね」
「そうなの?」
「余計な情報を口にするな。雨墨マナ」
「……そうかい? あんたがそれでいいならあたしもいいけど」
「……」
この子の目からはちょーっとばかし察するのは難しいねぇ、何とも言い難い。
さぁて、どうしようかと言ったところ。
……。
にしても。
「あんたたちかわいいお耳してるねぇ」
「あはは……ほんと好きなんですね」
「そうとも。今すぐ撫で回したいくらいさ」
「っ!?」
賑やかな子がパッとあたしから距離を取った。
撫でやしないよ、と言うか物理的に動けないからね今。
「ん」
「どうかされましたか?」
「や。……うん、君たち」
いるね。何でか知らないけれど。
というか何するつもりだ?
「もう一つ、盗んでおこうかと思いまして」
「な」
「警戒体せ
瞬間。
あたしは車の外にいた。
目の前には……アキラ。
「あたしのことなんざ放っておきゃあいいのに。またどうして」
「ふふ、何でだと思いますか?」
「んー……今回はお手上げだねぇ。よくわかんない」
「ならそれでいいですよ。今私は、私のために動いていますから」
そういうアキラの耳はぴこぴこと動いていて。
……撫でたいなー……でもだめなんだもんねぇ。
「なぁアキラ」
「いやです」
「まだ何も言ってないよ!」
「目線が正直すぎますよ。マナ」
「ぐむむむむ……」
ああ恨みがましい。
でもダメって言われちゃったからダメなのだ、南無三。
「で、お目当てのもんは盗めたのかい」
「ええ」
「へぇ、どんなのなんだい」
「……手元にはありませんね」
「え? 置いて来たり?」
「いえ。あなたと入れ替えました」
「へ?」
入れ替えた?
それってつまり、入れて、替えたってことだよね?
…………はて?
「言ったでしょう。今の私は私のために動いていると」
「?」
「私の気に入ったものが誰かの手に渡るなどあり得ませんよ」
「はぁ? あんたそんな理由で盗んだものを」
「 おや、聞き捨てなりませんね」
アキラはあたしの方へずいっと距離を詰める。
そんなことされたって何もできやしないよ、縛られたままだし。
「どうしたのさ」
「その目です。私が好きな、あなたの目」
「はぁ?」
「真っ黒な、吸い込まれるような
「あたしからしたらあんたらの方が綺麗な目してるんだけどねぇ」
「今は私だけを見て欲しいですね、マナ」
「残念ながらあたしは博愛主義者だ。好きなものを見て好きなものを愛でるのさ」
「…………」
むすっとした顔をしているアキラ。
さっきから何してんだよあんた、ちょっとおかしいよ。
「まあ、いいです。助けていただいた借りはこれでちゃらということで」
「おせっかいなんだから借りとかないんだけどね」
「では私が助けたのもおせっかいということで。ふふ、あなたの悪癖が移ってしまいました」
「目の前で堂々と悪癖扱いすんのやめてくれるか?」
縛られて動けないのをいいことに色々言ってくれるね、ほんと。
あーあ、どうするのか。流石にあたしSRTに追われたくないんだけど。
「大丈夫じゃないですか?」
「何が」
「大事な美術品を彼女たちは取り戻したと言うことになりますから。そちらの対応に追われると思いますよ」
「だといいけどねぇ」