ソードアート・オンライン〜フリーライフ・デイズ〜   作:ΣiGMA

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第一章・第一部:フリーダムライフ・オンライン
予想外の再会


 いよいよやって来たフリーダムライフ・オンラインの超大型アップデート開始日。

 

 超大型アップデートとあって深夜から始まったこのアップデートは、午後3時までかかるらしく、楽しみにしている人達にしてみれば長く感じる時間だろう。

 

 俺達は平日とあってまだ学校があるのでそこまで苦ではないが、それでも少しだけ落ち着かない様子だったのは俺だけじゃないだろう。

 

 そうして少しだけ長く感じた本日の授業も終わりを告げ、俺は足早に家へ帰るとアップデート状況について確認する。

 

 どうやらアップデート終了時刻は少しだけ延びていたようだったが、俺が帰ってくる頃にはとっくに終わっていた。

 

 夕飯まではまだ時間があるので俺は早速アミュスフィアを装着しベッドに横になる。

 

 事前にダウンロードしておいて正解だったな。

 

 

「それじゃあ……リンクスタート!」

 

 

 何度も経験したログインする際に引き込まれるような感覚の中、現れたID入力画面に登録しておいたIDとパスワードを入力する。

 

 すると次にALOでのアバターの引き継ぎを問う画面に移った。

 

 

転送(コンバート)もいいけど……せっかくなら新しくキャラを作ろうかな)

 

 

 俺は選択肢の〝NO〟を選択すると、今度はキャラ作成画面へと移行し、その画面上に一つのウィンドウが現れる。

 

 

(なになに?え……自分の身体をスキャンしてアバター作成出来るのか?!しかも更にそこから細かい設定も出来る……と。凄いな)

 

 

 俺は迷わず〝YES〟を選択する……が、その直後にエラーメッセージが現れる。

 

 

 ─当端末での全身スキャニングは実行出来ません─

 

「え……」

 

 

 一体どうしてかと驚いたが、確か全身スキャニングをするためにはそれ専用の端末が必要だったと記載があったのを思い出して納得した。

 

 

(なるほど……この為にあのデバイスが必要だったのか。確か値段は……)

 

 

 俺は専用デバイスの価格を思い出す。

 

 確か値段は200万……安くても100万はくだらない。

 

 流石に高過ぎる……。

 

 

 ─この端末の場合、顔のスキャニングのみ実行可能です。実行しますか?YES/NO─

 

(それじゃあ今回は顔だけにしとくか)

 

 

 そうして顔のみのスキャニングを実行すると、目の前に俺の顔をしたアバターの姿が現れた。

 

 そこから俺は身長などを設定していき、最終的にもう一人の俺が完成した。

 

 それでキャラ作成を決定すると、今度は職業選択画面へと移行する。

 

 そこには様々な職業が項目式で浮かんでおり、それをタップするとその職業の説明とデモムービーが現れた。

 

 

(バロメーターもあるし動画もあるからどの職業がどんなものなのか分かりやすいな)

 

 

 俺はもちろん〝剣士〟だ。

 

 その剣士の項目を選択すると、映像と共に説明文が現れる。

 

 

【剣士】

 非常にバランスの取れた職業。

 使用出来る武器は、片手剣、長剣、双剣、短剣、両手剣、盾。

 成長バランスも均等に上げられる職業であり、初心者には比較的最適な職業でもある。

 その代わり突出した能力は無い。

 逆に言えばどのようにも成長出来る職業とも言える。

 

 

(うん、これだな)

 

 

 そうして職業を剣士で決定すると最後に名前入力画面へと移る。

 

 

 ─キャラクター名を入力して下さい※一度決定したキャラクター名は変更出来ません─

 

 

(Kirito……と)

 

 

 ─名前〝Kirito〟で宜しいでしょうか?YES/NO─

 

 

(YES、と)

 

 

 ─Let's enjoy our days of freedom !(自由な日々を謳歌しよう!

 )

 ─

 

 

 その英文を最後に画面が徐々に白くなっていき、そうして目を見開くとそこには幻想的なファンタジーな景色が────

 

 

「……」

 

 

 広がっていなかった。

 

 目の前の景色は日本の東京の街並みとそう変わらないものであり、スクランブル交差点や摩天楼のようなビルが立ち並ぶ景色であった。

 

 

(てっきりファンタジー系のものと思ってたけど、現代的な感じなのか?)

 

 

 そう思ってメニューからサイトへと繋げ確認してみると、どうやらこんな現代的な風景なのは俺が今いる〝セントラル〟という街だけらしい。

 

 世界設定としてプレイヤー達がいるのは〝神聖ストラトス皇国〟という国らしく、その国には五つの都市が存在する。

 

 〝セントラル〟はその中で国の中心にある大都市で、国内で最も栄え発展し、全てにおいて最先端な都市らしい。

 

 その他は北方都市〝スィエーヴィル〟……こちらは寒冷地で夏でもひんやりとした気温らしく、レンガ造りの建物が並ぶ都市らしい。

 

 東方都市〝オリエンタル〟はいわば東洋といった街並みで、古き良き和風建築や中華造りの建物が見れるそうだ。

 

 西方都市〝ウェステル〟は西洋建築が並ぶ都市で、そこを治める領主の屋敷はバッキンガム宮殿を彷彿とさせるとか。

 

 最後に南方都市〝インダル〟はインドのような街並みや南国といった観光地が目立つ都市で、海に面しているからか漁業も盛んだとか。

 

 

(なるほど……それぞれ都市ごとにテーマが決められてるってわけだな)

 

 

 ふと掲示板の項目が目に留まり見てみると、俺のようにアプデ後にログインしたと思われるプレイヤー達の書き込みがあった。

 

 その中でも古参プレイヤーのものと思わしき書き込みを見てみると……。

 

 

 ─アプデ前と全然違くてびっくらこいた……─

 

 ─なんだこれ……いったい運営はいつの間にここまでの技術力と資金を手に入れたんだ?─

 

 ─これ……もはや都市を回るだけでちょっとした旅行気分だろ……─

 

 

(かなり好評価みたいだな。これは他のコンテンツも楽しめそう────)

 

 

 書き込みを見ながら歩いていたからか、うっかり誰かとぶつかってしまった。

 

 ふと顔を上げてみればそこにはいかにもガラの悪そうな男性二人がこちらを見下ろしている。

 

 

「おい、ながら歩きは危ねぇぞ?」

 

「マナーなってねぇんじゃねぇのか?」

 

「す、すみません……俺、今日ログインしたばっかりで色々と調べてたら……」

 

「あ?お前新規勢なのか?」

 

 

 男性の口ぶりからしてどうやらこの二人は古参勢のようだ。

 

 確かユウキやアルゴの話では昔は新規勢に当たりが強かったらしいが……。

 

 

「えと……そうです」

 

「そうかそうか!」

 

 

 てっきりやっかみがられるのかと思いきや、古参勢の二人はニッコリと笑みを浮かべて俺の肩を叩く。

 

 地味に痛い……。

 

 

「それじゃあ先ずはなんてったって案内所に行かねぇとな!」

 

「案内所?」

 

「そうだ!そこだと色々とチュートリアルを確認出来るから新規勢にはオススメだぜ?場所が分からねぇならマッピングすれば大丈夫だ」

 

 

 男性の一人はそう話すと俺にマップを開くよう指示を出してくる……が、言われた通りマップを開いてもこの国全体のマップが出てくるだけで、このセントラルのマップは出てこない。

 

 そのことに戸惑っていると男性がマップのある部分を指さしてこう話す。

 

 

「ここに左右を示す矢印のアイコンがあるだろ?そこ押すとワールドマップからタウンマップに切り替わるからよ、押してみろ」

 

「あ、はい」

 

 

 言われた通りにタップすると確かにマップ画面が切り替わりこのセントラルのマップへと変わる。

 

 

「今いんのがここだ。ここにアンカーポイントがあるんだが、新規プレイヤーは必ずこの前に出てくる。そこから東に向かって進んで、ここに地図みてぇなアイコンあるだろ?これが案内所だ。そこ押してみろ?」

 

 

 再び言われた通りにタップするとそのアイコンの隣にいくつか選択肢がある。

 

 その中で男性は〝マッピング〟の選択肢を指さした。

 

 

「そこ押すとマッピング完了だ。地図を閉じて前を見てみろ」

 

 

 言われるがままにそうしてみると、道にいつの間にか青色の線のようなものが浮かび上がっている。

 

 

「今お前の目に青い線が見えてるだろ?それを辿れば目的地に着く」

 

「本当だ……ありがとうございます」

 

「礼を言われる程じゃねぇよ。それじゃあFLOを楽しんでくれ」

 

「あ、はい……」

 

 

 男性二人は朗らかに笑いながら俺の前から立ち去って行った。

 

 その様子に俺は思わずポカンとしてしまう。

 

 

(当たりがキツいってのはデマだったのかな?)

 

 

 どう思い返してもあの二人は口調こそ荒っぽいがとても優しい人達だった。

 

 あの二人が優しいだけなのか?

 

 そう思いつつ青い線を辿っていくと確かに〝案内所〟と書かれた店に辿り着いた。

 

 中へと入るとNPCと思わしい受付の女性がこちらに挨拶をしてくる。

 

 

「いらっしゃいませ、セントラル案内所へようこそ!ご要件をどうぞ」

 

 

 その言葉の直後に目の前にウィンドウが現れいくつかの選択肢が浮かんでいる。

 

 それは先程の男性が言っていた通りこのゲームに関するチュートリアルのようなものであった。

 

 とりあえず俺は当面必要そうなチュートリアルだけを聞き、案内所を後にした。

 

 

(あ、そういやそろそろアスナ達もログインしてくる頃合だ。……一旦アンカーポイントって所に戻るか)

 

 

 俺はマップを開くとアンカーポイントをマッピングし、また青い線を辿ってそちらへと向かった。

 

 するとアンカーポイントと思わしき石碑の前に人集りが出来ている。

 

 いったい何の集まりだろうと思っていたら、どうやらその中心にいる人物に大勢が話しかけているようだった。

 

 

(ま、まさか……)

 

 

 そう思って人集りをかき分けて進んでいくと、そこには見知った顔が笑みを引き攣らせながら立っていた。

 

 

「あ、アスナ?!」

 

「あ、キリト君!」

 

 

 直ぐに駆け寄ろうとしたが周囲にいた男性プレイヤー達に押し戻されてしまう。

 

 

「おい、順番くらい守れよ」

 

「そうだそうだ!それに今はモルツさんが口説いてる最中なんだぞ!」

 

「く、口説いてる……?」

 

 

 そう言われもう一度アスナがいる方へと顔を向けてみると確かにアスナの前に一人の男性が手を差し伸べながら話しかけていた。

 

 

「邪魔が入ったが……お嬢さん、私とパーティーを組まないかい?それかせめてフレンド登録だけでもしてくれると嬉しいな」

 

「い、いえ……ですから私は遠慮しときます」

 

「美しい私に思わず本心を隠してしまうのも無理はない話だ。しかしその本心はさらけ出しても構わないのだよ」

 

「あの……ですから……」

 

「すみません!その子、俺の〝嫁〟なんで口説くの勘弁してもらえませんか!」

 

 

 大声でそう叫ぶと、その場にいた全員が目を開きながら俺へと注目した。

 

 アスナだけは顔を真っ赤にしていたが……。

 

 

「は?嫁……?」

 

「妄想か?」

 

「ハッタリなんじゃね?」

 

 

 そんな声が聞こえてくるが、とりあえず無視してアスナの目の前まで来る。

 

 

「スマン……まさか囲まれてるとは思ってなかった」

 

「大丈夫だよ。私もまさかこうなるとは思ってなかったから……」

 

 

 聞けばアスナは俺にこれからログインするのか聞こうとメッセージを送ったのだが返事が来ず、スグに確認したら既にログインしていると聞いて自身もログインして来たそうだ。

 

 そしてログイン直後にこのモルツというプレイヤーに言い寄られたという。

 

 ずっと断っていたのだが一向に話を聞いて貰えず、そうしているうちに野次馬が集まりこうなってしまったのだとか。

 

 俺はモルツというプレイヤーに顔を向けると、今度はハッキリとこう言ってやった。

 

 

「彼女はずっと前から一緒にゲームをしてきた仲なんで、それにこれから一緒にこのFLOを遊ぼうと約束してたのでお引き取り下さい」

 

「ふ〜ん……」

 

 

 ハッキリとそう言ってやったのだがモルツは引き下がるどころか意味深なえみを浮かべて俺を見ると、アスナに向かってこう言い放った。

 

 

「君、この子に勝ったら私とパーティーを組んでくれないか?」

 

「は?」

 

「え?」

 

 

 そんなとんでもない提案をしてくるモルツ。

 

 こうも話を聞かないのは如何なものなのか……俺はどうやって断ろうかと考えていると、ついに我慢の限界が来たのかアスナがモルツを睨みながらこう言った。

 

 

「あの!彼と私は現実でも付き合ってる仲なので!何度頼まれても貴方のお願いは聞き入れられません!」

 

「チッ……」

 

 

 アスナの言葉に舌打ちをするモルツ。

 

 すると目の前で奴は剣を抜き放った。

 

 

「仕方ない……男の方を殺して女の方は無理矢理連れてくか。ちょいと調教してやれば従順になるだろうしな」

 

「……あ"?」

 

 

 思わずそんなドスの効いた声が出る。

 

 

(こいつ今なんて言った?アスナをどうするって?)

 

 

 俺は背中に背負っていた剣へと手を伸ばす……それを見てモルツはニヤリと笑い、周囲もニヤニヤとした表情で俺達を見ている。

 

 どうやら周囲の奴らもこのモルツの仲間のようだ。

 

 

「新規勢が中堅プレイヤーの俺に勝てるかよ」

 

「一人称が変わってるぞ?そっちが素か」

 

「紳士的に振る舞えば女の方が寄ってくれるんでな」

 

「サイテー……」

 

「ひひっ、そんなサイテー野郎にこの後ケツを振るようになるんだぜ?」

 

 

 思わずドス黒い感情に支配されそうになる。

 

 そうして一触即発な空気が流れ始めたその瞬間、どこからともなくその声は聞こえてきた。

 

 

「あっれ〜、おかしいなぁ?こんな事が起きないように徹底的に潰して回ったと思ったんだけど、どうやらまだ見落としてた所があったらしいなぁ」

 

「────っ……」

 

 

 その声が聞こえてきた途端、モルツを始めとした周囲のプレイヤー達の顔がサッと青ざめる。

 

 

「誰が当事者よ?ん?俺に教えて貰えんかな?」

 

 

 ガチャガチャと音を立てながらプレイヤー達が両側へと分かれてゆく。

 

 そこから姿を現したのは迷彩柄の服に身を包んだ一人の男性プレイヤーだった。

 

 

「お前、モルツだっけ?前にも似たようなことして俺に注意されてなかったっけ?ん?なんでまた同じことしてんだお前?なに?ニワトリの生まれ変わりなのお前?それとも手心加えてやった俺が間違ってたんかな?ん?ほれ、黙ってても分からんからさっさと応えろって?」

 

「いや……その……これは違くてですね……」

 

「何が?何が違うんだ?教えてくれ。何が違うんだって?なぁ?ん?」

 

「す、すみません……」

 

「謝れって言ってねぇよ、教えろって言ってんだ。それともお前……」

 

 

 男性プレイヤーは震えるモルツの顔に自身の顔を寄せると低い声音でこう言った。

 

 

「また俺と殺り合うか?」

 

「めめめめ、滅相もありません!す、すみませんでしたぁぁぁぁぁ!」

 

 

 モルツはそう叫ぶと半べそをかきながらその場から逃げていった。

 

 他の奴らもそれに続いて無様に逃げ去ってゆく。

 

 

「チッ……あぁいうのがいるから、新規が来ても直ぐにやめてくんだってーのに」

 

 

 男性プレイヤーはそう愚痴ると、コンソールを開いて何処かへと連絡を始める。

 

 

「あ、もしもし俺だ。モルツってプレイヤー、また同じような迷惑行為してたぞ?いい加減どうにかしろよ」

 

『またですか……はぁ……分かりました。奴を見つけ次第直ぐに捕らえて牢屋に入れておきます。あと運営にも報告しておきますので』

 

「当たり前だ。そもそもお前らが俺よりも先にそういうのを見つけて対処しなきゃらねぇんじゃねぇのか?」

 

『面目次第も御座いませんな……より一層警備の強化に努めます』

 

「頼んだぞ。超大型アップデートでこれからどんどん新規プレイヤーが来るだろう……その新規勢達が不快に感じないようにするのも俺達古参勢の役目だからな」

 

『肝に銘じておきます』

 

「それじゃあ頼んだ」

 

 

 そうして通話を終える男性プレイヤー。

 

 そして彼は俺達に顔を向けると、ニッコリ笑って両手を合わせながら軽く頭を下げる。

 

 

「お前ら新規勢だろ?すまんな……あのモルツは何かと迷惑行為をしててな。要注意プレイヤーとして監視対象だったんだが、どうやら警備の目が少し甘かったらしい」

 

「いえ……止めてくれたお陰で要らない戦闘を行うところでした」

 

「もしかしてそのままやり合おうとしたか?だとしたら今頃二人共ペナルティ対象だったぞ?」

 

「え?キリト君もですか?!」

 

「そうそう、決闘申請の無いプレイヤー同士の戦闘はご法度で、そうしたプレイヤー達はたとえ襲われた側だとしてもペナルティが課せられるんだよ。だからそのキリトって彼もペナルティ………………キリト?」

 

 

 先程のモルツとの一件で俺もペナルティ対象になっていたと話していた男性プレイヤーは俺の名前に急にポカンとした表情となる。

 

 

「お前さん……キリトって名前なのか?」

 

「え?まぁ……はい」

 

 

 そう返事をすると男性プレイヤーはずいっと顔を近づけてよく観察するように俺の顔を見てくる。

 

 そしてある程度見たところで嬉しそうな表情となりこう言い放った。

 

 

「お前キリトか!これはこれは懐かしいなぁおい!」

 

「は?え?」

 

 

 驚く俺に男性プレイヤーは自身の頭上を指さしながらコンソールで何やら操作し始める。

 

 そしてタップした瞬間男性プレイヤーの顔には鴉とも髑髏とも言えるような物騒な仮面が装着されており、その二つの双眸は緑色に光りゆらゆらと揺らめいている。

 

 その仮面と男性プレイヤーの名前を見た俺は、その二つの要素に大きく目を見開いた。

 

 

「〝SCARECROW(スケアクロウ)〟って……まさかあのスケアクロウか!SAOで〝赤狩り〟で有名だった!」

 

「え!うそ!もしかしてクロウさん?!」

 

 

 俺の言葉にアスナも同様に驚く。

 

 俺とアスナは目の前にいる男性の事をよく知っていた。

 

 かつてSAO時代に知り合い、少しの間共に行動し、そしてレッドギルド〝笑う棺桶(ラフィン・コフィン)〟との戦いの際には共闘した仲────

 

 レッドプレイヤーやオレンジプレイヤーを積極的に捕らえていた事から〝赤狩り〟の異名で知られた元SAOプレイヤー、〝スケアクロウ〟その人であった。

 

 驚く俺とアスナを前にスケアクロウは装着していた仮面を外すと、あたかも悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべるのであった。

 

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