ソードアート・オンライン〜フリーライフ・デイズ〜   作:ΣiGMA

6 / 15
【閑話】領主の館にて《スケアクロウ視点》

 セントラルの中心……神聖ストラトス皇国の皇城そばにある領主の館────

 

 その執務室にてこの俺〝スケアクロウ〟こと〝國護正征(くにもりまさゆき)〟は領主である〝カリーナ・セントラリア〟と面会していた。

 

 理由はもちろんセントラル周辺の狩場にて現れたアズライルについてだ。

 

 

「ウェステルのプレイヤーがこっちに来てたぞ?警備は何やってんだ?」

 

「悪いわね……どうやらかなり高度な隠形(ハイド)スキルを使っていたみたいで、全く気が付かなかったらしいのよ」

 

 

 こうして領主と面会出来たのも、このように流暢に会話出来るようになっているのも昔のFLOでは考えられなかった事だ。

 

 あの超大型アップデートによって各都市の領主はAIプログラムによるNPCから運営陣の中で選ばれた人間によるサポートプレイヤーへと変更になったからこそ実現した事だ。

 

 

ウェステル(向こう)の領主は何て?もちろん抗議くらいはしたんだろ?」

 

「上手くはぐらかされたわ」

 

「同じ運営なのにか?」

 

「FLOの中における昔からあるシステム、〝内戦(シヴィルウォー)〟……そのせいで向こうの領主にとってアズライルは手放せない人材でね。彼を遥かに凌ぐ真っ当なプレイヤーが現れてくれたら良いのだけれど、残念ながらそういったプレイヤーは例外なく彼によって潰されてるのが現状なのよ」

 

「ペナルティはどうなってんだ」

 

「問題はそこなのよね……代表からはそういったプレイヤーは例外なく必ずペナルティを与えるよう指示が下されてるはずなのだけれど、何故か未だにそれがなされていないのよ。代表自ら注意をしてもその場では了承しているらしいのだけれど……」

 

「何かあるな……」

 

「私もそう思うわ」

 

「せっかく盛り上がり始めたFLOをまた荒廃へと追いやりてぇのかそいつは?」

 

「さてね。とりあえずこちらでも調査を進めている段階だからもう少しだけ待っていて欲しいわ」

 

 

 それを聞いた俺はこれ以上議論しても意味は無いと判断しその場から立ち去る。

 

 すると背後からカリーナにこんな事を言われた。

 

 

「私も尽力するわ。だからもし何かあったら……その時はまたお願いね?」

 

「言わずもがなってやつだよ」

 

 

 そうして俺は執務室のドアを閉める。

 

 そのタイミングでフレンド専用DMにこんなメッセージが届いた。

 

 

【クロウさん!オススメのスイーツのお店教えて〜!】

 

 

 送り主は〝アスナ〟……見れば次々と同じようなメッセージが数人から送られてくる。

 

 俺はそれに対しふっと笑みを浮かべると、ウィンドウを閉じて通話アイコンをタップする。

 

 

「あ、もしもしレイヴン?悪いけど美味いスイーツの店なんて知ってるかな?そうそう、あいつらから教えて欲しいって頼まれてさ……うん……うん……なるほど、分かった。また何かあったら頼むわ」

 

 

 そうして俺は通話を終え、教えて貰った店を知らせにあの子達の元へと向かうのであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。