もう一度手を繋いで   作:NO me

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初投稿。
これはNARUTOの二次創作です。
自己満なので、
年齢や時系列、原作キャラたちの性格や口調など色々間違っているかもしれないです。
それでもいいと思う方のみ読んでください。


1話 転生と覚悟

 その日、うちは宗家に本来いなかったはずの赤ん坊が産まれた。

 元気のいい声が分娩室に響く。

 

「元気な女の子ですよ」

 

 助産師が産湯を終えた子どもをおくるみに包み、息を切らす母親の所まで連れて行く。

 

「ああ、よかった、初めまして、あなたのお母さんよ」

 

 優しい笑みを浮かべる。

 その時、一人の厳つい面立ちをした男が腕に一歳ほどの子どもを抱えて入ってくる。

 

「生まれたんだな、よくやった、ミコト」

「ふふふ、あなた、あなたもこの子を抱いてあげて」

 

 夫らしい男は腕に抱いている子どもを母親に引き渡すと赤ん坊を受け取る。

 

「女の子というのはこんなに小さいのか、大丈夫だろうか」

 

 壊れ物を扱うように抱き上げ顔を覗き込む。

 そして、母親の腕の中で指をくわえながら不思議そうな顔をする子どもに赤ん坊の顔を見せる。

 

「イタチ、お前の妹だ。守ってやるんだぞ」

 

 イタチと呼ばれた子どもはまだ赤ん坊と言っても問題ない齢の子どもであった。

 その子どもは妹である赤ん坊に手を伸ばす。その小さい手が赤ん坊の手を握ろうとすると先に赤ん坊の手が子どもの手を掴んだ。

 

 

 

「にぃさま、まって!」

 

 私は小さい身体で自分よりも少しだけ大きい少年の背中を追いかけ、舌足らずな言葉で声を掛ける。

 少年は振り返り足を止めて私の所まで戻ってきた。

 

「大丈夫か?イナホ」

 

 今の私はイナホ、うちはイナホという名前であった。

 この世界に生まれたその時、私は転生したのだと理解した。

 現代日本でただの会社員をしていた私は階段から落ちて死んだかと思えばNARUTOの世界のうちは一族として生まれ直した。

 私は学生の頃からNARUTOが好きだった、だからこそ分かる。

 私が生まれた一族は原作ではすでに滅んでいた一族なのだということを。

 それでも私は歓喜した。なぜなら今世の兄が私にとって最も愛した推しだからだ。

 兄の名はうちはイタチ。原作で一族を殺し、暁に潜入し、そして弟に殺されてもなお木の葉を守り続けた、孤独な人だ。

 そう、孤独な人なのだ。

 それでも、木の葉の忍として誇りを胸に生きて死んだ。誰からも褒められることはない、それどころか守ろうとした人たちからも後ろ指を指され続ける人生だったにも関わらずだ。

 そんな人の実の妹として私は生まれた。

 このチャンスを使わずしてどうする。

 きっと私は彼のためにこの世界に生まれたんだ。

 私は僅か3歳で覚悟を決めて、イタチの顔を見上げる。

 

「てをつないで」

 

 隣を歩いてほしくて、目の前の少年に甘えるように手を伸ばす。

 

「うん、いいよ」

 

 イタチは知ってか知らずか私の手を掴み、私の歩幅に合わせて歩く。

 

「えへへへ」

 

 嬉しくなって笑う。その様子にイタチも僅かに微笑んだ。

 

「にぃさま!」

「なんだ?」

「ぜったいにてをはなさないでね!」

「ああ、もちろんだ」

 

 二人の幼い子どもが夕焼けを背に家に帰っていった。

 

 

 それから、少しして私は4歳になった。

 母ミコトの腹が膨れていて、すでに臨月に入っていることだろう。

 もうすぐ、サスケに会える。

 イタチと共に何度もミコトの腹に耳や手を当てて声を掛け続けた。

 そんなある日、ミコトは予定日近くなったためか病院に向かった。

 いよいよ出産だ。

 私とイタチ、そしてフガクは分娩室の前に張り付いた。

 フガクは忙しなく廊下をうろうろとしている。

 私は私でイタチと共にサスケの誕生を心待ちにしながらも持ってきた忍術書を読んでいた。

 だが、全く内容が入ってこない。

 それはイタチも同じなようでその視線は忙しなく分娩室の扉と本を行き来していた。

 こんなんじゃ勉強になんないよね。

 今日はもう勉強はやめようと本を閉じて私はイタチに話しかけた。

 

「兄さま、楽しみだね」

「うん」

「そういえば、わたしのときもこんなんだったのかな」

「どうだったかな、俺も一歳だったし」

「じゃあ、父様はおぼえてる?」

 

 突然話を振られたからかフガクはビクッと体を震わせて私たちの方を見る。そして、大げさに咳払いをする。

 

「イナホの時は予定日よりも早かったからな、大変だったぞ」

「そうなの?」

 

 珍しく長文を話すフガクに私もイタチも集中して耳を傾ける。

 フガクは昔を懐かしむ様に目を細めた。

 

「しかもイタチもまだ一歳だったからな、待ってる間にお腹がすいたと泣き始めて大変だった」

「え……」

 

 余程衝撃だったのかイタチが固まる。

 妹の前ではかっこいい兄でいたいのだろう、そんな可愛らしい反応につい凝視するとイタチは拗ねたように顔を反らす。

 その耳は少し赤く色づいていた。

 幼少期の推しがカワイイ!

 私は微笑ましくなり笑った。

 すると、笑い声が聞こえたのかイタチは恨みがましい目で私を睨んだ。しかし、それすらも可愛らしくて今度は私が顔を背けた。

 そんな兄妹の様子には気づかず、フガクは私の出産時だけでなく、イタチの出産時についても話し出していた。

 その話に耳を傾けながらも笑みをこぼす。

 推し誕生エピとか最高か?しかも隣には推し、ここは天国だった?

 イタチの出産時のエピソードが終盤に差し掛かる頃に、元気のいい赤ん坊の声が分娩室の向こうから聞こえた。

 サスケだ!サスケが生まれたんだ!

 私とイタチは座っていたベンチを飛び降りて分娩室の扉に張り付く。

 すると、唐突に扉が開いた。

 助産師は始め、ドアの真ん前にいた私たちに驚いたもののすぐに笑顔を浮かべ私たちとフガクを入れた。

 そこには疲れ切った顔をしたミコトと顔をしわくちゃにした赤ん坊がいた。

 私たちは駆け寄りミコトのベッドに手をかけて一生懸命サスケの顔を見ようとジャンプする。

 それに気づいたミコトは私たちに向けてサスケの顔を見せる。

 

「かわいい」

「ちっちゃい」

 

 思い思いの感想を言い始める。

 その様子にミコトは嬉しそうに微笑むとフガクにサスケを手渡した。

 フガクは私たちの視線に合わせるようにしゃがみ込む。

 

「いいか、イタチ、イナホ」

 

 穏やかな顔だった。

 

「弟のサスケだ、兄として姉として守ってやるんだぞ」

 

 私たちはその言葉に力強くうなずいた。

 サスケの顔を覗き見て私は再び覚悟を決めた。

 

 サスケ、お姉ちゃんが絶対守るからね。

 

 

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