書きたいものを書き殴ってるだけなので文章が汚いです。
今日は10月10日、そう、主人公であるうずまきナルトが生まれる日。
この日、九尾が里で暴れるという悲惨な事件が起きる。
その事件の残した爪痕は私たちうちは一族にまで影響する。
この事件の黒幕がうちはだと木の葉に疑われてしまうのだ。
いや、黒幕はうちはだったんだけども里にいる私たちには関係のない話だ。
しかし、だからといって九尾事件を止めるために4歳の私に一体何が出来るのだろうか。
幼い子どもがわめき散らかしたからと言って、誰が信じてくれるだろう、いや、誰も信じない。私だって子どものホラだと思って信じないと思う。
でもここで何もしなければ原作通り兄はあの二択を迫られて孤独な道を歩んでしまう。
そんなのだめだ、絶対にダメだ。
何ができるかなんて分からないし、止められるとは思えないけどそれでも何かしらやらなきゃという使命感を胸に父の書斎に無策で突撃した。
だが、いざ父の姿を見ると尻込みしてしまい廊下を行ったり来たりと繰り返す。
近くに気配があるのに中々来ない私に痺れを切らしたのか父が私の名前を呼んだ。
恐る恐る襖を開けて中を覗く。
警務部隊の任務服に着替えた父が部屋の中央に腕を組んで座っていた。
その顔には表情はなく少し怖い。
それでもと勇気を振り絞って父に話しかける。
「父様、今いい?」
消え入りそうな声が出た。
「どうした?」
その声は顔に似合わず優しげで、話を聞いてくれそうな父の様子に安堵し、とことこと父の前に座布団を敷き座る。
「あ、あのね」
しかし、いざ話そうとするとどう話せばいいのか分からず、口を何度も開きかけては閉じてしまう。
「イナホ?」
父は訝しげに片方の眉を上げる。
「何もないのであれば仕事に行くぞ」
もうすぐ仕事の時間だからだろうか、申し訳なさそうにするものの痺れを切らして立ち上がる。
私は慌てて一生懸命に言葉を紡ぐ。
「えっとね、今日は大変なことがおきるよ」
自分のコミュニケーション能力が低すぎて泣けてくる。なんだ、大変なことがおきるよって、もっと言いようがあったでしょうが。
自分のコミュ障加減に頭を抱えていると父は眉間に皺を寄せる。
「どういうことだ?」
「きゅ、九尾が来るよ!だから、父様たちは避難誘導だけじゃなくて戦わないとだめだよ」
こんなことならちゃんと言葉を考えてから部屋に突撃すればよかった。
後悔してももう遅い。
父の迫力に慄き、捲し立てるように話してしまった。
「イナホ」
咎める様な声で名前を呼ばれた。
「そんなことを言うもんじゃない」
怒鳴られているわけではないのに、その声が怖いと思った。それでも嘘だと思われたのだ、父ならと少しだけ期待していた私は声を荒げる。
「嘘じゃない!」
「イナホ!」
私の声を覆い隠すような鋭い声だった。父は呆れたように小さく息を吐き、「行ってくる」と短く言い残し、仕事に行ってしまった。
「やっぱり……」
案の定、信じてもらえなかった。
「自分のコミュ障め……」
ここで諦めるべきだろうか。いや、諦めるべきじゃない。まだどうにかできる瞬間があるはずだ。
必死に原作を思い出す。
そういえば、母は買い物の途中で出産に向かうクシナに遭遇するはずだ。
私は走って台所にいる母の元まで向かった。
「母様!」
「イナホ!廊下は走らない!」
私の忙しなさに母は鋭い声を出す。
「う、ごめんなさい」
反射的に私は謝った。
「もう、それでどうしたの?」
困りながら微笑みを浮かべて母は聞いてきた。
「あのね、今日の夕飯の買い物、私も行っていい?」
「あら珍しいわね」
母は目を丸くする。
それもそうか、今まで一日中暇さえあればイタチと共に修行もしくは勉強をしてきたんだ。夕飯の買い出しだって自分で動けるようになってからは一度もついて行ったことはない。
「今日は修行しないの?」
「うん、しない、今日は母様とサスケと一緒に居たい気分なの」
廊下で硬い何かが床に落ちた音がした。
音の方を振り向くとショックを受けたかのような表情でこちらを見たイタチがいた。
「あら、イタチ」
母は小さく息を吐き笑った。
「そんなにショックだったの?」
「…」
イタチは頬を膨らませ唇を突き出し目線を私から外した。
私はそんなイタチの可愛さに悶えたが、うちはのためにも買い出しには行かなければならないと「やっぱり修行する」と言いそうになる口を塞ぐ。
イタチの期待には応えたい。
そんな欲望をなんとか心の奥底に押し込める。
「イナホ、イタチはあなたを迎えに来たのよ」
そんなことは知っている。
イタチが床に落としたものは最近修行で使っている忍具が入っているポーチだ。
いつもの時間に玄関に来ないから態々迎えに来たのだろう。
だが、それにしてもショックを受けすぎでは?
荷物、それも忍具入れを落とすのはどうにもイタチらしくない。
「ごめんね?兄さま、私、今日は母様と買い物に行くの」
私はイタチの期待には応えられないと謝ったが、イタチの顔は晴れなかった。
「分かった……」
イタチは小さく呟くと顔を顰めて玄関の方に歩いて行ってしまった。