もう一度手を繋いで   作:NO me

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前回に引き続き駄文です。

最近NARUTO少年編を見直し始めました。
写輪眼のイントネーションが今と違う?

ナルトの身長の低さと将来の夢以外全部ラーメンに関するもので胸が締め付けられました。


3話 九尾事件②

 

 あああああ、推しに物凄く悲しい顔をさせてしまったぁぁ!

 でもそんな推しもカワイイっ!

 床に崩れ落ちながら悶える。すると上の方から「この子、大丈夫かしら」と心配するような母の声が降ってきた。

 

「だ、だ、大丈夫……だよ……母様」

「そ、そう」

 

 確実に私の奇行に引いている。

 母様ごめんね、こんな娘で。

 僅かに感じる罪悪感を無視して震える足を無理やり立たせる。

 時間は既に夕方になろうとしていた。

 

「じゃあ、母様!買い物に行こう!」

 

 満面の笑みで母のエプロンを引っ張り急かす。母は困ったように笑いながらも私の頭を撫で、エプロンを脱ぎながら冷蔵庫の中を確認する。人参、じゃがいもと母は必要な食材を呟き、立ち上がるとけたたましい泣き声が台所に響く。

 台所の隣の居間に寝かされていたサスケだった。

 

「イナホ、サスケのことお願いしていい?母さん、ちょっとお買い物の準備してくるから」

「うん!」

 

 意気揚々とサスケを抱き上げてあやす。しかし、一向にサスケは泣き止まなかった。

 

「なんだろ、おしめ?それともミルクかな?」

 

 1つ1つ確認するも原因が分からず「大丈夫だよぉ」と声を掛け続けるもサスケの泣き声はどんどん痛々しくなっていく。

 泣き止まない、だと……?兄さまならこれで泣き止ませるのにっ。

 私はダメな姉だ。弟一人泣き止ませられないなんて……母性か?私には母性がないということなのか?兄さまに母性で負けたのか、さすがは我が最推しうちはイタチだ!そこに痺れる憧れるぅ!

 推しはママだった?とかふざけるのはここまでにしよう……。

 こんなふざけたことを考えている間にもサスケの泣き声は大きくなっていく。

 いないいないばぁをすればいいのか?それとも子守唄でも歌えばいいのか?サスケくん、いやサスケ様、いったいどうすれば君は泣き止むんですか?

 

「ふふふ、イナホったらすごい顔よ」

 

 この声は!母様!

 襖の陰から母が顔を覗かせて笑っていた。

 まさか、見てたの!?

 私が驚いた顔で固まっていると口元を上品に隠しながら私の腕の中で泣き叫ぶサスケを引き取る。サスケはゆらゆらと揺らされると徐々に泣き止み、眠り始めた。

 

「サスケはおねむだったのね」

「ね、眠かったのかぁ」

「イナホもまだまだね」

 

 次こそは泣き止ませて見せるんだっ。

 人知れず決意を固める。サスケは一度泣いてしまうと私と父が泣き止ませようと抱っこしても中々泣き止まないのだ。

 私は父様みたいに怖い顔なんてしてないはずなのに……。

 落ち込んでいると母はサスケに抱っこ紐を着け終えていた。

 

「ほら、イナホ、行くわよ」

「え……あ、まってよ!」

 

 私は急いで先に行く母を追う。玄関には既に母が靴を履いて待っていた。それに慌てて靴を履く。サスケを抱えている母の代わりに玄関の扉を開くと、母は外へ出るのと同時に私の頭を撫でて、手のひらを向けてきた。

 その手を掴み、市場に向けて歩き出す。

 母に手を引かれながらクシナにどう声を掛けるかを考える。

 さっき父に訴えたようなやり方は唐突すぎたし、九尾が来るという証拠はなかったから嘘だと思われてしまった。何も考えずに勢いで行けばさっきの二の舞になってしまう。

 だが、九尾が来るという証拠さえ提示できれば信じてもらえるかもしれない。

 そうはいっても証拠、証拠かぁ。

 私は転生者で、この世界の未来を転生前に漫画で読んだから知っています、なんて言うのか。

 それこそ証拠もないし、九尾が来るなんて話よりも現実味がない。

 下手すれば良くて精神病院送り、悪くて敵に操られているとかで投獄か死刑になっちゃう。

 転生者暴露の案はないな、別の案を考えないと。

 

「なんかないかなぁ」

「あら、なにがないの?」

「え?もしかして声に出てた?」

「ええ、出てたわよ、それで何がなかったの?」

 

 お野菜は買ったし、お肉も買ったわよ?と母は首を傾げる。そんな母を見て、母様だったら何かいい案を出してくれるかな?という考えが頭をよぎる。

 私ってバカだし、ここは聞いてみるのもいいかもしれない。

 

「ねえ、母様」

 

 意を決して解決策を聞いてみることにした。

 

「もし、母様が未来を知っていてそれをどうしても止めたいってなったら母様だったらどうする?」

 

 4歳児の娘からそんな質問が来るとは思わなかったのか母は足を止める。それにつられて私の足も止まった。母は顎に手を置き視線を彷徨わせながら考える。

 

「そうね、母さんだったら一生懸命話すかな」

 

 それをあなたの旦那にやって失敗したのですが……。

 母の答えについ白い目を向けてしまった。

 

「一生懸命話すだけじゃ信じてくれなくない?」

「そうでもないわよ?もし相手が信じてくれなかったのならそれは一生懸命さが足りなかったのよ」

 

 一生懸命さが足りない……。

 確かに、私は父に話す際に慌てた挙句失敗したと思ってしまった、その有様は一生懸命とは程遠かったと思う。

 

「証拠があるほうが何倍もいいんだけどね」

「結局、証拠じゃん」

 

 今から集められる証拠って何かあるかな。

 項垂れながら考える。

 螺旋丸の元の名前が光輪冷菓発起旋毛自来也双式ノ丸というダサい名前だったとか当事者しか知らないはずの過去を言い当てればいいのだろうか。

 そういえば、クシナが九尾の人柱力だってことは里の上層部しか知らなかったはず、それを言い当てたら少しは私の発言を気にしてくれる、かな?

 いや、上層部に何で知ってる!とか言われて拷問の末危険分子として殺されそう。

 ならどうする?他に信じてもらう方法は……。

 

「まぁイナホなら大丈夫よ」

「母様、無責任……」

 

 大きなため息が出て、視線を母から外すと視界の端でオレンジ色の渦巻きが見えた。

 あ、仮面……そうだ、そうだった仮面の男だ。

 ギリギリの賭けになるし、下手をすればクシナは死んでしまう。なんだったら間に合わないかもしれない。それでも仮面の男の正体を話せば……。

 すべては四代目とクシナの技量にかかってるけど、やってみる価値はある。というか、私程度だとこれぐらいの案しか出せない。

 他力本願で非常に申し訳ないけど、ここは四代目に頑張ってもらおう。

 

「母様、ありがとう、やってみるよ」

「解決したの?」

「うん、頑張るね」

 





 まだクシナには会えないイナホでした。
 
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