赤い旅人の続きになります。
リオードの南門は、昼前だというのに騒がしかった。
砂漠船組合の者たちが走り回り、商人たちが荷を止められて不満の声を上げている。
門番は普段よりも多く配置され、砂漠へ出ようとする船を一隻ずつ確認していた。
水袋、積み荷、護衛の人数、行き先。
誰もが黒い砂漠の方角を気にしている。
ハルファから伝令が届いた。
その事実は、半日も経たないうちにリオード中へ広がっていた。
黒砂が交易路を横切り始めた。
黒く染まった魔物が逃げている。
井戸に影響が出ている。
地鳴りが続いている。
ハルファは一晩で水路を塞ぐ羽目になった。
そして、誰かが小声で言った。
ベヒーモスが動き始めたのではないか、と。
その言葉が広がるのは早かった。
商人は荷を止め、船頭は風を見ながら眉をひそめ、役人は顔を青くして書状をまとめていた。
バンは、その騒ぎの端にある屋台で肉を食べていた。
香辛料をまぶした羊肉の串焼き。
焼きたての平たいパン。
酸味のある乳酒。
肩と脇腹には包帯。
右腕にも薬草を巻いた布。
見た目だけなら、休んでいろと言われる側だ。
だが、本人は左手で肉串を持ち、普通に食べている。
「ん。昨日より焼きがいいな」
屋台の親父が目を丸くする。
「この状況で味の感想かよ」
「この状況だからだろ。飯がまずかったら、余計に気が滅入る」
「まあ、そりゃそうだが」
バンは平たいパンで肉を挟み、かじった。
香辛料の辛味。
肉の脂。
少し焦げた端の苦味。
乳酒の酸味。
悪くない。
生きてリオードへ着いた後の飯は、やはりうまかった。
サナはその横で、呆れた顔をしていた。
「本当に食べてますね」
「食わねぇと治るもんも治らねぇだろ」
「それはそうですけど、普通はもう少し休みます」
「座って食ってる」
「そういう意味じゃありません」
サナはため息をついた。
彼女の薬箱は足元にある。
リオードへ着いてからも、バンの傷を確認し、薬を変え、水を飲ませ、休ませようとしていた。
だが、バンは飯の匂いにつられて屋台に来た。
サナは止めきれなかった。
ダリオとミラは、砂漠船組合で報告の補助をしている。
ジャミルは船頭たちと黒砂の広がりについて話している。
サイモンは商会の印を使い、リオードの役人へ緊急書状を渡しに行った。
つまり、今のバンは少しだけ暇だった。
暇なら飯を食う。
当然の流れだった。
バンは乳酒を飲む。
薄い。
だが、砂漠帰りの喉にはちょうどいい。
「黒砂酒の方がいいな」
「今はお酒を飲みすぎないでください」
「これ、弱いぞ」
「弱くても酒です」
「硬いな」
「誰のせいだと思ってるんですか」
サナが睨む。
バンは何も言い返さず、肉をかじった。
その時だった。
南門の方で、空気が変わった。
ざわめきが一瞬だけ引き、次に別の種類のざわめきが起こる。
人々が道を開け始めた。
商人たちも、門番も、船頭も、自然と脇へ下がる。
バンは肉串を口にくわえたまま、そちらを見た。
リオードの門をくぐってきたのは、数人の一団だった。
先頭に立つ男は、巨大だった。
背が高いだけではない。
厚い。
肩幅も胸板も、普通の人間とは一回りも二回りも違う。
臙脂色の短髪。
目元には獣に裂かれたような深い傷跡。
重そうな鎧を身にまとい、背には巨大な大剣。
その歩き方だけで、周囲の人間が勝手に道を空ける。
威圧しているわけではない。
ただ、そこにいるだけで圧がある。
地上の魔物とも、冒険者とも、砂漠の民とも違う。
神の恩恵を受けた強者。
しかも、その中でも上澄み。
バンは肉を噛みながら、目を細めた。
「でけぇな」
サナがその男を見て、息を呑む。
「ゼウス・ファミリア……?」
「知ってんのか」
「直接見たことはありません。でも、紋章が」
男の鎧の一部に、雷を思わせる意匠が刻まれている。
その後ろには、数名の冒険者が続いていた。
一人は細身の男。
砂色の外套をまとい、手には地図筒。
目つきが鋭く、周囲の人間の会話や視線を拾っている。
一人は大柄な槍使い。
先頭の巨漢ほどではないが、鍛えられた体つきで、盾も背負っている。
もう一人は、短い杖を持つ女性。
治療師か、補助役だろう。
彼女は門をくぐった瞬間から、負傷者や黒砂の付着した荷へ視線を向けていた。
そして、一団の一番後ろに、白髪の若い支援者らしき男がいた。
荷物を抱え、少し腰が引けている。
だが、その足運びは妙に軽い。
危険を避けることに慣れているような動きだった。
バンはそちらを見て、少しだけ笑う。
「あの白いの、逃げ足速そうだな」
サナが困った顔をする。
「初対面の人に言うことですか」
「褒めてるぞ」
「褒め方が変です」
巨大な男が、砂漠船組合の前で足を止めた。
組合長らしき老人が慌てて出てくる。
「ザルド殿……!」
その名を聞いた瞬間、周囲のざわめきがさらに広がった。
ザルド。
ゼウス・ファミリアの幹部。
二つ名は、暴喰。
世界最強の一角に数えられる派閥の、中心にいる男。
サナの顔がさらに強張った。
「暴喰のザルド……」
バンはもう一本、肉串を買った。
「暴食?」
「暴喰です。何でも食べる、という意味もある二つ名だと聞いたことがあります」
「へぇ」
バンは少しだけ興味を持った。
何でも食べる男。
それはなかなか面白い。
ザルドは組合長の話を聞きながら、ちらりとこちらを見た。
いや、こちらというより、バンを見た。
離れている。
だが、視線が合った。
獣のような目ではない。
戦場を見慣れた武人の目。
一瞬で相手の立ち方、呼吸、傷、武器、重心を見る目だ。
バンは肉串を片手に、にやりと笑った。
ザルドは表情を変えなかった。
だが、組合長の話を聞き終えると、真っ直ぐバンの方へ歩いてきた。
周囲がさらに道を空ける。
サナが半歩下がった。
バンは座ったまま、肉を食べている。
ザルドはバンの前で止まった。
大きい。
近くで見ると、さらに大きかった。
バンも長身だが、ザルドはそれよりさらに頭一つ分ほど高い。
鎧の重みもあり、まるで小さな壁のようだった。
ザルドは低い声で言った。
「お前が、ハルファから伝令を守った赤い旅人か」
「飯食ってる赤い旅人だ」
サナが小さく頭を抱えた。
ザルドはバンを見下ろす。
「怪我をしているな」
「ちょっとな」
「右腕も鈍っている」
「よく見てんな」
「見れば分かる」
ザルドの視線がバンの腰へ落ちる。
聖棍クレシューズ。
そして、包帯の下の傷。
「神の恩恵は?」
「ない」
「ファミリアは?」
「入ってねぇ」
「それで黒砂持ちを相手にしたのか」
「飯と酒がかかってたからな」
ザルドはしばらく黙った。
そして、低く笑った。
「いい理由だ」
バンの目が少し動いた。
「分かるのか?」
「食うために戦う。飲むために生きる。分かりやすい」
「お前、よく食いそうな顔してんな」
サナが今度こそ固まった。
周囲で聞いていた何人かも息を止める。
だが、ザルドは怒らなかった。
むしろ、口元にわずかに笑みを浮かべた。
「食えるものは食う。食えぬものも、必要なら食う」
「腹壊すぞ」
「壊れん」
「内臓強ぇな」
「鍛えた」
「そこ鍛えるもんなのか」
「鍛えるものだ」
バンは肉串を一本、ザルドへ差し出した。
「食うか?」
サナが目を丸くする。
ザルドは肉串を見た。
香辛料まみれの羊肉。
しばらく見てから、受け取る。
一口で半分ほど食べた。
咀嚼する。
飲み込む。
「火が浅い」
屋台の親父がびくっとした。
ザルドは続ける。
「香辛料で肉の臭みを消しているが、脂の落とし方が足りん。強い火で表面を焼き、少し休ませてから炙り直せば、まだ良くなる」
屋台の親父がぽかんとする。
バンは目を細めた。
「分かってんじゃねぇか」
「食うなら味も見る」
「暴喰っていうから、何でも丸呑みするだけかと思った」
「悪食と味覚がないことは違う」
「いいこと言うな」
ザルドは残りの肉も食べた。
バンは笑い、屋台の親父へ言った。
「今の聞いたか?」
「あ、ああ」
「次は火を強くしろ。あと焼いた後すぐ出すな。ちょい休ませろ」
「お前ら、こんな時に料理談義かよ……」
屋台の親父は呆れつつも、少し嬉しそうだった。
ザルドの後ろから、細身の情報役が近づいてきた。
「ザルドさん、組合長から聞き取りは終わりました。リオード南西の交易路に黒砂帯が確認されています。ハルファからの報告とも一致します」
男はバンをちらりと見る。
「あなたがバンですね。私はエルン・リード。ゼウス・ファミリアの情報収集役です」
「情報収集役?」
「聞く、見る、嗅ぐ、書く、逃げる。だいたいそれが仕事です」
「逃げるも入るのか」
「情報を持って帰れなければ、情報役ではありませんから」
「いい仕事だな」
エルンは少しだけ笑った。
続いて大柄な槍使いが口を開く。
「ロウム・ガルトだ。前衛と護衛をしている」
短く、低い声。
無駄な言葉を嫌うタイプらしい。
女性の治療師も軽く頭を下げた。
「セリア・ノクトです。治療と状態確認を担当しています」
彼女はバンの包帯を見る。
「その傷、黒砂持ちによるものですか」
「そうらしい」
「見せてもらっても?」
サナがすぐに前へ出た。
「処置はしました。黒砂の付着は灰と薬草で洗い、進行は止まっています。ただ、右腕の痺れは残っています」
セリアはサナを見て、柔らかく頷く。
「丁寧な処置です。あなたは薬師ですか」
「見習いです」
「なら、よくやっています」
サナは少しだけ頬を赤くした。
ザルドはバンを見たまま言う。
「黒砂から何かを抜いたと聞いた」
「ちょっとな」
「どうやった」
「盗った」
エルンが手元の帳面を止める。
「盗った?」
「俺の魔力だ。力とか流れとか、そういうのを盗る」
ロウムが眉をひそめた。
「強奪系の魔法か」
「魔法って言われるとちょっと違う気もするけどな」
エルンがすぐに質問する。
「神の恩恵なし。ファミリア所属なし。それで魔力が発現している?出身は?」
「遠いとこ」
「国名は」
「言っても分かんねぇよ」
「種族はヒューマン?」
「たぶんな」
「たぶん?」
「細けぇな」
エルンはさらに聞こうとしたが、ザルドが片手を上げて止めた。
「今はそこではない」
エルンは頷き、帳面を閉じる。
ザルドは低い声で続けた。
「黒砂を盗った時、何を感じた」
バンは肉串の最後を食べ、少しだけ考えた。
「ざらつく。砂みてぇなのに、魔力っぽくもある。毒とも違う。呪いとも違う。生き物の流れに食い込んでくる感じだ」
セリアが真剣な顔になる。
「侵食性の異常魔力……いえ、地形由来の汚染に近いのでしょうか」
エルンが帳面を開き直す。
「黒砂は砂そのものではなく、奥の存在の影響を受けた媒体という可能性がありますね」
ロウムが短く言う。
「つまり、放置すれば広がる」
「そういうことです」
ザルドはバンを見る。
「奥の気配には触れたか」
バンの表情が少しだけ変わった。
軽い笑みが薄くなる。
「ああ」
「どうだった」
「指引っかけただけで、腕持ってかれそうになった」
ザルドの目がわずかに細くなる。
「そうか」
「知ってんのか」
「知っているわけではない」
ザルドは南の砂漠を見る。
「だが、三大クエストの怪物とは、そういうものだ。正面から力を測ろうとした者から壊れる」
バンはザルドの横顔を見た。
ただ強いだけの男ではない。
この男は、あの怪物を知っている。
名前としてではなく、目標として。
人生の中心に置いているものとして。
ベヒーモス。
暴喰の男は、その名を重く持っている。
サイモンが役所から戻ってきた。
その顔は少し青い。
「書状は受理された。だけど、リオードの役人はハルファからの退避も検討しろと言っている」
ジャミルも砂漠船組合から戻ってくる。
「船頭たちも動揺している。交易路に黒砂が出た以上、救援を出すにしても護衛が必要だ」
ザルドが問う。
「ハルファには、どれほど人がいる」
ジャミルが答える。
「百人には届かん。砂漠の民、商人、見張り、薬師、家族連れ。戦える者は多くない」
「水は」
「一晩は守った。だが、黒砂がもう一度水路に流れれば分からん」
ザルドは少しだけ考えた。
その間、誰も口を挟まなかった。
やがて、ザルドは言う。
「エルン」
「はい」
「リオードからオラリオへ早馬と砂漠船を出せ。ゼウスへ直通の符号を使う。ベヒーモスの可能性あり、と伝えろ」
「了解しました」
「ロウム、セリア。救援物資の選別。水、灰、薬草、黒砂対策用の布、板、釘。余計な荷は捨てろ」
「了解」
「分かりました」
ザルドは最後にジャミルを見る。
「ハルファへ戻る船は出せるか」
ジャミルは一瞬だけ黙った。
それから、笑った。
「普通なら断る」
「今は」
「黒砂がハルファを飲むなら、俺の通る砂漠も死ぬ。出すしかない」
「よし」
サイモンが息を呑む。
「戻るのか?今来た道を?」
ジャミルは頷いた。
「今ならまだ通れる。遅くなれば、黒砂帯が太くなる」
サナが小さく言う。
「ナジュさんたちが待っています」
バンは黙っていた。
リオードには飯がある。
酒もある。
傷を休める宿もある。
だが、ハルファには黒砂酒が一樽待っている。
それに、あの集落の飯はまだ食い足りない。
何より、あのまま黒砂に飲まれるのは気に入らない。
ザルドがバンを見る。
「赤い旅人。お前はどうする」
「戻る」
即答だった。
ザルドは少しだけ目を細める。
「理由は」
「酒の約束がある」
サナが横で小さく笑った。
ザルドも低く笑う。
「いい」
バンはザルドを見上げる。
「お前は?」
「俺も行く」
「理由は」
ザルドは南を見た。
「喰らうべきものが、そこにいるかもしれん」
「ベヒーモスを食う気か」
「必要ならな」
「腹壊すぞ」
「壊れんと言った」
「そうだったな」
二人の間に、奇妙な沈黙が落ちた。
緊張ではない。
互いを測るような空気。
強欲と暴喰。
盗る男と、喰う男。
どちらも、まともな英雄の顔ではない。
だが、どちらも今、黒い砂漠へ戻ろうとしている。
理由は立派ではない。
酒の約束。
飯がなくなると困る。
喰らうべき怪物がいる。
それでも、理由があるなら人は動く。
バンは屋台の親父に銅貨を投げた。
「肉、あと五本焼け。火は強めでな」
親父が慌てる。
「これから戻るんだろ!?」
「だから食うんだよ」
ザルドが言う。
「俺の分も五本だ」
親父はさらに固まった。
「十本!?」
バンが笑う。
「暴喰ってやつらしいからな。多めに焼いとけ」
ザルドは腕を組む。
「お前も食うだろう」
「もちろん」
サナが呆れたように言う。
「出発前に食べすぎないでください」
バンとザルドが同時に答えた。
「食わねぇと動けねぇだろ」
「食わねば戦えん」
サナは二人を見比べ、深くため息をついた。
「似ているようで、似ていないようで……やっぱり似てますね」
エルンが帳面に何かを書きながら呟く。
「強欲の旅人と暴喰の幹部。組ませると胃袋の補給量が倍増、と」
ロウムが真顔で言う。
「食料を増やす」
セリアも真面目に頷いた。
「胃薬も増やしましょう」
バンは不満げに言う。
「俺は腹壊さねぇぞ」
ザルドも静かに言う。
「俺も壊れん」
サナが小さく言った。
「周りの胃が痛くなるんです」
それを聞いて、サイモンが思わず笑った。
少しだけ、場の空気が軽くなる。
黒砂は迫っている。
ハルファは危ない。
ベヒーモスという名の災害が、眠りの中で地面を揺らしている。
だが、人はそれでも飯を食う。
水を積む。
荷をまとめる。
武器を研ぐ。
誰かを助けに戻る。
リオードの南門では、急ぎの救援準備が始まった。
砂漠船に水袋が積まれる。
灰と薬草。
板と布。
予備の帆。
簡易の担架。
干し肉と硬いパン。
エルンはオラリオ行きの伝令を手配し、ロウムは荷を軽くするために無駄なものを降ろした。
セリアはサナと一緒に黒砂傷用の薬を分けた。
ジャミルは風を読み、出発の時刻を決める。
サイモンは商人たちを説得し、水袋を譲らせた。
ザルドは南門の外に立ち、黒砂の方角を見ていた。
バンはその隣に並び、焼き直された肉串を一本渡す。
「今度はどうだ」
ザルドは食べる。
ゆっくり噛む。
「さっきよりいい」
「だとよ、親父」
屋台の親父は遠くで泣きそうな顔をしていた。
バンも肉を食べる。
確かに、さっきよりうまい。
脂が落ち、香辛料の匂いが立っている。
少し休ませたぶん、肉汁も落ち着いていた。
「いいじゃねぇか」
ザルドは南を見たまま言う。
「赤い旅人」
「あ?」
「黒砂の奥にいるものからは、まだ盗るな」
バンは肉を噛む手を止めた。
「命令か?」
「忠告だ」
「理由は」
「今のお前では、喰われる」
バンはザルドを見る。
ザルドは本気だった。
馬鹿にしているわけではない。
力を認めたうえで、言っている。
バンは少しだけ笑った。
「分かってるよ。全部盗る気はねぇ」
「ならいい」
「けど、端くらいは盗るぞ」
ザルドの口元がわずかに上がる。
「それで十分だ。災害を倒すには、まず流れを変える必要がある」
「分かってんじゃねぇか」
「食らう前に、獲物の動きを見るのは当然だ」
「盗る前にも見るんだよ」
二人はしばらく黙って、黒い砂漠の方角を見ていた。
遠くの空は、わずかに黒ずんでいる。
風はリオードへ向かって吹いていた。
黒砂の匂いが、薄く混じる。
ザルドが肉串の最後を食べる。
「行くぞ」
バンも肉を食べ終えた。
「ああ」
砂漠船の帆が張られる。
水と薬と武器を積んだ救援船が、再び黒砂の影へ向かう。
その船には、神の恩恵を受けない赤い旅人と、ゼウス・ファミリアの暴喰が乗っていた。
飯と酒を守るため。
喰らうべき災害を見極めるため。
そして、まだ黒砂に飲まれていない人の暮らしを、少しでも残すために。
砂漠船は風を受け、リオードを離れた。
黒い砂漠の奥では、眠る災害が静かに息をしている。
その寝息へ向かって、強欲と暴喰が同じ船で進み始めた。
第13話でした。
修正版では、リオードへ伝令が届いた後、ゼウス・ファミリアのザルドが登場する流れにしました。
ゼウス・ファミリア側は、ザルド以外の同行者として、本作オリジナルの情報収集役エルン、前衛護衛ロウム、治療担当セリアを追加しています。
今回は、バンとザルドの初対面を中心にしつつ、「食う男」と「盗る男」が互いを測り、ハルファ救援へ向かう導入回にしました。
1日の投稿数、どれくらいが読みやすいですか?
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1日3〜4話(現状維持)
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1日5話ペース
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1日6話ペース
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1日7話ペース
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1日8話ペース
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1日9話ペース
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1日10話ペース
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1日10話以上!
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ストックある限り全部!
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その他(感想欄へ)