強欲の旅人は神の恩恵を受けない   作:ルクエリシオン

22 / 24
第21話です。
今回は、料理人ギルドで金髪料理人ルカ・ブロンディと出会い、バンの料理人としての異質さが見える回です。
後半では大鍋職人マーロウも登場し、月戻りの果実酒と、今後の海の冒険への準備に繋がっていきます。


第21話 金髪料理人と大鍋職人

ポルト・グランデの料理人ギルドは、港町の心臓みたいな場所だった。

 

白い壁に、銀の包丁と魚の紋章。

 

建物の前には食材商人の荷車が並び、巨大魚の尾がはみ出した木箱、香辛料の詰まった革袋、氷に包まれた深海魚、海獣肉の塊、酒樽、魚醤の壺が次々と運び込まれている。

 

中からは、絶えず音がした。

 

包丁がまな板を叩く音。

鍋が煮える音。

油が跳ねる音。

料理人たちの怒鳴り声。

商人の値切り声。

弟子らしき若者が叱られる声。

 

そして、匂い。

 

焼いた魚。

煮込んだ貝。

海獣肉の脂。

香草。

酒。

魚醤。

焦げたバターに似た甘い香り。

 

バンは入口の前で立ち止まり、鼻を鳴らした。

 

「……いい匂いしてんな」

 

左腕はまだ痛む。

 

服はミラに直してもらった。海獣肉と深海魚も食った。ポーションもまずいのを二本飲んだ。毒は抜け、顔色も戻り、左手も器を持てるくらいには動く。

 

だが、完全ではない。

 

左肩から肘にかけて、重い鈍痛が残っている。指を強く握ると、傷の奥が軋んだ。

 

それでも、料理人ギルドの匂いを前にして足を止める理由にはならない。

 

バンは中へ入った。

 

ギルドの中は、市場よりさらに騒がしかった。

 

広いホールの中央には調理台がいくつも並び、料理人たちが食材を見極めている。奥には試作用の厨房があり、さらにその奥には酒や調味料の保管庫が見えた。

 

壁には、料理大会の賞状や、歴代の料理長の肖像画が飾られている。

 

受付にいた女が、バンを見て眉をひそめた。

 

「ご用件は?」

 

「樽と酵母」

 

「……はい?」

 

「月戻りの果実に合う樽と酵母を探してる」

 

受付の女の表情が変わった。

 

「月戻りの果実?」

 

「ああ」

 

「本物ですか?」

 

「食った。うまかった」

 

「食べたんですか!?」

 

受付の声が少し裏返った。

 

周囲の料理人たちがこちらを見る。

 

バンは面倒くさそうに頭をかいた。

 

「酒にする分は残してる」

 

「そういう問題では……!」

 

その時、奥から静かな声がした。

 

「騒がしいな」

 

声の主は、前の日に市場で見かけた金髪の青年だった。

 

白い料理服。

首元には青い布。

腰には細い包丁が何本も差してある。

背は高く、動きに無駄がない。髪は明るい金色で、後ろで軽く束ねている。

 

青年はバンを見た。

 

それから、受付の女へ視線を向ける。

 

「何があった?」

 

「ルカさん。この方が、月戻りの果実を酒にしたいと」

 

ルカと呼ばれた青年の目が、わずかに細くなる。

 

「月戻りの果実を?」

 

「ああ」

 

バンは袋を軽く叩いた。

 

「普通の樽じゃ香りが逃げる。森の木じゃ青臭さが移る。石壺じゃ甘みが閉じる。海風を吸った古樽と、冷たい甘みを壊さねぇ酵母がいる」

 

ルカは黙った。

 

バンの言葉を聞いている。

 

その表情から、馬鹿にしている様子は消えていた。

 

「……分かって言っているのか」

 

「舌と鼻が言ってる」

 

「理屈ではなく?」

 

「理屈は後でついてくるだろ」

 

周囲の料理人たちがざわつく。

 

受付の女も、どうしたらいいのか分からない顔をしている。

 

ルカは一歩前に出た。

 

「ルカ・ブロンディ。料理人ギルド所属の料理人だ」

 

「バン。ただの旅人だ」

 

「旅人が、月戻りの果実を酒にする?」

 

「うまそうだからな」

 

「それだけか?」

 

「それ以上いるか?」

 

ルカは少しだけ眉を寄せた。

 

その顔には、怒りではなく困惑があった。

 

月戻りの果実。

 

料理人や酒職人にとっては、伝説に近い食材だ。扱いを間違えれば香りを殺し、温度を間違えれば甘みが壊れ、酵母を間違えればただの酸っぱい汁になる。

 

それを、この赤い旅人は「うまそうだから」と言った。

 

しかも、その目は嘘をついていない。

 

ルカは静かに言った。

 

「見せてもらえるか」

 

バンは袋から一つだけ果実を取り出した。

 

ギルド内の空気が変わる。

 

青白い皮。

淡い金色の光。

白い花と夜露の香り。

 

果実が調理台の上に置かれた瞬間、周囲の料理人たちが息を呑んだ。

 

「本物だ……」

 

「まだ実っていたのか」

 

「エルソスの森は死んだんじゃなかったのか」

 

「香りが細い。けど、強い」

 

ルカは果実へ手を伸ばしかけ、止めた。

 

「触れても?」

 

「傷つけんなよ」

 

「料理人に食材を雑に扱うなと言うのか」

 

「言う」

 

ルカは少しだけ目を見開き、それから口元を緩めた。

 

「なるほど。失礼した」

 

彼は指先で果実を持ち上げ、香りを確かめた。軽く回し、皮の張りを見る。果実の重さ、果汁の入り方、表面の温度。

 

その仕草は繊細だった。

 

まるで宝石を扱う職人のように、無駄なく、丁寧に、恐ろしく慎重だった。

 

バンはそれを見ていた。

 

「丁寧だな」

 

「食材に対して当然だ」

 

「当然ねぇ」

 

「君は違うのか」

 

「俺は、もう少し乱暴だ」

 

ルカは果実を調理台に戻した。

 

「乱暴に扱えば、素材は死ぬ」

 

その言葉に、バンが笑った。

 

「死んだ素材を起こすのが料理だろ」

 

周囲の空気が固まった。

 

料理人たちが、二人を見る。

 

ルカは静かにバンを見た。

 

「面白いことを言う」

 

「そうか?」

 

「なら、見せてもらおうか。君の料理を」

 

「樽を探しに来たんだが」

 

「樽なら紹介する。だが、その前に君が食材をどう見るのか知りたい」

 

バンは少し考えた。

 

腹は、まだ空いている。

 

先に食ったとはいえ、ポルト・グランデにはまだまだ食材がある。料理人ギルドの厨房なら、火も鍋も包丁もある。

 

左腕は痛いが、右手は動く。

 

「食材は?」

 

バンが聞く。

 

ルカは近くの箱を指した。

 

「今朝入った海角牛の余りと、深海銀鱈、香草、岩塩、魚醤。君が望むなら高級スパイスも出す」

 

「いらねぇ」

 

「見てもいないのに?」

 

「今の肉と魚なら、邪魔になる」

 

ルカの眉がわずかに動いた。

 

「高級スパイスが邪魔だと?」

 

「ああ。脂と塩気が立ってる。強い香りを乗せたら喧嘩する」

 

バンは調理台へ歩いた。

 

用意された肉を見る。

 

海角牛の肩肉。

脂が筋の間に入り、赤身が強い。港で食った串と同じ系統だが、これは端材だった。形は不揃いで、筋も多い。

 

次に深海銀鱈。

 

白身は柔らかい。脂は澄んでいる。だが、切り身の端が少し崩れている。丁寧な皿にするには難しい。

 

ルカが見ている。

 

周囲の料理人たちも見ている。

 

バンは包丁を手に取った。

 

左腕は使えない。

右手だけで押さえ、切る必要がある。

 

普通なら難しい。

 

だが、バンは肉の筋を見た。

 

筋がどこを走っているか。

どこを切れば固さがほどけるか。

どこを残せば噛んだ時にうまいか。

 

料理なら、骨の位置も筋の流れも読める。

 

アンタレスの封印よりはずっと簡単だった。

 

「片手でやるのか」

 

ルカが言った。

 

「左は治療中だ」

 

「なら、無理をするな」

 

「腹が減ってる」

 

「理由になっていない」

 

「なるだろ」

 

バンは包丁を落とした。

 

いや、振り落とした。

 

刃が肉へ入る。

 

細かく整える切り方ではない。筋を断ち、脂を逃がさず、火が通る道だけを開く。乱暴に見える。だが、余計な部分は潰していない。

 

周囲の料理人の一人が顔をしかめた。

 

「雑だな」

 

ルカはその男を手で制した。

 

「黙って見ろ」

 

次に魚。

 

バンは銀鱈を崩れた形のまま見る。

 

綺麗な切り身にはできない。なら、無理に整えない。

 

ほぐす。

 

脂の乗った白身を大きく崩し、骨だけを抜く。香草は刻まず、手で叩いて香りを出す。岩塩は粗く砕き、魚醤はほんの少し。

 

鍋を火にかける。

 

海角牛の脂を先に焼く。

 

脂が溶け、強い香りが立つ。そこへ肉を入れ、表面を焼きつける。焦げる直前で水を入れ、銀鱈を崩して加える。魚醤を一滴、二滴。香草を投げる。

 

見た目は上品ではない。

 

だが、匂いが変わった。

 

肉の血の香り。

魚の脂。

潮の塩気。

香草の青さ。

それらが鍋の中でぶつかり、少しずつ一つになっていく。

 

ルカの表情が変わる。

 

「……香りが、立った」

 

バンは火を強めた。

 

「弱火で綺麗にまとめる肉じゃねぇ。暴れさせた方がうまい」

 

「暴れさせる?」

 

「こいつらは元気がいい。なら、皿の上でも暴れさせりゃいい」

 

鍋が煮える。

 

バンは味を見る。

 

少し薄い。

 

岩塩を足す。

 

魚醤は足さない。

足せば魚の香りが勝ちすぎる。肉の血の味を残す。

 

最後に、海角牛の焼いた脂を少しだけ上からかける。

 

「できた」

 

器に盛る。

 

海角牛と深海銀鱈の荒煮。

 

見た目は豪快だ。大きな肉と崩れた白身が同じ器に入っている。香草も上品に飾られているわけではない。

 

だが、匂いは強烈だった。

 

食欲を殴りつけるような香り。

 

ルカは黙って器を受け取った。

 

一口食べる。

 

その瞬間、彼の目がわずかに見開かれた。

 

肉の強さ。

魚の脂。

潮の香り。

血を作るような濃さ。

だが、重すぎない。銀鱈の脂が肉の荒さを丸め、香草が後味を切る。

 

繊細ではない。

 

美しい皿でもない。

 

けれど、食えば身体が熱くなる。

 

「……素材が、暴れている」

 

ルカが呟いた。

 

バンは笑う。

 

「だろ」

 

「だが、暴れているのに、壊れていない」

 

「壊したら飯じゃねぇだろ」

 

周囲の料理人たちも試食した。

 

最初は半信半疑だった者たちが、次々に黙る。

 

「うまい……」

 

「なんだこれ。雑なのに、味が強い」

 

「いや、雑じゃない。切る場所が妙に正確だ」

 

「香草を刻まなかったのか。だから香りが残ってる」

 

ルカは器を置いた。

 

「君の料理は、野蛮だ」

 

「褒めてんのか?」

 

「半分は」

 

「残りは?」

 

「悔しい」

 

バンは楽しそうに笑った。

 

「いい顔してんな、金髪」

 

「ルカだ」

 

「覚えたらな」

 

「覚える気がない返事だ」

 

ルカは軽く息を吐き、調理台に置かれた月戻りの果実を見た。

 

「樽と酵母だったな」

 

「ああ」

 

「この果実なら、普通の果実酒蔵では駄目だ。強い酵母では香りが死ぬ。樽も若い木では青さが移る。君の見立ては正しい」

 

「じゃあ、あるのか」

 

「ある。ただし、普通の酒職人では扱えない」

 

「面倒だな」

 

「ポルト・グランデで一番面倒な職人を紹介しよう」

 

ルカはギルドの裏口へ向かった。

 

バンもついていく。

 

料理人ギルドの裏手には、鍛冶場と木工場が繋がったような区画があった。そこでは、巨大な鍋、包丁、鉄串、船上用の調理台、酒樽の金具が作られている。

 

火花が散る。

 

木槌の音が響く。

 

焦げた鉄と木の匂いが混じる。

 

その中央で、巨大な男が鍋を叩いていた。

 

身長は高く、肩幅は扉ほどある。太い腕には火傷の跡がいくつもあり、髭には木屑と鉄粉が混じっている。腰には金槌、鉋、短い斧、鉄の定規がぶら下がっていた。

 

男は振り返る。

 

「ルカ。鍋なら昨日渡しただろ」

 

「今日は樽の相談だ、マーロウ」

 

「樽?」

 

マーロウと呼ばれた男の目が、バンへ向いた。

 

「誰だ、その赤いのは」

 

「バン。旅人で料理人らしい」

 

「らしい?」

 

バンは肩をすくめる。

 

「飯は作る」

 

マーロウは鼻を鳴らした。

 

「料理人はだいたいそう言う」

 

「月戻りの果実を酒にしたいそうだ」

 

ルカが言った瞬間、マーロウの顔が変わった。

 

「……月戻りだと?」

 

バンは袋から果実を一つ出した。

 

マーロウは黙って手を拭き、慎重に受け取った。

 

大きな手なのに、果実の扱いは驚くほど丁寧だった。

 

「本物だな」

 

「樽がいる」

 

「普通の樽じゃ駄目だ」

 

「知ってる」

 

マーロウはバンを見た。

 

「どう駄目だ」

 

「若い木は青臭い。強い木は香りを潰す。石は冷たすぎる。金属は論外だ。海風を吸って、余計な青さが抜けた古い木がいい。中は軽く焼く。焼きすぎると甘みが死ぬ」

 

マーロウは数秒黙った。

 

それから、にやりと笑った。

 

「口だけの赤いのじゃなさそうだ」

 

「腹は減ってる」

 

「それは知らん」

 

マーロウは工房の奥へ歩いた。

 

そこには古い木材が積まれていた。黒ずんだ板、白く乾いた板、塩を吹いた板。どれも普通の家には使えそうにない。

 

「これは、廃船から取った古材だ。二十年、海風と潮を吸った。元は果実酒を運んでいた船の内張りだ。魚臭くはない。酒の香りが残っている」

 

バンは板に近づき、匂いを嗅いだ。

 

潮。

古い酒。

乾いた木。

わずかな甘み。

 

月戻りの果実を邪魔しない。

 

むしろ、香りの奥に静かな塩気を足す。

 

「これだな」

 

「即決か」

 

「鼻がそう言ってる」

 

マーロウは笑った。

 

「気に入った。小樽を作ってやる。だが時間がいる。酵母はルカが手配しろ」

 

「分かっている」

 

ルカは頷いた。

 

「月白酵母が合うはずだ。発酵は遅いが、香りを壊さない」

 

「月白?」

 

バンが聞く。

 

「この町の古い酒蔵で使われる酵母だ。強い酒には向かないが、繊細な果実には合う」

 

「いいな」

 

バンは満足そうに笑う。

 

「じゃあ、それで仕込む」

 

「簡単に言うね」

 

ルカが苦笑する。

 

「月戻りの果実酒なんて、町中の酒職人が見たら卒倒するぞ」

 

「起こして飲ませりゃいい」

 

「君は食材だけでなく人も雑に扱うのか」

 

「雑には扱ってねぇ。起こすだけだ」

 

マーロウが大声で笑った。

 

「面白い赤いのだな!」

 

バンは工房に置かれた巨大鍋を見た。

 

人が三人は入れそうな大きさだ。分厚い鉄でできており、底は丸く、船上でも揺れにくいように足が工夫されている。

 

「でけぇ鍋だな」

 

「海獣用だ」

 

「海獣を丸ごと煮るのか」

 

「切ればな。丸ごとは無理だ」

 

「もっとでけぇのは?」

 

マーロウはバンを見た。

 

「何を煮る気だ」

 

「まだ決めてねぇ」

 

「その顔は、ろくでもないものを煮る顔だ」

 

ルカが小さくため息をついた。

 

「バン。ポルト・グランデでは、巨大な食材を扱う料理人や職人も多い。だが、無茶な注文は嫌われる」

 

「無茶かどうかは、食材を見てからだろ」

 

「君は本当に危ない料理人だな」

 

その時、工房の外から怒鳴り声が聞こえた。

 

「おい!港の東桟橋にまた傷ついた船が入ったぞ!」

 

「漁船か?」

 

「メレンへ向かう外洋航路からだ!積み荷がほとんどない!」

 

「またかよ……」

 

工房の空気が少しだけ変わった。

 

ルカの表情が硬くなる。

マーロウも笑みを消した。

 

バンは二人を見る。

 

「何だ」

 

「最近、沖の海が荒れている」

 

ルカが静かに言った。

 

「港の近くではない。メレンへ向かう航路のさらに外だ。大物の海獣が漁場を荒らし、遠洋船が沈められている。メレンはその海へ出るための要衝だから、被害の知らせが集まりやすい」

 

「飯が減るのか」

 

「……そうだな。市場に入る魚も減っている」

 

バンの目が少し細くなった。

 

マーロウが腕を組む。

 

「海の連中は、海王の影だなんだと騒いでいる。まだ噂だがな」

 

「海王」

 

バンはその言葉を口の中で転がした。

 

まだ興味は薄い。

 

だが、少しだけ引っかかった。

 

海獣用の巨大鍋。

月戻りの果実酒。

美食都市の魚市場。

そして、沖で途絶え始めた食材の流れ。

 

バンは鼻を鳴らした。

 

「ま、今は樽が先だな」

 

「そうだ。君が余計な騒ぎを起こす前に、まず果実を仕込む」

 

ルカが言う。

 

「余計な騒ぎは起こしてねぇ」

 

マーロウが笑った。

 

「その服の傷で言われても説得力がないな」

 

バンは修復された赤いコートを見下ろす。

 

「服は負けたが、俺は勝った」

 

「名言みたいに言うな」

 

ルカが呆れた。

 

工房の奥で、マーロウが古材を運び出す。

ルカは月白酵母を手配するため、ギルドの倉庫へ向かう。

 

バンは月戻りの果実が入った袋を軽く叩いた。

 

酒の準備は進む。

飯もうまい。

服も直った。

腕も少しは動く。

 

ポルト・グランデは、なかなか悪くない町だった。

 

ただし。

 

港の方から、また鐘が鳴った。

 

今度は夕市の鐘ではない。

傷ついた船の入港を知らせる、低い警鐘だった。

 

バンはそちらを一度だけ見た。

 

「海王、ねぇ」

 

呟き、すぐに視線を戻す。

 

「まずは酒だ」

 

赤い旅人は、まだ見ぬ果実酒の味を思い浮かべて笑った。




第21話でした。
今回は金髪料理人ルカ・ブロンディと、大鍋職人マーロウ・アイアンキールの登場回です。
ルカの繊細な料理と、バンの野性味ある料理を対比しつつ、月戻りの果実酒に必要な樽と酵母の準備が始まりました。
そして少しずつ、海王の噂もポルト・グランデへ影を落とし始めています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。