チートを貰って世界を救う俺。   作:ショーP

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どうも! ショーPデス!

オリジナルの新作を投稿致します! 問題児の方も続けて行くので、応援お願いします!


第一章 春凪謡太は異常
第一話 不運にも、春凪謡太は死神に殺される


白。白。白。

 

見渡す限り白しかない世界。地平線も水平線もなく、空と大地との境い目すら分からない。

 

とても現実のものとは思えないこの光景の中に、

 

「ーーーう〜ん…………あれ? ここは何処だ?」

 

一人だけ少年がいた。

 

「(おいおいおいおい! 誘拐かこれ!? っていうかここどこだよホントに! 夢かなんかか!?)」

 

慌てる少年。かなり面白可笑しい慌て方なのだが、残念ながら観客がいないため一人芝居と化していた。

 

いや、

 

「……ッ!! あっはははははは!! はっ……っ!! ちょ、やめ……! あははははははは!!」

 

ある存在がそれを見て、少し、いやかなりムカつくほどにバカ笑いしていた。

 

見た目は十歳ほどの少年にも少女にも見える子供だった。

 

「っおい! テメェ何者だ! ここは何処だ! 何で俺はここにいるんだ!」

 

「〜〜〜〜〜ッ! ハァハァ……ああ、ごめんね。君の醜態が面白くてさ」

 

「ーーーッ! (いちいちムカつく野郎? だな)」

 

「え〜と。野郎で合ってるよ。僕様は男だからネ! 少年じゃないケド……」

 

自然に考えてることをよんだことに少年は戦慄する。

 

「質問に答えようか。僕様は神様だよ。此処は死後の世界で、君は死んだからここにいるのさ」

 

「……………………は?」

 

さらりと告げられた事実に呆然とする。

 

神様? 死んだ? いったいこいつはナニヲイッテイル?

 

そんなことばかりが頭の中をよぎっていく。思考が停止する。現実味が無さすぎてリアルなのか夢なのか分からない。

 

「あっははは。いい感じに混乱してるね〜。今なら特別サービスでどんな質問にも答えてあげるヨ?」

 

「あ、ああ……お前の名前は?」

 

「ヨル」

 

神様ーーーヨルは端的に告げる。

 

「なら……何で俺は死んだ? 良くある神様のミスで交通事故とかか?」

 

「惜しいね! 八割がた正解だよ。君は交通事故で死んだ。僕様が殺した」

 

あっさりと自分のことを殺したと言ってのけることに、少年は怒りを覚えるより先に聞き流してしまった。いや、怒りを覚えたのはーーー

 

「違うのは……ミスではない(・・・・・・)ということさ」

 

このセリフに対してだった。

 

「…………………なんだと」

 

「ミスなんかじゃあ無いよ。君は死ぬべくして死んだのさ。当然の報いを受けたと言ってもいい。君は生きるべきでは無かった。立ち直るべきでは無かった。生まれるべきでは無かった。君はーーー」

 

「黙れ(・・)」

 

少年は言葉に怒りをのせ、自身の力を使った。

 

「ーーーッ! 君は……その力(・・・)を持つべきでは無かった」

 

やっぱり凄いね、君の『絶対王声(パーフェクトコマンド)』は。と、ヨルはセリフの最後を締めくくった。

 

「君だって分かってるんだろ? その力は存在すべきでは無い。人がその力を持つべきでは無い。何でその力が君にあるのか僕らにも分からないのさ」

 

力をこんなに早く破られたことに戸惑っている少年をそのままにヨルは話し続ける。

 

「その力で君の周りがどれだけ不幸になった? 他人を支配した? 何人もの人が人生を狂わされた?」

 

俺はそんな事望んじゃいなかった! そう叫ぼうとした少年の口はつぐまれたままだった。

 

「『絶対王声(パーフェクトコマンド)』…………声を聞いた者に命令に従わせる。そんな危険な力を暴走させた君は死んで当然だと思わないかい?」

 

少年は、何も言えなかった。

 

「だからね……君に償う機会を与えてあげよう。コントロール出来るようになった今、僕様たちは君にその罪を償わせることにしたんだよ」

 

「……何をさせるつもりだ?」

 

「簡単だよ。絶望の未来が待っている世界に君を転生させる。君はその力を使って、その世界を救うんだ」

 

「……拒否したら?」

 

「それも簡単。君からその力を奪って君という存在を消滅させる。輪廻の輪に加えると、生まれ変わった時にどんな力を次は手にするか分からないからね」

 

どちらにしても過酷な運命。選択出来るとはいえ、後者を選ぶ者がいるとは考えにくい。

 

「さあ、どうする? 全ては君次第さ。転生して世界を救うか、存在ごと消滅するか」

 

「……決まっている」

 

少年は迷わない。落ち込まない。慌てても冷静さを根本のところでは失わない。そういう風に言い聞かせているから。

 

「転生して、世界を救うさ。償う機会はずっと探してたんだ。やってやるよ」

 

すると、ヨル一瞬だけ申し訳なさそうな表情を作った。

 

「……ならさらにサービスしてあげるよ。僕様から一つ、力を与えよう。『絶対王声(パーフェクトコマンド)』があるとはいえ、あの世界では少し厳しいだろうからね」

 

少年の身体を光が包みこむ。何か変わった自覚は少年には無かったが、力が増えたらしい。

 

「『千全司(ミトカド)』。かなり危険な力だけど、君が行く世界限定だから大丈夫だと思う」

 

「何で……これを?」

 

「事情があるのさ……事情が、ね」

 

今度はハッキリと見せた暗い表情。少年が何かを言おうとしたが……

 

「それじゃあ行こうか! 君の健康と、息災と、幸運と、成功を! 祈っているよ」

 

ヨルがそれを遮る。

 

瞬間、少年の真下に穴が開く。少年の姿がその穴に飲み込まれていく。この穴の先が転生先の世界のようだ。

 

「いってらっしゃい。春凪謡太(はるなぎ ようた)君」

 

その声は少年ーーー春凪謡太には届かなかった。

 

 

✳︎ ✳︎ ✳︎

 

 

「………………これで良かったのかい?」

 

ヨルがナニカに声をかける。

 

「ああ、ありがとう。これで大丈夫だ」

 

ナニカが姿を現す。少し跳ねた髪の毛。少しダルそうな目。小さな差異はあれど、現れた男は春凪謡太(・・・・)にそっくりだった。

 

「……そんなに別世界の自分をもてあそんで楽しいんですか?」

 

ヨルが嫌悪を露わにしてナニカを睨みつける。

 

「もてあそんでなんかないさ。試練を与えているだけだよ」

 

そう言いながらもその顔はニヤニヤと嗤っている。

 

「貴方が彼に『絶対王声(パーフェクトコマンド)』を与えたせいで、彼は僕様に殺されてしまった……」

 

「それが君の仕事だろう、『死神』ヨル」

 

ヨルの顔が歪む。

 

それきり二人が言葉を発することは無かった。

 

 




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