遅くなってでも長めにするべきでしょうか……?
春凪謡太、橘香、エイミー・K・ライチャーの三人は、アーリヤ支部へと歩いて向かっていた。
「あのさー。俺を助けた時に使ってた奴で空飛んでけないの?」
「ああ、あれですか。全力出し切っちゃいましたからね〜〜。少し休まないと使えないのですよ」
「という訳でしばらくは歩きよ。残念だったわね、楽できなくて」
「お二人のなかでは俺は一体どんな人物なんですか……」
「…………ちょっと待って。なんで君、エイミーには敬語で私にはタメ口なの?」
「え? だって、エイミーさんは年上でしょ。君は年下でしょ。当たり前じゃ無い?」
「…………ちなみに君、何歳?」
「16だけど……」
その途端、エイミーは吹き出した。謡太が引くほどお腹を抱えて爆笑している。
「え!? なんでエイミーさんそんな爆笑してるんですか!?」
「だ……だって……フフッ」
そう言いながら、エイミーはある方向を指差した。
そこには……
「……………………」
顔を真っ赤にして激怒している香の姿が。
「え、え〜と。香さん? なんでそんなに怒っていらっしゃるのですかな?」
「私はっ!! エイミーと同い年のっ!! 18歳だよっ!!」
「え? ええ〜〜〜〜〜!?」
謡太は驚いた。今までにないほど驚いた。
何故なら、
謡太167㎝
香150㎝
エイミー163㎝
と、謡太と香の間には17㎝もの差があるのだから(ちなみに、エイミーを年上だと判断した理由はスタイルである)。
「何歳だとっ!! 私を何歳だと思ってたのよ〜〜!!」
「え〜と。13歳?」
「にゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「香、語尾無くなってるわよ。そして、そんなにピョンピョン跳ねてるから子供だと思われるのよ」
「味方がいない!?」
正直に答えた謡太にピョンピョン跳ねながら怒る香。13歳だと間違われてもしょうがない反応だろう。
しかし、
「(空から降ってきた……異世界の存在なんてただのデマとしか思ってなかったけど……)」
「(こうしてこの少年がいる以上、本部の予言がハズレだったと決めつけるのは早計……って事かな?)」
そんな会話をしながらも謡太に対する警戒を忘れていないのは、二人とも流石と言うべきだろう。
そして、
「(う〜〜ん……疑われてるなぁ〜〜。どうにかしてこの世界の情報が欲しいんだけど……このままじゃあ二人からは聞き出せないかなぁ〜〜)」
春凪謡太も、その視線に気付いていた。
互いに相手に対する疑念を隠そうともしていない。だがその事に触れず、様子をうかがって牽制しあう二人と一人は、会話と裏腹に険悪だった。
時間を……誰か時間を下さい……