「……さあ、謎解きの時間だぜ?」
謡太が二人に言い放つ。
「…………っ!」
エイミーが何か喋ろうとするも、謡太に禁じられているため声にならなかった。
「驚いているみたいだな。それは俺に見破られたからか? ……まさか今さらとぼけるつもりじゃあねぇよなぁ」
謡太が二人の顔を眺める。エイミーと香は顔をしかめる。
「最初に違和感があったのは村に泊まったときだ。お前らから見て、俺は素性の知れない不審者。異世界から来たと言い放ち、お前たちは俺が能力を持っているんじゃないかと疑っていた。そんな奴と、能力が切れているのに一緒に泊まるか?」
謡太はそこで、息継ぎをするように言葉を区切った。
「次におかしかったのは昨日の朝だ。能力が戻らなかった? 馬鹿馬鹿しい。いくら『名前持ち(ネームド)』が数少ないからって、そんな自己管理ができない奴が単独任務につけるはずがないだろう」
「さらに言えば昼まで熟睡していたってのも疑わしい。様子を見に行ったのはエイミーさんだけだ。あの時、エイミーさんは何かと理由をつけて起こさなかったし、俺を橘のところまで行かせなかった」
「もしも橘が寝ていなかったなら、エイミーさんが俺を町へ連れ出したのも裏がある。橘を一人にするためだ。ならば、俺を遠ざけて橘は何をしていたのか。それが、さっきの二人組につながる」
「恐らく、橘はあの二人組に俺たちを襲うように依頼したのだろう。男一人と女二人の組み合わせなのに男の俺を襲ったのは、お前らが依頼主だからだ」
「エイミーさんが昼まで俺を連れ回し、橘が熟睡していたということにしたのは、あいつらの準備のためだろう。半日でいける範囲に村がないことを、お前らが知らないはずがないからな」
「そしてそれを確信したのは、さっきあいつらが口走った『話が違う』、というセリフだ」
「『話が違う』ならば、話をした人部がいるということだ。つまり、俺たちの情報を流した奴かーーー俺たちを襲うように依頼した人物」
「しかしだな………お前らも知っているように、俺は異世界からこの世界に来た。それも、ついこの間………一昨日のことだぞ?」
「これがどういうことか分かるか?」
「俺たちの情報を流す………そんなこと出来るはずがないんだ。だって、俺の情報(・・・・)を知っているはずが無いんだから」
「そう。ある二人を除いて」
「その二人とは、俺がこの世界に来て初めて出会い、話し合い、行動を共にした人物」
「お前らしかいないんだ」
「いや………違うな。言い方を変えよう。お前たちだけが出来たんだ。お前らだけが、俺の事を。俺が襲われるに相応しい理由を、『異世界からの来訪者』という特異性を知り得たんだよ」
「正直、なんでお前たちが俺を襲おうとしたのかはどうでもいい」
「そんなもの幾らでも考えられるからな」
「ただ、俺はここで死ぬわけにはいかない。だから敵は全て排除するつもりでいるんだが……」
「お前らはどっちだ?」
「何か弁解があるなら、【話してみろ】よ」