機動戦士ガンダムSEED NT〜もしも、ムウに弟が居てキラの親友だったら?〜   作:オウくんスレのスレ主

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phase.1ー1 まだこの時はただの悪友の1人で、福田監督は彼を退場させる予定だった。

 C.E.71年、L3宙域。

 

 オーブ主張国連合コロニー『ヘリオポリス』

 

 人々は、地球で起きている戦争なぞ他所のこととばかりに、日常を過ごしていた。

 

 コロニーを舞う黄色と緑の小鳥のロボットが、ある公園の東屋でノートパソコンのキーボードを打ち込む少年のモニターの淵に止まるが、少年は気にせず右手はキーボードを指で打ち、左手はレポートを確認していた。

 

「キラ、こんなとこに居たのかよ?」

 

 少年、キラ・ヤマトはその呼びかけに顔を向けた。その視線の先には男女が2人居た。

 

「トール、ミリィ、どうしたの?」

「カトー教授が、お前の事探してたぜ?」

「またぁ?」

「見かけたらすぐ引っ張って来いって、なぁに?また何か手伝わされてるの?」

 

 2人はキラの友人であり、同じ教室のクラスメイト。少年はトール・ケーニッヒ、少女はミリアリア・ハウという名だった。2人は教授がキラを引っ張ってこいと頼まれたらしい、キラはまたかよとめんどくさそうな顔でうなり、ミリィは教授の頼みを押し付けられたかと笑う。

 

「ったく、昨日渡されたのだってまだ終わってないのにぃ……」

 

 キラは座る場所を変えながらああ嫌だと面倒くさそうに唸った、また追加の頼まれごとだろうなとぶつくさ文句を呟くキラに、トールとミリィが笑っていると。

 

「何だよキラ?まぁたカトーのジジイから面倒ごと押し付けられたのか?あいも変わらず断る事をしらねぇなぁ?」

「うわっ!!」

 

 背後からキラの首に腕を巻くようにして、白の開襟シャツに金髪の端正な顔をした少年が現れた、その姿にトールとミリィは顔を顰める。

 

「げっ、オウ……あんた何でここに居るのよ、普段居ないくせに」

「珍しいな、お前がこんな時間から学校来るなんて」

 

 ミリアリアは明らかな嫌悪感を醸し出しながら、キラにひっつく少年の名を呼んだ。トールも嫌な奴に会ったと思いながら、普段は顔を見せない時間に現れた少年に、珍しいと声をかければ金髪の少年は気障ったらしく右手指を2本立ててウィンクしながら挨拶した。

 

「チャオ、ミリィにトール?何でここに居るかっていうと、今からワーカーホリックなキラを誘って街に遊びに行こうと思ってさ」

 

 彼の名前は、オウ・ラ・フラガ。

 

 この物語の主人公であり、やがて様々な悲劇に巻き込まれる少年である。

 

 さて、そんな彼はキラを誘ってサボろうとしているらしい。が、そんなキラが作業しながら見ているニュースに目が向いた。トールも音声を聞いて気になったのか、画面を覗き込む。

 

「お?何か新しいニュースか?」

「ああ、カオシュンだって……」

 

 ニュースリポーターが、廃墟のビルをバックに、人型の巨大なロボットが動く様を写し、報じていた。カオシュン、地球連合の東アジア共和国の地名。そこにプラントが降下作戦で攻めてきたニュースだった、先週のニュースのその経過かと、トールも、ミリィも、そしてオウも画面を見つめた。

 

「ひぇー……先週でこれじゃあ、もう墜ちちゃってんじゃねぇの?カオシュン……」

「うん……」

「こんなロボット兵器が戦況ひっくり返してんだから、分かんねぇよなぁ……そんなに強いのかよこのジンってMSって」

 

 オーブ首長国の本土から近い場所が戦場となり、戦火を広げている。他人事な感想を呟くトールに、腕をキラから離したオウは、戦況をひっくり返したプラントの抱える軍隊、ザフトが扱う『モビルスーツ』のジンが動く様を見て目を細めた。

 

「カオシュンなんて、結構近いじゃない……大丈夫かな、本土」

 

 オーブ本土近くで戦いが起こっているとなれば、本土にまで飛び火するんじゃなかろうかと心配するミリアリアに、トールは楽観を込めて語った。

 

「まぁ、そりゃ心配ないでしょ?近いったってうちは中立だぜ?オーブが戦場になる事はまず無いって」

「そう?なら良いけど……」

 

 ここは中立国のオーブ、戦争をしているのは『地球連合』と『プラント』で自分たちは関係無いと語るトール。しかし、ここに苦言を呈する者が居た。

 

「そう楽観視できる話しでもねぇぞトール?オーブは中立国ではあるが……だからって関係ありません、戦争にはなりませんって免罪符になるわけじゃねぇんだから」

 

 オウは腕を組みながら語り出した。

 

「あとどれくらいかは知らないけどよ、連合もプラントもオーブにこう言い出すぜ?"お前、どっちにつくんだよ?"って、味方に引き込もうとするんだ、中立国ってのは四面楚歌になりやすい、このままのらりくらりと首長達は躱せるかどうか……」

 

 今、自分たちが住むオーブという国は中立で、戦争に介入していない。しかし、それができるのは果たしていつまでかも分からない……この戦争でやがて両国から味方につくように圧力はかかってくるだろうと。オウの話に、トールてミリアリアは……ただ怖がらせるためにオウは大袈裟に言ってるだけと思いつつも、確かにと思わされて蓋をするように反論した。

 

「おいおい怖がらせんなよ、オウ……」

「それって、軍人のお兄さんの受け売り?やめてよ怖いから……」

 

 オウの兄は軍人らしい、そこから仕入れた知識かと2人が怖がる様に、オウはやりすぎだと思ったのかちゃらけて笑顔を浮かべた。

 

「冗談だよ、本気にすんな」

「やめろよな心臓に悪い……ん?キラ?」

「うわぁ!?」

 

 そうして会話に入ってこなかったキラが呆けていたので、トールが顔を覗き込むとキラは驚き体勢を崩した。余程何かを考えていたらしい、オウはキラに尋ねた。

 

「どうしたキラ?結婚を約束したかつての女の子の事でも思い出してたのか?」

「んなわけないだろ、オウじゃああるまいし……ほら、行くぞ?」

「あ、うん」

 

 そんな事考えるのはお前くらいだと、トールはキラにさっさと教室に行こうと声をかけた。

 

「そうそう、さっさと行こうぜ?カトーのジジイの頼みは放り出して、街に行ってナンパしによ」

 

 が、オウは本気でキラとサボる気で来たらしい。その悪い誘いにミリアリアは顔を顰めてオウに言い放った。

 

「アンタ一人で行きなさいよ?キラを巻き込まないで、行きましょうキラ?」

「ツレないねぇ、ドリンクも食事も奢るぜミリィ?バイト代入ってんだ、トールもどうよ?どうせまたカトーに色々押し付けられんぞ?」

「間に合ってる、キラもそうだろ?」

「あ、えーっと……」

「また徹夜コース喰らわされっぞキラ、だから━━」

 

 キラ争奪戦とばかりに、三人は言い合いになった。しかし、突如オウはピタリと言葉が止まり、背後を見てから延髄を右手で撫で始めた。

 

「……いや、たまには俺も真面目に出るか」

「え?」

「はぁ?」

 そして、気持ちの悪いほどに突然、オウはサボるのを諦めてカレッジへ行く事にしたのであった。




簡単なプロフィール

名前:オウ・ラ・フラガ
年齢:16歳
誕生日:9月27日
人種:ナチュラル(スーパーフラガ人)
担当声優:細谷佳正
搭乗機:ジン

概要
ムウ・ラ・フラガの実弟であり、キラ・ヤマトらと同じ工業カレッジの学生。生まれついてからなんでもそつなくこなせる天才肌な人間であるため、コーディネイターを疑われるが歴としたナチュラル。逆にコーディネイター扱いされて憂き目を見たり、診断書を見せる羽目にもなったりしている。
性格も兄と似て軟派ながら、兄の庇護から早く独り立ちして楽させたいと学業も疎かにはしないメリハリの効いた男。フラガの血筋故か『空間認識能力』が凄まじく、その力は兄のムウ、父のアルダすら超えており、それを『虫の勘』と呼称して無自覚に使っている。やがて戦場に出た彼はその力を自覚し始め……。

工業カレッジではキラに次いでの成績で、プログラミング大会ではキラと組んで優勝した事があり、キラにとってはコーディネイターである事を気にせず仲良くできる親友として交流している。『前トモのアスラン、今トモのオウ』という感じ。

ミリアリア、トール、サイとは悪友であり、その軟派な性格から距離を置かれているが、カズイとは仲が良い。フレイを一度ナンパしたが、コーディネイター差別に嫌気がさして汚点としている。

搭乗機体は鹵獲されたジンで、ヘリオポリスにてGATシリーズ用のターゲットにされる予定だったが、それに搭乗してキラを援護した為成り行きで戦う事となる。

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