前回のあらすじ
自由気ままなドクズ勇者の登場!
ユイ「はぁ…暇だな…」
ユイはデスグリードをぶんぶん回しながら呟く。
セリア「思ったんだけどさ…ユイって聖剣受け継いだ瞬間に暗黒魔剣にさせちゃっただよね?」
ユイ「うん。なんでそうなったのかは私も知らんけど。」
セリア「それって次の代に聖剣渡すときどうなるの?」
ユイ「詳しくは知らないけどデスグリードを他の連中が解呪とか浄化とか色々試したらしいんだけど全然元に戻らなくてもしかしたら変化が永遠のものになったかもしれないからもうデスグリードはずっと私の手元に置いたままとか聞いた気する。」
セリア「そうなんだ。大変なんだね。」
ユイ「まぁ私は別にいいんだけどね。どうなっても。まぁ一定数クソうるさい老害はいるけど…」
セリア「クソうるさい老害って…?」
ユイ「んまぁ自分にとって都合のいい世界しか見てこなかったからこっちの気も知らずに好き勝手言ってくるクソバカ野郎とか私の事を都合のいい駒にしたい王国のブタ共とか…」
セリア「…私には好きなだけ甘えていいからね?」
ユイ「セリア―!」
ユイはセリアに抱き着いて顔をスリスリする。
セリアはそんなユイの頭を撫でる。
そんな様子を見ながら家事担当のサレナは掃き掃除をしている。
セリア「よしよし。」
ユイ「うぇーん老害共が気持ち悪いよー!正直全員ぶち殺したいよー!」
セリア「うんうん、踏みとどまれて偉いね。ユイちゃんが頑張ってるのは私がよく知ってるからね。」
その時扉がガチャリと開き、見習いのクリスが女性を連れて入ってくる。
依頼人のようだ。
セリア「ユイちゃん、お客さんだよ。」
ユイ「んは~い。いらっしゃいませ。本日は何のご依頼で?」
「実は…今度王国内の西側にあるグリッツンハイムという町に引越しをするんですけどその道中に現れる魔物や魔族が増えてるらしいので護衛をお願いしたくて…」
ユイ「いいですよ。」
セリア「了承するの早ッ⁉」
ユイ「じゃあ詳細な日時など決めていきましょう。」
「は、はい!」
珍しく少しだけまともになったユイが積極的に話を進めたことで、当日の詳細な動きが決まった。
そして当日、セリアとサレナが最後の荷物が積まれた馬車を引き、ユイ、クリス、ネイトが戦闘を務めるという陣形だった。
ユイ「案の定道中に襲ってくる魔物結構いるね…」
クリス「まったく…しんどいったらありゃしないぜ…」
ネイト「ま、地道にコツコツだよ。」
クリスはドスでベアウルフやゴブリンの心臓をドスドスぶっ刺し、ネイトは後方から銃で的確にヘッドショットする。
そうして進んでいくと、急にどす黒く不穏な空気が流れ始める。
ユイ「何この嫌な予感…」
目の前に黒いオーラが渦巻いてそこから水色の肌に紫髪で背中に大きな蝙蝠の羽を生やした男が現れる。
「フフフ、こんなところに人間が通るとはな。久しぶりにいい肉にありつけそうだ。」
ユイ「アンタ誰。」
ザンク「私の名はザンク!魔族軍で24番目に強い魔族だ!」
クリス「微妙なラインだな。」
ザンク「最近は誰もこの道を通らなくなったから空腹していたが…今宵はごちそうだ!」
ザンクはそう言って鋭い爪をあらわにし、ユイに襲い掛かってきた。
ザンク「まずは貴様の肉からだ小娘!」
ユイ「なるほど…グリッツンハイムの道中が危なくなったのはお前が原因なのか。んじゃ依頼人のためにも潰すべ。」
ユイはそう言うと1枚のスキルカードを取り出した。
そしてそのカードは巨大なハンマーになる。
ユイ「てってれ~『デカハンマー』!ってことでオラァ‼」
ドカァァァァァン!
ザンク「ウギャアァァァァァァ!」
ユイはデカハンマーを軽々と振るい、ザンクを潰した。
ザンクは潰された蚊のように血だまりを残してぐっちゃりと潰れていた。
それから残りの道は驚くほど戦闘がなかった。
ユイ「もしかして最初の方の魔物もあの魔族の奴の影響で出現してたのかな。」
サレナ「それならユイ姉様が魔族を倒した後の平和さにも説明がつくのです。」
それから無事グリッツンハイムに到着し依頼人の引っ越し先まで送り届けることができた。
ユイ「よ~し、無事依頼も達成できたし帰ってデュエマしようぜぃ。」
セリア「あ、いつものユイちゃんに戻った。」
ユイ「今日こそ私の赤単でセリアのフルレート天門を攻略してやる‼」
ゴールデン・リバティの社内兼家に戻ったユイとセリアはずっとデュエマをしていた。
ユイ「D・D・D発動!『ブレイズ・クロー』を『轟く邪道レッドゾーン』に進化‼出た時効果でパワーが一番小さい『ウェルキウス』を全て破壊!そのままトリプルブレイク。」
セリア「わわぁ⁉そういえばユイちゃんのいつも使ってるスキルカードってどうやって手に入れたの?『アケルナル』でブロック。」
ユイ「え?なんか気づいたら手元にあったんだよね~だから実質私だけの専売特許だったんだけどパクリ野郎が現れてさぁ…もう一回『レッドゾーン』で攻撃。」
セリア「そ、そうなんだ…」
デュエマに熱中しながら会話をしていると、また扉が開かれる。
入ってきたのは…
「来たぞ、ユイ。」
ユイ「はいどなた様~って…お前かよ。別に来てほしいなんて言ってないんだけど?」
入ってきたのはユイと同じ勇者の血を引く者、バンク・ゼノフォードだった。
バンク「たまたま近くに来ていたからな。顔を見せようと思ったんだ。」
ユイ「へーそーなんだ。出口はあちらです。」
セリア(露骨に帰らようとしてる?)
バンク「ハァ…お前はいつもそう適当な態度だな。聖剣を魔剣にしたのもそうだし、お前のそういう態度もあいまってこう呼んでしまうんだよな自分以上の勇者の面汚しと。」
セリア「ッ⁉」
ユイ「別に、私は勇者でいるつもりは無いから喜んでツラ汚させてもらうけど、お前の勝手な思想で突っかかってくるのやめてくれる?普通に老害だから。」
バンク「んなっ⁉」
ユイ「それに、もう家の連中は皆デスグリードをもとのセイクリッドライザーに戻すことを諦めてるみたいだよ。お前もいい加減受け入れたら?」
バンク「俺は諦めるつもりは無いぞ。お前に聖剣を持つ資格はない。だから絶対にゼノフォード家に返してもらう!」
ユイ「資格がないのは重々承知してる。だから魔剣に変化したんじゃないの?私のスキルカードはパクるしそのくせ真の勇者とはいえないとか言ってスキルカード使わない縛りするし…本当に何がしたいのか分かんねぇわ。」
バンク「パクってなどいない!」
ユイ「へーへーそうですかい。で、言いたいことはそれだけ?じゃあね。」
バンク「待て!話はまだ!」
ユイ「話は終わった。いい?」
ユイが一瞬だけ放った圧にバンクは思わず呑まれる。
バンク「…また来るからな。」
バンクはそう言って去って行った。
ユイ「え、普通にやめてほしい。」