うたをつぐもの―うたわれるもの・After― 作:根無草野良
クンネカムンの大乱から七年。
若きエヴェンクルガの武士(もののふ)タイガは、森の母(ヤーナマゥナ)アルルゥや、団長であるティティカと共に、雇兵団(アンクァウラ)『ティティカルオゥル』の一人として、戦乱の世を渡っていた。
タイガは兄を、アルルゥは姉を捜し、ティティカは名を上げるために。
旅の途中で出会った騎兵の姉弟、リネリォとテルテォを団に加え、小さな諍(いさか)いを繰り返しながらも、一行は一つの戦乱を終わらせる。
だが、皇を追いつめた城の奥、再会を果たした兄リュウガを捕らえることは、遂に叶わなかった。
黒幕と目された仮面の女、ハクビ。アルルゥの姉の手がかりを求め、そして消えた兄を追い、タイガは『ティティカルオゥル』の面々と共に、ハクビを捕らえることを決意する。
再興に沸くムルの都で、アルルゥは旧友であるカミュとの再会を果たす。
オンカミヤムカイの妹姫は、トゥスクル皇ハクオロの白い鬼面の噂を聞き知り、その行方を追い求め、従者ムティと共に旅を続けていた。
オンカミヤリューの二人を加え、『ティティカルオゥル』の一行はムルとヌルティオセの戦に介入する。
その地で出会ったのは、アルルゥとカミュの旧知である二刀の剣士オボロと、弓使いの双子ドリィ・グラァ。
そして、ハクオロ皇とユズハの娘、ユズカだった。
新旧の交友を温めながら、両国の事情とハクビの行方を追う中で、『ティティカルオゥル』の一行は、遂にヌルティオセの皇を討つに至る。
皇の間でハクビを守っていた者は、巨漢の武人ラクシャイン。
平原の国クッチャ・ケッチャを裏切りし大罪人にして、騎兵の姉弟リネリォとテルテォの怨敵であった。
怒りのまま槍を振るう姉弟を、ラクシャインは一蹴し、ハクビは再びの逃走を図る。
彼女の目的は戦に勝利することではなく、戦と不穏を撒き散らすことであった。
その理由は判然とせず、アルルゥの姉の所在もわからぬまま。
手がかりを失った『ティティカルオゥル』は、ユズカたちに別れを告げ、オンカミヤムカイへと進路をとった。
各地に國師(ヨモル)を派遣している『始まりの國』ならば、邪(よこしま)な企みに関しても、聞こえてこない道理はない。
賢大僧正(オルヤンクル)ウルトリィの尽力もあり、オンカミヤムカイで過ごす日々は、『ティティカルオゥル』の面々にとっても穏やかなものだった。
だが、大神の加護に守られたこの国も、動乱の波から逃れることはできない。
流浪の商人ニコルコにもたらされた不吉な報を確かめるため、カミュを國師(ヨモル)として派遣すべく、『ティティカルオゥル』は一路、カルラゥアトゥレイへの道を辿るのであった。