ねぇ、起きてる?
起きていたらこの話を聞いてほしい。
私の今までの想いを聞いてほしいです。
私はここに来るまで、自分で言うのはちょっとあれですが、苦労してきました。
あれは中学2年生の頃でした。
父が今まで育ててくれた恩を返すために私は必死に勉強していました。大人になったら父に幸せな生活を送ってほしいと考えていたからです。
私の家庭は父しかおりません、母は亡くなってしまったからです。
だからこそ、仕事もしながら私のことを支えて育ててくれた父には感謝しています。
必死に勉強しすぎて疲れが溜まっていたある日の夜のことでした。
勉強中に疲れて寝てしまいました。勉強机に突っ伏して寝ていました。
そして、次に起きたときには「目が見えなくなっていた」のです。
前の日は特に異常もなかったんです。ただいつも通りの日常を過ごしていたはずなのに…
私のいつも通りの日常はその一夜にして一変しました。
「え…なんで…なんで真っ暗なの…」
なんど目を開きなおしても視界は真っ暗なまま。
光もなにも感じない。ただ真っ暗。
私はこのことが夢であればいいなと現実でないでほしいと現実逃避していました。
再びベッドへ戻り、少しばかり寝ました。
「ゆり、起きなさい。学校遅れるぞ。」
そして再び父に起こされ、起きました。
ですが、治ってはいませんでした。
「お父さん…私……なにも見えない……」
私のその言葉を聞いた父はすぐさま私の目を確認し、病院へ急いで連れて行きました。
緊急手術しましたが、私の目は治りません。
お医者様が告げた病名は「網膜中心動脈閉塞症 (もうまくちゅうしんどうみゃくへいそくしょう )」という病気でした。
私の場合、処置が遅く、失明してしまったと。
「夜は不意にやってくる。そして、光を奪うのではない。光が最初からなかったかのように、世界を塗りつぶすのだ」 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
私は手術を終え、診断を受けたあと、入院が決まった。
父はその日の夜だけは私といたいと看護師さんたちに必死に説得し、その日の夜は父が一緒にいてくれた。
「お父さん、無理しなくていいんだよ…?私のためにここまでしなくたって。」
「無理なんかしてないさ。ただゆりは一人じゃ不安だと思って、今日だけでも一緒にいたいんだよ。」
父は本当に優しい人でした。
確かに私は不安でしたし、怖かったです。
生活が目が見えなくなったことから一変した日は不安定な気持ちで落ち着かないだろうと思っていたので、父が一緒にいてくれるだけで心が落ち着きました。
月日は流れ、退院前の前日の深夜のことです。
私は今後のことについて考えていました。
学校や友人、生活等色々。
父が視覚障害者用の道具(白杖など)はすべて準備してくれました。
ただ不安です。
学校も今まで通りに送れない。友人たちはどうなんでしょう。
見捨ててしまうのでしょうか。
生活も人に助けてもらいながらになるから、迷惑ばかりかけちゃいますね。
そんなことを考えていたら、涙がポロポロと流れてきました。
やはりこんな現実は受け入れられない。
そんなことも考えながら…
そして、退院後。
少しずつ日常生活に慣れていきました。
いいことなんてありませんでした。
友人は皆私を避け始め、見捨てていきました。
先生たちは助けてはくれましたが、友人関係は破滅しました。
今まで仲の良かった友人ももういません。
私は腫物扱い。人畜無害を皆願っているのでしょう。
毎日が絶望、生きるのが辛かったです。
「もう死んでしまいたい…この世界からいなくなりたい」
ある日そう思ったんです。
そして私は絶望した状態でとある建物の最上階へと向かいました。
わかっている通り、「飛び降り自殺」をしようとしてました。
こんな世界に生きる価値なんてない。迷惑をかけ続けるぐらいなら死んだ方がいい。
父にはたくさん迷惑をかけた。本当にごめんなさい。
そんなことを考え、最上階から飛び降りようとした時でした。
「やめろ!!!!!!!!」
そんな声とともにガシッと私の腕を誰かがつかみました。
声色的に男の人ぽくて、彼は必死でした。死のうとする私を止めようと言いたいこともめっちゃくちゃで。
でもただ彼は私に生きていてほしいそうだった。
関わったこともないのに。
「なんで……」
「自殺なんてするんじゃない。なにがあったかは分からない。でもでも生きることはいいことだよ。今はよくなくても良くなる日がくる。」
無責任な言葉。わかるわけない。
「あなたになにがわかるのですか!!!!!目が見えなくなって、みんなに迷惑をかけて、まわりの人たちはみんなみんないなくなっていって…この苦しさあなたには理解できませんよね!?無責任なこと言わないでください!」
「でも…俺はあなたを助けるよ」
「でもってなんですか!?みんな、口ではそうやって綺麗ごと並べるんです。口ではなんでも言えますからね。でも結局行動に移そうともしない。あなただってそうでしょう?こんな人には死んでほしいでしょう?」
「いや!俺は違う、そんな奴らとは違う!無責任かもしれないが、俺はあなたに生きていてほしい。生きていてくれるなら、俺が助けてあげる、支えてやるから!!だから、お願いだ…生きていてくれ…」
ほんとうに無責任な言葉。良いことなんて起きない。
でもそう思ってた私だけど、こんなに必死に止めてくる彼を目の前に死ぬなんてできなかった。
彼なら私を見捨てずにいてくれるかも…なんて考え始めていた。
その日の夜は彼が私に付き添って家まで一緒に帰ってくれました。
やはり慣れていないからか、戸惑うところは多かったですが、彼なりにサポートしてくれました。
家に着いた時には父が家の前で待っていてくれていました。
その時に彼と父が遭遇して、父は彼を家に招き入れて、いろいろと私のことや事情を話してくれました。
それからのこと…と話したいのですが、もう眠そうですね…?
このお話はまた今度お話しますね。お話聞いてくれてありがとうございました。おやすみなさい。