よろしくなのです
□2031年1月15日の記憶
おうちがキラキラしてる~
まっかで、おれんじで、きれいだなあ
…
あついよぉ、おかあさん、おとうさん、だれかいないの?あつい!あつい!たすけて!
あつ、いよぉ
た、す、け、て
…
□2042年3月15日の記憶
はぁ、受験受かったはいいものの、来年から憂鬱だなあ。見た目のせいでいじめられるんだろうな。 いや、ネガティブに考えるな。うん!日本の最高学府、T大に受かったんだ!そんなところで低レベルないじめをする人なんかいないはずだ。よし、かんばるぞ!
…ん?車!? 信号無視!? 危なっ…ぐぁっ!!
救急車、救急車をよば、なきゃ…。
…
□2043年7月15日 華之 リゲル 自宅
あー、家のなかでスマホだけしてんのも飽きてきたなー
事故から1年と4ヶ月、たまに行ってるリハビリのお陰で片目の視力がなくなったたのにも慣れたな。 昼飯のついでにテレビでも見よう。
「<Infinite Dendrogram>は新世界とあなただけの
性を提供いたします」
へぇ、こんなゲームがあるんだ。 ひまだなぁ。 …買いに行ってみようかな。
…
□7月15日 都内ゲームショップ
うーん、目当ての『<Infinite Dendrogram>-インフィニ
ット・デンドログラム-』ってこれか?
えっ!?1万円!?やっす。 これぐらいなら買えるな。 購入しよう!
…
◇
ここは…書斎、か?
「はーいようこそー! ぼくは管理AIのチェシャだよー!よろしくー!」
「ああ、よろしく頼む。」
「おー、礼儀正しいねー。嫌いじゃないよー。」
そういえば衝動買いしたからよく分かんないことだらけだ。ちょっと聞いておこう。
「ちなみに、これってどんなゲームなんだ?」
「特に決まってないよー」
「え?」
「うーんそうだなー、そうだー
英雄になるのも、魔王になるのも、王になるのも、奴隷になるのも、善人になるのも、悪人になるのも、何かするのも、何もしないのも、
そうか。
何をしたっていいのか。
「よし、ありがとう。」
「わかったならいいよー。じゃあ、描画選択をしてねー。 サンプル出すよー」
「わかった。」
うーん、悩むなー。
「どう?」
「じゃあ、そのままで頼む。」
「おっけー! じゃあ次に、プレイヤーネームを決めてねー」
意外と悩む。
うーむ…
「華野・βStar …とか?」
華之の之を野に変えて、リゲルを学名(?)に変えただけだけど。
「りょーかーい。登録しとくねー 次はキャラメイクだよー」
「頼む。」
「はいはーい。よっと!」
突如目の前にマネキンが現れる。
「ぴぇっ!?」
「驚かせちゃったー?ごめーん」
「い、いいさ。 それより、凝ってるなぁ。時間かかるし、リアルの見た目に寄せることってできるのか?」
「できるよー うーん、ほい!」
火傷前の顔を彷彿とさせる。肌は白っぽくて、あぁそうそう、右手の甲になんか小さいホクロがあったなぁ…。
「ぐすっ、」
「だ、だいじょうぶー?」
「あ"あ"、ン"ン"ッ…なつかしかっただけだ。」
「そうー」
「このままで出来るか?」
「いいのー? プライバシーとかー」
「大丈夫だ。これは、過去の顔だ。今は顔は変わった。…
変わりきってしまった。面影なんてろくにないから…さ。」
「わかったよー。 でも何でだ?変わったなら変わった後の顔が映るはずじゃ…」
「ん?何だ?」
「いやなんでもー。 そしたら、所属国を選んでねー。」
「国かー。国ごとに文化が違うからな。 どんな国があるんだ?」
「いろんな国があるよー
騎士の国 アルター王国
機械の国 ドライフ皇国
妖精郷 レジェンダリア
商業都市郡 カルディナ
刃の国 天地
武仙の国 黄河帝国
海上国家 グランバロア
…この七つだねー」
へぇ、意外とあるんだな。
うーん、どーすっかなー。
「じゃ、アルター王国で。」
「おっけー 所属国は後からでも変えられるからー」
「あぁ。」
「じゃあ最後ー、エンブリオの移植を始めるよー!」
「エン、ブリオ?」
「説明するー?」
「頼む。」
「おっけー。エンブリオっていうのはねー、このゲームの最大の特徴だよー。 エンブリオはプレイヤーによって真の意味で千差万別化するオンリーワンさー。アイテムや装備という枠を超えた相棒だよー。エンブリオは全プレイヤーがスタート時に手渡されるけれど、同じ形なのは最初の第0形態だけー。第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げるよー
千差万別って言っても大まかな方向性はあるよー」
そうなんだな。
「大まかにカテゴライズするとー。
プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ
プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー
プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ
プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル
プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー
…この5つかなー
これに加えてー、複合カテゴリーやレアカテゴリー、オンリーワンカテゴリーもあるから、大事に育ててみてねー」
「めちゃくちゃあるんだな わかった。」
「じゃあ移植するねー うーん、ほい!」
何とも気の抜ける掛け声だこと。
「じゃあ最後、初期装備を選択してねー ほい、カタログだよー この中から選んでねー」
「何でもいいかな~ あっ!武器だけ選ばせて! ナイフが良い!」
「はいはーい。 じゃあ服はー、ジャージとかどうー?」
「あぁ。いいぞ!」
「じゃ、行ってらっしゃーい」
へっ?
「うぁぁあぁあぁぁ"ぁ"ぁ"あ"!!!」
落とすなぁー!!