センセイモドキは先生を辞めたい   作:ブルアカやったことない民

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トリニティ編
トリニティピンクゴリラの乳は一切の光を通さない


 桐藤ナギサは……私は焦っていた。

 つい先日、世間を大いに賑わせた『先生無期限休止事件』の熱も冷めないうちに先生……いや元先生がティーパーティーへと尋ねてきたからだ。目的は不明、しかし休止の件について詳しく事情を聴いておきたかったので渡りに船だった。…少々唐突だったので今、こうして急いでいるわけですが。

 

 ようやく部室の前に付き、数秒息を整えて部室に入る。

 

「先生、もう部室に着いているとの知らせが………何をしているんですか?」

 

 そこには異常な光景が広がっていた。

 

「オッ、ナギナギじゃん。もう来てるよ~~」

 

「いえ、その……ミカさんも何をしているんですか」

 

「そ、それはね~せ「アイマスク」はい……」

 

 まず先生がソファに寝転がっていた。

 普段の先生ならあまり……休憩中や本当に忙しい時にしか見せない無防備な姿。随分と思い詰めてるんでしょうか。そう思うもそれ以外の絵面で思考が止まる。ソファに寝転ぶ先生の顔の上、……ミカさんが胸、より直接的に言うとおっぱいを目の上に乗せていた。しかも偶々乗せているとか悪戯で乗せているというわけでもなく、胸に両手を添えて落ちないようにした上で正しく“乗せられていた”。

 

 先生はその状態で胸を本当にアイマスクのように少しだけ上にズラしてこちらに挨拶したのだ。

 

「久しぶり~、ごめんねぇ~~。今大変なのに呼んじゃって。ちょっと相談したいことがあってさ。あ、この体勢のままでいい?ミカ……アイマスクのお仕置きも兼ねてるから」

 

「お仕置き」

 

 おしおき、どんなおしおきだとかそんなの羨ましいとか思わないでもないが一先ず置いといて……

 

「そう、お仕置き。いやね?先生をおやすみした理由の一つでもあるんだけどさ」

 

「あぁ、そのことです先生。先生を無期限休止するって……そこまで追いつめていたんですか……!」

 

「違う違う。いや、違わなくないけどそれは理由の3割くらいね。おっきな理由は他にある」

 

 そういうと先生は真剣な声でこう言った。

 

みんな距離が近すぎる

 

「その状態で!?」

 

 私は思わず声を荒げてしまった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 いやねぇ~、色々思うことはあったんだよ。それが爆発したってわけじゃないんだけどさぁ。でももう我慢ならなくなったって感じで。

 

 まぁ一つずつ説明しようか。

 

 まずね。先生の仕事量が多い。これね。これがまぁきっかけの一つだった。

 ほら、シャーレって超法規的措置が取られた組織じゃん?

 学校を跨いで色々動ける……何でも屋?何でも屋みたいな感じでさ。でもそんなルールを真っ向から破れる存在って統治してる学校側からはまーーーーーーーー厄介なのよ。んで、厄介な問題とか学校側が介入しなくてもいい問題……猫探しとか落とし物捜索みたいな簡単な依頼ばっかりだったワケ。もしくはものすごく処理が面倒くさい奴ね。

 

 それでもなんとか、なんとか仕事は回せてたのよ。

 でも最近はそれも難しくなってきてさ。エデン条約とかシャーレ奪還とか……色々。色々解決してきたことでね。『おっ、どうやらシャーレという組織はそこそこ使えて便利らしいぞ』みたいな認識が広まってきて、業務量がドカンと増えたわけよ。もうびっくりするくらい増えた。それで、他の学校から当番って感じで手伝いの子を派遣してもらってなんとか~~って感じでやってたけどさ。

 

 ある日、書類諸々を片付けて、ようやく寝れるぞ~ってなって宿直室に向かったのよ。そこでね、気づいたんだ。

 

『あれ、いつ家に帰ったっけ?』

 

 そう、俺シャーレに着任して少し後からずっとさ。家に帰ってなかったんだよ。

 いや、正確にはシャーレ着任と同時に急遽決めたアパートなんだけど、そこにずっと帰ってなくてさ。

 今まで意識なんてしてこなかったからもう焦っちゃって。もうパニック。死ぬほどパニクってさ。

 

 で、それ以上にそこまで仕事に忙殺されていたことに気づいちゃって。

 

「気づいちゃいましたか」

 

「気づいちゃったのよ。真実に」

 

 そう思ったらもう今までの仕事量とかが全部走馬灯みたいにブワーッって過ってさ。これに比べたら山岡はんの鮎はカスや……って言っちゃうくらい。

 そんな、もう足止めたら二度と歩けないんじゃないかってくらいに追い詰められてて。実際にこうして足止めちゃってるワケで……振り返っちゃってるワケで。じゃあもう歩けないなってなるのは自明じゃん?

 

 それにさ。今までの事を振り返ったらさ。気づいちゃうのよ。当番制って問題に。

 

 当番制ってようは生徒に自主的にお手伝いしてくれ~~って言うもので“募集”してるじゃん。

 

『これダメくね?』

 

 ダメじゃん。ダメだよ。

 いやだってこの組織、超法規的措置が与えられた組織なワケで、一応やろうとすればもう色々強権振れるタイプの組織じゃない?それにさ~、生徒とはいえ他の自治を行っている人を手伝わせるのは不味くないか?今のところ起きてないけどさ。シャーレの重要な書類とか見れちゃうわけで……動向が読めたらあくどい事するとき便利じゃない?

 

 いや、わかる。わかるよ。だって自主的に参加してくれるわけで……。ようはボランティア。善意の活動をしている生徒達を疑うのはよくないってことも。わかってるよ……!手伝ってもらってるから今まで言い出せなかったってところもある。でも……それでもさぁ……!

 

「他のところから人を募集しないと回せない業務量ってそれダメじゃない?」

 

「それは……そうですね」

 

 そう、ダメなんだよ。おかしい。この世のおかしさに気づいてしまった。真理を見ちゃったわけ。真理の扉をパァンしたわけ。両手パァンしたら錬成出来るくらい真理を見ちゃったわけ。その代わり休日を『持ってかれた…!』なわけだけど。

 

 で。改めて振り返ると途端に全部がダメに見えてきてさ。実際ダメな部分も多いからもう……ね。

 

 それでリンリン……リンちゃんに辞表を叩きつけたのよ。パァンって。でもリンちゃんからそれだけは勘弁してくださいって言われて話し合った結果、無期限休止になったって感じ。

 

 これがきっかけ一つ目。二つ目がね。俺の失われた青春について。コレ。

 

 みんな先生先生って言うし俺も正直忘れてたけどさ。俺学生だったなって思い出したわけよ。普通に17歳なの忘れてたよね。超法規的措置で先生に認められて色々やってきたけど普通に学生生活をエンジョイしてる歳なのよ。もう学校帰りにタピオカ飲んで友達と駄弁る青春時代が失われてるのよ。現在進行形で。

 

「……後輩というわけですか」

 

「そう、ナギナギもナギナギじゃなくてナギ先輩なワケ。ナギ先輩チーッス、焼きそばパン買ってきやしょうかってなワケよ」

 

「あっ、それなら私もミカ先輩って言ってくれ「アイマスクは喋らない」ひん……」

 

 これもおかしいなって思ったのよ。

 みんなが学生生活を送ってる中、一人先生として業務をこなす毎日……、珈琲エナドリは常飲してるし主食はカップ麺だ。若いとはいえさすがにガタがくる。無理しすぎ。死ぬ。死んじゃうよ。お陀仏、荼毘に付しちゃう。

 

「荼毘に付すのは此方の方では?」

 

「自分で付けに行っちゃうくらい」

 

「荼毘を?」

 

「そう荼毘を。ダイナミック火葬」

 

 でそう思うともうやってられなくなっちゃって。なんで俺が犠牲にならないといけんの?って。

 一人が犠牲になって回る社会秩序なんて捨てちまえと。そう思ったら気が楽になって、じゃあ辞めるかぁ~~ってなった。これが二つ目。

 

 で、最後。三つ目。これが大きい。いっちゃん大きい。三つ目はね。

 

 みんなの距離が近すぎる。

 

「その……それは」

 

「あぁ、アイマスクの事?これはお仕置き。ミカがね。もう距離感近くって。急に抱き着いて来たりするし……あとこれ見て」

 

 これこれ。モモトーク。先生とミカのね。ほら、スクロールするとさ。これとか。

 

「コレ……えぇ?ミカさん?」

 

「み、みないで!見ないで!」

 

 もうすっごいよね。

 下着姿で髪が乱れて……目だけ手で隠した状態の自撮り姿。しかもなんか滴ってるし。下半身が。どんな運動してたんですかねぇ~()ってなワケ。もうストレートに言うなら完全に事後よ。何の事後って?それは本人に聞いた方が良いんじゃないすかね(他人事)

 こんな自撮りばっか送ってくるの。そのくせさ。先生が迫ったりすると『うわ~先生エッチ』みたいな対応されるんだよ?どうしてほしいの?俺をどうしたいわけ?

 

「先生迫ったことあるんですか……」

 

「あるよ。いや、ごめんナギナギ。でもさ、言い訳させて。さすがに雨に濡れて下着が透けてる状態で抱き着かれたらさ。もう誘ってるって思うじゃん!!!!」

 

「ミカさん……」

 

「ひ、ひゅっひゅー(下手くそな口笛)」

 

「耐えたけど!!!必死に耐えてなんとかなったけど!!!ミカが引いたからもう一周回ってコイツホント……!ってなって冷静になったけど!!!」

 

 そんなわけでね。もうこんなことするミカをお仕置きするにはどうしたらいいかって考えてこれを思いついたわけよ。あえてセクハラする。逆転の発想。常人じゃ決して思いつかない理外のアイディア。ミカが誘ってきたりするならあえてこちらから攻める。だが、ミカもそうしてきたんだからこちらもそうするって理論で、これ以上はしない。

 

 そう、おっぱいアイマスクをするだけ。それ以上は何も求めないし何もしない。これがミカに効くって思った。

 

「効くんですか……?」

 

「案外効いてる。胸を乗せてるとはいえ中腰のままをキープしてるから足がさっきからプルプルしてる」

 

体勢(ソッチ)なんですか……」

 

 いや、目的は違うよ?そっちがその気ならこっちもそうして、ミカがいざ『誘ってるじゃんね』とか言ってきたら『は?誘ってないが。勘違いしないでください。そういう勘違い困ります』って言ってやるだけ。なるべく手を思いっきり振り払って冷たい目をする。もしくは~

 

『その……ごめん。ミカにそういう勘違いをさせた私にも非があると思うんだけど……ホント、そういう気持ち全くなくて。ミカのことはそんな目で見れないというか。いつも、あんな感じだったから許されるだろうなって言う気安さというか……その、ごめん。今度から勘違いさせないようにするね』

 

 って言って今後事務的な対応しかしない……みたいなね。

 

「カヒュッ(即死)」

 

「やめてください。ミカさんが死んでしまいます」

 

 いや、ミカはそういうレベルのことをしてるんだよ?わかる?先生じゃなくて俺だから許されてるんだよ?わかる?青少年の思春期拗らせた童貞だから許される所業なんだよ?

 

「あの先生……そのどう……って」

 

「いや言うよ。もうね。そこらへん君達のせいでもあるからね?」

 

 何度も言うけどさ。みーんな距離近い。平然と抱き着いて来るし、そこのミカは完璧事後の自撮り写真送ってくるし。てかミカだけじゃないからね?そういう写真送ってくるの。もう慣れたよ。慣れた。嫌な慣れだよ。

 

「せんせ~その話詳し「アイマスク!!!」……ハイ」

 

 平然と膝の上に載ってくるし、仕事は手伝ってくれないし……仕事は手伝ってくれないし!!!

 当番の子でさぁ。あたりはずれみたいなのあるのキツイよ。仕事手伝ってくれる子と手伝ってくれない子ね。主にゲヘナ。逆に仕事増えることあるし。

 

 そんなわけでね。もう俺の情緒はボロボロなの。

 ミカにさ。こうしておっぱい乗せられてもびっっっっっっっくりするほど興奮しないの。いや、ただただ重いな~~という感情しかないというか。すごいよね。コレ。ぽよんとかそういうレベルじゃない。もうズシッってレベル。重厚なのよ。胸部装甲ってこういうことか……って妙な納得したよね。

 

 ちょっと湿度があるというか、湿ってるというか。下乳の汗?がね、もう目に溜まってるのよ。自動加湿器みたいになってるの。いらない機能~~って思うと同時に、巨乳の子が蒸れやすいってそういう……って理解を示しちゃってるのが今なの。視界占有率もすごいし。こんな光を通さない事ってあるんだ。人体で。

 掌を掲げてさ。血管とか透かしたりすることってあるじゃん?子供の頃のヤツ。僕のち~し~お~ってヤツ。そう、人体って結構透過すると思ってんだよね。光。違った。違ったよ。厚みは光を通さないんだ。この乳の質量は重力を伴うレベルだと思う。もう見て触れて理解したよね。

 

「先生の……その情緒云々は理解できましたが。その、いつから復帰なさるおつもりで?」

 

「それね~。ナギナギ的にはいますぐ復帰してもらいたいでしょ?でもねぇ、正直コレ、ストライキ的なノリなのよ。他の学園に当番制って形で人を募集してる時点でもう業務量が追い付いていないことが問題で。逆に今までが駄目だったのよ。少ない人数で回せてたから大丈夫だろって人員が増えなかった。なら、業務回せなくてダメでーす人員増やしてくださーいが正解なのよ。だから、当分はお休みする。あぁ、もちろん先生じゃないとダメな仕事はするよ?でもそれ以外はしませーん」

 

「えーっと、なら先生「アイマスク」……先生はなんでトリニティに来たのかな?話聞いてる限り、何処の学園とも関わらなさそうって思ったけど」

 

 こやつ……!だが言ってる事は非常にイイので不問にしてやろう。

 そう、トリニティに来た理由ね。ナギナギに~~ってかティーパーティーにちょっとお願いがあって来たんだよね。

 先生おやすみするきっかけのさ~、二つ目。失われた青春について。やっぱり学生にならないと出来ないじゃん?課題に追われたり~、部活動に励んだり~~ってのはやっぱり学校生活において起きる事なのよ。でも今の先生、無職フリーターなのよね。これはダメだと思った先生は考えました。

 

 どこかの学園に一時的に所属すればいいんじゃね?

 

 そう、で、ここで名案が思い浮かんだんです。

 このおやすみの期間でお試し入学ということで色々な学校に所属し、そこで起きている問題や学校特有の環境を理解し、今後の活動に生かしていこう……!

 そう、つまり先生は先生というアイドルを一旦おやすみして、一般人という名の生徒に戻る!

 

 題して『アイドルやめるやめる詐欺』

 

「その名前はどうかと……」

 

「えっ?でもよくあるくない?アイドルが無期限休止という名の引退して盛大にお別れライブした数年後に復活する奴」

 

「え、じゃあ先生トリニティの生徒になるってこと!?わーっ!なんでトリニティ選んだの!?」

 

「アイマスク……聞いちゃいねぇ。そうだね、そういうことになる。選んだ理由はくじだね。どうせ関わりある学校全部見て回るつもりだったし。公正公平にくじで決めたよ」

 

 そんなわけでナギナギ、生徒の件よろしくお願いシャッス。あ、

 

「ナギパイセンヨロシャッス!焼きそばパン買ってきやしょうか!?」

 

「先生、いつものナギナギでいいです。あと焼きそばパンはトリニティの購買では扱っていません」

 

 嘘だろ……トリニティに焼きそばパン無いの?

 俺は心底絶望し、アイマスクの下乳をガッと顔に押し付けて現実をシャットアウトした。乳は重く、分厚かった。




学名:センセイモドキ(先生)
補遺1
生徒に妙なあだなを付ける
補遺2
ブルアカ本編をS評価だとするとA-かB+くらいの評価で終わらせた

学名:トリニティピンクゴリラ(聖園ミカ)
補遺1
センセイモドキに対してエグイセクハラをする
例:センセイモドキが使用するペンを無断拝借し〇慰行為に使用
補遺2
センセイモドキが積極的な対応をするとヘタれる。一種の甘え行動と思われる

学名:トリニティイススワリ(桐藤ナギサ)
補遺1
センセイモドキがトリニティピンクゴリラに対して行った処遇を羨ましく思っている
補遺2
センセイモドキを後輩として扱った時ちょっとよくない感情が生まれた
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