センセイモドキは先生を辞めたい   作:ブルアカやったことない民

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トリニティピンクカタツムリとエッチ違反ヨシッ(指差し確認)

 今日はコハルと勉強会だ。俺が先生でコハルが生徒ね。国語歴史だけなら俺はハイパーなのでそれらを教える所存だ。まぁ基本俺はコハルの質問に対して答える以外は、ちょっかいばかりかけているのだが。

 

「ねぇ、コハルこれはこれは?」

 

「はいはい、死刑死刑」

 

「ねぇ待ってよ」

 

 悲報、コハルにエッチな漫画(少年誌のグラビアアイドルページ)を見せるもおざなりな死刑宣告を受ける。手にしていた日頃の刺された時用ガードである雑誌がぽてりと落ちた。それほどの衝撃だった。

 教科書に線を引いてメモを書いていたコハルがチラっとこちらを見た後ため息を吐いてこちらに向き直って真剣な面持ちで言った。

 

「ハナコとね。ずっと一緒に居るとなんだかもう良いんじゃないかなって思うのよ」

 

「何やってんだハナコ―!!!!お前ェ―!!!!!」

 

 俺はガタリと立ち上がりハナコに義憤を燃やした。必ずや、あの邪知暴虐ドスケベお姉さんを正さねばならぬと決意した。俺に露出はわからぬ。脱いでもさみぃだけだろとか、脱いで興奮できるのは自分の身体に自信があるヤツだけだろとか思うワケだが、それでもコレはあんまりだろ。

 

「エッチなのは駄目。駄目だけど、みんなが平然と受け入れてて私が過剰だったんじゃないかなって」

 

「いや、あってるよ。それであってる。みんなが嫌な慣れを獲得しただけだから」

 

「でも、私もそういう本とか見てるから言う資格なんて……」

 

「今日どうした?なんかナイーブだね。死ぬの?風邪?」

 

「ミカ様にね。お茶会してた時言われたの。『えー、まぁ多少エッチかもしれないけど、ファッションの範疇だったりするじゃん?それなら正実(ソッチ)のハスミとかどうなの?』って」

 

──何も言えなかったの

 

 なんでも最近の流行の服がそこそこ肌を露出するものであるらしく、それについてエ駄死!と言っていたら言われたらしい。それを聞いて自分の発言を振り返って思ったらしい。過剰だったんじゃ……と。

 

「何やってんだミカー!!!お前ェー!!!!!(part2)」

 

 いや、これだと違うミカになっちゃう……!でもマジでお前ェー!!!

 テメェ失言するのも大概にsayよ!アイデンティティ失いかけてるやろがい!いや確かにハスミはエッチなことは変えられない事実ではあるのだが、それにしたってさぁ……!

 

「ツルギ先輩にも言われたの。『確かに風紀を乱すものを持ち込んだりするのは良くないだろう。だが、我々にも息抜きが必要なようにファッションの範疇で収まるならそれは当人の問題』って」

 

「お、おーん……」

 

 まぁ……ツルギンに言われたら、か。うん。

 俺の中でツルギンに対する評価は天元突破している。なにせ実力もあってマトモ(ここ最も重要)で乙女(ここも割と重要)でそれでいてちゃんとこっちを気遣ってくれる。確かに笑い方や表情が怖いと言われるだろうがそれにしたって可愛いの範疇だろう。アレを変にカテゴライズしたら多分キヴォトスの多くが変だぞ。

 

 そんなわけでツルギン……というより各学校実力トップの人に対する信頼がぶっちぎりの為その子達の言う事は基本聞くようにしている。俺だってまともな自負はあるがそれにしたってキヴォトス人に汚染……もとい嫌な慣れを獲得してしまうこともあるだろう。ツルギンと一緒に居て『そうそうこれこれ!生徒の適切な距離感これ!』となったり、ヒナヒナに『せっかく先生やめたんだから休めばいいのに』と過労を指摘されたり(俺も指摘した)、ネルパイセンに『マジで気を付けないと死んじまうぞ』と生徒との距離感を指摘されたりする。

 えっ、アビドスのおじさん?アレはもうダメだ。ダメ。どうダメかというと蒼いバラみたいな感じだ。あの~色水吸わせて作るヤツ。表面は綺麗なのに葉っぱやらがどす黒くなって枯れていく感じ。正直近づきたくないよね。いや、フォローしに行かないといけないんだけど。

 

 一部の例外を除いて基本的に実力トップの人達は人格も出来ている。強者故の余裕というものか……目端が利くのだ。なのでそのツルギンが言うのならそうなのだろう。俺もコハルのエ駄死範囲については若干の不満はあったが……それを個性と思っているところはあった。故に指摘する者も少なかったのだろう。それに横にあんなドスケベエチエチ露出狂女が居るんだ。過剰になるのも仕方がないと思っていたのかもしれない。

 

 なるほど……。コハルの言い分はわかった。

 

「確かにコハルは過剰に反応しすぎたのかもしれない……が、だがそれは良いエッチと悪いエッチの境目が難しいからだと思うぞ」

 

 そう、そこだ。確かに過剰だったかもしれない。

 だが、そもそもの話、エッチな本を持ち込むのはアウトであるし、俺が持っている少年誌だって本来学校に関係ないものだ。持ち込むのはアウトである。風紀としてね?そこを指摘するのはOKだろうよ。えっ?じゃあ俺アウトなのかって?いやいや、これはあくまで肉体を守る為のガードだ。イチカやハスミに怒られたこともあるが、説明すると『あぁ……まぁ必要っすね』『それは……もっと分厚いものにしては?』と言われた。もっと分厚いのだと服の上からハッキリわかっちゃうんだよね。

 

 ピコピコと頭の羽?を動かして目を隠したコハルがペンを置いた。両手で肘を抱えるようにして俯く。

 

「私ね、向いてないのかなって。正実」

 

「大丈夫だって、まだ1年なんだからこれから学んでいけばいいって……元気出して!」

 

「でも……先生、私」

 

「わかった!わかったから!じゃあちょっとエッチの定義を決めよう!ダメかダメじゃないかを決めたらね!?ツルギンにも言われることなくなるだろうし!ね!?」

 

 拙者、いつも元気な子がナイーブになっているのがキツイ侍。曇らせはさぁ……なんというかしていい子としちゃダメな子がいると思うんだよ。コハルはしちゃダメな子だ。していい子誰だよって?えー……トリニティなら、割とナギナギかヒフミかもしれん。ナギナギは似合うって意味でね。彼女出来たんだよ~って言うと良い顔しそう。ヒフミは~~、必ず立ち直ってくれそうな信頼がある。逆に言うと立ち直ってくれなさそうな子が多いんだよね、トリニティ。グズグズにダメになっちゃう子が多い気がする。

 

 そんなわけでエッチの定義を決めようということになった。ちょうどよくノートがあるので俺とコハルでエッチかもしれない事を羅列していく。そして横に〇と✕を書いていくのだが……

 

「8割方✕になったなぁ」

 

「先生……」

 

「いや、こっから、こっからだから。今度は✕付けたヤツを△にしておこう。つまり、セーフかアウトかギリギリのヤツ」

 

 これはどうだろう?俺はペンで二つを指さす。

 

「『水着で徘徊する』は✕なのはわかる。この『薄着で徘徊する』はセーフなんじゃなかろか。ちなみになんでこれ書いたの?」

 

「ハナコがね、ワイシャツ一枚で徘徊してたから……」

 

「それはアウトだね。てかそれは薄着の範疇超えてるね。じゃあダメだ。えー……これは?『キス』。これはさぁ、確かに俺がやるのはアウトだけど同性間ならセーフなんじゃなかろか」

 

「それはね。ハナコがその後舐めてくるから……頬を舐めて『女の子の味がしますね♡』って」

 

 ジョジョ?ブチャラティなの?変態のブチャラティやめろよ。それはもうただ頬を舐めたいだけのブチャラティじゃん。

 

「うーんじゃあダメだね。いや、これハナコが悪いじゃん。えっ?待って。じゃあさ。ハナコ絡みで✕にしたヤツチェック着けてよ」

 

 そうしてハナコ絡みでアウトにしたであろうものをチェックし、改めて見ると全体の6割がハナコ絡みだった。えぇ……?じゃあハナコが悪いじゃん。

 

「これはさぁ……普通にハナコがダメじゃん。アイツどっかに閉じ込めておくべきだろ。もう歩く公然わいせつじゃん……あ、これは?ハナコ絡みじゃない奴で『スキンシップ(羽の接触)』は。これはまぁ良いんじゃない?」

 

「それはミカ様が良く触ってきて……あんまり強く言えないんだけどいつも羽の根元とか触ってくるから……」

 

「ミカァーーー!!!!!!」

 

 クソッ!ミカとハナコじゃん!発言したお前らが育てたんやろがい!言い出しっぺが犯人はカスの叙述トリックだろうが……!なんだよ、じゃあコハル悪くないじゃん!自信もって!いや、ファッションに関してはちょっと気にして!それ以外は大丈夫だから!

 そうしてハナコとミカを抜いたエッチだと思うけどセーフなんじゃなかろかリストは以下の通りになった。

 

『ハグ(正面のみ)(バックハグはダメ)』

『ファッションの範疇に収まる服(周りに人がいる場合事前に確認する)』

『俺(先生)の発言』

 

 残ったのコレ?

 まぁうん。だって他はホントにミカとハナコのせいでダメみたいだったのでこれしか残らなかった。ハグに関してはバックハグはアウトということにし、正面からのハグは健全なスキンシップの範疇に収めた。同性間ならセーフでしょ。二つ目についてはちゃんと確認すればいい。慣れてきたら自己判断で良いだろう。慣れるまでの処置ね。

 

 三つ目、これはうん。俺も悪いところある。デカパイデカパイ連呼してたりするからさぁ……エ駄死と言われることがあったんだけどみんなの風紀が乱れてることが悪いから。マジで言ってないと俺のチンチン爆発しちゃうから。性欲の発散ってどうしてるの?って聞かれるけど常のセクハラ発言で発散するしかないんだよ。これ以上溜め込むと俺は化け物になってしまう……その時は殺してやるよ……先生、飲み込まれたらダメ。って奴ね。通じる人居んのかな。

 

「でも先生勘違いさせる発言するって言ってた。ハナコとか」

 

 そういってハナコを勘違いさせた発言というのが……

 

『ハナコはさ、良い笑顔と悪い笑顔あるじゃん。なんか眼だけ細めるタイプの笑みが悪い笑み。俺それ怖いからさ。いつもみたいにウフフって笑う方でいてほしいんだよね。』

 

 とか

 

『……ハナコ、今日しんどいか。えっ?いや、顔に出てた。ほら、こっちゃ来い。熱は、ないか。いつも寒そうな格好してるから心配なんだよ。待ってな、缶コーヒー買って来っから……何で気づいたかって?いや、気づくだろ。そこそこ長い付き合いじゃん俺等』

 

 とからしい。いや、えー?勘違いさせる発言……かぁ?

 あと俺がハナコと普通に猥談してるからもうそういう事が目的なんじゃないかと思われてるらしい。

 

「いやそれはハナコが悪いだろ。あんな公然エチエチ物がエロを前面に押し出して接してくるなら男子高校生としてエッチに接しないと不作法というもの……」

 

──エロの果し合いみたいなモンなんだよ。あっちが刀を抜いたらこっちも抜かなきゃだろ。あ、俺のマイサンじゃないぞ。てか俺のマイサンは鞘入りではなく剥き身の刃だが。

 

「あ、エッチ!」

 

「そう、これはアウトなエッチ」

 

「エッチなのは駄目!」

 

「そう!ナイスエッチ違反!」

 

 エッチ違反よしっ!俺はコハルと指さし合った。

 

「でも先生、それは刺されちゃわない?」

 

「ハナコに?」

 

「ハナコに」

 

 えー……アイツ刺す?俺を?監禁とかソッチタイプじゃね?いや、普通に自分の本心言えなくて俺が他と付きあうって時に意味深なことだけ言って離れそうだな……あ、もしかしてアイツ曇らせると良い感じなのか?

 

「でもハナコって刺すタイプかなぁ……」

 

「女心は深淵なのよ」

 

「それ何処情報?」

 

「本で……」

 

 昼ドラ並みにドロドロしてるタイプの官能小説で学んだらしい。おーん、それは昼ドラだからでは?

 

「でもハナコって昼ドラだと不貞を許さない奥さんじゃなくて会社の後輩で飲み会後に一夜を誘ってくる抜け目ない女枠じゃない?」

 

「わかる」

 

 その後二人で昼ドラで『この泥棒猫!』って言いそうなのは誰?トリニティ昼ドラ選手権が開催された。輝かしい栄光を手にしたのはヨシミだった。あのツンケンした性格と甲斐甲斐しく尽くしてくれそうな感じ、正妻感あると思います。あとあのツンデレ口調で『泥棒猫』発言は似合うと思う。で、言われるのがカズサっぽいかも。モノホンの猫だし。

 

 じゃあハナコはというと色々と話し合った結果、

 

『夫にずっと片思いしていたが結婚してしまい、自分の感情をずっと押し込めたまま過ごしていたが、同窓会でバッタリ再会した時、夫側から『当時は好きだった』と両片思いであったことが発覚し、それを知って我慢できなくなった結果、お酒で酔わせてワンナイトする夫の高校時代の同級生』になった。

 

 改めて思う。ひでぇ発言だなと。でもアイツの言動が悪いし俺は悪くないと思います。後日、それをハナコに伝えると目を細めるタイプの悪い笑みをされた。だから、それやめろよ。怖いんだよ……。




学名:センセイモドキ(先生)
補遺21
コハルが癒しなのでコハルがヘナるとキレる
補遺22
ハナコの溢れ出る想いを伝えられなさそう感

学名:トリニティピンクカタツムリ
補遺1
先生はハナコをどうしたいんだろう?と常々思っている
補遺2
エッチだけどエッチじゃないリストにはひっそり『先生の生徒に対する言動 △』が追加された。次の日、速攻✕に変更された

追加補遺
学名:トリニティウラワフラワー
補遺3
センセイモドキにずっと狂わされている
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