センセイモドキは先生を辞めたい 作:ブルアカやったことない民
「ハスミにはこれから運動で疲れ死んでもらいます」
「先生!?」
ようやくこの時が来たか……俺は逸る気持ちを抑えるように咳をした。
某日未明、様々な方々の協力の元揃えられた筋トレ用具やジムにあるようなマシーンの数々が並んだトレーニングルーム、そして施錠された扉とその鍵を持っているのは俺のみ。朝一寝起きで縛られ連れてこられたのであろう寝間着姿のハスミ。
俺はようやくこの時が来たかと馬の尻を叩く……アレ、なんだっけ。馬上鞭?を取り出した。通販でポチったやつね。俺はペシペシと掌を軽く叩きながら、ハスミに笑いかける。
「ハスミィ、君は昨日の夜、ラーメンの替え玉をいくつ頼んだんだい?」
「えと……替え玉5個……です。」
「ラーメンだけじゃないよね?」
「……白米三杯にゆで卵2個です」
「……ラーメンの辛さは?」
「20辛です」
「あのセットじゃねーか!!!」
インターネットで有名のヤツじゃねぇか!!いや名前を出すとアウトかもしれないので伏せるがあの爆弾カロリーのセットね。汗をだらだらと流し目を逸らしまくるハスミ……何?君の目は天動説信者なのかい?乱軌道レベルじゃないよ?ほぼピンボールじゃん。
俺は我慢できず女性に言ってはいけない発言ランキング堂々の第一位を言った。
「デブがよぉ……」
「ライン越えですよ!!」
「テメェのデッドラインはとっくのとうに越えてんだよォ!」
手をパンパンと二度叩けば、シュタリと俺の背後に立つのはセリナ。最早居る前提で動くのがセリナね。手を出せば差し出されるバインダーにはハスミの健康状態が書かれている。
「見てコレ。血糖値とコレステロールの値を。もうすごいよ……セリナ、これマジでヤバい感じなの?」
「そうですね。若さで何とか耐えていますが糖尿病3歩手前です」
「ほらぁ!!」
「まだセーフなので……」
「若さにかまけるんじゃないよ……!」
確かに若さで徹夜とかドカ食いとか運動不足をなんとか持ちこたえる事はあるけども……!それはマジで若い時にしか通用しないカスのやり方だからな……!
ぜぃぜぃと息を切らして俺はハスミをぺちぺちと叩く。乗馬鞭じゃないよ?まだ始まってないからね。手で頬をぺちぺちとだ。ハスミはナギナギと違ってむっつりスケベでもなんでもないので不服そうな顔だ。お前そこらへんはなんかドライだよな。ホント食方向に突き抜けてるというか……いや、コイツの場合、ストレートに勝負するタイプだから俺から変なアプローチされてもそこまで響かないというべきか。逆にナギナギの雑食性を心配した方が良いのか……?俺は人知れず変な方向に突き進むティーパーティーのホスト代理を慮った。
まぁそれはともかく……今は目の前のハスミである。
「先生は心配も心配です。正実という職務でのストレスをドカ食いで発散する事に問題があるとは言わない。誰だってストレス発散は必要なことでその発散方法は人それぞれだ」
「なら……!」
誰だってストレスが溜まればそれを発散しないと死んでしまう。過労しかり、鬱しかり。吐き出す先がないと人間追いつめられてどうなるかなんてことは誰もが理解できることだ。だが、だがしかし……
「量をわきまえろっつってんだよ!!!!!」
俺は正実協力の元、ハスミの一週間食事カレンダーを取り出し、バシリと叩いて読み上げた。
「月曜日っ!!!朝なし!昼チョコケーキとオレンジタルト!夜なし!深夜にドカ盛りチャーハン二杯!間食はクッキーが数えきれず!」
「ちょっ、せんせ」
「火曜日!!!!!!朝、菓子パンを4つに駅前のチョコフラペチーノをトールでイッキ!昼……」
勢いで黙らせひたすらに読み上げていくと最後には真っ白になって燃え尽きたハスミが一人……。お前マジでさぁ……。俺は肩に手を置いた。
「朝食を抜く頻度が多い癖に夜は食べたり食べなかったり……そのくせ深夜のドカ食いはほぼ毎日やってるってお前さぁ……ドカ食いがない日は『おっマシかな……?』と思わせといて三食の量がバグってる……」
──お前は何?早めに死にたい感じなの?人生太く短くにしてもお前の場合デケェ薄切りのハム一枚じゃん。短すぎてペラい癖に太いっつーか無駄に広い人生にしたいのか?
俺は年頃の女の子に言ってはいけないことを言ったがそれを言えるほどに逼迫した状況であることを理解してもらいたい。コイツの健康は日に日に死へ歩を進めている。それは隣のセリナもわかっているらしく入念な打ち合わせの元発案された運動メニューを手に狩人の眼光をしていた。こーれは逃がさない目ですね間違いない。
「ハスミ……お前に逃げ場はない。正実や他の委員会にも話は通っているからな。痩せるまでここから出さないぞ」
「しょ、食事は……」
「もちろんこちらが厳格に組んだ食事メニューを徹底してもらう」
「お、おやつって」
「食べられる立場だと思うか?……まぁストレス発散でドカ食いしてることも考慮もとい譲歩して果物類はOKにしよう。バナナやリンゴ、オレンジなどだな」
「うっ……」
「なんだぁ?足りねぇってか?出るだけありがたいと思えよ?まぁ死ぬ気でやれよ……こっちも死ぬ気でやるから」
「ご勘弁を……」
「あとドカ食いの代わりに俺が愚痴聞いたり書類仕事とかは手伝ってやるからお前は健康状態をマトモにすることに集中しろよ~?マジでこれで俺がトリニティから別ンところいって戻ってたらただじゃ置かねぇからな」
「が、頑張ります……」
うだうだ言い募るハスミを着替え室にぶち込んで渋るのをセリナに黙らせてもらい、トレーニング用の服に着替えさせる。こうしてみると本当にデカイ。いや……どこがとは言わないけどね?
「でっけぇなぁ……」
「……セクハラですか」
「どこをとは言ってねぇだろうがよ。まぁ……全部がデカいなぁと」
「具体的には……?」
おっとぉ?ふーんほ~?と俺は訳知り顔でハスミを見つめる。エッチィ目で見てるといいたいんだな?まぁエロイ目で見てるのはそうだが今のお前はそれ、墓穴掘ってるぞ。俺は乗馬鞭でお腹をひたすらにつんつんし続けた。どこが……とは言わないけどねぇ?
「何処がデカいとはぁ~~まぁ言わないけとさぁ……ねぇ?」
「お、お腹を突っつかないでください!」
「別にぃ?意味なんてないけどぉ~?」
「わ、わかりました!動けばいいんでしょう!?」
そうだよ。動けよ。俺は開き直ったところを見逃さずハスミを引っ張りランニングマシーンに立たせる。
傍らに居たセリナに昼食のメニューを用意してもらうことを伝えつつ俺はのっけのトレーニングを説明した。
「今日は軽く運動して身体を慣らしてもらう。まずはジョギングくらいのペースで。あとハスミの場合横で見てると文句言われそうなので俺も横でやるからな」
「だ、大丈夫なんですか……その、足とか……」
「リハビリも兼ねてんだよ。俺だってちゃんと走りてぇんだから……はいはい、俺のことは良いからやるよ」
そうして、ランニングが始まった。
始まって数分、俺は早々にとある問題にぶち当たった。というのも横に居るハスミがな。うん、俺は言葉を選んで限りなくオブラートに包んで言った。
「そのさぁ……クーパー靭帯さんへの労わりとかってないの?」
「いきなり何を言っているんですか……?」
「いやさぁ……」
スポブラのようなスポーツウェアを着てる上でもわかる程デカイ胸が軽めのジョギングとはいえ上下運動によってバルンバルンしよる様に俺は感謝とそれ以上の心配があった。だってそこにはクーパー靭帯さんがお亡くなりになってしまいそうなほどに過酷な労働を強いられているからだ。いや俺がやれって言ったんだけどね?
「なんかテープか何かで固定したりしない?あとはさらしとか」
「さらしは胸が窮屈になって息苦しいんですよ……」
「えっ、やっぱり胸で呼吸するって噂ホントだったの……?」
「何処情報ですか!?」
「えっ、あー……ゲヘナのヨコチチがはみ出てる人もそうって話聞いたから」
「……私、その人と一緒にされてるんですか……?」
「いや、まぁ……」
だってハスミも水着とかヨコチチ出てる奴だったし……アレでしょ?普段はヨコチチの代わりにケツの側面で呼吸するヨコケツ呼吸なんでしょう?俺知ってる。そういうの亜種っていうんでしょ。生物のヤツで習った。
「違いますよ!」
「違うの!?」
マジかよ……ココイチの衝撃かもしれない……。え、ホントに?嘘でしょ……?俺は本当に気が動転してしまって足がもつれてランニングマシーンの上でどうしようもなくもんどりうって転んでしまった。ウゴゴゴ……痛すぎ。ちゃんとランニングマシーンに顎を強打しダウンした俺はそれはもう綺麗なほどに死にかけた。嘘……この身体、弱すぎ……?
労災も労災、慌てて降りて駆け寄ってくるハスミに手を貸してもらい、ワープしてきたセリナに治療してもらいながら事情を説明する。
「聞いてよセリナ……ハスミってゲヘナのヨコチチハミデヤンの亜種じゃなくて新種なんだって。亜種のヨコケツハミデヤンかと思ったんだけど新種なんだってさ。名称どうしよう?」
「ごめんなさい、何が何のなんですか?」
「その失礼な呼称をやめていただけませんか!?」
俺はセリナに改めて事情を説明した。ハスミがゲヘナのヨコチチのように横乳で呼吸しているワケではない事。また横尻で呼吸しているワケではない事。じゃああの横がガバって空いてるスカート何なんだって疑問に思った事。色々だ。特にヨコケツで呼吸していない事実を知ったセリナは吃驚していた。だろ~~?俺も同意した。
「なんで二人してそんなに驚くことがあるんですか!?」
「いやだってお前……呼吸とかじゃない限りあんなに開く必要ないだろ……」
「ゲヘナや百鬼夜行の方々で横の……その胸が開いてる服装を見かけているのでその方々と同じなのかとばかり……」
「だよな~~。ゲヘナのアコ助と百鬼の細目デカパイだろ?横乳で呼吸してる奴。じゃないとあんな服装ならねぇもんな。てっきりその類型だと思うよな普通」
「失礼ながら……はい」
「お二方は私をどう思ってるんですか!?」
「「……聞きたいか?」ですか?」
「……ごめんなさい、先生は兎も角セリナさんから言われるとちょっと耐えられそうにないので無しでお願いします」
まぁそれはそれとして俺がこけたのは本当に危ないので俺は横で見てる係になった。ごめんなさいね……貧弱で。リハビリ自体は順調だし、小走り程度なら問題ないと思ってるんだけど皆過保護なんよな。嬉しいけど困っちゃうのよ。俺はセリナがいつの間にか持ってきたイスに腰かけつつ、ランニングを再開したハスミに駄弁り続ける。
「いやでもお前それで冬とかどう乗り切ってるのさ。寒いだろ」
「おしゃれは我慢と……」
「おしゃれに命を賭けるのは女の子だけどさぁ……」
──にしたって限度があるし、エロイ通り越して猥褻物じゃん
というとハスミはもごもごと、しかしどこか決心した顔で話し始める。何よ?そのスカートの秘密的な?僅かばかりに首肯するのでホントに秘密的な奴らしい。衝撃の事実……!って奴ね。
「その……私は翼が大きいことは理解していただけますよね?」
「まぁ。羽持ってる生徒達の中でもダントツレベルだと思ってるけど」
「はい……それでその。有翼の生徒あるあるなのですが」
と言って語り始めた事によるとだ。
有翼の子は羽の根本がしっかりしてるタイプと細いタイプの二種類あるらしい。何?羽って基本太いもんじゃないの?と聞けば、極端な例だがツルギパイセンのようなものを思い浮かべてほしいといわれた。あー、なるほど。あんな感じで細い感じね。はいはい。
で、ハスミは見てわかる通り前者……羽の根本ががっしりしてるタイプの方。で、そうなると服を着る時にどうしてもめくれてしまうし、細い子達のように服に穴をあけることも難しいと。それ聞いてへぇ~~と納得した。そっか。細い子は服に穴開けちゃうんだ。でもそうだよな。背中側がめくれたまま歩き回るとかクソ恥ずかしいもんな。そういう風になるか。
話を戻して……そうなると服の下側、つまりスカートの下から出すしかなく、そうなるとどうしても既存のスカートだとめくれてしまってダサい感じになる。よってスカートを分割する形で前後に分け、前は前掛けのようにして後ろは羽でめくれないようにスリットを入れた上で長いものにしたと。
はぇー、ちゃんと理由あったんすね。俺は感心した。感心して数秒……あるいは数十秒ほど経ってから
「……じゃあガーターベルトは何?」
「アレは……そのストッキングを履きたいのですが、普通に着けると落ちてしまって……」
「ほーん……」
「み、見ないでください!」
いや、見るよ。俺は脚を凝視したことで赤面したハスミに羽でビンタされ、あえなく地面にダウンするのだった。いや、キヴォトストップクラスの羽を持つハスミの羽パンチはマジでシャレにならないレベルで、なんというか芯のあるパンチだった。ハスミ……お前、トップ狙えるぜ……?
俺は軽めの運動だというのに汗ばんだハスミのデカパイがもう輝かしいことになっているのを最後に見れたことに満足しながら意識を手放した。
学名:センセイモドキ(先生)
補遺59
とても弱い。リハビリで小走りが出来るようになったとは言うがよろけまくるのでほぼ赤ちゃんの歩きはじめのように見守られまくる
補遺60
自分を大切にしない相手には口が悪いが誰もが貴方が言うのかと思っている
学名:トリニティクロデカパイ(羽川ハスミ)
補遺3
割とドライというかセクハラ耐性は高い。というよりセンセイモドキからの扱いが雑なので同様に対応が雑になっている。互いにブーメランを投げ合うというどんぐりの背比べより不毛なことをしている
補遺4
キヴォトス人による脅威の新陳代謝により短い期間で健康状態を戻したものの、出所後の祝いスイーツバイキングで再収用されるまであと10分
次のセンセイモドキが訪問する学園について
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連邦生徒会
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アビドス
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ゲヘナ
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ミレニアム
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アリウス
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百鬼夜行
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山海経
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レッドウィンター
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ヴァルキューレ(連邦矯正局含む)
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SRT
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ハイランダー
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ワイルドハント