センセイモドキは先生を辞めたい   作:ブルアカやったことない民

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失礼しました。予約投稿を間違えていました。ご迷惑をおかけします。

 感想で上げられた『ブルアカの子は3年生は(例外を除いて)一律17歳で2年生も16歳……』とのことで調べてみたところ本当だったので後程つじつま合わせの留年エピソードを挿入します。作者は本当にブルアカをハーメルンやpixivなどの媒体でしか触れてきたことがない為、こうした間違いや矛盾があればご指摘いただけると幸いです。

2026年7月3日
ハスミ視点切り替わり時、ハスミと先生の視点が入り混じるような構成になっていたので明確に括弧付けと罫線によって区別化しました。


トリニティクロデカパイとあんまりな死因に葬式が地獄

 デカパイに殺されかけた。

 

 何を言っているのかわからないと思うし、偏に頭がおかしくなったんか、あんまりにも女の子に囲まれ過ぎてついにチンチン爆発しちゃったんかとか心配されそうなものだがそういう事ではなくもっと物理的にだ。

 

 放課後、ちょっと正実に用があったので部室に向かっていた時、さっさと終わらせて今日はバクオンパ宇沢種とカラオケで国家バトルだ~とウキウキしながら角を曲がろうとしたところ、突如として視界いっぱいに広がる黒、黒、黒。一瞬マイクラの奈落と見紛うほど黒いその迫る積載物に俺は足を止める事すら出来ずそのままぶつかった。ハスミのデカパイだった。

 

 この時、俺とハスミの移動速度は一定で、そして両者絶妙な角度で角を曲がる最中だった。互いに止まる事すらなくそのままスーッとぶつかった俺達は奇跡みたいなピタゴラスイッチを生み出した。俺はカラオケの為にちょっと急いでいた。と言っても走ることは出来ないので早足気味に前傾姿勢だったのがよくなったのかもしれない。

 

 乳にビンタされたのだ。一定の速度と角度、入射角と反射角、適切な位置、様々な要因がすべて組み合わさった結果、俺はハスミに乳ビンタされ、壁にぶつかってからトリニティの床に沈んだ。綺麗なピタゴラスイッチだった。

 

「先生!?」

 

 いてぇ……いてぇよ……。

 ヤムチャみたいな感じで地面に沈む俺はその重量に平伏していた。

 乳にビンタされるという役得だろと思われる事象もヘイローのアリナシで結構デカい違いが出てくる。ヘイローアリだと胸の柔らかさでさえ一定の反発力と強度を持ってるらしい。柔らかいけど固いんだよね。弾力装甲ってそういうこと?

 

 割とちゃんと横っ面をビンタされた痛みとしたたかに頭を打ち付けたことで俺は悶絶した。ちゃんと痛い……!

 

 駆け寄ってくるハスミに弱った、しかし全力で声をかける。

 

「近寄るなデカパイめ!」

 

「先生!?」

 

 多分、ドつかれた痛みとあまりにもデカパイに情緒を壊されることが多かったからだろう。

 デカパイに対する嫌悪とはまた違うが野良犬を追い払うみたいなノリで言ったことは確かだ。逆にチッパイ共が情緒を壊さなかったのかと聞かれるとそうではないのだが……チッパイ共はアレだ。胸に詰まった夢や希望を周りに配るみたいなノリでホントにしんどい時は労わってくれるからまだ優しく出来るんだよな。あのムツキでさえしんどい時慰めてくれるんだぞ!……と思ったけどムツキって言動がちょっと妖しいだけで普通にイイ子だったな。じゃあ違うわ。

 

 えっ?チッパイ共は本当に優しい子ばっかりなの?嘘でしょ?じゃあデカパイが悪になるじゃん。待て、悪いチッパイだっているはずだ。筆頭は……ハイランダーのヒカリか。ノゾミ?アレはお母さんだろ。アオバ?アオバは……いや普通に心配が勝つ。いっぱい休め……ってなる。じゃあヒカリか。ヒカリはアレで普通にクソガキの面が強い……じゃあ別に良くないか?クソガキに目くじら立ててもしょうがないだろう。

 

 逆に、逆にだ。良いデカパイは誰だ?と思ったがずっとハナコがウフフ、ウフフって笑ってくる。色々な生徒の顔がおぼろげに浮かんできたと思ったら背後からスク水のハナコが猛追してくる。もうこれミーム汚染だろ。クソっ!全部ハナコが過ってくる!アイツインパクトあり過ぎだろ!言動全部引っ張られる……!ハナコ汚染される……!てかデカパイに限らずピンク髪が駄目だ!ピンクはダメ!

 

 えっじゃあマジでチッパイはセーフなの?

 アビドスは、おじさんか。おじさんは論外。俺の情緒破壊する前に自分の情緒が破壊されている。寧ろ介護側だ。じゃあ違う。

 あー、じゃあRABBIT小隊はどうだ?…ミヤコか。ミヤコは悪いチッパイだな。……待て。基準が破壊されている気がする。ミヤコは胸あるだろ。嫌でも他と比べると、ないか。でもあるくない?あるよな。アレはあるのラインでいいのか?シュレティンガーの胸?

 

 ……もしかして、もしかするとだ。

 チッパイ共は夢や希望を周りに配れる優しさがあるから、たとえクソガキだったり少々おいたが過ぎる程度で済んでいて、逆にデカパイは夢や希望を独占した結果卑しい生物になったのではなかろか。

 

「じゃあお前やっぱり悪いデカパイじゃんか!」

 

 みんなの夢を独占したからそんなデカイ胸になったんだろ!配れよ!希望!広めろよ!未来!

 

 困惑した顔で見つめるハスミだがハスミも悪いと思うぞ()そんな慈愛の目というか可哀そうな子を見るような目をしても、あッオイ!

 

「先生……随分とお疲れのようですね。保健室に行きましょうか。頭も少し診てもらいましょう」

 

「やめろっ、デカパイに誘拐されるッ!デカパイに改造されるっ!」

 

「先生は私を何だと思ってるんですか……」

 

 情緒を破壊する悪いデカパイ。

 片手でひょいと俵持ちみたいに抱え上げられ、俺は保健室に連行された。とりあえず横にあった乳を揉んだらひっ叩かれた。まぁ、はい。ちゃんとしたセクハラでした。すいません。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「危うく俺の死因が乳ビンタになるところだった……」

 

 先生はそう言って溜息を吐きながら保健室のベッドに寝かされていました。大事はないとのことでしたが念のため打ち付けた頭を氷嚢で冷やしています。

 

 たかだか廊下の角でぶつかったくらいで大袈裟なと思う私に先生はこんこんと言い募りました。

 

「良いか?俺にはヘイローがない。つまりキヴォトス人特有の耐久力やパワーなんてものはないんだ。自分も大丈夫だから相手も大丈夫だろうと思うのは傲慢で相手と自分は違うことを正しく理解しなくちゃいけない」

 

──(乳を)持つ者として持たざる者に寛容であらなくてはいけないんだ。誰だってな。叩かれたら痛いし悲しいんだ。それを忘れるなよ。

 

 なるほど

 

 聞いていくにつれ徐々に背筋が伸びていき、終いには正座をして傾聴していましたが先生の話はだんだんと別方向に飛んでいきました。

 

「大体な。ハスミはもっと痩せるべきだ。ホントに。いいや、この際痩せなくていい。食生活をちゃんとしよう。夜食は良いよ。ギリ許す。健全な高校生だ。食欲を抑えられない時もあるだろう。深夜にラーメンを食べる背徳さは俺も身に染みてわかる。ただな」

 

──替え玉5個は、化け物だ

 

「血糖値が大変なことになっているのを理解しているか?その年でだぞ?スイーツにしてもだ。いいよ、おやつで食べるくらいは。朝食と昼食をスイーツで代用するのはいただけない。馬鹿なの?朝昼スイーツ、ド深夜ラーメンドカ食い。陸上部所属のワンパク男子高校生ですらしない食生活だぞ」

 

 先生の話は至極正しく、剥き身の刃のようにグサグサと私の心を刺していきました。

 

 「もうね、此処まで来ると心配が勝つんだよ。ダイエットがどうのって言われるのがストレスなら言わないし、なるべく気にかけてやるからさ。せめて、せめて食生活を改善しよう。朝はちゃんと食べる。朝に炭水化物取るのが嫌ならせめてヨーグルトにしよう。フルーツヨーグルトとかね?決してパンケーキ6枚とかいう超カロリーで済ましちゃいけないんだ。昼もそうだ。確かに片手で食べられるドーナツやらで済まそうとするのはわかる。量だ。何個食べた?10や20は超えているよな?」

 

──野菜も食べようよ。タンパク質も取ろ。人間は糖分だけで生きていける生物ではないんだよ?

 

 なるほど、なるほど

 

 私は神妙な顔で正座をしつつ、その言葉をじっくりと、咀嚼するかの如く飲み込む事に終始しながらこんなことを思っていました。

 

 帰りにクレープでも買っていきましょうか。

 

 ……いえ、違うんです。これは違うのです。言い訳を、理由を言わせてください。人は正論で攻められると唐突に空の様子を確認したがる生き物であり、突発的に今日の予定に想いを馳せる生き物なのです。これは一般的な人間の特性であり、変えられない性質です。

 

 先生のお説教はとうとうCパートに突入しました。

 

 

「良い?俺のお葬式でね?遺影と共に皆がお焼香に来るとしてよ?『なんで、なんで死んでしまったんですか』ってナギナギあたりが言った時、死因を知る誰かが言うんだよ。『乳ビンタです』って。その時の空気の地獄さ考えたことある?」

 

「それは……」

 

「ミカでさえ真顔になるよ。泣かずに。セイアは多分天井を見つめる。誰も発言できないよ。その空気吸いたくねぇ~~~!誰も幸せにならないというか、恨む事すら億劫になるタイプの空気じゃん」

 

「それでも常の仕事を乗り切るには必要なことで……」

 

「限度があるっては・な・し!ご臨終の時とかも考えてみ?お医者さん……そうだな、ミネかな?ミネあたりかな?俺が呼吸器つけて心臓の心拍数をピッピッって測る奴がピーッ!って鳴った後こう言うハメになるんだよ?」

 

『●月✕日、何時何分何秒、乳ビンタによりご臨終です』

 

「周りに居た人達はどんな顔をすればいいんだよ……!死因が乳ビンタっておまっ、ふざけんなよってなるよ。困惑するしかないよ。きっとミネは自死を選ぶ。乳ビンタで人一人救えなかったんだもん。俺でも死を選ぶよ。大体のお医者さんが死を選ぶ。乳ビンタで貴方は人を救えませんでしたって言われたら死にたくなるもん。医学の敗北、乳ビンタ。」

 

──良いか?その乳は凶器だ。今持っているものが容易に人を殺し得るものだということをしっかりと理解しろよ

 

 あまりにもあんまりなことをおっしゃる先生に私は思わず口を挟みましたがしょうがないことだと思います。それは私がどうこうできるものじゃないでしょう……!

 

「先生は胸を包丁か何かと勘違いしておられませんか?」

 

「人を殺せるなら銃も胸も同じだろ」

 

「それだと私は人様に常日頃から銃口を向けていることにはなりませんか?」

 

「おっぱいの銃、パイガン」

 

「それを言うなら乳ガンだと思いますが」

 

 あっそっかぁ。と遠い目する先生は『先生無期限休止事件』からタガが外れている節があり、少々おいたが過ぎることがあります。発言もですが行動が。それは満更でもない時もあるのですがそれ以上に距離感というものを意識していただかないと勘違いされる方もいらっしゃるかと。

 

「それハスミが言う?いや、まぁわかるけど。言いたいことは。でも普通に君らの方が距離感バグってるからね?」

 

──君達の方がよっぽどだよ。よっぽど。

 

 氷嚢を降ろしながら先生はそれからくどくどと続けます。それは……はい。とても、耳が痛いお話で。

 

「君達の何が悪いかってちょっと変則的なんだよね。トリニティの性質なのかな?ミカとかはストレートにダメだけど、ちょっと前のハナコみたいにカーブで投げてくるような発言なり行動なりがさ。迷わせるんだよね。理性を」

 

「それは先生もでは……」

 

「いやいや、君達の方がよっぽどだよ。よっぽどエッチ。エッチなのは駄目ですって言ってるけど君たちのソレはもうエッチのレベルじゃない。ドスケベ。サクラコのなんか由緒正しいらしい服もそうだよ。何あのハイレグ?ダメでしょ。あとハスミもお前なにそのスカート。横ガッツリ空いてるじゃん。それをドスケベじゃないは無理あるよ。見えてるじゃん。スカートの体を成してないじゃん。ファッションは我慢って言うけどそれでレッドウィンター行ってみろよ。速攻風邪引くぞ」

 

「これは動きやすさを重視したもので……」

 

「じゃあそのドスケベな下着はなんだよ」

 

──どう言い繕ったってお前はドスケベなんだよ。その黒のランジェリーみたいな下着は。見せパンだとしてもドスケベすぎるだろ。

 

「逆に先生はご自身の事をエッチではないとおっしゃるので?」

 

「は?」

 

「お気づきではないようですね」

 

「何を言うんだハスミぃ。俺がエッチなわけないだろ。馬鹿なの?確かに最近のセクハラ言動は目に余るかもしれないがそれにしたって君達からしてきた事よ?おまいう案件なのよ。俺がエッチなのがいけないとか言うならまず君達のエッチをどうにかしてもらいたいワケ」

 

「お言葉ですが先生。貴方はキヴォトスで唯一といってもいい同じ年頃の男性であるという事実をお忘れではありませんか?」

 

「ほぅ?何が言いたい」

 

 先生はやっぱりお気づきではなさそうなのでこの際言わせてもらいます。

 

「放課後に女の子を肩車しておでかけしたり、ハナコさんと堂々と猥談するのは確実にアウトです」

 

 聞きましたよ。ミカさんにセクハラをしたそうですね。

 先生はそれを聞いて焦りの表情とそれから『アレは仕方ないだろうがッ!』というような表情が綯交ぜになったフクザツな顔で反論してきますが、残念ながらこちらに利があります。

 

「それはさぁ……ミカがさぁ……」

 

「女性の胸を揉んで、剰え顔に乗せるのような事は風紀を乱す行いです」

 

「そのデカパイで風紀を乱すハスミが言えることぉ?」

 

「これはあくまで結果です。先生は身体的特徴という変えられがたいものに難癖をつけるのですか?」

 

「クソッ!多様性を引っ張り出してきやがって……!胸はそうだとしてもハスミの恵体は食いまくってるからだろうが……!今ここでBMI測ってやろうか?保健室だから体重計もあるだろうよ!」

 

「なっ!?そんな残酷なこと……人前で乗るわけないでしょう!」

 

「うるせぇ!体重計にのれぇ!白日の下に晒してやるよ!現実(体重)を!」

 

「風紀を乱す行いです!今の貴方はトリニティの生徒!取り締まりの対象ですからね!」

 

「おうやってみろよ。乳ビンタで死にかける人間だぞこちとら……本気を出せば死人が出るぜ……主に俺が!」

 

「自信満々に言う事じゃないでしょう……!」

 

 その後、体重計をもって追いかけてくる先生から逃げようとしましたが、思ったより体重計が重たかったのか十数メートル移動したところでダウンし……主に足を引きずりながら……ギブ宣言をしたところで全力で駆け戻り介抱するなどしました。

 無理をなさらないでください……。




学名:センセイモドキ(先生)
補遺9
自分はエッチではないと思いたいが、状況が状況なので渋々認めている
補遺10
でもこうなったのは君達のせいだよね?と開き直っている

学名:トリニティクロデカパイ(羽川ハスミ)
補遺1
あまりにも悪いデカパイ扱いされるので若干悪い事をしているのではと洗脳されかけている
補遺2
朝、昼をスイーツで代替して夜を抜き、ド深夜にラーメンをお代わりするという男子高校生も真っ青な食生活をしている
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