あー……。え。もしかして、おかしいことだったりする? だって……。
「わりと配信者って、自室でやってない?」
『一般女子学生が自室で配信はなかなかないと思うなあ』
『アヤカが一般人かは置いといて』
『置くな、一応一般人やろ』
『一応言ってるやないかw』
あまりない、のかな? うん……。うん。
「どうしようちょっと恥ずかしくなってきたんだけど!?」
『草』
『今更なので諦めてもろて』
『それよりも今日の侵略者ちゃんはまだですかー?』
『学校で生徒を脅した侵略者様はどこ?』
やっぱりみんな知ってるよね。結構拡散されちゃってたからね、あれ。ニュクスのかわいいところをみんなに知ってもらいたい私としては、ちょっとだけ不本意だ。
さて、そんなニュクスだけど。
「私のベッドの上で漫画読んでるよ。うつぶせで、足をぷらぷらさせてる」
『ちょwww』
『なにそれ見たいw』
「はいはい、どうぞ」
パソコンを動かして、私のベッドが見えるようにする。ニュクスが漫画を読んでる。足をぷらぷらさせているニュクスは、お風呂上がり。つまりは。
わんこの着ぐるみパジャマだ!
『わんこだあああ!』
『着ぐるみだあああ!』
『かわいい!』
「でっしょー!? 私の妹は世界一かわいい!」
『見た目はマジでかわいい!』
『それよりも何よりも侵略者様を妹扱いしてるお前が怖いわw』
『それなw』
なんでそこで私の悪口が入るのかな? いやだって、ニュクスかわいいからね。だから私は悪くない。うん。悪くない。
「さて。ちょっと皆さんに相談があります」
『おん? 相談?』
『ええぞ、この人生の先輩たちに何でも相談してみなさい!』
『そのほとんどがクソ以下みたいなやつらばかりだけどな!』
「いや、そんなこと思ってないから。自分を悪く言うのはよくないよ?」
『やさしい』
『とぅんく』
『好き』
「君らちょっとチョロすぎるから人生やり直した方がいいよ」
『ひどいwww』
『優しいと思ったのに!』
なんだろう。配信をする人の気持ちがちょっと分かったかも。わりと楽しいね、これ。
いや、そうじゃなくて。相談だよ相談。どんどん脱線しそう。
「それでね。相談だけどね。学校、ものすごく行きづらくなったんだけどどうしよう」
『あー……』
『まあね、そりゃ行きにくいよね』
『そうなん? 今なら女王様じゃない? なんでもできるぞ』
『侵略者様に言いつけるぞ、みたいな』
「いやだめでしょ。そんなこと絶対しないよ。そんなくだらないことは、絶対にしない」
それだけは絶対にやったらだめだと思う。なんていうのかな……。私だけは、あの子と対等に遊んであげたいと思ってるから。
うん。だから……。どうしよう?
「もういっそ学校行かないとか……」
『おいwww』
『勉強しろ学生』
『そんなくだらんことで不登校すなw』
「だよねえ」
いや、うん。分かってる。分かってるよ。将来のことを考えたら、学校はとても大事だから。ちゃんと勉強して、進学して、就職、だよね。
「…………。この配信が収益化できたら、いいのでは?」
『おいばかやめろ』
『でも実際、登録者数やばいことなってるから、可能性あるのでは?』
『配信サイト側がストップしそう。侵略者だし』
それはそう。ニュクス本人が地球に対する侵略者だって明言してるからね。しかも全世界に対して。そして多分、荒事になったら、誰もニュクスを止められないと思う。
だからこのチャンネルの収益化はだめかも、と。
「…………。ニュクスに頼んで、収益化してもらうとか」
『おいwww』
『さっきと言ってることが違うぞw』
「いやだってさあ! お金があったら解決じゃないかな!?」
『いきなり俗物的になったなw』
『気持ちは分かる』
だめだっていうのはもちろん分かってるけど! お金があれば! お金で解決とか……。だめですか!?
「お金がほしいの?」
「うわあ!?」
いきなり後ろから声をかけられて変な声が出てしまった。慌てて振り返ったら、いつの間にかニュクスが後ろにいる。わんこニュクスが、ひょっこり顔を出してる。かわいい。