侵略者系魔女の侵略ライフ   作:龍翠

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侵略者様のわるだくみ?

『そんなことよりも、是非それを我が研究機関に譲ってほしい。言い値で買い取ろう』

『抜け駆けするな! こっちの大学の方がいいぞ!』

『我が国が有効活用しよう!』

『うわなんか出た』

『研www究www機www関www』

 

 おお……。言い値だって。これだけでお金になりそう。でも、うん。確かにお金が欲しいとは言ったけど、それはそれ、これはこれ、というやつでして。

 

「ふざけんな。これは私がニュクスからもらったものなの。あげないよ」

 

『金が欲しいと言っていたではないか!?』

『草』

『横で侵略者様が嬉しそうににっこにこなんだけど』

『かわいいw』

 

 お、そうなの? ニュクスを見てみたら、確かににこにこしていた。何がそんなに嬉しいのか分からないけど、とりあえずこちょこちょしておこう。喉元をこちょこちょ。

 

「うぬぅ……。もうちょっと右……」

「はいはい」

 

『だから俺たちは! 何を見せられているんだ!』

『仲良し姉妹風景だよ』

『てえてえですか!?』

『違うと思う』

 

 まあでも、こんな不思議鉱石を見せられて、手に入らないというのは悔しいのかなと思う。だから……うん……。よし。

 

「この鉱石はダンジョンで手に入る、というようにしよう!」

「分かった」

 

『え』

『キタアアア!』

『俺たちでも……伝説的な鉱石を手に入れられる、てこと!?』

 

 どこで手に入れられるようにするかはまだ分からないけどね。でも武器の材料とかになるなら、あまり深すぎない場所で……。

 ん? 武器?

 

「ねえ、ニュクス」

「なあに?」

「これって、加工はどうやるの?」

「どうって、鍛冶とかで」

「普通の火とかで?」

「んーん。そうそう溶けないから、魔法の火……で……」

 

 ニュクスも、私が言いたいことを察したらしい。あ、というような顔になってる。

 うん。これ、手に入っても、誰も加工ができないんじゃないかな。だって私たちが使える魔法、かなり弱いものだけだから。特別な鉱石を溶かす火とかは無理だ。

 それに思い至ったのは、視聴者さんも同じらしい。

 

『悲報、伝説の鉱石、誰も加工できない』

『つまり、純粋なコレクターズアイテム?』

『ていうかこんなしょぼい魔法でダンジョンも無理だろ』

 

 ああ、確かに。ダンジョンに入るなら、魔法のことも伝えないとね。

 

「ダンジョンでのみ、いろんな魔法がちゃんと使える。でもダンジョンの外だとだめ。こんな設定、になるよね?」

「うん。そうするよ」

 

『魔法解禁だあああ!』

『ダンジョン限定だけどこれは嬉しい!』

『つまりダンジョン内で鉱石の加工をしろってことですね?』

『無茶ぶりがすぎるw』

 

 いや、うん。確かに私もそれはだめだと思う。きっと魔物とかも配置するだろうから、危険極まりない。鉱石を叩いていたら背後からがぶ、とかね。笑えないね!

 でもダンジョンの外でも使えるようにしたら、絶対に悪いことをする人が出てくると思う。ダンジョンで鍛えた魔法で、外で犯罪。あるかも、じゃなくて絶対にある。断言する。

 そんなことを言ったら、ニュクスが呆れたようなジト目になった。

 

「あまりにも愚かしい。いっそ滅びるべきでは?」

「それはちょっとやめてほしいなあ!?」

 

『やめてください死んでしまいます』

『ネタじゃなくガチで死ぬのはもう笑えないんよ』

『でも実際、絶対に犯罪者は出てくると思うな』

 

 そこは避けられないと思う。だからやっぱり、ダンジョン外での魔法は今まで通りの方がいいわけで。でもそうすると、鉱石の加工なんかできないわけで……。

 

「これは、どうにもならんやつだね!」

 

『バカ野郎諦めるなよ!』

『諦めたらそこで試合終了ですよ』

『試合が始まってすらいない件について』

 

 私だって、せっかくだから伝説の剣みたいなの見てみたいよね。そこまでこだわりがあるわけじゃないけど、一ゲーマーとしては、オリハルコンの剣とかとっても興味があるから。

 

「んー……。仕方ない。あまりこの手は使いたくないけど……」

「お。何かあるの?」

「うん。お姉ちゃん、明日学校お休みして。色々とやることができたから」

「なんだろう。嫌な予感しかしない」

 

『絶対にとんでもないことをやらかしてくれると期待してる俺がいる』

『配信は!? 配信はしてくれますか!?』

『結果だけというのも悪くないけど、やっぱり何をやってるか知りたいよね!』

 

 何をやるかは本当に分からない。でもきっと……誰かが死ぬとか、そういうのはないと思う。必要ならやりそうではあるけど、逆に言えば必要なければやらないと思うから。

 だから、配信をしていても問題ない、はず。

 

「配信、いいよ。大丈夫」

「そっか。よかったね、みんな。配信できる……」

「異星からでも配信できるようにしないと……」

「んん!?」

 

『なんかさらっととんでもないことつぶやいていませんか』

『ちくしょう明日仕事なのに! 生で見たいのに! せめてアーカイブ残してください!』

『ニートの俺、高みの見物』

 

 アーカイブぐらい残すけど! いやそんなことよりも!

 

「いや、あの、ニュクスさん?」

「こういった魔法は、あの人の方が詳しいから……。ちょっと教えてもらいに行こう」

「侵略者に教えられる人がいるとか怖いこと言ってるんだけど!?」

 

『実はこの世界って、わりと薄氷の上で成り立ってる感じ?』

『なにそれ怖い』

『世界って広いんやなあ(白目)』

 

 本当にね、なんか怖くなるよね!

 ニュクスはぶつぶつと計画を立ててる。私はそれを戦々恐々と見守っていました。

 明日が、明日が怖いよぅ……!

 

 

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