侵略者系魔女の侵略ライフ   作:龍翠

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異世界旅行にご招待!

 ニュクスは……なんだかうきうきしてる、ように見える。どことなく楽しそうに見えるのは気のせいかな? どうしてそんなにわくわくしてるの?

 

「なんで……?」

「私が管理してる星に行くから。お姉ちゃんには私の世界を見てほしい。楽しいよ!」

 

 うぅ……! 無垢な瞳が辛い……! いや無垢かなこれ。濁ってない?

 ともかく。ニュクスの様子は、ちょっと頑張って作った工作を自慢したい子供のそれに見えた。いや、ちょっと頑張った工作の内容がおかしいっていうのはあるけど。

 

『こんなかわいい様子を見たのに行かねえやつっている!? いねえよなあ!』

『名言をクソくだらないことに使うんじゃないw』

『行こうぜ相棒!』

 

「誰が相棒だ誰が」

 

 いや、まあ……。行くんだけどね。行くよ。行きますよ。

 だって……。異星だよ? 異世界だよ? 私だって、わくわくするよもちろん!

 

「でもその前に聞きたいんだけど」

「なに?」

「向かった先で死んじゃったりしない? ほら、地球人に悪影響がある大気とか、微生物とか、ウイルスとか……。そういうやつ」

 

『それは確かにめちゃくちゃ大事』

『未知のウイルスに感染しました、治し方は分かりません、ってなったら……』

『なるか? 侵略者がいるのに』

『ならねーなw』

 

 ならないね。倒れてもニュクスがどうにかしてくれそう。

 いやでも、私はよくても、他の人だよ。転移して帰ってきた結果、何か変なものを持って帰ってきてしまうかもしれない。連れてきた人がこっちで倒れてしまうかもしれない。そういう危険性はやっぱりあると思うんだ。

 それを説明すると、なるほどとニュクスも納得してくれた。

 

「お姉ちゃんはやっぱり優しいね」

「え。そ、そうかな……?」

「うん。考えてなかったよ。ちょっと待ってね……」

 

 ニュクスが亜空間とやらから大きな杖を取り出す。それを握って、何かむにゃむにゃ呟き始めた。これ、以前もやってたことがあるけど、詠唱とかそういうのかな?

 

『むにゃむにゃする侵略者様かわええ』

『何て言ってるんだろうなあ』

『解析班はよ!』

 

「いや、解析したところで、異世界の魔法とかそういうのじゃないの? 多分地球にはない言語とかになると思うんだけど」

 

『なるほど確かに』

『見た目によらず頭いいなアヤカ!』

 

「ケンカ売ってる?」

 

 見た目によらずってなに? 私でも怒るよ?

 まったく、と呆れていたら、よしとニュクスが杖を下ろした。私に向かって笑顔で言う。

 

「これで大丈夫!」

「えっと……。大丈夫って……? 何をしたの?」

「どこの惑星がいいかを探しただけだよ。地球に限りなく近い大気で、地球人と移住者双方が問題なくどちらでも生活できる惑星を探したの」

「え……。そんな都合がいい星があるの?」

 

 さすがにないと思うんだけど。だって、地球ですらわりと奇跡的な確率で生まれた環境だって聞くのに……。そんな生物が存在する惑星で、かつ地球に近い環境って、まずないのでは?

 

「わりとあるよ」

「え……。そうなの?」

「あのね、お姉ちゃん。お姉ちゃんが生きるこの天の川銀河に、太陽みたいな恒星っていくつあると思ってるの?」

「え……。せ、千個、とか……?」

「…………」

「やめて。そんなかわいそうなものを見る目を向けないで」

 

 なんかわりと本気の哀れみの視線に見えるよ! バカを見る目だよ! おかしい、私はそこまで成績悪くないのに!

 いやだって、恒星の数とか学校で教わった覚えがないよ。太陽系のことならいろいろ聞いたけど……。それとも、私が忘れてるだけだったりする?

 

『もっと宇宙に興味を持てよ! 楽しいぞ!』

『ちなみに天の川銀河で恒星は二千億から四千億、果ては一兆個あるという人までいます』

『そんなに恒星があったら、地球みたいな惑星が他にあったとしても不思議じゃないよね』

 

 あー……。なるほど確かに。太陽という恒星だけでも惑星が八個もあるんだから……。惑星の数を考えたら、他にもあっても不思議じゃないよね。

 

「でね、お姉ちゃん」

「え。まだ続くの?」

「うん。銀河はね、もっともっとあるの。地球人が観測できる範囲でも二兆個あるはず」

「なんて……?」

 

『そんなにあるの!?』

『あるらしいぞ。二兆個の銀河があって、それぞれに二千億の恒星があると考えると……』

『宇宙やべえ』

 

「むしろこわい」

 

 宇宙のスケールはとんでもないっていうのはよく聞くけど……。ここまでとは思わなかった。本当に、宇宙ってすごい。

 そんな宇宙があっちこっち行くニュクスはもっとやばいと思うけど。

 

「ニュクスって、実は予想以上にすごいんだね」

「えっへん」

「ドヤ顔のニュクスはかわいいなあ!」

「わぷ」

 

 胸を張るニュクスはとってもかわいいです! とりあえず抱きしめてなでなでしておく。ほっぺたをぷにぷにとつついてみる。ニュクスはむう、と頬を膨らませた。そのほっぺたもぷにぷに。ぷすぷす。嫌がってないから別にいいよね。

 

『侵略者様のやばさを再認識したんじゃなかったのかお前はw』

『再認識した上でほっぺたをつっついてるだけだろ』

『だけなのかそれ!? 無敵かこの子!』

『でもニュクスたん嫌がってなさそう』

『侵略者をたん付けするお前らも十分やばいよ』

 

 ニュクスはかわいいからね。仕方ないと思います!

 

「お姉ちゃん。もういいから、本題に戻ろう」

「はい」

 

『うわあ急に落ち着くな!』

『懐かしいネタだなあ』

『あ、続きどうぞ』

 

 なんなのかなこいつらは。気にせず続けるけど。

 

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