活動報告にもある通り一度吹っ飛ばしてますし
某作品とコンセプトが似通ってしまってどうしたものかと悩んだり。
(ぶっちゃけかなり影響受けてます。パクリとか問題あるなら修正かけます)
俺は宮本成二。
クラスメート、兵藤一誠のデートに不審なものを感じた俺は
後をつけるが、その先で堕天使レイナーレに瀕死の重傷を負わされる。
目覚めた俺は、リアス・グレモリーに歩藤誠二と言う名を与えられ
霊体になっていることを知ることになる。
黒歌さんを引き連れ、俺達はグレモリー領へとたどり着くことが出来た。
黒歌さんは妹、白音――塔城さんに会うために。
俺は、魔王陛下との一応の約束を守るために。
それが、あんな事態を生み出すとはその時の俺は知る由もなかった。
――残された時間は、あと29日――
――――
グレモリー領で行われていた若手悪魔の会合。
お偉いさんを前にして行われていた意思表明も先刻終わりを告げ
改めてパーティー会場が賑やかになっている。
……一部、既に帰った者もいるが。
レイヴェルさんと、ディオドラ・アスタロトだ。
前者はよほどグレモリー領に居たくないのかやることを終え早々に切り上げ
後者はそもそも意思表明すらブッチしていた。一体何者なのだ。
そして、その途中匙と一悶着こそあったものの
今は何とか平和的に――と思いたいが――パーティーの時間を過ごせている、はずだ。
その矢先である。表を黒猫が横切ったのが見えたのは。
よく「黒猫は不吉の兆し」などと言うがそんなものは迷信もいいところだと思っている。
起源をたどれば悪魔の、魔女の使いだとかうんたら言うらしいがそんなことはどうでもいい。
猫は猫だ。それでいい。
しかし、この猫が横切るという出来事において、看過できないことがあった。
一つ。俺は良く知っている黒猫がいる。
二つ。その猫も、今見た猫も、尻尾は二股であった。
そして三つ。その猫に会わせてほしいという依頼を、俺は受けていた。
俺は塔城さんの現在地を確認した後、慌てて外に飛び出して
黒猫――黒歌さんととコンタクトを取る事にした。
「あ、ミイラのお兄さん。ようやく会えたにゃん。白音はどこにゃん?」
「今こっちに連れてくる。それより、あまり迂闊に動かないで……
って、言わなくてもわかるか」
「当たり前だにゃん。でもついにこの時が来たのね……
さ、ミイラのお兄さん。私はここで待ってるから、早く白音を連れてきてほしいにゃん」
黒歌さんに促されるまま、俺は塔城さんを呼びに会場に戻る。
彼女が健啖家なのが幸いしてか、居場所の目星はすぐに付けられた。
「……あ、セージ先輩。食べますか?」
「いや、今は実体化してるけど腹は減ってないしいいや。
それより、君に会わせたい人がいる……依頼の件で、だ」
その話を聞くや否や、塔城さんは皿の上の料理を一気に平らげ
「さあ行きましょう」と言わんばかりの顔でこっちを見てくる。いや、よく噛んで食べようよ……。
ともかく、俺は塔城さんを黒歌さんのもとに案内すべく建物の裏へと足を進める。
「ところで塔城さん。依頼はこれでほぼ果たせたも同然なんだが、この後君はどうするんだ?」
「……この後、ですか?」
「ああ。黒歌さんに付いていくとなれば、今まで通りにはいかなくなる。
グレモリー部長の眷属を辞める必要性も出てくるかもしれないって事だ。
そうなれば、当然学校なんて通えないだろう。今後の身の振り方、考えているのか?」
俺の質問に対し、塔城さんは押し黙ってしまう。それが答えか。
つまり……何も考えていなかった、と。
再会する事ばかりに考えが行っていて、その後のことがおざなりになってしまう。
まあ、俺も同じ立場だったら似たような状態になることは想像に難くないので
この件で塔城さんを責めることは出来ないんだが。
それに、俺の予想とは裏腹に彼女は黙ってこそいたものの
目は泳いでいない、しっかりと赤い目で前を見据えている。
「それ以前に、黒歌さんに付いていくっていうのならグレモリー部長のもとを離れなきゃだな。
今まで通りでかつ黒歌さんともやっていくってのは無理だと思うぞ。
黒歌さんははぐれ悪魔だと聞いている。それもSSランクの。
となれば、グレモリー部長の立場上……」
「……わかってます。姉様の事で部長に迷惑はかけられません。
ですから、私は……」
塔城さんが言い切る前に俺達は建物の外へと出てしまい、目の前には黒猫がいた。
黒猫――黒歌さんは塔城さんを見るや否や、
塔城さんへと駆け寄ってくる。
「白音……白音! 会いたかった! 白音!」
「ね……姉様!」
塔城――いや、白音さんを抱きしめる黒歌さん。そんな黒歌さんに黙って寄り添う塔城さん。
傍から見れば、感動の再会なんだが……
……何故だろう。何かすごく引っかかるし、嫌な予感がする。
このまま大団円で終わりそうにない、そんな嫌な予感。
その俺の嫌な予感を裏付けるかのように、俺達を追ってグレモリー部長とイッセーがやって来た。
くそっ、なんてタイミングだ!
「セージ、小猫。ここにいたのね。レーティングゲームの組み合わせ表が出来たわ……
って、あなたははぐれ悪魔の黒歌! どうしてここにいるの!?
いえ、それよりもすぐに小猫から離れなさい!」
「はぐれ悪魔だって!? おいセージ! お前がいながらなんてザマなんだよ!
はぐれ悪魔にみすみす小猫ちゃんが捕まるなんて!」
あー……そういう解釈したわけか。俺と塔城さんで出くわしたが、俺が力及ばず
塔城さんが黒歌さんに捕まってしまったと。そういう解釈を。
それならそれでいい。まさかバカ正直に「こいつは俺がここまで連れてきた」なんて
いうわけにもいかないし。
だから、俺はイッセーの問いかけに無言で返す。
無言は肯定、そう取ってもらって構わないし、下手にしゃべるわけにもいかない。
嘘をつくつかない以前に、俺は何も言ってないからだ。
「嫌にゃん。白音はようやく見つけた私の妹だにゃん。
誰がお前みたいな奴に渡したりするものかにゃん」
「ふざけるな! 今更のこのこ出てきて家族面するな!
小猫ちゃんは俺達の大事な仲間だ! 誰がお前なんかに!」
また始まった。イッセーの後先を考えない感情論による説得とは到底言えない暴論。
ライザー・フェニックスの時も、ゼノヴィアさんの時も。
コイツは一体何が言いたいんだ。俺にはさっぱりわからない。
そもそも仲間ったって、事の発端はお前が一方的に決めつけただけだろうが。祐斗にしたって。
で、今回は家族と言い張る黒歌さんを頭ごなしに否定しているように見えるんだが。
と言うかお前、仲間とか言っておいて仲間らしいこと何かやったか?
俺の記憶には、お前がセクハラ――もう犯罪レベルのそれをやっておいて
塔城さんにしばかれている記憶しかないんだが、これは一体どうしたことだろうな。
「イッセーの言う通りよ。小猫は私の大事な眷属。
あなたのようなはぐれ悪魔風情にみすみす渡したりなどしないわ」
「……コイツは呆れたにゃん。まさかグレモリーの次期当主まで
私がこうなった本当の理由を知らないなんて思わなかったにゃん。
いや、それとも知っててそういうことを言っているのかにゃん?」
……うん? 話の流れが変わったぞ?
そういえば俺も詳しくは調べていなかったが。今
それはそれで不審に思われる。やめておいた方がいいだろう。
「自分の意見が通らないからって言い逃れか!
はぐれならはぐれらしく大人しくお縄につきやがれ!」
「……待てイッセー。話が見えない。俺にも分からんことくらいある。
グレモリー部長も『そっちの黒猫さん』も一度刃を収め、話をすべきと俺は思う。
そもそも、当人――塔城さん、そちらの黒猫さんが言うには白音さんだが。
彼女の意思が一切介在していない現状、俺達だけで勝手に話を進めるのは如何なものか」
さりげなく「俺は黒歌さんとは無関係」を装いつつ、対話による解決法を提案する。
勿論、平行線をたどるであろうことは織り込み済みだ。
と言うか、グレモリー部長の性質上言い出したことは曲げまい。
あのフェニックスの一件からも安易に想像がつく。
そうなった場合は、俺はグレモリー部長を止めるべきだろうな。
既に一度グレモリー部長に弓を引いた身だ。いまさら何を恐れようか。
と言うか、俺個人としてはこの話、黒歌さんの方に理があるのではないかとみている。
塔城さんが何故眷属になったのかは知らない。だが、黒歌さんが塔城さんを探していた。
これは紛れもない事実だろうし、塔城さんの側は間違いなく黒歌さんを探していた。
それは俺もよく知っている。そこから統合すれば、話は……
「セージ! お前はどっちの味方なんだよ!? やっぱりお前は……」
「……イッセー。そういう敵とか味方とかで物事を見るのはあまりよくないと思うぞ。
現に俺みたいな奴がいる。まあ、俺も敵だというんならそれなりの考えはあるが。
いずれにせよ、今は俺達が争っている場合じゃない。違うか?」
「やめなさいイッセー。セージの言う事も尤もだわ。
本来ならはぐれ悪魔なんかと語る舌など持ち合わせないのだけれど
可愛い眷属の事がかかっている以上、そうも言ってられないわ。
黒歌。私は小猫が路頭に迷っているところを保護して、我がグレモリー家で手厚く歓迎したの。
今まではぐれ悪魔としてぶらぶらしておいて、今更姉面をされても困るわ」
ふむ。それがグレモリー部長の言い分か。まあそんなところだろうと思ったが……うん?
なんだ? 何かが引っ掛かる。まるでデジャヴを感じるような……
……そうだ、祐斗だ。木場祐斗。同じくグレモリー部長の眷属にして、「
彼もある事件から生き残り、路頭に迷っているところをグレモリー部長に保護され、眷属となった。
だがその後メンタル面でのケアはロクに行われず、それがあるとき爆発した。
まあそれがきっかけで親しくなる理由は出来たんだが。
しかしまあ「路頭に迷っているところを保護」って、そればかりじゃないか。
この分だと他の姫島先輩やギャスパーもその可能性が高いな。
アーシアさんやイッセーは死人に口なしだし、俺は論外だ。
……うん? こうして考えると眷属となる側がまともな思考をできない状態で眷属にしている
――つまり、無理矢理眷属にしているという解釈も可能っちゃ可能だな。
「……それについては否定はしないわ。けれど私はああしなければ白音を護れなかった。
自分の意思で悪魔になった私はまだいいわ。けれど奴は白音まで悪魔にしようとした!
だから私は主を殺した。そうしなければ白音は悪魔にされていたから。
……それなのに、何勝手に白音を悪魔にしているわけ!?
私達猫魈は、あんた達悪魔の玩具じゃないのよ!」
個人的感情で語るならば、俺は黒歌さんに付きたい。と言うか今の黒歌さん……マジだ。
語尾の「にゃん」が抜けている。と言う事ははぐれになることは苦渋の選択であり
白音さん――あえてこう呼ぶが――を守るためにやむなく、ってのは
どうやら本気と見て間違いなさそうだ。
悪魔の玩具じゃない、か。まぁ、それはすべての転生悪魔に言えることかもしれないな。
聞けば、何か特殊な力を持った奴ほど手厚く歓迎されるとか。
それって結局、斜陽の種族である悪魔が生きながらえるために他の種族を犠牲にしている。
やはりな。人間だってサルを人間に改造したりはしない。
その一線を越えたからこそ、悪魔が悪魔足りうる所以なのかもしれないが。
もしそうだとしたら……俺はこんな悪魔なんて身分、くそくらえだ。
「何言ってるんだ! 昔はそうだったかもしれねぇけど、今は小猫ちゃんは俺達の仲間だ!
それを連れて行こうっていうんなら、俺が容赦……むぐっ!?」
今にもイッセーが食って掛かりそうだったので、俺はイッセーの口を抑えつける。
今はまだ話し合いで済んでいるんだ、今はまだ。
それなのにお前がしゃしゃり出て話をややこしくするんじゃない。
……って、さっきから俺が取り仕切っているが……まぁいい。
誰かが取り仕切らないとダメだろ、この場合。
一応はグレモリー部長の眷属である俺がやっていいものか、って問題もあるが……
渦中の人物以外で黒歌さんとの接点もある以上、俺がやるしかないんだよなぁ。
「刃は収めろと言ったぞイッセー。さて、流れで俺が取り仕切ってしまっているが
反対意見も出ていないようなのでこのまま続けさせていただく。答えは聞かないが。
そこの二人の意見が粗方出たが……当事者。君の意見がまだ出ていない。
塔城さん……いや、白音さんと言うべきなのか? 君はどうしたいんだ?」
「セージ? その呼び方をすると言う事はあなた……」
グレモリー部長が何かに気づいたようだが、俺は素知らぬ顔をする。
と言っても、さっきからいい加減苦しくなってきたミイラマスクを着けたままだ。
外したいところだが、誰が見ているのかわからない場所で外したくはない。
さて。俺個人としては塔城さん――いや、白音さんには黒歌さんを選んでほしいが
俺がとやかく言う事じゃない。
俺が似たような立場なら、間違いなく黒歌さんを選ぶ、と言うだけの話だし。
「……私の意見は、決まってます」
そう呟く白音さんに、周囲がどよめく。
そりゃそうだ。二人の意見が出て、悩みに悩むであろう話題だというのに
こうもあっさり結論が出てしまうというのだから。
まあ、俺は彼女が次に紡ぐ言葉が何となくだが見えているんだが。
「やっぱり! さすが小猫ちゃんだぜ! さあ、俺達と一緒に……」
「……放してください、変態。私は、黒歌姉様のもとに行きます」
白音さんの手を掴んだイッセーを払いのけ、そのまま冷たく言い放つ。
あ……いや、白音さん? そこまで無碍にしないでもいいんでない?
「小猫。それがどういう意味だか解っているの?」
「……はい。部長、今までお世話になりました。
でも、部長もいけないんですよ。私、今までずっとどうして姉様がはぐれ悪魔になったのか。
どうして姉様は来ないのか、姉様は何処に行ったのか。
ずっと気になっていたんです。でも部長は何もしてくれなかった。
まともに、納得のいく説明はしてくれなかった。姉様は力に溺れて主を殺してはぐれになった。
あんな説明で納得すると思ってたんですか? 私、おぼろげながらも覚えてたんですよ?
私を逃がすために、姉様はあの場に残った。私を助けるために。
そんな姉様が、力に溺れてはぐれになったなんて、どうして信じられるんですか?」
「し、白音……」
「そ、それは……」
「……祐斗先輩の時もそう。セージ先輩が動かなかったら本当にはぐれ悪魔になっていたかもしれない。
それにそのセージ先輩は現に部長を裏切っている。
私だけ、いい子でいるつもりなんてありませんから」
あの口数の少ない白音さんがここまでまくし立てるとは。
それだけ腹にため込んでいたのだろうか。イッセーに対する対応を見る限りじゃ
そういうタイプには見えなかったんだが……むぅ、俺の観察不足か。
「セージ!? ま、まさかてめぇ……」
「何を勘違いしている。確かに黒猫探しの依頼は受けた。それはお前も知ってるだろ。
あの病院での帰り道、アーシアさんに治してもらった黒猫。
……あなたですよね?」
「その通りだにゃん。あのシスターの子にも世話になったって言っておいてほしいにゃん。
……あ、あとそっちの茶髪のガキ。気安く触らないでほしいにゃん」
イッセーの追及をさらりとかわすと、黒歌さんがわざとらしくお礼を俺に向けて言う。
同時にイッセーに恨み言を言っているが、多分お腹を触られたことだろう。
根に持ってるなぁ……
さて。黒歌さんが俺――と言うかアーシアさんにお礼を言ったのと同時に
グレモリー部長の俺を見る目が変わる。あの時何が起きたのかを察したのだろう。
睨んでいるつもりなのだろうが……一度勝ってしまうとどういうことなのだろうか。
……全然怖くねぇ。だから俺は、負けじと俺の思っていることを言い返す。
「……あの時の!? セージ、これは一体どういう事かしら」
「別に何も。俺はただ依頼を受けただけですよ。『黒猫を探してほしい』と。
で、その矢先にけがをした黒猫を見つけた。それが依頼の黒猫かどうかは俺もわからない。
だから、白音――塔城さんに手伝ってもらうためにあの時呼んだだけですよ。
おっと。あなたも悪魔ならば、依頼主の秘密の厳守は原則。お分かりですよね?」
「……ふぅ、分かったわ。小猫の事は諦めるわ。ただし……
……はぐれ悪魔黒歌! その前にあなたはここで始末させてもらうわ!!」
……そう言う事か! 相手がはぐれ悪魔ならば、大義名分はどう見繕ってもグレモリー部長にある!
だから、そのはぐれ悪魔を消すことで事実を有耶無耶にしようとする……
なるほど、悪魔らしく露骨にいやらしい手口だ!
「!! 姉様、逃げてください! 部長の滅びの力は、いくら姉様でも……」
「やっぱり初めからそれが目的だったのね。本当になんで私は悪魔になったのかしらね。
白音、私を選んでくれてありがとう。またどこかで……そうね、故郷で……
今更戻るのもアレだけど……故郷で、会いましょう」
まるで今際の際の言葉のように、白音さんに語り掛けた黒歌さんから……
どす黒い、何か得体のしれぬ嫌なオーラが漂い始める。
これには俺も記録再生大図鑑を向けざるを得ない。
噂に聞く仙術のそれとは、どうしても違うように見えたからだ。
……結論から言えば、俺のその推測は的中した。
それどころか、先日バオクゥと探した本の中の記述に、ちょうど合致するものがあった。
つまり、
……と言う事は、だ。
今の彼女ははぐれ悪魔。そしてはぐれ悪魔になったからって悪魔の駒は摘出されない。
今もなお彼女の体の中に残っている。記録再生大図鑑の調べによれば彼女の駒は「
なるほど、仙術を期待して魔力を高める僧侶の駒を選んだわけか。どうでもいいが。
そして今その駒が……暴走している?
この力の流れ方は、暴走のそれにかなり近いものを感じる。
俺はかつて、ある仮説を立てた。
――はぐれ悪魔となったものは、理性を失い破壊衝動のままに暴れまわる。
この仮説ならば、ちょうどグレモリー部長が白音さんに説明したとされる
黒歌さんの顛末と合致する。と言う事は、だ。
「ダメだ白音さん! 黒歌さんから離れるんだ!! と言うか全員ここから離れろ!!」
「く……ううっ……逃げて……白音……」
「姉様!? 姉様!!」
黒歌さんの身体が肥大化し、まるで巨大な黒いネコ科の動物のような姿に変貌する。
猫と言うにはあまりにも巨大で、他のネコ科の動物と言うにも、あまりにも禍々しすぎる。
俺達はかつて、こんなような存在を見た。その名は――
――はぐれ悪魔、バイサー。
咆哮と共に、口から息を吐きだす。それを吸い込んだグレモリー部長やイッセーの顔色が悪くなる。
これは……毒か! ミイラマスクとは言え多少の防毒効果があったのか、俺の方には効きが悪いようだが
それでも多少は受けている、気分が悪い。記録はしているようだが。
MEMORIZE!!
「姉様、やめてください! 黒歌姉様!」
白音さんの声にも耳を傾けず、ただひたすらに吠えて暴れる。
このままじゃ騒ぎが大きくなって本当に始末されてしまう!
せっかく再会したのに、こんな結末があってたまるか!
何か、何か方法があるはずだ!
……そのためにも、まずはここから遠ざける必要があるか。
だが、あれだけの大きさ――最も、アインストレヴィアタンよりかは小さいが――の相手を
どうやって誘導しようというのだ。追い付かれて喰われるのがオチだぞ。
足を速くする……いやダメだ、途中で効果が切れたら終わる。
モーフィングで乗り物を……出来そうなものが近くに無い。
それに原付じゃ追い付かれる。あの時みたいに。
――ならば、ダメもとであのカードを試してみるか!
PROMOTION-KNIGHT!!
レイヴェルさんに追われているときに記録した「騎士」のカードを引く。
騎士らしく鎧に身を包むのかと思いきや、右肩に騎士の駒……即ち、馬を象ったアーマー。
左肩は馬の尾を象ったマフラー。
胸部装甲は「
両手はライダーグローブを思わせる装甲、両足は脛当てだけと意外に軽量だ。
頭部にフルフェイスのヘルメットが顕現し、顔が隠れたことで
ついでにヘルメットの隙間からミイラマスクも外す。
『相変わらずのぶっつけ本番っぷりだな。これが俺とお前の「騎士」の力だ』
「なるほど、確かに『戦車』に比べて体が軽い。だが、これだけじゃ……」
『セージ! 「騎士」とは「騎乗する者」! 俺を使え!』
フリッケンが叫ぶとともに、「
フリッケンの姿は、見る間にバイクへと変形した。
なるほど、だから装甲が覆う部分が「戦車」に比べて少なかったのか?
『コントロールは俺もアシストする。免許の心配はいらんぞ』
「……それを聞けて安心した」
まあ、冥界に日本の道交法が適用されるなんざこれっぽっちも思ってないが
原付以外の自動二輪を運転したことが無いのも事実。だからフリッケンのサポートは素直にありがたい。
コントロールパネル、アクセル、ブレーキ等々とてもフリッケンから変形したとは思えない
本格的なものである。寧ろフリッケンってロボットだったんじゃね? とさえ思えるほどだ。
『まずは奴の気を引くぞ! 砲撃だ!』
「っ! いきなり言われたって……これか!」
フリッケンが変形したバイク――マシンキャバリアーには
バイクには似つかわしくないものも搭載されていた。
その一つが座席よりも後ろに設置された二連装の砲台だ。天照様のものよりは小さく
バオクゥが持っていたものよりは大きい。そんな砲台。
その砲撃で、黒歌さんの気を引く。傷つけるのは忍びないが、今はそうも言っていられない。
「フギャアアアアアアッ!!」
着弾。幸か不幸か、大したダメージは与えられていないが気を引くことには成功した。後は……
『よし、奴はこっちを狙っている! このままここから離れるぞ!』
「なるほど! それなら別の場所で戦える! フリッケン、飛ばすぞ!」
「げほっ、げほっ……ま、まてセージ! 置いていくな!!」
イッセーの叫びは、俺の耳にはマシンキャバリアーのエンジン音や
黒歌さんの咆哮でかき消され、届かなかった。
変貌してしまった黒歌さんを何とかして助けたい。
そのための力だと、俺はそう信じている。だからこその「騎士」か。
あるべき姿に戻すべく、俺達は荒野を走る。
一応出す前フリはしてましたが、こんなタイミングでセージの新フォーム。
姉妹猫の再会、黒歌暴走、セージ新フォームに専用マシンの登場と
難産の割にイベント詰めすぎちゃいました。
>セージ新フォーム
チェスピースの意匠はどこかに入れたいと思っているのですが
困るのが「騎士」。何せ馬。頭に載せたら馬フェノクどころか
馬マスクと言うカッコつかない状態になりますし
胸だと胸の顔は飾りってなことになってしまいますし(悪いわけではないのだけど)
結局某超人みたいなデザインにしました。
左肩に馬の尾に見立てたマフラーを持ってきたいのもありましたが。
今回触れていませんが何気に「剣術・槍術の腕が上がる」と言う設定もあったり。
けれどこのフォームの真価は後述。
>マシンキャバリアー
キャバリアーは「騎士」って意味なの。
勉強になるでしょ?CV:故・水谷優子氏
……はさておき、元ネタは勿論仮面ライダー龍騎のドラグランザー。ディケイドなのに。
フリッケンの意思によるサポート付きなので免許が無くても安心。
但しドライビングテクニックはある程度必要。
スペック:
最高速度 600km/h
武装 後部座席部二連装砲×2
前輪部分ミサイル発射管×4
ヘッドライト部分機銃×2
オプション サイドカー
定員 1名~3名(サイドカー含む)
欠点:道交法上の問題で冥界でないと使えない。
セージが「騎士」あるいは「女王」状態でないと使えない。
武装を積んでいるのはドラグランザーの火球と
ディケイド(激情態)のギガントのイメージ。
ライダーリスペクトしてる以上どこかで出したかった専用マシン。
これでディケイドOPのディエンドみたいな事態は避けられそうです。
(なお派生フォームになる必要がある模様)
サイドカーがオプションになっていたり、武装積載量が多かったりしているのは
キャリアー(運搬者)とのダブルミーニング。
>黒歌の顛末
拙作では小猫は本当のことをおぼろげながら知っていました。
けれどリアスは(結果的にとは言え)嘘はついていない。全部話してもいないけど。
何故ならはぐれ悪魔は暴走するという(拙作の独自設定ではありますが)情報もありますし。
それが潜在的なリアスに対する不信になり、洗脳効果を上回った挙句
セージや木場と言う明確に反旗を翻した(後者はほぼ未遂)ケースも重なって
黒歌を選ぶことと相成りました。原作より黒歌が汚れてないってのもありますが。
(禍の団に入っていたらさすがに黒歌選ぶのも問題行動ですし)
駒はイメージにてチョイス。
しかしこれで小猫もはぐれ悪魔になる可能性が……