この場を借りてSINSOU氏には厚く御礼申し上げます。
……やはり他人様のキャラは動かすのが難しい。
二次、三次創作の出来る人は素直に感心できます。
私はまあ置いておいて
「俺は宮本成二だ! 悪魔でも、通りすがりでもない一人の人間だ!
俺に力があるってんなら、それは俺を含めた人類の自由と平和のために使いたい!
これは俺の夢でもある! そして俺にその力があるってんなら……
……応えろ! 『
啖呵と共に、左手の記録再生大図鑑がこれまでにない光を放つ。
今ここに、セージの
COMMON-LIBRARY!!
「ラマリス。クロスゲートに存在する負念から生じた負念体。
負念に寄せられ負念から産まれ、人間を捕食する。
……人に害を成す存在なら、駆逐するに限るな」
「ですね。私も悪魔以外の怪物と戦うという珍しい経験が出来ました」
記録再生大図鑑では読み取れなかった紫色の怪物――ラマリスの情報を的確に読み取っている。
以前記録再生大図鑑が進化した時も精度の向上が行われたが
今回さらにアップグレードが行われた形となる。
「そう言えばアーリィさん。ゼノヴィアさんと組んで戦っていたんでしたっけ」
「え? ええ、そうですけど……」
「なら、これだ!」
MOTION!!
モーション。新しいカードを引いたと同時に
デュランダルを構えたゼノヴィアのシルエットがセージの身体に吸い込まれる。
すると、その右手には装備できないはずのデュランダルが握られていた。
「デュランダル!? ゼノヴィアさんの得物のはずじゃ……」
「何処まで再現できるかはわからないけれど、今の俺はゼノヴィアさんの動きを再現できます。
アーリィさん、後はそれに合わせて動いてください」
「えっと……ゼノヴィアさんと一緒に戦うのは慣れてますから、任せてください!」
デュランダルを力強く振り回し、ラマリスを切りつけるセージ。
その隙を埋めるようにアーリィがナイトファウルを持ち立ち回る。
その動きは、実際にゼノヴィアとアーリィが組んで戦っているようなものであった。
さっきまでとは違うその動きに、ラマリスも翻弄されている。
「アーリィさん、アレンジを加えても構いませんか?」
「どんどんやっちゃってください!」
MOTION!!
もう一枚「モーション」のカードを引くと
今度は木場のシルエットがセージの身体に吸い込まれる。
破壊力のあるデュランダルを、木場の剣技で振りかざすという合わせ技を演じてみせたのだ。
「これは……」
「祐斗。剣を持っていたグレモリー部長の眷属の動きを一部分モーションさせてもらってる」
セージの判断は功を奏したのか、ラマリスも残り一体を残すのみとなった。
止めとばかりに、セージのデュランダルとアーリィのナイトファウルが同時に刺さる。
直後、不気味なうめき声を上げながらラマリスは消滅したのだった。
――――
「……ご迷惑をおかけしました」
「無事で何よりだ。だが、命令違反はいただけないな」
「柳君、言い分もわかりますが今回は結果が全てですよ。
宮本君、お見事でした。しかし柳君の言う事も一理ありますので
今回の件が片付いたら、まずは学校まで来てもらいますよ。
来週にも再開の目途が立っていますから」
ラマリスを撃退し、クロスゲートの調査に入る前に
柳と薮田から先刻の件について早速絞られたセージ。
セージもこれは仕方ないとばかりに甘んじて受けていた。
「早速で悪いが、その禁手に至った神器でクロスゲートを調査してみてくれないか?
あの怪物――ラマリスの事も調べられたとなると
クロスゲートについて調べられるかもしれん」
アポロンに促され、セージは記録再生大図鑑――
改め、無限大百科事典をクロスゲートに向け情報を読み取ろうとした。
……しかし、得られたのは今まで得た情報と遜色のない情報ばかりであった。
「……すみません、真新しい情報はないみたいですね……ん?
これは……アーシアさんに、ゼノヴィアさん? 二人とも、何かを探してるような……
うっすらとですが、クロスゲートの向こう側が見えます……」
「!!」
セージのその言葉に、驚きを隠せないアーリィ。
元の世界では、やはり二人がアーリィを探していたのだ。
そして、クロスゲートの向こう側に見えると言う事は
今はその世界と繋がっている可能性が高いと言う事。
試しに、セージは小石をクロスゲートに向けて投げ込んでみることにした。
すると、時間差はあったものの向こう側に小石が転がり込んで行ったのだ。
それが意味することは一つ。
「……できれば、こっち側のアーシアやゼノヴィアさんと
もう一度お話したかったんですけど……次、いつ安定するかわかんないですもんね。
セージさん、皆さん、本当にありがとうございました」
「ま、待ってください!」
クロスゲートに入ろうとするアーリィを呼び止める声がした方向を一同が向くと
そこには慧介の車で駆けつけてきたアーシアとゼノヴィアが居たのだ。
「アーシア! それにゼノヴィアさんも……!」
「何故だかわからないが、どうしてもここに来なければならない気がしたんだ」
「私もです。突然やって来て、最初は驚きもしましたけれど
でも、心のどこかで知ってるかもしれない、そんな気がずっとしてて……」
アーリィはそんな二人に駆け寄り、纏めて抱きしめる。
二人のぬくもりを感じた後、一歩下がりお祈りを始めるアーリィ。
その様にアーシアは痛みを覚えるが、その痛みにも耐えてみせていた。
「主――こちらの世界におわすのは主の影武者さんですけれど。
その方と約束を交わしたのです。
『私は神への感謝の気持ちを忘れないために、悪魔に身を窶した今も神を信仰する』と」
「アーシア……立派になってお姉ちゃんは嬉しいです!
……あ、あなたは私の知ってるアーシアでは無いんでしたっけ……
いけませんね、つい……」
「いえ、きっと『向こう側』の私もきっと同じような結論を出してくれると信じてます。
その為にも、『私』をよろしくお願いします。アーリィ『お姉様』」
「……っ!!」
「私も同意見だ。私も『向こう側』の私のことをよく知らないが
『私達』で進む道に間違いはないだろう。私はそう信じることにするよ」
「ありがとう……二人とも、ありがとう……!!」
言葉を交わした時間は短かったが、アーリィにとっては何かしら得るものがあったのではないか。
セージは様子を見ながらそう考えていた。
「……盛り上がっているところ悪いのですが。ナイトファウルの返却をお願いできますか?
これはクロスゲートの近くで偶然拾い上げた設計図から作ったものですが
無闇に他の世界に持ち出すのはやはり憚られますし、一応貴重品ですので……」
「あ、すみません……ナオトさん、今までいろいろとお世話になりました。
ヒロさんにもよろしくお伝えください。では、ナオトさんにも神のご加護がありますように……」
薮田直人の正体を知ってか知らずか、アーリィはまたも神に祈りをささげていた。
ナイトファウルをアーリィから受け取ると
薮田はアーリィにばれないように苦笑いを浮かべていた。
「それでは……」
「アーリィさん。俺からもひとこと言わせてください。
……変な話ですが、この世界に来てくれて、ありがとうございました」
セージの言葉に、アーリィは手を振って返す。
ゲートに入る瞬間、吹いた風によって顔のヴェールがめくれ上がったが
その顔を見た者がいたかどうかは、定かでは無かった。
――――
アーリィがクロスゲートを通り、帰路についてから数日が経った。
学校の開始を明日に控えたセージは、超特捜課の会議室にいた。
そこには、薮田やアポロンと言ったクロスゲート調査の責任者もいる。
「私達に用があると言う事は、クロスゲート絡みですね?」
「はい。あの後クロスゲートの向こう側の様子は見えなくなりましたが
アーリィさんは無事に向こうに着いたと信じています。
……それもなんですが、クロスゲートについて分かった事がもう少しあるんです」
「なに、本当か?」
セージの発言に反応する薮田とアポロン。禁手に至った記録再生大図鑑――
無限大百科事典によって、クロスゲートについての調査は少しずつではあるが進んでいるのだった。
その調査状況について、報告のためにセージは二人の元を訪ねたのだった。
「とは言っても、専門用語らしきことだらけでちんぷんかんぷんなんですが。
なんでも、制御には……サイコドライバー? とか
念動力? とか言うのが要になっているみたいで……
意志の力、と何か関係があるのかもしれませんが、俺には何のことだかさっぱりで……」
「聞いたことの無い単語ですね。恐らくクロスゲートが作られた世界にある概念なんでしょう。
どうやら、宮本君の神器でも専門用語についてはわからないみたいですね」
「禁手に至れるほどの人間を集めればクロスゲートの制御も出来るかもしれないが……
現実的とは言えんな」
アポロンも自分で出した意見ではあるが、禁手に至った人間がどれだけいるかもわからないのに
それを集めてクロスゲートの制御という大仕事を行うという時点で
全くもって現実的とは言えない案であった。
「もう一つ、意志の力を集めればクロスゲートを破壊することもできるみたいです。
物凄い巨大なドラゴン? ロボット? そんなような姿がちらっと見えただけですが。
他にも、気になった単語があれこれ出て来たんですが……
こっちに関係ある事で言えば、アインストは間違いなくあれから出て来て
クロスゲートからエネルギーを得ているのは間違いないみたいです」
「そこは確定事項として見て間違いなさそうですね。
わかったところで、どうする事も出来ませんが……そこはもう暫く調査を続けましょう」
「それが賢明だな。さて、そろそろ時間だ。明日は学校だろう?
そろそろ帰って準備をしたほうが良いんじゃないか?」
「そうですね。では宮本君、明日学校でお待ちしてますよ」
クロスゲートについての情報は着々と集まってはいるものの
それをもとに実行に移せるプランはまだ出来上がっていない。
結果として、クロスゲートについては今まで通りの対応となっていたのだ。
――――
――セージ実家。
ひょんなことから住み着いた白猫と黒猫の姉妹と遊びながら
母親が出迎えてくれる。これだけでもセージにとってはありがたい事であった。
「ただいま」
「お帰り、ご飯とお風呂どっち先にする?」
風呂で、とセージが答えると黒猫――黒歌がセージにちょっかいを出そうとするが
そこを白猫――白音に阻まれ、大人しくなってしまう。
(退くにゃん、白音!)
(……退きません。この家にお世話になってる以上、迷惑はかけられませんから。
というか自重してください姉様。猫の姿のまま入ればある意味怪しまれますし
人の姿では論外です。わかったら大人しくしてろこの万年発情猫)
(しっ、白音がグレたにゃん!?)
ともかく、新しい宮本家の日常は少々騒々しくなったものの
今は束の間の平和を満喫しているのだった。
そんなこんなで、セージも風呂から上がり夕食も済ませた後
セージの部屋には白音と黒歌も入り込んでいた。
「……で、白音さんには今まで通り学校に……でいいのか?
俺も明日は色々やらなきゃならないことがあるんだけどな。オカ研への退部届出したりとか」
「……やっぱり、退部するんですね……」
退部、という言葉に白音が俯く。
最早セージにオカ研に所属している理由は無い。
それどころか、今のセージは超特捜課に所属している身分。
部活動よりも、そちらを優先したいと思うセージの気持ちもあったのだ。
「白音さんも今まで通りには……っと大事な事思い出した。
悪魔の駒の摘出のめどが付きそうだ。天照様から聞いた。
心の準備が出来次第、いつでも手術を行えるってさ」
「よかったにゃん! 白音、これであなたも元に戻れるにゃん!」
「…………」
「黒歌さん、こればっかりは本人の心の準備ってもんが……」
「そ、それもそうにゃん。お姉ちゃんあまりにも嬉しかったもんだから
ついはしゃいじゃったにゃん」
悪魔の駒の切除。それは悪魔と言う呪縛から解き放たれるとともに
今までの自分との決別を意味するものでもあった。
悪魔としての存在に後悔しかなかった黒歌やセージと違い
白音はある程度は恩恵を受けていたのだ。
それ故に、悪魔の駒の切除については悩んでいるのであった。
「それについては明日グレモリーに話を付けに行くか。俺も同伴する。
俺は俺でグレモリーには用事があるしな。
……あ、別に宣戦布告はしないぞ? もう勝負はついているし」
いよいよ明日。新たな道を歩むためにオカ研との、リアス・グレモリーとの決別の時は
すぐそこまで迫ってきているのだった。
「さて、そろそろ明日もあるし寝る……って重い! 二人とも乗るな! 重い!」
「お兄さん、教わらなかったかにゃん? レディに重いは禁句だにゃん」
「姉様に同感です。罰として今晩一晩中上に乗せてください」
失言から猫二匹を体の上に乗せる形となり、セージは一晩を過ごしたのだった。
あまりの寝苦しさに寝返りを打っては都度白音と黒歌はセージの上に登り直す――
の繰り返しになった事は言うまでもないことだが。
――――
翌朝、駒王学園跡。
やはりというか何と言うか、幾度となく激戦区になった駒王学園。
その復旧が追い付いているはずもなく、青空教室での授業となったのだった。
つまり、今日の授業は授業とは名ばかりの「生存確認」の意味合いが強いものとなっていた。
「おはよう、セージ……ってお前も小猫ちゃん連れて通学かよ!?」
「ああ、おはよう。家と彼女の避難所が近い、ただそれだけだ」
元浜に早速白音との通学を突っ込まれるセージだったが
流石に「同居している」等とは言えないため
こうして誤魔化している。なお黒歌はこの時間セージの母と一緒に仕事に出ている。
対外的には「セージの母のアシスタント」として通っている。
老人の相手は慣れたものなのか、すぐに年寄りとは打ち解けることが出来た。
……セクハラをかましてくる老人にノリノリで応対してはセージの母にどやされているようだが。
「……おはよう、やっぱ桐生が居ないと寂しいものを感じるよな……」
「……ああ」
松田も今は療養中の友人に思いを馳せながら通学していた。
松田は終ぞ知る事は無かったが、桐生はかつて松田に気がある素振りを見せていたのだ。
今となっては、恐怖心が勝ってしまう状態になってしまっているが……。
「……あ、祐斗先輩」
「来たね、セージ君、小猫ちゃん。こっちも大変だったけど……
それは後で話す事にするよ」
心なしか、やつれた感じのする木場。
セージ達が去った後、リアス眷属の間で何が起きたかを察するにはあまりある様子であった。
また、セージはそこで不自然なものを感じていた。
リアス・グレモリーや姫島朱乃の周りに以前ほど人だかりが出来ていないのだ。
また、兵藤一誠が居ないから騒動が起きていない事は言うまでもないことだが。
「元浜、グレモリー先輩や姫島先輩の周り、静かになったな」
「そりゃそうだろ。だって悪魔なんだし。町をこんなにした根源のところに
誰が好き好んでいくかよ。みんな遠巻きだぜ。
それと今度の生徒会選挙、大荒れになると思うぜ……
なんせ前期役員が全員悪魔だってことがバレちまってるからな」
「…………」
元浜の言葉に、白音と木場は黙り込んでしまう。
駒王町のために悪魔がしたことはあったかもしれないが、それ以上にしでかしたことが大きい。
特にソーナ・シトリーとその眷属達はいい迷惑であったのかもしれない。
彼女らはまだ懸命に仕事をしていた方だって言うのに。
セージも自身が悪魔憑きである手前、下手なことは言えずにいた。
一頻りあいさつを交わした後、遅くなった新学期はボロボロの校舎で幕を開けた。
まだ授業を行える状態では無いため、校長の挨拶や教師からの挨拶がメインであったが
生徒たちは久々に出会えたクラスメートや先輩、後輩との語らいに夢中になっていた。
そんな中、担任がやって来てHR開始の合図が始まる。
「はい、みんな席に……っつってもパイプ椅子だけどな。席付け。
今日から……っつっても、またしばらく休校になるが。
帰ってきた生徒と、新しく入って来た生徒の紹介をするぞ。宮本!」
「……待たせたな、みんな。宮本成二、何とか復活できた。
色々迷惑をかけるかもしれないが、またよろしく頼む」
担任に呼ばれ、セージは教壇らしき場所からクラスメートに向けて挨拶をする。
セージの挨拶が終わると、今度は転入生の紹介を行おうとしていた。
担任の合図で、二人の女生徒がやって来る。
一人は青髪に緑のメッシュが入った女生徒、もう一人は黒髪のロングストレートヘア。
セージにはどちらも面識があったのか驚いていた。
「たった今紹介に預かったゼノヴィア・伊草だ。様々なことを学べたらと思う。
よろしく頼む」
ゼノヴィアの紹介を今更ながらと思いつつも耳を傾けていると
次の女生徒の名乗りに、セージは驚きを隠せなかった。
「は、初めまして……天野、天野夕麻です……」
歴史は繰り返されるのだろうか。
目の前にいたのは、かつてイッセーを亡き者にせんとし、セージもまた毒牙に掛けられた
堕天使のそれであった。偽名もそのまま。
学習能力がないのかとさえ疑えるそれに、セージは驚きを隠せないのだった……
>無限大百科事典
今までの記録再生大図鑑+モーショントレース機能を搭載しています。
死に設定になりつつあるカードコストも無視できますが、それはもうどうでもいいような……
モーショントレースは仮面ライダーディケイド・コンプリートフォームの最強フォーム呼び出しの
モーションから着想を得ています。
しかもモーショントレースは組み合わせ可能とか我ながらすんごいチート。
今に始まった事じゃないけど。
勿論、分身してモーショントレースをすることも可能です。
>クロスゲート回り
OGMDのネタバレ要素を孕んでいますが……
ぶっ壊せるヴィジョンが見えただけで、この世界で実行に移せるかどうかというと別の話。
○○○○。○○・○○○○○○もカド。ム・○○○○○もいないので。
後者はアインストが既に現れているので因子が……
>アーリィ
重ね重ね。SINSOU様、本当にこの度はありがとうございました。
この世界のアーシアやゼノヴィアにも御礼を言わせたかったので
帰還に(強引に)間に合わせました。
結果としてアーリィ節はなりを潜めてしまった感が強いですが
今回は良い経験が出来たと思います。
多分やってきた世界はあの世界とは「極めて近く、限りなく遠い」世界でしょうけれど
今後に幸あれと言う事で、改めてこの場を借りてお祈りさせていただきます。
>天野夕麻
始まりを告げた堕天使(のそっくりさん)が現れた段階で
「ハイスクールD×D 同級生のゴースト」は最終幕を迎えます……