ハイスクールD×D 同級生のゴースト   作:赤土

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今回の連続投稿にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
これにて連続投稿の締め、反撃編です。

いよいよセージの新たな力がベールを脱ぎますよ。
皆様のご期待に沿えるかどうかはわかりませんが
今まで苦汁をなめさせられていたセージが、いよいよ本格的な反撃に出ます。


Launch a counterattack

アインストレヴィアタンの上空に、次元の裂け目が走る。

空はガラス窓を割るように破裂し、その中から紫の光と赤い光が飛び出す。

赤い光はサーゼクスを抱え、紫の光はセラフォルーを放り投げ荒廃しきった駒王学園に降り立つ。

 

「あ……あ……!!」

 

「う……い、イッセー……セージ……?」

 

「部長さん! 見てますか!? イッセーさんに……セージさんが……!!」

 

降り立った光に呼応するかのようにアーシアに看病されていたリアスが目覚め。

光の正体に、ある者は驚愕し。ある者は感極まり。

 

『ここが…………の世界か』

 

「よく聞こえなかったが、多分違う」

 

『そうか、大体分かった』

 

ここに、次元の狭間に送られた赤龍帝(ウェルシュ・ドラゴン)が蘇り。

次元の狭間で産声を上げた紫紅帝龍(ジェノシス・ドラゴン)が降臨したのだ。

 

「赤龍帝……何度来ようと……同じ事……」

 

「同じなものかよ! よくも部長を痛めつけてくれたな!

 それに今度は宿命のライバルじゃない……俺のダチが手を貸してくれるんだ!

 部長のためにも、セージのためにも俺は負けねぇぞ、ドライグ!」

 

『白いのが気がかりは気がかりだが……いいだろう。

 あの新入りドラゴンの力は、戦いの中で見させてもらおう!』

 

「フリッケン。事実上の初陣だが、やれるか?」

 

『当然だ。俺を誰だと思ってる。

 手始めにセージ。さっきの力の応用で、カードが二枚引けるぞ』

 

紫紅帝龍――フリッケンの声に従い、セージの記録再生大図鑑(ワイズマンペディア)が光を放つ。

僅かながらに形状の変化したそれは、今までのカードスロットの部分が増設されていた。

 

DIVIDE!!

BOOST!!

DOUBLE-DRAW!!

 

LIBRARY-ANALYZE!!

 

COMMON-SCANNING!!

 

「アインストレヴィアタン。あれ? そういえばこいつさっき……

 

 い、いや違う! 読める! 読めるぞ!

 弱点は赤い球体の結晶。アインストに属するもの共通の弱点。

 『エアヴァルトゥング』――砲は再チャージに時間がかかり

 その間を『シュワンツアハウエン』――尾のなぎ払いに

 『エレガントアルム』――上半身の触腕で埋める攻撃法。

 止めとして右手で握り潰す『ウアタイルスクラフト』を用いる……。

 また、水や氷を操る事もある、か。

 長時間身体を形成する『ミルトカイル石』の影響を受けたものは

 アインストに精神を支配され、アインストになってしまう――」

 

セージの基本的な能力である対象物のデータの読み取り。

それが、紫紅帝龍の力なのか、あるいはセージ自身が進化させたものか。

ここに来て、大幅な強化を遂げていたのだ。

 

「……!? 私の……知らぬ……力が……?

 あなたは……何者です……?」

 

『「通りすがりのドラゴンで……人間だ! 覚えておけ!」』

 

セージの身体――魂には未だ悪魔の駒(イーヴィル・ピース)が植え付けられている。

されど、セージの心は初めから人間のままである。

それが、白金龍(プラチナム・ドラゴン)に対しリアス・グレモリーがつけた名前――

歩藤誠二ではなく、人間としての名前――宮本成二を名乗った理由でもある。

 

たとえその身は悪魔であれど、心は決して悪魔には渡さない。

その心意気こそが、セージをセージ足らしめている最大の力であった。

 

COMMON-SCANNING!!

 

「骨の方はアインストクノッヘン。触手を生やした方はアインストグリート。

 どちらも弱点はさっき言ったとおり。触手のほうは顔に当たる部分から

 『ハイストレーネ』ってビームを撃つ。気をつけろ。

 勿論、『エレガントアルム』――触手にも気をつけろよ。

 イッセー。分かってるとは思うが……」

 

「……いや、あんなわけの分からない生物に俺のロマン理解してもらえるとは思ってないぜ……。

 あれは触手丸とは違う。違うんだ……」

 

セージの突っ込みに落胆した様子でイッセーは新たに召喚された

触手の束で形成されたアインスト――アインストグリートの討伐に向かう。

木場や朱乃、小猫といったリアスの眷属らが戦ってはいたものの

一向にその数を減らすことは無かった。そこに、イッセーが駆けつけたのだ。

これにより、ある程度の挽回は可能になったかのように見える。

 

「次を試してみるか――!」

 

DIVIDE!!

BOOST!!

DOUBLE-DRAW!!

 

GUN-EXPLOSION!!

 

SOLID-SHOTGUN!!

 

次にセージが実験したのは「爆発」の魔法と「銃」の実体化。

これにより、爆発――つまり散弾を発射する銃が完成したのだ。

実際、この時点でこの銃は力不足である。悪魔相手ならいざ知らず

アインストに光力は然程効果が無いことは証明されている。

カテレアだったアインストレヴィアタンに向けても

こうも格が違えば威力は期待できないだろう。

 

「あらあら。まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいですわよ?」

 

「遊んでるつもりはありませんがね。ただどれ位のことが出来るのか、は早く知りたいですね」

 

笑いながら茶々を入れてくる朱乃の背後に立ったアインストめがけ

セージが実体化させたショットガンが火を噴く。

威力自体は爆発魔法を銃で撃っているような感じであった。

それは、力不足と言うほどでもないが大将首を刈り取るには不足感がある。

完全に、雑魚散らし用だろう。或いは接射すれば話は変わるかもしれないが。

 

「お次は――!」

 

DIVIDE!!

BOOST!!

DOUBLE-DRAW!!

 

FEELER-SWORD!!

 

SOLID-SWING-EDGE!!

 

セージの左手から触手が伸びる。

以前イッセーにせがまれ披露したら、何故かバッシングを受けた。

しかしそれでもセージにしてみれば使い勝手は優秀であるため、事あるたびに使っている。

以前は一本だけだった触手も、複数本に増えている。

アインストグリートみたいに、全身が触手の相手と比べると見劣りするが。

今回実体化させた触手は、先端や茎の部分に刃が仕込まれている。

それを振り回すものだから……当然、広範囲に攻撃が届く。

 

しかしこの触手、欠点もあった。

一つは、刃が仕込まれているため味方への被害も考慮せねばならないし

緊急時に対象を触手で捕まえて逃がすと言う方法が使えない。

また、今回のように触手などしなる長物を振り回す相手だと――

 

「あ。絡まった」

 

「セージ君。試すのはいいけどさ、相手をよく見たほうがいいんじゃないかい?」

 

「ご尤もだ。助かったよ、祐斗」

 

木場の援護を受けながら、そして力を試すようにアインストの軍勢の数を減らしていく。

その姿は、神仏同盟や三大勢力に再び闘志を与えていた。

 

「赤龍帝が……兵藤君が生き残った形か。しかし、あの謎のドラゴンは一体……」

 

「ひどいよ~、なんでサーゼクスちゃんがちゃんと抱えられてて

 私はぞんざいにぶん投げられてるのよ~、普通逆じゃない!?」

 

アインストレヴィアタンの攻撃から辛くも生き残った形の二人の魔王。

あの時次元の狭間に飛ばされた彼らだったが、その先に偶々イッセーとセージがいたのだ。

通り道だから、と言う理由でイッセーは真面目に、セージは渋々救助していた形となる。

ともあれ、これで冥界にとって最悪の事態は免れたことになる。

……苦しみが伸びただけ、とも取れるかもしれないが。

 

DIVIDE!!

BOOST!!

DOUBLE-DRAW!!

 

HIGHSPEED-STRENGTH!!

 

EFFECT-CHARGEUP!!

SOLID-GYASPUNISHER!!

 

「塔城さん! 使って!」

 

「……やっぱりこの武器、しっくり来ます」

 

一方、セージはギャスパニッシャーを実体化させ、小猫に渡していた。

そして能力の強化も、速度・パワーの両方を強化できるようになっている。

強化された戦車の力で。物凄いスピードで質量武器を振り回すのだから

その威力は折り紙つきだ。

 

「……ギャー。後はあんたがやりなさい」

 

「ええっ!? ぼ、僕ですかぁ!?」

 

小猫からの提言で、ギャスパニッシャーの装置ではなくギャスパー本人の力で

アインストの動きを止めよう、と言う話になっている。

今まで震え上がっていたギャスパーだったが、一歩ずつ前には進もうとしていた。

ただ、その環境があまりにも恵まれていなかった。

なまじ至れり尽くせりで、外に出ようという気概を悉く打ち消していた幽閉時代。

強引に連れ出されるも、あまりにも強大な敵が立ちふさがった今。

しかし、ここに来てイッセーと本領を取り戻したセージと言う二人の味方が来たのだ。

いや、ギャスパーが目をそらしていただけで初めから味方はいたのだろう。

 

「……セージ先輩だって新しい力を手に入れた。陳腐な言い方だけど

 きっとセージ先輩は諦めなかったんだと思う。だからやるだけやってみて」

 

「そうだぞギャー助! 万が一があっても俺たちでフォローする!

 俺とセージは飛ばされても生きて帰ってきたんだ! 俺たちを信じてくれ!

 だから、俺もお前と一緒に戦わせてくれ!」

 

「わ……分かりましたぁ!!」

 

ギャスパーの目が怪しく光り、視線に入ったアインストが軒並み動きを止める。

そこに、ギャスパニッシャーが振り下ろされアインストは粉々に砕かれる。

ギャスパーの神器は、確かに正しく使えたのだ。

 

「や……やった! 出来た! 出来ました!」

 

「……やれば出来るじゃない、ギャー君」

 

「いいぞギャスパー! その調子だ!」

 

ギャスパーの活躍。それに沸き立つリアス眷属。

消耗し、立ち上がることの出来ないリアスだがその様子を見て感涙している様子ではある。

 

「ギャスパー……あんなに笑って……

 それにセージも……私、セージには何もしてあげられなかったから……」

 

「部長さん……」

 

宥めるようにリアスを抱きしめながら、アーシアはただ戦う者達の無事を祈る。

神でも、悪魔でもなく。ただ、彼らが無事であることを。

 

そして、いよいよ取り巻きのアインストクノッヘンに

アインストグリートはその数を大きく減らした。

残すはアインストレヴィアタン。かつてカテレア・レヴィアタンだったもの。

その強大な力は数多の神にも匹敵しかねない。

しかし、だからと言って倒さないわけにも行かない。倒さねば、この世界の未来は無いのだ。

 

「何故……拒むのです……静寂なる……世界を……」

 

「世界のあり方を決めるのは誰か一人であるべきではないと私は思います。

 まして、あなた方は他世界の存在でしょう。

 干渉しようと言うこと自体が既におこがましいのですよ」

 

「理解……不能……」

 

ヤルダバオトの指摘に逆切れするかのように、アインストレヴィアタンの攻撃は激しさを増す。

しかし攻撃のタネは、今までの戦闘やセージのスキャニングで読まれている。

威力は凄まじいが、完全に防げない攻撃でもなくなっているのだ。

 

『セージ。こいつは今までの小手先は通じない。

 こうなったら……ちょっとくすぐったいかもしれないが、俺の真価を見せてやろう。

 自分に「半減」と「倍加」をかけるんだ。順番を間違えるなよ?』

 

「――? わかった。こうか――?」

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

言われるがままに、セージは「半減」と「倍加」の力を行使する。

すると――

 

「うぇ!? せ、セージが増えたぁ!?」

 

「あらあら。二人もセージ君がいたら困ってしまいますわね」

 

「高速移動の分身、って訳じゃ無さそうだね」

 

そう。紫紅帝の龍魂(ディバイディング・ブースター)が光ったと同時にセージが二人になったのだ。

「半減」を使うことでセージ自身が半減――つまり二人に分かれる。

2分の1であるそれぞれのセージが「倍加」を使うことでそれぞれは1と1――

つまり、同一の能力を持つ分身が現れたことになるのだ。

 

「「これは……面白い能力だ」」

 

『まだまだ増やせるぞ。試してみろ』

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

DIVIDE!!

BOOST!!

 

「「「「なるほど」」」」

 

「「「「これは戦術の幅が」」」」

 

「「「「広がりそうだ」」」」

 

都合32人ほどにまでなったセージの大群。

しかも1人1人がオリジナルと全く同一の能力を有している。

赤龍帝は10秒毎に際限なく自身の力を倍化させるというが

赤龍帝の力と白龍皇(バニシング・ドラゴン)の力を限定的とは言え行使できる紫紅帝龍の力は

半減と倍加。それぞれを組み合わせることでこうした拡張性の高い力を生み出しているのだ。

 

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)では出来ないこと、それは――

 

「前衛! 接近戦用の装備で突撃スタンバイ!

 中衛! 前衛のアシスト、ならびに援護射撃!

 後衛! ラッパ演奏! これをローテーションだ!」

 

なんと、セージがセージに指揮を出しているのだ。

自分相手の指揮だから、コンビネーションもあわせやすい。

しかも、セージの能力は今までに培ったものだけでも多岐にわたる。

それらを最大限に活用すれば、禁手に匹敵しかねない、あるいはそれを超える力を発揮するのだ。

 

SOLID-TRUMPET!!

SOLID-SHOTGUN!!

SOLID-DEFENDER!!

SOLID-PLASMA FIST!!

SOLID-GYASPUNISHER!!

 

EFFECT-CHARGEUP!!

EFFECT-TOTUGEKIRAPPA!!

 

PROMOTION-ROOK!!

 

大盤振る舞い。先ほどからカードコストを一切度外視している。

久々に揮える力でセージが有頂天になっている部分があるかもしれないが

実際問題、アインストはこれ位やらないと倒せない部分があるだろう。

フル装備、能力強化済みのセージの軍勢がアインストレヴィアタンめがけて突撃していく。

 

「何故……抗うのです……?」

 

「お前の言う世界が、正しいとは思えないからだ!」

 

陣形を組み、ディフェンダーでアインストレヴィアタンの攻撃を防ぎ

その影から魔法や砲撃で援護射撃が行われる。

それらの攻撃は蚊に刺された程度の威力しか発揮しないが

本命は、接近しての一撃だ。

 

プラズマフィスト、ディフェンダー、ギャスパニッシャー。

今までセージが記録した様々な武器が、戦車(ルーク)の力で振り回される。

さらにセージが変化した戦車の持つ力は――

 

EFFECT-STRENGTH!!

 

重力の操作、衝撃の方向変化など。「力」とつくものを自在に操れるのだ。

これによりアインストレヴィアタンの攻撃を無力化し

セージの攻撃は逆に次々と突き刺さっていく。

一人ならばできない作戦だが、セージは自分が増えることで能力の使い手を分担。

これらの能力を無駄なく発揮している。

多岐にわたる能力を余すところ無く発揮するためにたどり着いた、一つの結論であった。

 

「……もう全部セージ一人でいいんじゃないかな」

 

「ぼさっとすんなイッセー! お前も戦いに参加しろ!」

 

後ろで様子を見ていたイッセーに、セージの一人の野次が飛ぶ。

そう。セージがどれだけ増えようと、一人一人の力は

アインストレヴィアタンの足元にも及ばないのだ。

そこには、自身の力を極限まで強化できる赤龍帝の力は不可欠だ。

 

「俺が動きを押さえるから、一撃でかいのを頼む」

 

「分かった、行くぜドライグ!」

 

BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!! BOOST!!

EXPLOSION!!

 

赤龍帝の倍加。禁手(バランスブレイカー)である現時点では、瞬時に最大限まで倍化させることが出来る。

セージには、その芸当は不可能である。そのため、イッセーに依頼するしかなかったのだ。

そしてさらに、その強大な一撃を繰り出す事ができる者は、まだ存在している。

 

「その強大な一撃、私も参加させてください」

 

「天照様!? ね、願っても無い事です!

 力をお貸しいただけるのであれば、これほどありがたい事は……うぐっ」

 

損傷こそあるものの、天照は顕現させていた艤装の46cm砲をアインストレヴィアタンに向ける。

その後ろでは、大日如来が日輪で照らし天照の力を高めている。

彼女の申し出に、セージは深々と頭を下げる。頭痛を伴いながら。

 

「少年。天照の電探と同調は出来るか? 命中精度を上げれば、より確実に倒せる」

 

「分かりました、やってみます」

 

交代要員として待機していたセージの一人が、天照との通信要員に立候補する。

その間も天照の砲撃は続いている。そのセージの役割は、着弾位置の観測。

適宜報告する事で、着弾位置の修正を担っているのだ。

当然、アインストレヴィアタンも棒立ちでこれらの行動を好きにさせているわけが無い。

イッセーには倍化させた力を消耗させようと。天照には大日如来の援護と

セージの着弾観測を妨害しようと。再びアインストの軍勢を呼び出したり

巨大な尾で薙ぎ払いを仕掛けてきたりしている。のだが――

 

「ふんっ……!」

 

「「「「ここは俺たちで押さえる!」」」」

 

飛んできた巨大な尾は小猫と戦車に昇格(プロモーション)したセージの軍団が押さえに回り。

 

「本当に次から次へとキリがありませんわねぇ」

 

「けれどさっきから同じことを繰り返していると言う事は

 相手もタネが切れたってことですよ副部長」

 

「「「「だからこいつらを押さえて、でかい一撃を入れてもらえば倒せるかもしれない!」」」」

 

アインストの軍団は朱乃の魔法に木場のスピード、そしてセージの軍団が各個撃破。

 

「言ったはずですよ。その程度の攻撃ならば防ぐのは造作もありません、と」

 

「アザゼルとサーゼクスの分は私が引き受けましょう。偽神と組むのに思うところはありますが

 今はあの攻撃を防ぐことが大事ですからね」

 

ヤルダバオトとミカエルがバリアを張り、尾のビーム――エアヴァルトゥングを防いでいる。

こんな事態になってようやく三大勢力の足並みが揃い始めてきたのだ。

共通の敵がいれば、それを倒すために協力することはよくあることではあるが。

ともあれ、こうしてアインストレヴィアタンは三大勢力と神仏同盟に押される形となっている。

 

「何故……どうして……望まれる……静寂なる……世界を……」

 

「言ったはずですよ。それを決めるのはあなたではありません」

 

尾を掴まれたアインストレヴィアタンは動きを止め、着弾観測も同時に完了する。

今まさに、太陽の神と赤龍帝の最大の一撃が繰り出されようとしていた。

 

「天照様、今です!」

 

「わかりました。第一、第二主砲――斉射、始め!」

 

セージも着弾観測など初めての行いであったが、無事に天照の砲撃は

アインストレヴィアタンに突き刺さる形となった。

徹甲弾の直撃を受け、その巨体を大きくのけぞらせる。

再生の隙を与えることなく、次は赤龍帝の攻撃が繰り出される。

 

『準備は出来ているぞ、相棒!』

 

「ああ――ドラゴンショットぉぉぉぉっ!!」

 

イッセーの左手から放たれたエネルギーは、確実に天照の砲撃が狙った場所を貫いている。

この一撃で、さらにアインストレヴィアタンはその体勢を大きく崩す。

そしてさらに――

 

「「「「俺達も仕掛けるぞ! たとえ一撃が弱くとも……」」」」

 

「「「「再生の暇を与えなければ!!」」」」

 

続く形で、セージが思い思いの最大威力の攻撃を繰り出している。

ギャスパニッシャー、ディフェンダー、プラズマフィスト。

そして見よう見まねの面ドライバーキック。一撃の威力はないものの

これを複数で休み無く繰り出しているのだ。

 

「僕も参加させてもらうよ!」

 

「それじゃ、私もお邪魔させてもらおうかしら」

 

「……行きます!」

 

「ぼ、僕だって!」

 

セージに感化される形で、リアス眷属も攻撃に参加する。

一人ひとりは、アインストになる前のカテレアにさえ及ばない。

だが、こうして集まることでその威力は途轍もないものになっているのだ。

 

朱乃の雷は、プラズマフィストの電圧をさらに強化し。

木場の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)は、デュランダルが変異したディフェンダーとの連携で

カテレアの弱点であった光力を叩き込み。

小猫の力は、セージによってさらに増幅され、同時攻撃を叩き込まれ。

これらを補うように、アインストレヴィアタンの周囲にはギャスパーが変化した蝙蝠と

消耗の関係で攻撃に参加していないセージが撹乱に回っている。

 

リアス眷属、神仏同盟、三大勢力。一斉攻撃の前に

ついにアインストレヴィアタンは崩れ落ちようとしていた。

その証拠に、弱点である赤い球体が露出してしまっている。

 

「何故……私は……新たな……世界を……」

 

「弱点が露出した! ここを叩けば!」

 

「もういっちょ行くぜ! ドラゴンショット!!」

 

「続けて撃ちます! 全主砲、斉射!!」

 

天照の砲と、イッセーのドラゴンショット。

再びこの二つの攻撃を受け、今度こそアインストレヴィアタンは沈黙した――

 

「理解……不能……」

 

それと同時に、その身体は崩れ落ち、転移しようとしていたアインストの軍勢も消失。

轟音と共にアインストレヴィアタンの巨体は崩壊、塵すら残らず消え去った。

 

――アインストの触手は、断ち切られたのだ。

 

「終わった……みたいだね」

 

「や、やっと倒せたのかよ……とんでもないバケモノだったぜ……」

 

「これで事態は収束するでしょう……

 ともあれ、今は休むべきでしょうね。一人、酷く疲れた様子の方がいますし」

 

周囲の視線が、セージに向く。

実際、30人以上の分身を作りコストを要求されるカードを大盤振る舞いで濫用したのだ。

消耗をするなと言うほうが無理である。

今まで力を満足に揮えなかった反動もなくは無いのだろうが。

 

「大丈夫……って言いたいところだけど、ちょいとね。

 すまないが、一度眠らせてもらっていいか――」

 

言い終える前に、そのままセージは突っ伏して眠ってしまった。

今しがた眠り始めたと言うのに、もう深い寝息を立てている。

これでは、今のすぐに起きるのは無理だろう。

 

 

 

……しかしこの時、セージの魂にも異変が起きていた。

ただ疲れただけが原因の眠気ではないのかもしれない。

帰還する前、白金龍(プラチナム・ドラゴン)の言っていた忠告。

既に魂が離れて数ヶ月が過ぎたセージ本来の肉体。

そしてこの場での魂への多大な負荷。

 

確かに、セージの右手は戻り、力は増す形でセージの元に戻った。

しかしそれは、また新たな問題の始まりを意味していたのかもしれない――




ガータガタガタキリバッ ガタキリバッ

……これにて連続投稿、終了となります。
ありがとうございました。
以下解説

>イッセーとセージの登場方法
ウルトラマンAより。
超獣出現シーンを再現した……つもりです。
異次元から登場するといえば、これになりましたので。
白金龍はゲートを開けるとは言ってますが、クロスゲートに干渉するとまでは
言ってませんので。というか出来ません。

魔王を助けられたと張り切ってるイッセーと対照的に
この時のセージはすっごくいやそうな顔をしてます。

>セージが新たに得た能力
・今まで獲得した能力を組み合わせて別の能力を作る
昨今力不足になっていた最序盤の木場の剣やフリードの銃。
これも組み合わせ次第であら不思議! 一線級の武器に返り咲いちゃいます!
組み合わせは無限大! 手札を生かすも殺すも自分次第!
……とまあ、実にセージらしい強化を果たしてます。
尚、ラーニング能力は継続中です。

・フルスペックの分身生成
倍加と半減を組み合わせた結果。
自分に半減で2分の1になり、そこに倍加することで1に戻る……

のはいいんですが、半減の際に半分になったのが2つに増えてまして。
そこで倍加をかければ1が2つになる……って寸法。
それぞれ1回しか使えないはずですが、こうして1に戻ったことで
使用フラグがリセットされるため、さらに使用可能となります。
そのため、イッセーみたいに倍加をどんどん繰り返すのは不可能ですが
実質戦力は禁手イッセーとほぼ同等に強化可能だったりします。
……さらに言うとこれ、禁手じゃないんだぜ……?

尚元ネタは仮面ライダーオーズのガタキリバコンボ。
こちら金の動かない二次創作だから使い放題。やったね、すごいね。
でも体力的な消耗や弱点(ダメージの共有)とかは元ネタに倣ってます。
数はオーズTV本編を、使い方は劇場版オーズを参考にしてます。

>イリナは何処へ?
……さあて、ね。
そもそもこの会談自体がアインスト倒してよかったね、で
終わる性質のものではありませんので。

>ヴァーリは(ry
アジュカが無事送り返しました。次話には出てくると思います。
……原作では一大勝負だったはずなのに、因縁がまるっきりないセージがメインでは
こんなもんです。とりあえずセージからコカビエルと同類扱いされているのを
何とかしないことには……

>会談の結果
ある程度三大勢力の足並みは揃いましたが
それぞれが地雷を抱えている上に神仏同盟からは不信感MAX。
さらにヤルダバオトも教師やってる場合じゃない状態ですので……
不幸中の幸いはアインストという共通の敵がいることでしょうか。

ですが……何故コカビエルはアインストを知っていたんでしょうかねぇ。
ヴァーリがアインストを知っていたのは、オーフィスに直接聞いたからですが。
コカビエルがオーフィスとコンタクトを取ったとは考えにくいのに。
堕天使にもアインストに支配された方がいるかもしれませんよ、ククク……

さて。
今回初の試みでしたが、アンケートご協力いただきありがとうございました。
4巻部分は残すは事後処理と禍の団とアインストが襲ってきたその時の
超特捜課、並びにゼノヴィアらの様子を描くことになると思います。

5/23追記・変更。
ちょっとややこしかったかもしれませんが、まだセージの身体は病院ですよ?
誤解を招いたかもしれない部分を一部修正。
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