ペルソナX訂正版   作:keimei

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第22話救済の雷

黄金の雷撃が境界を駆け抜ける。

 

 シャドウは雷を腕で受け止めながら舌打ちした。

 

「チッ……! 雷程度で俺を止められると思ったかァ!」

 

 黒い瘴気が爆発する。

 

 衝撃で雷斗と知は後方へ吹き飛ばされた。

 

「ぐっ……!」

 

「くそっ……!」

 

 二人は地面を転がりながらも、すぐに立ち上がる。

 

 雷斗は肩で息をしながらタケミナカタを見上げた。

 

 初めて呼び出したペルソナ。

 

 身体中から力が抜けていく。

 

「まだ……思うように動かせねぇ……。」

 

 タケミナカタは静かに雷斗の横へ立つ。

 

 その姿は揺らぎ、霧のように薄くなっていた。

 

 まだ契約したばかり。

 

 長時間の顕現はできない。

 

 知は雷斗の様子を見ると、小さく笑った。

 

「無理するな。と言いたいがまだ踏ん張れるだろ」

 

「当たり前だ。」

 

 雷斗も笑い返す。

 

「小田上を助けるんだろ。」

 

「ああ。」

 

 二人は同時に駆け出した。

 

 シャドウは狂ったように笑い始める。

 

「アハハハハハハハッ!! いいねぇ! 最高だ! 傷だらけなのに立ち上がる! 本当に滑稽だァ!!」

 

 黒い瘴気が拳へ集まる。

 

「まとめて潰してやるよォ!!」

 

 瘴気を纏った巨大な拳が振り下ろされる。

 

「雷斗!」

 

「ああ!」

 

 知はアビスギアを構える。

 

「メダルチェンジ!【アラミタマ】」

 

 カチッ。

 

 メダルが回転し、新たな力が装填される。

 

 知は真正面から拳を受け止めた。

 

「ぐぅっ……!」

 

 腕が軋む。

 

 今にも折れそうだ。

 

 それでも退かない。

 

「雷斗!」

 

「任せろ!」

 

 雷斗がタケミナカタと共に跳ぶ。

 

「ジオ!!」

 

 黄金の雷がシャドウの腕を撃ち抜く。

 

「ぐぁっ!?」

 

 一瞬だけ体勢が崩れた。

 

 その隙を知は見逃さない。

 

「今だ!」

 

 アビスギアが蒼い輝きを放つ。

 

「来い!【エンジェル】コウガ!」

 

 光がシャドウの身体を包み込んだ。

 

「なっ……!?」

 

 シャドウが目を見開く。

 

 身体から黒い霧が引き剥がされ始めていた。

 

「やめろォォォォ!!」

 

 瘴気が暴れ狂う。

 

 知は歯を食いしばる。

 

「雷斗!」

 

「分かってる!」

 

 雷斗は小田上へ向かって叫んだ。

 

「小田上ぁぁぁ!! 聞こえるんだろ!!」

 

 黒い瘴気の奥で、小田上の瞳が微かに揺れる。

 

「……らい、と。」

 

「帰って来い!」

 

 雷斗の叫びが境界へ響く。

 

「お前は一人じゃねぇ!!」

 

 知も続ける。

 

「みんな待ってる! だから戻って来い!」

 

 その瞬間。

 

 アビスギアが一際強く輝いた。

 

 バァァァァァン!!

 

 黒い霧が弾け飛ぶ。

 

「ガァァァァァァァァッ!!」

 

 シャドウの絶叫。

 

 そして、小田上の身体が前へ倒れ込む。

 

「小田上!」

 

 雷斗が受け止める。

 

 息はある。

 

 しかし身体は震え続けていた。

 

 ゆっくりと目を開ける小田上。

 

 その視線の先には、自分と全く同じ姿をしたシャドウが立っていた。

 

 だが、その身体は崩れ始めている。

 

「アハ……アハハハハハ……!」

 

 シャドウは腹を抱えて笑った。

 

「何だよ、その顔! 助かったと思ってるのかァ!? まだ終わってねぇんだよ!!」

 

 黒い瘴気が噴き上がる。

 

 身体が膨れ上がる。

 

 人の姿を保てなくなるほどの瘴気が境界を埋め尽くした。

 

 その瞬間。

 

 結界の一部へ大きな亀裂が走る。

 

 バキィィィン!!

 

 光が差し込む。

 

「ようやく開いたわねぇ!」

 

 聞き慣れた声。

 

 亀裂から飛び込んできたのはミロクだった。

 

 大鎌を肩へ担ぎ、不敵に笑う。

 

「まったく、アンタたちって本当に手が掛かるんだから。」

 

 善吉が振り返る。

 

「ミロク!ずりぃぞ!」

 

「アタシも混ぜなさいよ。結界でフラストレーションが満タンだから」

 

 ミロクはシャドウを見据え、表情を引き締めた。

 

「でも安心するのはまだ早いわ。この気配……普通じゃない。」

 

 黒い瘴気はなおも膨れ上がる。

 

 シャドウは狂気に満ちた笑みを浮かべる。

 

「アハハハハハハハハッ!! そうだ! これでいい! 全部壊してやる! 全部だァァァ!!」

 

 境界そのものが激しく揺れ始めた――。

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