深海棲艦、其れは
ーーー数年前に突如として現れた、人類の宿敵。
艦娘、其れは
ーーーかつての大戦で活躍した軍艦の魂を宿し、深海棲艦と戦う宿命の少女たち。
ある日の夕暮れ
ブロロロ...お、郵便局のバイクか。どうやらポストになんか入れていったようである。
ポストの中身を確認するとーー赤い封筒が入っていた。
住民税の督促状であろうか。しかしいきなり赤なんて来るか?てかちゃんと払ってるゾ。う〜む、分からん!そんなことを考えるのもほどほどに、俺は封筒を手に取り中身を見る。
「大本営ヨリ臨時召集令状」
「右臨時召集ヲ合ワセラレル依テ左期日到著地ニ參著シ此ノ令状ヲ以テ〜」
「召集部隊;新設前線鎮守府」
「宛先;提督」
ファ!?
いや待て、意味がわからん。大本営?召集??提督???
どういうことだ...そもそも宛先提督ってなんだよ。
提督って、あの提督??いつかの教科書に載ってたヤツ?
ん?
あ、なるほど。ようやくわかったわ。これ、誤配達だ。
きっと近所に提督が住んでいるのだろう。
そういうことなら話は別だ。善は急げ、善良な一般市民である俺は、今からこの赤い封筒を郵便局に返しに行こうと思う。
...アレ、これって結構重要そうな書類だけど、勝手に見ちゃって大丈夫だったかな?
そんなことを考えながら扉を開ける。そして俺はーーー
扉を閉めた。
あと鍵も閉め、チェーンもかけた。
◼️
な ん か い た
誰だアイツ。
俺が扉を開けると、目の前には、175cmを超える、俺にも負けぬ長身の女が立っていた。
そして、何かを言いながら飛びかかってきたのだ。だから俺は、扉を閉めた。
「バーニンg」ビシャン
あ...
扉にぶつかったようだ。結構な勢いで飛びかかってきてたので痛そうである。
「〜〜〜!!」ドンドンドンガチャガチャガチャ
心配は無用であったようで、何か叫びながら扉を開けようとしている。
何?何なの??誰?あの人誰??恐ろしすぎんだろ!!
そうだ!こういう時はポリスメンに助けを求めるのだ。俺はスマホを取り出し緊急SOS機能で電話をかけようとする。えーっと何番だっけ...!あ、そうそう思い出した。百十番だ。
クソ、暗くて打ちにくい。もう陽は沈もうとしていた。
ポチポチ「イチ、イチ、ゼr」
バキバキ...ドバーーン!!!
俺がスマホから顔を上げると、そこにはある物がなかった。玄関なら必ずあるあれが...
ーーーーそう......扉がな!!!!!!
えぇ...困惑である。扉ってそんな簡単にブチ破れるもんなのだろうか。今度試してみるか。
そして、扉をブチ破った女は快活な声で自己紹介をし始めた。「英国で生まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」
何だこいつ。人ん家の扉壊しといてこのテンションか...
俺は恐る恐る声をかけてみる。
「え〜っと、君何者?人の家壊さないで欲しいんだけど(切実)」
彼女答えて曰く
「Oh〜!ワタシとしたことが大切な提督のお家を壊してしまいました〜...I'm sorry〜 (´-ω-`) 」
何だその顔。絶対反省してないだろ。
......ン?
今こいつなんて言った?確か俺のこと「提督」って言ったよな。
「え〜っと、色々ツッコミ所が多すぎて頭が追いつかないんだ...君今俺のこと提督って言った?」
「YES!アナタこそワタシの運命の提督デース!」
えぇ...困惑である。てことはさっきの赤紙はちゃんと俺宛てだったってこと?
郵便局の人、疑ってスンマセン!
ああ、だめだ。気になることが多すぎる。とりあえずこいつに色々聞いてみるか。
「えぇ〜と他にも聞きたいんだけど〜…」
◼️
フム...大体理解した。
扉をブチ破った彼女の名は「金剛」というらしく、先の大戦で活躍した戦艦の魂を宿す艦娘であるとのことだ。
そんでもってどうやら俺には「提督適正」なるものがあるらしい。
ちなみに提督適正とは、鎮守府の運営に不可欠な「妖精さん」たちとの意思疎通ができる特別な能力であるとのことだ。
そして上記の通り、鎮守府の運営には提督適正保持者が必須なのだが、どうやら万年成り手不足であるようで、こうして俺にもお声がかかったというわけだ。
ちなみにもう「妖精さんってなんだよ!」とか考えるのはやめた。
「つまり君は大本営の命を受けて、貴重な提督適正保有者であるこの俺を迎えにきたってわけだ?流提督候補ともなると高待遇ってことかね」
しかし解せんな。直接迎えがくるのなら別に赤紙はいらんと思うのだが...
全く、税金の無駄遣いとは感心せんな。
「いいえ?ワタシはアナタに早く会いたくて来ただけよ?やだもう、言わせないでクダサイヨー///」顔を赤面しながら金剛は答えた。
......ン?(本日2回目)
「つまり何だ、お前は特に命令とかなくただ単に来たいから来てて、俺ん家の扉は特に意味もなく壊されたってことか??」
「ェ゛ッ...あ、えーっと......」そうしてモゴモゴ言葉を詰まらせてから彼女は......
「Sorry!I'm not good at speaking Japanese!Please tell me in English!」
すっとぼけた。
◼️
し ば く ぞ
はあ...この扉の修繕費いくらかかるんだろう...
「......シバクゾ」
「?何か言いマシタか?」金剛は首を傾げる。
おっと危ない。「いや、特には。」そう答え、俺は話の本題を思い出す。
そうだ、俺が提督として大本営から召集がかかってるという話だったな...
そうなれば話は単純だ。
「え〜と金剛...さん?」
「金剛とお呼び下サーイ!」
「ゴホン金剛よ、俺は提督になる気はーーない。」俺は言い切る。
「そもそも召集状ってなんだよ。お前んとこの大本営は憲法13条を知らんのか」
人権侵害反対である。
「ともかく、だ。俺は提督になる気はさらさらない。断るのに何か手続きとかが必要なら後日また連絡をくれ。とにかく今日のところは引き取ってくれ。」扉どうしようかな...
金剛がシュンとなる。う〜んかわいそう。言い方がキツすぎたかな。
そんなことを考えていると、金剛がブチ壊したガラ空きの玄関に黒い影が......あるような、ないような......
シュバッ
「お、なんだ?」闇に紛れて何かが入って来た......気がする。
そしてーー
「モゴモゴ」背後から突然口元に何か押し付けられた。
ーーークラッ あれ、なんか視界が歪んで......意識が遠のいていく。
おそらくハンカチには揮発性の高い睡眠薬か何かを染み込ませてあったのであろう。
言葉を絞り出す。「誰...だ...?金剛......じゃない...」
なんせ金剛は目の前にいる。
「Oh〜力技はあまり望むところじゃないのデスガ...」
え?金剛がやったの?彼女の目線は俺...というよりは俺の後ろに向いていた。
彼女は「やれやれ」といった風に首を振る。
⁇:「残念。違うよ。やったのはこの私だ。」
背後から声が聞こえる。「川内......参上!夜戦なら任せておいて!」
その言葉が聞こえたのを最後に、俺の意識は玄関外と同じく闇に沈んでいった。
自分自身初めての執筆活動、初めての投稿です!
いろいろおかしいところもあるかとは思いますが、温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
間違いの指摘なども大歓迎です!(でもあんまり強く言われると悲しいので優しくお願いします!)
次回の投稿は未定ですが、そこまで遅くはならないと思います!
とにかく、こんな拙い文章を最後まで読んで下さり本当にありがとうございます!